WATWING「Honey, You!」 - どんな時もどんな君もどうしたって好き

 

はちみつみたいな甘さと、オレンジにイエローの合わさったビタミンカラーを歌から感じながら、

“You”のあとに付く『!』に、迷いなく言い切る清々しさを思って、タイトルから鷲掴みだった。

 

英語で愛しい人を表す甘い言葉は様々あるけど、なぜ見慣れたはずの今になって“Honey”がこんなにダイレクトアタックしたのか考えたくなる。

Honey, You!”の一文に、投げかけた言葉を素直にはキャッチしない相手へ向けた、ちょっとのやれやれという気持ちと、それでも好きなんだって!とめげることなく伝えつづける、あっけらかんとした強さを感じるからかもしれない。

ねえ、君なんだって!と、あまのじゃくな相手もなんのそので投げつづける思いのボール。

 

WATWINGHoney, You!

作詞:大橋ちっぽけさん

作曲:大橋ちっぽけさん

編曲:岩崎隆一さん

 

WATWING(ワトウィン)は、ホリプロ所属のダンス&ボーカルグループ。

メンバーは、髙橋颯さん、鈴木曉さん、桑山隆太さん、古幡亮さん、八村倫太郎さん、福澤希空さん。

ダンスのバネ感が揃いも揃ってすごい。

 

可愛げのあるサビの魅力はもちろん、曲の序盤から、

どうせ 何を着てたって どんな表情だって

絶対 僕に愛されちゃう運命なのにさ

包容力を超えた、キャッチャーミットの広さがすごい。

心配性で素のままを見せられずに、重ね着を続けるような心情の相手に、いたずらっぽく微笑むみたいなその言い方は優しすぎる。

 

Honey, You!

そう全部 恋をしてる

きっと半分だって伝わってないんだろう

指をさして真っ直ぐに見つめるダンスも相まって、そう君!な勢いがある。

それでも、“半分だって伝わってないんだろう”と少し肩を落とすところに、共感する気持ちもある。

どんなにお芝居にパフォーマンスに惚れ込んでも、胸のここにある、恋と言い換えたっていいくらいの強い気持ちは半分も伝わらないもどかしさ。

 

続く歌詞の、

他に言う言葉 見つからんほどに

には、“Honey, You!”と韻を踏んだ“他に言う”の音遊びと、

“見つからん”から滲む関西弁に引き寄せられてしまう。

振り付けがグーにした片手でぽかっと自分の頭の横に当てる動きになっていて、言葉が見つからないと言うより、

君を目の前にして、話そうとしていたことを忘れてしまったと表している感じがして好きだと思った。

 

だって そんなわけないじゃん

24/7 完璧なんて あり得ない

今聴いていて励まされるのはここ。

きっと上手くいかない、出来るはずがない、やり遂げた自分が想像できない。そんな怯えで飲まれそうになる時に、

この言葉がこともなげに、肩にめり込んだ荷物を下ろしてくれる。

 

歌詞の中で、相手は投げかけられる直向きな言葉に“「ああ どうかしてる」”と反応しても、曲の彼はめげることがない。

むしろ、“君だけが 僕をおかしくさせるの” “やっぱ 君こそどうかしてるんだよ”と返せてしまうタフさがいい。

 

だって You!

そう全部 君だから全部

僕は 選び 離さずに ここにいるんだよ?

 

ステージに立つ側も、客席から見ている側も、きっとリンクする歌詞で、どちらにひっくり返るにしても胸に響く。

見たくて見ていて、選んでここにいることが真っ直ぐに伝わったらいいのにと思うことがある。

 

“僕を 僕だけを”の歌詞で、力強く自らを指差す振り付けが好きだったり、大サビで肩ごとババッと弾みをつけるダンスが好き。

親指と小指だけを立ててWを作り両手で動かす動き、大きく羽ばたくような動きには、WATWINGの象徴となる翼の要素が盛り込まれていることがわかって楽しい。

歌もパフォーマンスも見たいから、購入した曲を聴くこともあれば、YouTubeにある Performance Videoのバージョンを再生することも多い。

 

関ジャニ∞の「イッツマイソウル」や「Wonderful World」的な、マドンナに揃って一目惚れなテーマが好きな人にはツボかもしれない、WATWINGのMVもある。

それが「WAIT A MINUTE!」ビートも心地良い曲でおすすめ。

 

Honey, You!」を聴いていると、

好きなのに、好きが真っ直ぐに伝わらない歯痒さを実感しながら、逆に素直に言葉を受け取れていない自分にも気がつく。

しっかり出来るはずと自分にプレッシャーをかけ続けたりしせずに、全然格好のつかない自分でもありだと思えるように居たい。

そんなふうに思いながら、今朝もスマホから再生ボタンを押したら、

ジャケット写真がぴょこぴょこ動いていることに気づいて、細かい…!と新たな感動があった。

 

関ジャニ∞が冬景色のなか、列車から見せてくれたのは、懐かしき停車駅 - ドームライブ「18祭」

 

関ジャニ∞が見たい景色と、見せたい景色。

eighterが見たい景色と、見せたい景色。

ふたつが同じ重さで吊り合ったライブだった。

 

