まだ空っぽのトートバッグを肩に掛けて、東京ビッグサイトを目指す、不思議なワクワク。
はじめてのデザフェス。ここに来る日がこようとは。
デザフェスに行きたくなったのは、どうしても行きたい作家さんのブースがあったから。
去年、写真で見て以来、どうしても買いたかったイヤリングが奇跡的に今年も並ぶと知って居ても立ってもいられず。
これまでもデパートでハンドメイドブースを見つければ必ず立ち止まるくらいにハンドメイドに関心があって、レジンアクセサリーを作っていた頃があったり、
ヴァネさんからの影響も大きい。デザフェスがどんな感じの雰囲気だったか、何を買って、そしてその後どんなふうにコーディネートに合わせて身につけているかを垣間見て、
食べ物も売っていて、現地で食べるピザが美味しいらしいことや、お土産に買っていたお煎餅?がとても美味しそうだった様子に、興味はますます湧いた。
行けば楽しいに決まってる。
東京ビッグサイトに来るのは今回が2度目で、前回「コミティア」で漫画「モディリアーニにお願い」の相澤いくえさんが出店と聞いて馳せ参じたのが2018年だった。
ちらっと見て回っただけでも、思い思いの作品が並んでいて、黒猫にオレンジのポイントが魅力的なイラスト「黒猫意匠」さんのポストカードは今も大切に持っている。
一気に肌寒い気候になったものの、館内は暑くなるから温度調整がきくものがいいと先人の知恵を見て、
ヒートテックは熱がこもるから着ずに、厚手のパーカーにトレンチコート。
通路は狭くなるし、人とのすれ違いとブースに当たるなんてことにならないように、小さめの鞄とトートバッグにした。
結果、トレンチコートは脱げるなら脱ぎたいくらいぽかぽかしていて、汗をかいているからお手洗いにそこまで行かないくらいだった。
ポカリを持っていても良かったかもしれない。
現地に着くずっと前のコンビニで、
涼しくなったとはいえ熱中症にも備えて、たっぷり容量の麦茶と水。お昼ごはんにおにぎり2つを買っておいた。
もしものエネルギーチャージになるように、おやつのオレオミニも。
これまでドームライブやディズニーで鍛えてもらったおかげで、デザフェス向かうにあたって、飲み物は売り切れたりコンビニが行列になる可能性も考えて、出発前に用意できた。
お昼は現地調達だと並ぶと思って、今回はそれでタイムロスは避けたかったのと、食べたくなったら買えばいいと、とりあえず持っておいた。
歩いて行った先に開ける横幅の広い道と、デデーンとそびえ立つ東京ビッグサイトの逆三角形。そして飛行機。
脇道もあるのだけど、ど真ん中から突き進んで行きたくて、あえて道の真ん中まで出て歩く。
自然と心拍数も早く、みんなで心なしか早歩き気味になる。
この日はデザフェス1日目、土曜日。
開場してすぐは入場に時間がかかる場合もあると調べていたから、12時過ぎに到着したら前売り券でスムーズに入場できた。
エスカレーターを降りたらそこはもうデザフェス空間。
初っ端からぽよんぽよんしてる猫に出会って、グリーティングに乾いていた私は照れを捨ててお隣へ。自撮りで猫さんと記念写真を撮れた。
まだ猫さんの距離感が測りかねていたのか、猫さんの頭がぽよーんとこちらに当たっていて、それはそれで可愛かった。
そして目指すは、デザイナー & イラストレーターさんでアクセサリー作りも素敵な沙野あんさん(X:@Ann_e_design)のお店。
インフォメーションのお兄さんに優しく案内してもらい、事前に沙野あんさんが載せてくださっていた地図を目安に無事発見。
角のスペースだったこともあって、すぐ見つけることができた。
そして、どうか待っていて!と願ったイヤリングをそこに見た感動。これ…!と思うより先に手が伸びる。
沙野あんさんと、お店をお手伝いされている方にご挨拶できて、それも感無量だった。
ゆっくりと見せてもらって、
選んだのはイヤリングと、文鳥さんのコンパクトミラー、ハリネズミさんと女の子のポストカード、
お品書きで前日に見てこれはほしい!と直感したハンカチ。
コンパクトミラーは文鳥さんの後ろの色が濃いグレーや薄めのグレーなど、繊細に違っていて、理想のグレーを見つけられて嬉しかった。
裏面まで水彩感のあるデザインで、ほっこりする。
