なにわ男子「Poppin’ Hoppin’ Lovin’」 - ソワソワする夏の予感に、ステップが心躍らせる

 

元気そうな姿を見て、元気がでることなんてあるかなと思うくらいにしょぼくれていた。

ミュージックステーションを見たら、なにわ男子がそれを具現化していた。

アップテンポな曲に、心はずむ余白がまだ残っていたんだと気づかせてくれたのは、なにわ男子が歌う「Poppin’ Hoppin’ Lovin’」

 

なにわ男子「Poppin’ Hoppin’ Lovin’

作詞・作曲:youth caseさん

編曲:佐々木博史さん

 

ソワソワと、でもワクワクとしてくるこの感覚は、SMAPBANG! BANG! バカンス!」や「SHAKE」の系譜だと感じる。

トランペットの音に、開けていくコーラス、リズムはもってこいな裏打ちで、アルバム「POPMALL」の入り口看板になるような曲。

 

ミュージックステーションでのパフォーマンスを含めて、この曲の好きなところを書いていくことにする。

パフォーマンス直前にキュッとまばたきをする大西流星さんがわずかに映っていて、瞳にきらきらを宿す瞬間だ!と、そこからもうワクワクした。

 

まず、曲が始まって横並びだったところからの4対3への移動の早さ。

そして細かいステップを踏むところでの藤原丈一郎さんの安定感。対に並んでさらにダンスクオリティを上げていく大橋和也さん。

斜めラインに戻って、カメラを向いた時の藤原丈一郎さんの笑顔と、軽やかにちゅっとして見せる大橋和也さんの並びが心をとらえて離さなかった。

 

足元のステップを揃えるダンスが好きで見入るのはもちろん、メンバーが手を取り合って作るトンネルをくぐって出てくる高橋恭平さんに、置いていかずみんなで盛り上がる可愛さがあった。

からの西畑大吾さんと大西流星さんで画面2分割のボーカル担当は、キュートさが鬼に金棒。

西畑大吾さんの髪型に変化があるのか、魅せ方なのか、きゅるるんスイッチというよりも自然体のまま大人感がありつつのキュートさで、その雰囲気好きですと思った。

 

そしてここで大好きゾーンがやってくる。

ドキドキしてる 街は色づく 始まる予感はParty time 

ここ!ここのメロディーが瞬間的にアンニュイになるところ。

今までがカンカン照りの太陽だとしたら、ここで海に沈んでいく夏の夕陽になる感じがして、時計の針をぐぐっと進める情感がある。

しかもボーカルが道枝駿佑さんと高橋恭平さんと長尾謙杜さんのユニゾン

歌声に柔らかさと甘さと切なさが加わる最高のパート分けになっている。

 

さらにダンスも楽しくなっているから忙しい。

歌う道枝駿佑さんと高橋恭平さんと長尾謙杜さんがワンテンポ早く踊って、時間差で噛み合っていくダンスの流れがいい。

ソワソワ胸が騒ぐほうへ 君を連れてゆく

で続く歌詞に合わせて、長尾謙杜さんをセンターにひざまずき手を差し伸べる3人と、立ち上がったまま手を差し伸べる4人に分かれる。

ここで注目せずにはいられなかったのは、もう片方の手は後ろ手にしているところ。

この所作でプリンス感を出すポイントは膝の曲げ方と、そこにできる三角形の空白だと思っていて、長尾謙杜さんと大西流星さんの所作が特に美しく見えた。

 

そしてやってくるサビで、“もう止められないね”の歌詞の時にある、両腕を下げていく動きがコミカルさとかっこよさの両立でとても好きだ。

“カラフルなリズムで Hey”の右手をかざしつつ横にウェーブしていくダンスも、曲とのグルーヴを増していて楽しい。

その後に道枝駿佑さんがセンターになって、“何度も何度でも”で踊るところの動きが、指先含めたダンスでもあり、顔のそばで踊れるので真似して踊りたくなる要素もあり、

道枝駿佑さんがドローン操作が好きなのを思い出すとそれにも見えたりする。

後半にもある、同じ歌詞で映る大西流星さんの流石な瞳の吸引力もすごい。手元を見たいのに、瞳に釘づけになる。

指先のダンスを、そんなに可愛くできるんですか…と圧倒される。

 

指先ダンスの後で、“君と一緒にいたい”に続くコーラスと合わせて、

右手は頭後ろ、左手は伸ばしてステップを踏みながら回っていくところも大好きで、ピースサイン大橋和也さんの元へとぐるーっと回り込んでくれたミュージックステーションのカメラワークに花丸を贈りたい。

動きとしてかっこいいダンスだけでかっこよさが光るわけではなくて、振り付けとして不思議な動きを含めつつ、それがかっこよく見える角度や重心の取り方があると思っていて、大橋和也さんのそういうダンスでの魅せ方が好きだ。

 

それぞれカメラさんとの息の合わせ方がプロもプロで、

藤原丈一郎さんが移動しつつ次のダンスに入るまでのわずかな間で両腕を伸ばしてカメラアピールをしたところが、光をいっぱい瞳に集めた笑顔と一瞬に曲を盛り上げていてすごかった。

 

そしてラスト。

“出会えたね”で横並びだったところから、シュンッといつの間にか3人と4人に分かれた斜めラインになっていて、移動を感じさせないステップの軽やかさにドキッとした。

左側で後ろ位置に下がる大西流星さんと、ぐぐっと右側で前に出てくる大橋和也さんのフォーメーションによって、画面いっぱいになにわ男子のダンスが映る見せ方が素敵だった。

 

「Poppin’ Hoppin’ Lovin’」を聴きながら、どこかトロピカルな雰囲気に、ヤシの木の景色が思い浮かぶ。

ワクワクだけでなく“ソワソワ”させる曲の魅力と、なにわ男子がパフォーマンスで見せた楽しさが、心の奥で眠っていたはずむ感覚を呼び覚ましてくれた。