アリーナと、スタジアム、そしてドームでのライブ。

どこで観ても関ジャニ∞のライブは関ジャニ∞のライブで、ここでなくてはという思いはそんなに持っていなかった。

それでも、際立って横山裕さんから今の関ジャニ∞でドーム公演をしたい気持ちが強くあることは伝わってきていて、その時を楽しみに待っていた。

 

前回、東京ドームに訪れたのは、2019年「十五祭」の最終日だった。

メンバーのキャラクターイラストが風に揺れる旗、毛筆で書かれた名前ののぼり、設置されたモニュメントには8人のぬいぐるみの姿があった。

おおよそ3年も、ここに来ることが無くなるとは、あの時考えもしなかった。

 

2023年 1月9日 月曜日

関ジャニ∞ ドームライブ18祭・冬

東京ドーム 17時開演

 

上へ上へと登る階段で着いた席は、照明さんと近いくらいの高さの天井席。

ステージに向かって右めの位置で、遮るものなくすべて見渡せる席だった。

開演前の緊張、高揚感に足してホームの安心感がある不思議な感覚がする。

 

オープニングの映像が始まり、機関車のクラシカルな車内で待ち合わせた関ジャニ∞が、ひとりずつ合流していく。

大倉忠義さんと村上信五さんは向かい合いで窓側に腰掛けて、横山裕さんは大倉さんの隣に座り、アイマスクにネックピローを装備して眠る気満々の安田章大さんがほんわか登場する。

丸山隆平さんが最後なことにソワソワしながら見ていたら、しっかり鳴りだす発車ベル。

走り出した列車の窓から、引っ張り込まれる丸山さんが間に合ってなにより。

 

メンバーひとりずつの紹介映像は、銀に白の和装で紛う事なくかっこいい。

ドームの横に長い大スクリーンに、顔と名前がどーんと出る迫力と熱気は、この会場だからこそのものだと再認識した。

 

機関車のスモークの中、待ち焦がれたイントロに中央のステージに現れた関ジャニ∞が歌い始めたのは、

“待ちわびた今日に 繋いできた想い”

歓喜の舞台」だった。

ドームの真ん中で、ステージごと照らされながら見える5人の姿は、勇姿そのもの。

ブルーの衣装が合っていて、すごくすごくかっこいい。

これまでのライブで歌う機会があったとしても、そうせずに大切に取っておいていることが伝わっていたからこそ、ついに…と嬉しくなった。

 

 

スタジアムでのライブタイトルは「18祭」

夏から冬になり、ツアーとなる公演が、タイトルを引き継いでどんな変化のつくライブになるのか。あまり想像できなかった。

でも来てみて分かる、関ジャニ∞が観せたかったもの。

 

七色パラメータ」が聞こえた時、ぎゅんと心が跳ねた。来て良かったと思った。

そうさひとりよがりの夢だけど 君は引き止めたりしないで

Meaning of smile 見送ってくれた

この曲が好きで好きで。

いつか聴きたかったけど、セットリストに入ることはなく、音源で聴けるだけで幸せかなと思っていたのも忘れる頃、今聴けるとは。

調べてみたら、ツアー途中でセットリスト入りした曲だと知って、ますます今日の日にいてよかったと噛み締めた。

久しぶりの念願のドームで聴くこの歌詞は、ますます意味を持って胸に響いた。

 

開演を待つ間、座席を眺めていたら、アリーナ席が上から見た時にハートになる配置になっているように見えて、

開演して一気にペンライトが光ることで、やっぱり大きなハートが贈られている気がした。

愛でした。」で眺めるハートのアリーナ席は、愛そのもので、抱えるには大きすぎてのけぞるラブレターを受け取っている気分だった。

 

もうひとつ、大きすぎるサプライズだったのは、

応答セヨ」を歌ってくれたこと。

バンドで、丸山さんの歌い出しで、“つまずいてばかりの僕を 君だけは笑わなかった”が聴けたこと。

応答セヨ 流星 僕を信じてくれた遠い日の僕よ この声が届くかい

その歌詞で、カメラに抜かれて映る丸山さんの表情が、“応答セヨ”の声が、直球で飛んできて、

消えかかるモールス信号を引っ張り戻すみたいに呼ぶから、答えずにいられない。

見失いそうな時 いつも瞬いて 僕を導いたよ 「追いついてみせろよ」

その「追いついてみせろよ」に、悔しさも憧れも希望も入り混じる気持ちが込み上げたあの頃がブワッと心に帰ってきた。

 

曲のひとつひとつが、関ジャニ∞を好きになって、大阪へ行って暮らすまでしていたあの頃に時間旅行をした気分になる。

好きになりたてで遡って見続けたライブで披露されていた曲に、「強く強く強く」からアルバム「元気が出るCD‼︎」「ジャム」の年代。

ステージ側の両サイドのモニターに、曲名、リリース年、収録CD名が表記されていたのが良くて、2007年などの数字を眺めてはそんなに前だったかと驚いた。

いっぱい聴いたからこそ聴けなくなっていた一定期間のリリース曲を、今の関ジャニ∞の感性で魅せると決めてくれたライブなのだと気づいたら、

これから作っていく新曲を重ねていく道だけを貫くのではなくて、パート分けからなにから大変なのを承知でもう一度聴けるようにしてくれたのだとうれしさで胸がいっぱいになった。