常に持ち歩くミラーがお気に入りのものになって、これからメイク直すたびにイラストを見てほっこりできる。
ポストカードはどれも可愛くて迷いに迷い、ハリネズミさん。
そして女の子のイラストが一目見て好きな配色で、ビビットなブルーとピンクでありながら、女の子の目線がミステリアスかつキュートで素敵。
さらにハンカチ!見本に触れてみたら、想像以上にふわふわさらさらで触り心地が素晴らしくて、それでいて沙野あんさんの描いたお花にバランス。
グレー地にオレンジが映えていて、手を洗う機会が確実に増えているからこそ、好きなものを持っていたいと購入を決めた。
名刺もいただいて、SNSアイコンで見ていた横顔女の子の絵がとても好きだったから、名刺もグッズのような心持ちで大切にする。
さて、第1希望にたどり着き、もうひとつミッションが数時間後に取ってある整理券であるものの、それまでは自由時間。
裏側もかっこいい三角の東京ビッグサイトを眺めて、三角が多いから強度あるのかな。京都駅みたいだなと思ったりした。
前日にノートに書き出して整理した、見てみたいお店リストを写真に撮って、エリアと階ごとアルファベットごとに周る順を頭の中で組み立てていく。
ながーーーいエスカレーターを上がれば、4階。
ホールに入る前のお手洗いは列が伸びがちだったので、ホール内のこっそりありそうなお手洗いを見つけたら、行きたくなる前に並んでおくお手洗いのプロこと私。
とにかくいろんなアート、デザイン、作品が活気を放っていて、
壁沿いに大きく墨でアートを描く方もいれば、細かーくアートを描き込んでいる方もいる。
ランプなどの明かりが活きる作品たちは、薄暗くなっているスペースで魅力を発揮していた。
その道中、パッと目に入ってきたのが“モロッカンタイル”のインテリア。「Yone's tile」さん。(Instagram @yone.s_tile)
私はモロッカンタイルに目がない。
本当はモロッカンタイルで実際にキッチンの壁などに並べたいけど、そこまでのリフォームはなかなか。それでも好きすぎて、タイルの会社を調べ上げ、タイルだけでも購入しようかと思うくらいだった。
でもタイルが手に入っても、DIYの技術も無いので持て余すだろうな…と一度諦めた。
だから雑貨屋さんや100均に“モロッカン柄”を見つけては、好き!と購入していた。
それが!今!目の前に!
実際のモロッカンタイルで作られたトレイが並んでいる。それぞれタイルの色合わせが違いそうなところがワクワクさせる。
他にもキッチンに合いそうなコンパクトな棚や、コースター、いつか必ずオーダーすると決めたコンパクトテーブルなどがあった。
トレイのまた素敵なのが、カフェトレーとランチトレーでサイズ違いもあるところ。
3時のおやつにコーヒーとお茶菓子を合わせる私にぴっったりな、カフェオレとケーキを乗せたくなるカフェトレー。
取っ手が片側に付いていて、インテリアとして飾ることも出来るようになっていると作家さんに教えてもらって、もう心が掴まれて離れない。私の手からも離れない。
ランチトレーには両側に取っ手で、サイズが違うことでタイルの並びや縦の数から印象が変わるのが楽しい。
外枠の木も、タイルの色に合わせている様子で、明るめの茶が枠の物もあれば、タイルのシンプルな魅力が際立つ濃いめの茶が枠になっている物もあって、どれだけこだわって丁寧に作っていらっしゃるのかが伝わった。
タイルとタイルの間を埋める工程も、詳しくはないけど、綺麗に見事に作られているのはわかる。
モロッカンタイルの良さを今まで共感し合える相手がいなくて、だからこうしてタイルに思いを注いで作品を作っている方がいるんだと感動した。
こんなに素敵な作品と出会って、作家さんといっぱい語り合えて、とびきり嬉しかった。
頭をひねり計算して、予算がぎりぎりその場で足りてくれて良かったと安堵。その場で手に持った宝物を、もう片時も手離す気にはなれなかった。
迷いに迷って、ひとつに絞るのは無理で、カフェトレーとランチトレーをそれぞれ選んだ。
私がこの色合わせを選んだ理由が、分かる人は分かるはず。
早めに行ったから、ポッキーの日なのでポッキー食べてくださいとお菓子までいただいて、
11月11日!ポッキーの日か!とその時に気づいた。ポッキーの日にポッキーをもらったのが初めてでうれしかった。
