なにわ男子のメンバー、道枝駿佑さんが歌詞を書いた歌がある。
「Time View 〜果てなく続く道〜」
作詞:道枝駿佑さん 作曲:川口進さん
喜びも困惑も期待も不安も、真っ直ぐに綴られた言葉がメロディーと共に、なにわ男子の歌声に重なって物語るもの。
デビュー発表となったライブツアー「なにわ男子 Fast Arena Tour 2021 #なにわ男子しか勝たん」の本編ラストで歌われた、
この曲の後日談を、先日放送されたドキュメンタリー番組「RIDE ON TIME」で垣間見た。
歌詞を「ちょっとどストレート過ぎたかな」と、2021年6月27日のメンバー揃ってのインタビューの場で話した道枝駿佑さんが心に残った。
それでもメンバーは「あれがいいのよ」と話して、西畑大吾さんは「“Time View”の歌詞が代弁してくれてる。僕たちの気持ち」と伝えた。
伏せた歌詞の書き方、ストレートな歌詞の書き方、きっとそれぞれあるけれど、あの時の道枝駿佑さんにとって綴った言葉は、願いであり叫びであったと思うから、なにわ男子の歌声で歌う時にそれが輝くのだと感じる。
横を見れば 君がいるから
という歌詞を、大橋和也さんがソロパートとして歌うところがある。
オケやメロディーがスッと静かになって、メンバーの重なるハモリをベースに、声だけが前に出て響く。
「RIDE ON TIME」のインタビューによれば、ツアー当初から“横を見れば”の時に、1番端からメンバーの方を向いていた大橋和也さん。
公演によって西畑大吾さんと目が合っていたり、その時々でアイコンタクトをすることはあったかもしれないけれど、ライブという空間で揃って大橋和也さんの方へと目線がきたことは、7月28日のライブまでの間はまだないようだった。
ドキュメンタリーカメラにだけそれを話して、「今ここで言います。みんなには言わない」「気持ちでいってほしいから、言ったら…」と話した大橋和也さん。
デビューを知ったなにわ男子。
本編ラスト。メンバーひとりずつの挨拶があって、歌われたのは「Time View 〜果てなく続く道〜」
溢れる思いで、いつも通りに歌うのは難しい。
でもこの歌詞を書いた道枝駿佑さんは、「7人の想いもあってというのもありますけど、みんなと泣きながら歌いたくて書きましたから」と話していたように、嬉しさ溢れて歌えるようにと願いも込められた歌詞だった。
そしてやってきた、大橋和也さんのパート。
今までもずっと、この先もずっと
何気ない日々を過ごせるように
不安が募って 壊れそうになっても
横を見れば君がいるから
そっと横を見た大橋和也さんの視界に映ったのは、涙でぐしゃぐしゃに頬を濡らしながら微笑むメンバーの眼差しだった。
照れくさそうに頭の後ろを手で触って、マイクを握る手に力が入る。
みんなと目が合ったことの安堵や嬉しさ。
全部が込み上げて、安定して歌おうとしていた大橋くんが堪えきれなくなったのはその瞬間だったということに、
大橋くんにとっての大切な宝物がここにあって、それが両思いであることを見て感じた。
ドキュメンタリーの流れを汲んでそう思いながら見ているから、というのもあるだろうけど、
歌い出す前のどうやろ…と、ちょっと不安そうな横顔で、だけどきっと大丈夫と、いつものように目線を横に向けた大橋くんの表情。
これまでも、それぞれ見ている大橋くんに気づいていたのだろうけど、沢山泣いて自分のことでいっぱいいっぱいになりそうな、デビューを知ったあの時に揃って大橋くんを見つめたことの感慨深さ。
7月28日、夜公演の「Time View 〜〜果てなく続く道」は、
それまであの歌詞で目が合っていなかったとは思えないくらい、コーラスパートがふわっと止まる瞬間に、歌う大橋和也さんにメンバーそれぞれの眼差しを送っていて、本当に素敵だった。
大橋和也さん側から、美しい斜めのラインで映ったその景色に、わ…と息を飲んだ。
「RIDE ON TIME」の密着は来週も放送される。
さらに掘り下げて見たい人には、Amazonプライムの「なにナチュ」で、メンバーそれぞれの考えをますます色濃く見ることができる。
今回、舞台裏を映していたライブの本編。
デビュー発表の日となった、7月28日、横浜アリーナでの昼公演が収録されることになったLIVE DVD&Blu-rayも、2022年2月23日に発売が決定した。
大橋和也さんは、なにわ男子のリーダー。
客観的に見つめて、大きく包む。
観察力を持って、現状を捉えることができる。
「Time View 〜果てなく続く道〜」の“横を見れば君がいるから”で、目線を送り続ける大橋和也さんは、僕がこうするからこうしようや!とは言わなかった。
自然と揃ったアイコンタクトに込み上げる涙を流していて、歌い始める前の願いを込めた横顔も、嬉しくてたまらない様子も心に残った。
物理の授業で見る、球の並んだ振り子(ペンデュラムウェーブ)みたいに、それぞれの軌道を描いて、揃う瞬間がやってくる。
揃う足並みを待つことのできるリーダーなこと、大橋和也さんがそこにいることは素敵だ。
おおらかさと半歩引きつつ待つこと、物事を見る時のバランス感覚を持っているように感じる大橋和也さん。
物事でも関係性でも、ぴんと張った紐より、たゆませた紐の方が、引っ張られた時や揺れた時に“あそびの部分”が出来てリスクに強い。
コントロールではなく、ゆだねる大切さを知っている人のように思う。
これからも、大橋和也さんのかたちで注がれるなにわ男子への愛とメンバーへの思いを見つめていたいと思った。