蘇ってくる数々の記憶が、確かに関ジャニ∞のいる世界で自分の日々をがんばっていたことを示していた。

円形ステージ、元気印、「Black of Night」の心拍音。

「Black of Night」の片手を添えてグーでパリーンとガラスを割る振り付けと音も、当時の振り付けそのままで、“僕たちは”の足踏みダンダンダンも、“ラビリンス”で両手をひらひらと下ろしていく動きも馴染みのままだった。

少しクロスさせた足元で、紳士に胸元に手を当てるおじぎからの「EJ☆コースター」でダンスを見られた嬉しさに、大阪!がコール&レスポンスの「TAKOYAKI in my heart」がアンコールに入る懐かしさ。

どれも全力で楽しんだ色褪せない記憶になっていることが、観ながら再認識できた。

 

MCの奔放さ、5万5000人を時に巻き込み時に置いていくトークは相変わらず。

誰がこの後の村上さんが出演する生放送番組に飛び込み参加するかという話題で、すったもんだありつつ、ジャンケンで一抜けかと思いきや自ら勝ちにいって大倉さんが行く?と決まりかけたら村上さんがやっぱごめんと断るターン。

なんとなく誰になっても村上さんはそう言った気がするけど、ライブ後の心身を気遣った見事な話題転換だと感じた。
ただ、素直に黙ってはいないのは、一番に予定が無ければ行ったと話した横山裕さん。

なんやそれ!と納得がいかなくて、地団駄を踏む横山裕さんが無邪気な5歳児だった。

うさぎも怒るとダンダン足踏みするよなあと思いながら、横山さんのプンスカでオチがついたのも流石だった。

長くなりすぎたMCに、イヤモニへと全員ではけてくださいの指示が出て、いつもと違う所からはける時にわらわらとドリンク入れのカゴを持ちながら、大きなステージで小さく集まる関ジャニ∞が面白かった。

 

元気なおじさーん!で「はーい!」と元気よく手を上げる横山裕さんも、

冬コートに橙色のゆったりめタートルネックが儚く似合う横山裕さんも、

力みが和らいで、ドームに響く声量で思いっきり高音も突き抜けて歌った横山裕さんも、

ギターソロでカメラに抜かれて手元を映される見せ場ができて、バンドの立ち位置も右側になることがあったりと変化を突き進む横山裕さんも、

中央ステージでちょい後ろからメンバーがぎゅっと集まって並んでいくのを眺めつつ、勇気を持って真ん中に割って入ってみたけど照れてぴゃっと後ろに下がったのを、安田さんが呼び戻して嬉しそうな照れ笑いで真ん中にいる横山裕さんも、

どれもこれも見ていてひたすらにうれしかった。

 

 

リスペクトを込めたジャニーズメドレーが健在で、何度でもざわめきときめきを成立させる選曲はすごいものだと感じる。
「初心LOVE」で重ねると思いきや、「ダイヤモンドスマイル」を仕上げてきた関ジャニ∞も、

シンデレラ・クリスマス」に酔いしれているのに、変な気持ちにされるメッセージの送り合いも、まったくもう…好きだと思う。

丸山隆平さんと安田章大さんの歌う「シンデレラ・クリスマス」を聴けた嬉しさ。

歌詞に合わせて安田さんが、ハーフアップにした長めの髪をすっと耳に掛け直す仕草をしたり、節目がちにチャッとサングラスを瞬間的に外したり。

丸山さんの甘さが増す歌声に、冬場のマシュマロをのせたホットココアを思い浮かべたりした。

 

大好きな「ブラザービート」を関ジャニ∞バージョンで観られる楽しさ。

イーアルサンスー係を、満を侍して受けたであろう丸山さん。突き抜けすぎて行方のわからない暴走っぷり。

「まいったネ、今夜」を、ハットにスーツで渋く決めた村上さんと大倉さんで観られたのもすごくよかった。

ステージに用意された屋台に、ドームでもやりよった!と思ったら、のれんには“肉貴族”の文字が。ドヤ顔でお肉のお皿を出す大将は大倉さん。やりよった。

 

また口いっぱい食べることになる丸山さん。次の曲でもまだもぐもぐしてる丸山さん。

ライブ中に焼き肉食べるってどんな状況…?

丸ちゃんはほんとに、なんでこんなに笑顔にさせてくれるのか。ダンスのかっこよさに、歌声の心地良さに、ほほえみにつられてしまう。

普段そんなに笑わないけど、お腹を押さえるほど笑わせてくれるのは丸ちゃんで変わりない。

最後の挨拶でみんなの思いの丈を受け止めようとした姿も、一番最後にパーン!を全身に浴びてたまらない様子も、丸山隆平さんだった。

 

キャンジャニちゃんとの再会も嬉しかった。

村子がちゃんと髪をセッティングできるようになったことが素晴らしい成長ポイント。

スタンバイの丸子と村子がしっかり膝を立てて、横子の座る位置を作っている様子に、横子のための気品の座…と感慨深かった。

 