袋は持参が基本と思っていたから、どうしようかと思ったら、丁寧なプチプチでの梱包と紙袋に入れてもらって、ありがたく無事に家まで持って帰ることができた。
迷いに迷って選んだトレーも2個となるとなかなかの重量で、今振り返って考えると、あの場に運んできたもしくは送ってディスプレイのために並べた作家さんの力仕事もどれほどだっただろうと思った。
ここへ来てくれて、並べてくれて、見つけさせてくれてありがとうございますの思いでいる。
最高にご機嫌な気持ちで移動。
作品との出会いと予算を計り間違えたため、コンビニで休日手数料を払いATMを使ったのは勉強料だった。
噂に聞いていた、お金が飛ぶようにとはこれか…!を経験した。お財布の紐が非常に硬い人間なのに、私なら大丈夫でしょうとか思っていたら。
事前に教えてもらっていた心得として、その場で決めねば次また辿り着けるとは限らないことも肝に銘じていたし、
あのモロッカンタイルは手離してはいけないものだったので、一片の悔いもない清々しい表情でいた。これがデザフェスか。
4階から1階への移動はエスカレーター1本分で済むものの、混み合った場合には規制もあると整理券を取ってあるお店の作家さんがアナウンスしてくださっていたので、早めに移動。
今のうちにお昼ごはんを食べようと室内ベンチに空きを見つけて、事前に買って持ってきたおかげで、マイペースなタイミングでひとりでもぐもぐおにぎりを食べてエネルギーチャージをした。
実際、自分の見たビッグサイト内のコンビニはまあまあ並んでいて、お会計の列に諦める人も見えた。
さっと切り替えて、第2ラウンドに向かう。
ヴァネさんが買いに行ったと話していたアクセサリー作家さんのお店も見つけることができた。
店員さんが明るく優しくて楽しくて、ヴァネさんきっかけで来たことにも気づいてもらって、初めてデザフェスに来たんですと話したら、熱烈歓迎してくれた。
ひとりでここまで来た!すごい!と行動力を誉めてもらえて、わあー来てよかったーとしみじみ思った。
店長さんにも店員さんがあれよあれよと紹介してくださり、ご挨拶させていただいて、心に残る嬉しい接客ってこういうことなんだ…と感動した。
様々なお店を見ながら、購入はこの日の予算として難しいとしても、名刺をもらうことでSNSなり通販なりで縁が繋がることもありがたかった。
道すがら、テレビの街頭アンケートのように大きい紙を広げて、“リラックスする時に何をしますか?”のアンケートを取っているところに立ち止まり、
「よかったら」と声をかけてもらって、“コーヒー”の欄にシールを貼った。
「良いですねー」とリアクションしてくれて、「参加していただいた方にお配りしてます」とまさかのカヌレ型キャンドルを選ばせてもらえた。うれしい。
最後の最後に目指したのは、
「EDEN in bloom」さん(@eden_meri)
あの方に贈り物にしたい!とビビッときたミュシャの「夢想」をコンセプトにしたアクセサリーがあったから。
無事に辿り着いて、整理券のおかげで落ち着いて眺めて、ゴールドチェーンかアンティークチェーンかで迷い、店員さんとこの方に贈りたいんですと話しながら、きっとあの方のコーディネートに映えるゴールドに決めた。
かつてなく歩き、かつてなくいろんな作品を見て、人に囲まれた私の体力バッテリーもそろそろで、3時間半ほどで帰ることに。
出口へ向かう途中に、朝も見た頭の大きいパンダさんが居たので、今度はスタッフさんにお願いしてパンダさんとの記念写真もできた。
ひとりで来ても、記念写真は出来るものだなと思った。
3枚もあらゆる高低差でシャッターを押してくれたスタッフさん、ありがとうございます。おかげでパンダさんの表情が様々です。
東京ビッグサイトを後にして、帰り道に最近ますます花に惹かれている自分にぴったりなアートを見つけた。
帰宅し、一夜明け、購入してきた作品をそっと取り出して並べて眺めている今。しあわせ。
どれを選んだ私も最高の選択をしたと褒めてあげたい。
モロッカンタイル、よくぞ財布の紐に負けずに決心した。褒めて遣わす。写真に撮ってガッツポーズしたくらい、家で見ても素敵な作品ばかり。
はじめてのデザフェス。
今の自分だったから、移動距離も電車も勇気を持って出て来ることができた。
来てよかった。楽しかった!!!!