2018年以来、4年ぶりになったディズニーシー
久々の遠出は緊張したけど、ゆったり散歩をするような気分で時間を過ごすことにした。
青空に初夏かなと思うほどの日差しと暖かさ。
これまでダウンを着ていた季節が別物のような気候だった。
何度見ても心躍るエントランスの地球。
アプリにエントリーに、ファストパスはもはやない新体制のパークは未知で、戸惑いながらもエントリーのおかげで初めてトイストーリーマニアに乗った。
ニューエリアオープンから何年も経ってようやく。気長に待つ気でいたから、なるほどついに乗る日が来たのかと噛み締めた。
乗る前の歩くスペースで、自分がおもちゃサイズになってアンディの部屋を見上げる気分になれるのが楽しかった。
思いの外、グワングワン振り回されながら、的当てゲームをする。頭で考えて高得点を探してしまうのが仇になって、点数はそんなに稼げなかった。
予約で早めにお昼ご飯を食べられるようにしておいて、初のホライズンベイレストランへ。
セットメニューを食べたい。しかしチョコレートケーキが食べたい。
今日はいっかと、胃袋に相談も無しにケーキが2つトレーに乗った。
しっかりどしっとお肉なハンバーグに、パンに、スープ、ケーキ。お腹いっぱい。後半のケーキは押し込んだ感がある。
好きなアップルティーソーダを選ぶのもいいけど、カフェラテにしたら甘いケーキとバランスが取れたなと後から思った。
これまでずっと恒例だったミッキーにも会えた。
距離を取ってのグリーティングは初めて。どうなるんだろうと思ったけど、もともとジェスチャーのコミュニケーションだから、近づけない寂しさ以外はいつものグリーティング。
両手で“チュッ”と投げキッスをされて、ハッ可愛い!距離を越えて届く投げキッス!と嬉しくなった。
とんすけとミスバニーにも、フリーグリーティングで会えた。
フリーでも距離は保って、線からこちら側で遠近法で写真を撮ったり、キャラクターだけの写真を撮ったりする。
わーっと囲われない分、圧迫感が無くて焦ることもなく、単焦点レンズでも距離が元々取れているおかげで写真が撮りやすかった。
アラビアンコーストで、アブーとジャスミンに会えたのは最高の喜びだった。
会えたらなーと思っていたら、見えたアブーの尻尾。
アブーが私のバースデーシールに気づいてくれて、おめでとうーと拍手をしてから、うーんと頭に指を当ててポーズを考えて、“おめでとう”のポーズをとってくれた。
それから、ベストの裏に隠しておいたバナナを、わざわざ剥いて“どーぞ”とプレゼントしてもらった。
りんごやパンを人にあげるのも躊躇うアブーが、バナナをくれるなんて。
ジャスミンも“Happy Birthday”とサイレントで拍手のお祝いをしてくれた。
“Thank you.”と久しぶりに言葉にした英語。
風に揺れてキラリと光る衣装が素敵だった。
いつもは財布の紐が固いけど、20周年のディズニーシー。
周年ごとのデザインで作られた船のトミカから、5周年デザインを選んで購入した。飾って余韻に浸れるように。
お菓子も買おうかなと思って、缶はかさばるから…とプーさんのメープルビスケットを選んだ。
グッズで買いたいなと目星をつけていた、パークのポストをフィギュア化したグッズは売り切れていて、マーメイドラグーンのポストをいつかゲットできたらと思っている。
お会計の時、レジの表示にまでハッピーバースデーが出て、キャストさんからのお祝いもあり、レシートにも嬉しい遊び心がある。
加えて感動したのは、お釣りとレシートをしまうまでの間、すぐに袋を渡そうと差し出さずに、しまい終えるのを見てからそっと手渡してくれたことだった。
ちょっとしたことだけど、スムーズに退かなくてはと思う自分に、ゆとりのある間合いを作ってもらったことが温かくうれしかったりした。
ラウンジは予約でいっぱいだったのと、ミラコスタのティータイムが無くてケーキとお茶の時間はできなかったけど、十分にケーキもチュロスも食べた。
気温の上がった日だったから、飲料の自動販売機は行列か売り切れかで、なんとかレストランに入って氷いっぱい冷え冷えのウーロン茶で復活した。
唯一のレギュラーショーである、BBB(ビックバンドビート)
一度のチャンスで当たらなくては観られないからと期待は横に置いていたら、当たって観ることができた。
嬉しくてそわっそわしながら座る赤い椅子。この感じ、久しぶりだ。
ミッキーとミニーのジャジーでクラシックな雰囲気をまとった、かっこよさとキュートさ。
ダンサーさんたちのジャケット捌きと、タップシューズ。衣装チェンジで、ベストにバンドを腕に通した姿。
コミカルな表情、ピシッと凛々しくなる表情、どれも魅力。
ビックバンドのジャズに浸れるひとときは最高の幸せ。
ショーとして楽しみつつ、今ある状況で演出を再構築した大変さを感じた。
海外からのシンガーさんがいない分の構成や、ダンサーさんの距離を保つ配置や人数、ビックバンドの臨場感を出すための音響。
それでいて満足感を、BBBとしての魅せ方を試行錯誤しているのだと思った。
ステージショーに限らず、メディテレーニアンハーバーでの水上でのショーは、船と陸とで距離が取れていることを有効に用いつつ、留まる時間を長くしないことで鑑賞側の密集をできるだけ避けようとしていると感じた。
非日常を日常の中で作るために、動いている人たちの仕事を感じていた。
エンターテイメントを受け取りながら、エンターテイメントを考える。
私はやっぱりここに来るたび、私を取り戻している。
照れを捨てて挨拶に挨拶で返しながら、手を振る。楽しいってどんなだっけ?と思い出していく時間が嬉しかった。