ペンライトの海のなか浮かび上がって見える、8BEATとも言えるハート、セットリストに組まれた曲ごとのメッセージ。

こんなラブレターを受け取ったら、返したくなる。

楽しくて、嬉しくて、必要で、無我夢中に追いかけたあの一年一年を、それこそ列車の駅みたいに辿っていくライブになっていた。

駅なら通り過ぎても、そこに在り続けることは変わらない。

立ち帰ることはできるし、恋しくなったら途中下車の旅も有りかもしれない。

今回のツアーのエンディングソングのように頭の中で流れてきたのは、ゴダイゴさんの“銀河鉄道999”だった。

 

エイトレインを見ながら、銀河鉄道の夜についても思ったりした。

関ジャニ∞がエイトレインで連れて来たい景色があったんだろうなと思う。

ここにしかない景色」がまさにそれを表していた。

キミトミタイセカイ」でもある、“景色”は大切にしたいテーマだったんだなと受け取った。


安田さんが話したなかで、「これからも仲良うしてな」と客席に向かって言った一言と微笑みが、なんだかダイレクトに胸にきた。

自然なその言葉も、自然と微笑み返していたこのやり取りも、馴染みのある温度感だなあとしみじみした。

 

バンドで、ムービングステージに乗り近づいてくる関ジャニ∞から、特に大倉さんのドラム音が直に上に聞こえてくるのがわかって、

生の音だ。大倉さんが叩くドラムだとテンションが上がった。

一応、ある程度の発声許可があるとはいえ、あまりに長い年月をかけて習得した、発声無しで拍手で伝えるくせは思う以上に自分にもついていて、

おずおずと、少しずつ取り戻されるものに、なんとも言えない感覚も味わっていた。

それでも「勝手に仕上がれ」は、細胞が沸く。

ニーニニニニーが続くスクリーンにシュールさを感じながら、シンプルな一音が取り戻させてくれるものがあると思った。

 

 

ライブ本編の最後に歌ったのは、

ひとつのうた

大倉さんは曲フリの時に、あの時(十五祭)の時は複雑な気持ちで歌ってたけどと、複雑そうな笑みで目尻を下げて言ったけど、

あの時はあの時の記憶として、何も考えず観ていた私は、あの後の知らせをもってしても、円形ステージで全体を見渡しながら大切そうに歌うそれぞれの表情が温かみを持って思い出せるから、

歌ってくれてよかったという気持ちが変わらずにある。

 

そうして、3年が経ち戻ってきた東京ドームで、

また会えてよかった 輝いてた 君はまた

そう歌う大倉さんを観て、本当にそうだよと思った。

移ろいゆく景色 全ての色を 愛しく思う

という言葉も、ひとつひとつがその通りだよと思った。

 

関ジャニ∞のドームライブに行くと、行ってきたというか帰ったような感覚になる。

送るべき日々を送って、会いたくなる人たち。

例えるならそれは親戚の兄ちゃんみたいで、年一は会いたい。もっと会えるならそれもいいけど、たまにこうして、おう!どうしてた!元気か!まあいろいろあるよな、また会おうやって言ってほしい。

惹かれたのは ここにある 熱いモノが 似ているから きっとそうだろう?

「ひとつのうた」で歌うこの一行に、頷くほかにない。

ステージにいる姿を見て、人が、歌って、踊って、楽器を弾いて、関ジャニ∞なりのあらゆる引き出しで魅せてくれていると感じる。

人だ、と思うたび、このステージをつくってくれてありがとう。パート分けの覚え直しや、ダンス練習、振り起こし、ひとつずつに向き合って、ここにきてくれてありがとうと思う。

 

十五祭の時、横山裕さんが関ジャニ∞は俺らだけのものじゃないと話したことが、どこかずっと切なかった。

今回のライブで、じっと言葉を探しながら、俺らだけのものとも思っていい気がすると言ってくれたことが、最高に嬉しかった。

意味分からんかもしれへんけど…と自信なさげに言ったけど、意味分からなくない。それ。それすっごい嬉しいですと伝えたかった。

俺らだけのものと思うことにした、でもなくて、“とも思っていい気がする”の『も』にそれだけではない範囲も含む柔軟な優しさと、芽生えた思いが感じられて嬉しかった。

 

関ジャニ∞関ジャニ∞を楽しんでくれていることが、何よりうれしい。

ライブをしている関ジャニ∞がいっちゃん良いと言う横山裕さんが心強い。

エイトレインというはちゃめちゃな列車に乗って、帰省できて良かった。

 

20周年を迎えた今夜ここで 「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2022 秋」

 

音が、ここで、鳴っている

そのことへの感動に、胸がいっぱいになった。

 

ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2022

テーマ “Infinity Love 〜輝きの未来へ〜”

2022.09.10 初日 プルミエ公演

メイン演目A「塔の上のラプンツェル

 

「おかえりなさい」という言葉を、胸いっぱい抱きしめるステージだった。

20周年を迎えたディズニー・オン・クラシック。

私が初めて訪れたのはいつだったか。

毎年、秋がやってくると、少しおしとやかなお洒落をして会場へと訪れる。

ディズニー音楽の素晴らしさ、目の前で音が発されるオーケストラのエネルギー、指揮をしながらもステージに立つアクターのように伸びやかでときにチャーミングな姿、ヴォーカリストさんたちの表現力豊かな歌声とパフォーマンスに魅了されて、

ここがまほうの夜の音楽会であると、日常からとっておきのひと時に連れていってくれる、ささきフランチェスコさんのナビゲートで過ごす時間は、何にも変えられない、一年のご褒美。

 

そんな毎年がいつも通りあると思っていた。

だから、開催が危ぶまれた「美女と野獣インコンサート」の後、「ディズニー・オン・クラシック」がどうなってしまうのかと、心配だった。

オーケストラあってのディズニーオンクラシック。編成が変われば音も変わる。演奏していた一人一人は?どうなってしまう?

スクリーンに映るアニメーションもワクワクを掻き立てるものだけど、ボーカリストさんがその場でミュージカルさながらに魅せてくれるお芝居が魅力だったパフォーマンスはどうなる?

来日があって、開催されていた貴重なコンサートであったことを、こんなにも実感するとは思わなかった。

 

しばし時間がかかるかもしれないと覚悟をして、心に刻んだ「美女と野獣インコンサート」で、すべての演奏が終わったのちに場内に流れたのは、

実写版の美女と野獣から、「時は永遠に(How Does a Moment Last Forever)」

あの時、最後まで席について聴いた「時は永遠に」の歌詞を、歌が問いかけていることを何度も反芻する3年を過ごした。

 

海外旅行など夢のまた夢と思うしかない時期でも、音はきっと止まないと思えたのは、あの時受け取ったものがしっかりと胸の中に残り続けたからだった。

どうなるのだろうと待つ時間の中、届いた知らせは日本人ヴォーカリストでの「ディズニー・オン・クラシック」開催。

動いている!と湧き立つ心があった。どうしたら出来るか、どんな形で出来るか。

日本にいるディズニー・オン・クラシックのチームが、動き出そうとしている。

国際フォーラムで観た新境地の「ディズニー・オン・クラシック」に、これも楽しい!!と新たな発見をした感覚を覚えている。

 

2020年以降も、動き出した音楽は止まることなく、定期的な公演の開催が実現していった。

そして、2022年。

来日キャストでの公演が発表された。

本当に?夢じゃない?何度も思うくらい、念願だった。

 

そうして今回、秋の“まほうの夜の音楽会”が海外キャスト再開となった時。

日本キャストの歌声、パフォーマンス、日本語詞の魅力が伝わる演出たちは?と思うファンの期待に応えるかのように、

2023年 春公演で日本キャストの公演が決定した。

英語、日本語、どちらの表現の楽しさも両方味わえる、美味しさの増したディズニー・オン・クラシック。

 

ポストに届いた、招待状とも言える秋の音楽会のハガキに、本当なんだと実感が少しずつ湧いた。

指揮はリチャード・カーシーさん。

8名のヴォーカリストで、5名が出演経験のあるキャストで再来日という嬉しさ。そして3名が初出演。

プロデューサーのトニー・クレメンツさんもいよいよ来日が再び叶う。

 

いつ行こうと考えて、“プルミエ コンサート”と呼ばれる、初日のコンサートに行こうと決めた。

チケットを取れる気もしなくて、焦りすぎたあまり、進んだのに戻るボタンをミスタッチで仕切り直しになったりしながら、どうにか取れたチケット。

あとはもう、当日までの体調管理にひたすら努めた。

 

 

やって来たその日。

開場時間に合わせて行くと、まもなく開くところ。

ピシッと黒のスーツを着たスタッフさんたちが並ぶ様子は、初日の空気感をさらに増していて、時間きっかりにおじぎをして始まった入場は壮観だった。

 

場内で聞こえてきた、ささきフランチェスコさんのアナウンスに「ディズニー・オン・クラシック」に来ていると実感した。

今回は、1階後方の座席。段差がしっかりある分、ステージへの見晴らしが良かった。

プルミエ公演で配られた記念品は、今年のデザインとラプンツェルノートルダムのモチーフがプリントされた巾着。旅先などで使えそうな大きさ。

 

 

あっという間に開演時間がやってくる。

調べつつすべてを知ろうとしなかったので、曲目を把握していなかったのがサプライズになった。

 

幕開けは、東京ディズニーランドで1995年〜2001年まで夜に行われていたパレード「ディズニー・ファンテイリュージョン!」から、

フェアリー・ガーデン”に合わせて、ディズニー・オン・クラシックが始まった1年目から、20年を振り返る映像がスクリーンに映される。

知らなかった、アリエルの声のジョディ・ベンソンさんや、ベルの声のペイジ・オハラさんがいらしていた公演。

ブラット・ケリーさんの指揮の姿に、観てきたステージを思い返したり、ささきフランチェスコさんの姿を見つけて嬉しくなったり。

小さかった子供の頃、親にだっこされながら見ていた記憶のある、ファンテイリュージョン!のメロディーに合わせて振り返るそのアルバムに、目が潤まないはずがない。

 

胸高鳴るその音を奏でているのは、THE ORCHESTRA JAPAN奏者のみなさん。

ファンテイリュージョン!のメロディーはなぜこんなにも、オーケストラの演奏でいきいきと色鮮やかになるのか。
音がキラキラしていく。人が鳴らしている、技術の凄さをまざまざと感じた。

ウィンドチャイムが鳴ってる時だけでなく、もちろんそれによるキラキラもありつつ、様々な楽器が音符を磨いて光らせるみたいに、輝き、弾けていた。

 

 

20th セレブレーション・ルーレット”という企画が今回はあり、

プロデューサーズ・チョイスパーク・セレクションのそれぞれで、ささきフランチェスコさんが差し出す赤い大きなポチッとなボタンを、責任重大でSo nervousになっている指揮のリチャード・カーシーさんが押す。

どの曲も、聴きたい!と思わせるものばかりで、そのタイトルが発表になる度に声にならない声で客席が華やぐ。

 

プロデューサーズ・チョイスは、

ティンカー・ベルから「フライ・トゥ・ユア・ハート」

ライオン・キング2 シンバズ・プライドから「愛の導き」

ハイスクール・ミュージカルから「みんなスター!」

 

この3択。

「フライ・トゥ・ユア・ハート」にわあっとなる気持ちがありつつ、ハイスクール・ミュージカルの写真が写った瞬間にこれ!これがいいです!!と言いたいくらいだった。

 

パーク・セレクションは、

東京ディズニーランド キャッスルプロジェクション「ワンス・アポン・ア・タイム」(エディット・バージョン)
東京ディズニーシーファンタズミック!」から“イマジネーション”
東京ディズニーシー 「レジェンド・オブ・ミシカ」から“レジェンド・オブ・ミシカ第6章フィール・ザ・ラブ”
東京ディズニーシー「ミステリアス・マスカレード」(エディット・バージョン)

 

この4択。

会場の熱でいうと、ミシカの湧き具合はすごかった。ミスマスもすごかった。

私はとても「ファンタズミック!」の“イマジネーション”ソングが聴きたいと思った。

 

そうして、ルーレットがスタートしてトリッキーな動きの後に決まったのは、
みんなスター!」と「イマジネーション

瞬間ガッツポーズで立ち上がらなかった自分を褒めてあげたい。

ハイスクール・ミュージカルを聴ける日が来ようとは、想像しなかった。しかも生演奏、英語ヴォーカルで。

マーチングバンドのあのリズムが鳴り響き、2人ずつ出てきてのダンスパートも有りで、しかもサビのダンスは本家そのまま。腕を組むポーズもそのまま。

ディズニーチャンネルをずっとつけて、テレビの前でひとり見つめていたハイスクール・ミュージカルの世界を、今こんなにも沢山の人と盛り上がれている嬉しさ。

手拍子も自然と、クラシックに合わせた形とは別の、ノリノリな感じになっていく。

 

シャイな気質と、脚の上に荷物とがあって、立ち上がってもOK…のアナウンスがあったもののそこに到達できず、もうワンコーラスでサビがあったら出来たかもと思いつつ。

これはこれで、この2年で馴染んだ静かな観賞方法でもあるなあと感じたりした。

 

ファンタズミック!から「イマジネーション」は、どこまで泣かせるつもりですかと言いたいほど素晴らしかった。

年パスを持って、ひとり通っていた頃のディズニーシーの空気が全部ここにある。

ぎりぎりまでショーを観ていたいと、エントランスの近くからイマジネーションソングだけを聴いて帰ることもあった。

以前に演奏した時とも違う、アレンジが今回の特別バージョンになっていて、構成から組み立て直しているんだと感動した。

 

パート・オブ・ユアワールド」に、いつかあの世界へと胸焦がす憧れへの共感で、今でも心が震える。

コンパス・オブ・ユアハート」には、父に連れ出してもらったディズニーシーで毎回乗っていた記憶が蘇った。

船で旅から帰るといつも、今日この時から何か新しい出会いが起こると期待できる自分がいた。あの頃は“友達”という言葉に親しみを持てなかったけど、今はその意味がわかる。

スピーチレス」をあらためてこの場で聴いて、去年から個人的なことで強く意思表示をしなくてはならなかった時に「スピーチレス」を聴いて気持ちを奮い立たせていたことを思い返した。

怒らなくては伝わらないとはどういうことだろうと理解に苦しみながら、それでも意思を訴えかけ続けて、出口は今年9月まさにタイムリーに見つかった。

 

メリーポピンズからのメドレーは、親子で聴くのにぴったりだった。

家にビデオがあったメリーポピンズ。親が子供の頃に見ていた作品。

いつの間に“スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス”を唱えられるようになったのか、「2ペンスを鳩に」の風情を感じられるようになったのか。

すっかりと世界に浸ることのできる時間だった。再度盛り上がって奏者さんも並んでのステップダンスが楽しくて、青木さんやヴォーカリストさんの並びに心躍った。

こんなにも聴きたい曲が目白押しで、曲ごとに思い出があることのしあわせを噛みしめた。

 

 

幕間へ入り、第2部。ステージにはランタンのモニュメントが優しく灯る。

Aのメイン演目は「塔の上のラプンツェル

Bのメイン演目は「ノートルダムの鐘」

今回は2つのパターンがある。選んだのはラプンツェル

 

ささきフランチェスコさんの語りが、ラプンツェルの世界への扉を開く。

アニメーションの始めに、“ユージーン・フィッツハーバート”がこれは彼女の物語なんだと紹介する。背を向けていたところから、くるりとこちらを向くだけで誰なのかが分かるゴーテル。

ステージに登場した彼女を目で追ってから、はけて行くフリン。

ジャケットの襟元に手を添えて、ちょっと肩を上げ首を傾げる仕草がチャーミングだった。

 

「マザーノーズベスト」のコミカルさとダークさは何度聴いてもすごい。

歌いきった後のトリシアさんが演じるゴーテルが、“拍手をもっとちょうだい”と煽る手と表情が最高だった。

オーケストラまでダンダンと足を踏み鳴らして拍手に参加。満足げに行くゴーテル。ぽつんと取り残されるラプンツェル


いつもなら、もうちょっと近づいたかもしれないシーンや、あえて再現をしない演出にしたシーンについても思いを馳せる。

「Best Day Ever!!!!!!」のラプンツェルを見られたのにはグッときた。あの場の自分の心境そのもの。

できれば、あの起伏の激しいラプンツェルを見守るフリンが好きなので、君は自分と戦っているんだね…的な台詞のところまでを聞きたかったのは贅沢な内心。

映像になるところと、静止画の工夫。ライティング。

ランタンのシーンは映像が選択されたところが流石だと感じた。ランタンを眺めつつ、頻繁に隣を向いてラプンツェルばかりを見つめているユージーンが可愛かった。

この状況でツアーを万全に続けるための努力で、それでいても見応えには十分さを感じられる演出が本当に素晴らしかった。

 

フリン・ライダーの醍醐味、色男な顔もしっかりある。ラプンツェル無反応。

前髪なであげの仕草を、癖のように何度もしていたのもよかった。

 

さらに、ダンスシーンの臨場感。バイオリンの活躍。

コンマス 青木さんのソロパートの凄まじさに聴き入るほかなかった。こんなに躍動感たっぷりに、音が跳ねるんだと感動して、バイオリンの音色の魅力をまざまざと耳に感じた。

チェロの音色の重要さに聴き入ったり、バイオリンやビオラの層の美しさに引き込まれていったりしながら、

弦楽器の弓を動かす“ボウイング”が生み出す、音の抑揚が今回特に目に見える形で理解できて楽しかった。

 

盛り上がっていくダンスの輪に入っていくように、客席の手拍子もいきいきと軽やかで、

フリンが横並びになったダンスの中、腕を引っ張り組まれて、巻き込まれていく演出が素晴らしかった。どんどん早くなる手拍子。オーケストラのみなさんがエスコートしてくれる。

アコーディオンの音が途中に聴こえた気がしたのだけど、弾いていたのだろうか。ハープの音は、ラプンツェルの髪の魔法を呼び起こす歌で活躍していた。劇伴を生演奏のオーケストラで聴くと、この音は何を使って出しているの?が解けるから興味深い。

高揚感からの、ジャンっと二人がたどり着いて手を取り合うタイミングの完璧さには、すかさず拍手が湧いた。

 

ラストは苦しいけれど、花の幻想的な光を照明で見事に表現していて素晴らしかった。

ユージーン!からの、ブルネットの方が好きだって。のシーンを目の前に見るときめき。

ハグの後に暗転で、完璧なタイミングでスクリーンに視線が移る演出になっていて、ハグしながら眉にシワが寄るユージーンの切実な表情に注目できた。

 

 

リチャード・カーシーさんが指揮をする姿は、いきいきと音符を導くようで、ミッキーみたいだ…とフィルハーマジックを思い浮かべていた。

 

2022年 秋のヴォーカリストは、

アーロン・ヤング(Aaron Young)さん

メリーポピンズから「凧をあげよう」を歌う声と姿。

ハーモニーがあまりに素晴らしくて、どの旋律をどなたが歌っているのかを考えるまでにたどり着かないほど、ひとつになったメロディーを奏でていてすごい。

 

アルマンド・ロンコーニ(Armando Ronconi)さん

2019年の公演を観ていたので、会場のボルテージをぐわっと持ち上げたアルマンドさんの演じ歌うジーニーの「フレンドライクミー」はしっかり覚えている。

今回はフリン・ライダーでありユージーン・フィッツハーバート。

 

ディロン・ヒープ(Dillon Heape)さん

ラプンツェルでの「誰にでも夢がある」の片手にフックがついた彼を演じる姿が印象的で、

衛兵に見つかりそうなラプンツェルとフリンの肩を抱いて、背中を向けて隠す動きも素敵だった。

 

パトリック・ブレイディ(Patrick Brady)さん

ノートルダムの鐘」のB公演では、ガジモド役を演じた。

ステージに立っている時の歌声、舞台袖にいながらにしてコーラスを重ねる声。

オーケストラと共に左側の席に座って、マイクのみ口元に近づけて歌う声。

それぞれに環境が違っていて、特に座りながらの時と立ってでは、声の張り方と力を入れる箇所が変わってくるのではと思う。

あまりに伸びやかに、かろやかに歌って魅せるので、気づく間もないけれど、ヴォーカリストさんたちのパフォーマンスに注ぐ努力はすごい。

 

ケイティ・トラビス(Katie Travisさん

アリエルとして「パートオブユアワールド」

メリーポピンズとして「お砂糖ひとさじで」

ラプンツェルで、危機的状況のフリンを助けるシーンの時に、扉を全然開けないおじいちゃんの役として声を当てていた様子がステージ左側に見えて、ケイティさんが担当なのね!と驚いた。

 

ケイリー・ルビナッチオ(Kaylie Rubinaccio)さん

ラプンツェル役。第1幕でヴォーカリストとして出ている時と、第2幕になってラプンツェルとして出てきた時の印象がガラリと変わっていたことが後ろの席からでも感じられた。

 

トリシア・タンガイ(Tricia Tanguy)さん

振り向いた瞬間に、ゴーテルの風格。トリシアさんも第1幕での雰囲気とは全く別人だった。

ラプンツェル ノーズ ベスト!”と声を荒げる歌のシーンでの圧倒が凄くて、ラプンツェルへの皮肉がたっぷりでまさしくゴーテル。

 

モネ・サーベル(Monet Sabelさん

ハイスクール・ミュージカル「みんなスター!」での弾け具合が最高。

「コンパスオブユアハート」で、シンドバッド役のアルマンドさんを中央に、ケイティさんと2人でコーラスをする人魚の歌声がアトラクションまんまで、

アトラクションのリニューアル後に優しく柔らかくなった人魚の声色だと嬉しくなった。

 

ヴォーカリストさんそれぞれの歌声、表現、仕草のチャーミングさに心を掴まれて、その表情!動き!好き!とひたすら思った。

コンサートツアーのために、飛行機に乗り、はるばる日本に。

距離だけではないこの状況のなか、こうしてまた再会できたことの意味を思うほど、胸に込み上げずにはいられない。

心の中に星を置いてもらったみたいな感覚になった。また会えて良かった。来てくれてありがとう。最高に楽しかったですと思いを届けたい。

 

オーケストラの音が、奏でる人が楽器にのせて生み出す情景が、楽しさも繊細さも迫力もステージから客席の後方までわあっと届ける勢いに満ちて、最高にかっこよかった。

ステージの隅々までフォーカスするのが大好きで、あの楽器が!とか、この音はどの楽器?と目で見られるのが楽しい。

今回は特に左側に注目できたから、オーケストラの一員にギターが!とテンションが上がって、どこで鳴るかを集中して見ていた。

 

管楽器が鳴った時の迫力に毎回わっと細胞が沸き立つ。

ティンパニの音も好き。パーカッションの奏者さんが沢山の動きをされているのも、ひとつひとつの大事な音のピースを奏でているとわかるから、音符のひとつたりとも聴き落としたくない。

 

 

最後に歌う、ヴォーカリストにとっては唯一の日本語歌詞になる「星に願いを

コンサートマスター 青木高志さんのソロとリチャードさんのピアノという、夢のようなセッション。

演者さんたちが横並びになって、ライトを振るなか、目線の先がささきフランチェスコさんポジションだったので嬉しかった。

 

カーテンコールになった瞬間、スタンディングオベーションに。

公演が終わったとわかってからも、拍手は鳴り止まなかった。

なにかを期待した拍手というより、せずにはいられない拍手だった。目の前にいる奏者さんひとりひとりに贈りたい、楽しかった、ありがとうの気持ちを表す唯一の手段。

ほとんどの奏者さんが拍手のなかステージを後にして、手入れが必要で少し時間の必要なチェロの奏者さんがステージを後にするまで拍手は続きそうな勢いだった。

オーケストラの人たちも、暗がりのステージのなかグータッチや腕タッチをしている様子が見えてぐっときた。

 

オーケストラの音に、ステージからぶわっと音で包まれるこの瞬間を待ち侘びてきた。

ディズニー作品への思い入れに、カンパニーへの愛が重なった今日の日を、私はずっと覚えていると思う。

当たり前とは思えない今日の日の再会。

ここへ来ることの葛藤や、いつなら可能かという難しさのなか、それでも日本へ来るということを諦めず、忘れずにいてくれたことがうれしかった。ここで歌いたいと思ってくれたことがうれしかった。

オーケストラの人数が、2020年に国際フォーラムで観た時より編成を増やしているように見えたのもうれしかった。

管楽器やパーカッションの前にアクリル板があるので、奏者さんの動きを見つめるのには少し集中が必要だったけれど、最後にわっと自身の演奏していた楽器を持ち上げてくれたことで、誰がどの楽器を弾いて吹いて叩いていたかが分かって、ありがとうと思った。

大きく重たいチェロもすこし持ち上げていた。

 

距離と不安を越えて会いに来てくれたみなさんに、

どうかこの幕開けの喜びと楽しんでいるという気持ちが伝わってほしいと、客席からありったけの思いで拍手を贈った。

20周年、大切な月日と思い出溢れるステージ。

今回の約3ヶ月に渡って届けてくれた、魔法の夜の音楽会。

出発を心で見送り、どうかステージが毎回無事に幕開けるようにと願って、ここまでたどり着いたみなさんに、おかえりなさいの花束を贈りたい。

 

ありったけの思いを込めて、ここに私なりのファンレターを。

ティンカーベルも妬いちゃうほどのキラキラ輝く音符を降らせてくれた、みなさんへ。

 

f:id:one-time:20220913120048j:image