そのライブ空間は、楽しくて仕方なかった。
ライブ「十五祭」を行った、2019年9月3日から、2年が経つ。
この情勢になり、すぐに何か今届けられるものをと、リモート会議の様子からはじまり、ファンへの歌詞の募集があった。7月28日には関西ジャニーズによる配信ライブを開催してくれた。
それでも“ステージに観る関ジャニ∞”は、私にとって十五祭の時に胸に刻んで以来、あの時の姿のままでいた。
関ジャニ∞ ライブツアー
「KANJANI'S Re:LIVE 8BEAT」
2021.11.28 12:00 開演
2021年11月28日、横浜アリーナのステージで、会えた。もう一度、会えた。
いつかはきっとまたライブができる。そう思いながら、でも本当にできる?と不安なのも事実だった。それはリスタートをドームにこだわるなら尚のこと。
会場に着いて、ステージがあって、楽器チューニングの音がした。
これだ…これが関ジャニ∞のライブ前の空気。エレキギターの音確認が聞こえることに、心臓がギュンと跳ねた。
開演前から、スクリーンにはトーク画面が表示されて、メンバーからのメッセージが。
入場して、チケットを発券して、座席を探して歩いて行く。
花道真横とわかってからの動悸。お腹の痛さ。トイレの行きたさ。可愛げのカケラもないけど、それくらいの衝撃。何もかもを吸収すると心に誓った。
未知の景色。ステージはすぐそこに。
始まる前からキャパオーバー。そうは言っても幕は開く。
いつもなら、開演数分前から自然と声と手拍子が重なる「エイト!エイト!」のコールが、どこからともなく聞こえてきた時の鳥肌。
事前に募集されていた、ファンからの録音音声がスピーカーを通してアリーナ全体に響いていた。
それを聞きながら、手拍子をする。
手拍子、拍手、ペンライトがあれば、声を出さずに伝えるすべはあるんだと、この瞬間から確信した。
暗転すると、一気にペンライトの海が広がる。
今回はグッズでのペンライト販売が無く、思い思いのお気に入りペンライトを持ち寄るライブ。
それをチョイスしたんですね!あ、あのライブの時の!勇者のヒマワリライトもいる!しっかり目立つ!と眺めるだけで多種多様。
オープニングの映像に、心臓が高鳴るのがわかった。
松竹座の赤い席。まだやり残したことがあるように、関ジャニ∞の一人一人が松竹座の方を向いているなか、聞こえるエイトコールに呼ばれるように振り向いて、松竹座を飛び出し走り出す。
声のする方へ。会いたくて走る。そのシンプルな感情が伝わって、スクリーンを見上げながら鼓動はどんどん早くなった。
なんという映像をつくるんだ…と思う。松竹座のステージに並んで立ち、客席を見渡していたのが「十五祭」ツアースタート前に公開された映像。
「47都道府県ツアー」が始まり、それが途中で止まった今。順を追うなら、47都道府県を再スタートさせてからになるのかなと思っていた。
そのチケットは持っていない。だからいつまでだって待つ覚悟でいた。
いつまでもは待たせないと先に決めたのは関ジャニ∞の方だった。
関ジャニ∞が納得する形で、順番で進めていけたらいい。そして紆余曲折で辿り着いた、今回のライブ。
ツアーとして進むはずだった、見つめていた景色のことも思いながら、聞こえてきた声に駆けつけるようにして走り出した関ジャニ∞に、想いが込み上げずにはいられなかった。
その映像の先。
ステージ下から音もなくスッと登場した関ジャニ∞
5人並んだ関ジャニ∞にようやく会うことができた。
ずっと、ちゃんと、自分の目で見たかった。
特効やフライング、様々な登場があるなかで、スッと出てくることを選んだ関ジャニ∞が、大好きな関ジャニ∞だった。
ここ一番の時、裸一貫を選ぶ人。
最初に歌ったのは、「Re:LIVE」
夢中でペンライトを振る手に力を込めた。
「町中華」No. 1ポーズで腕を伸ばし、片手は腰。からの腰グラインドダンスで、ディスコダンスを踊る関ジャニ∞のかっこよさ。様になるとはこのこと。
「YES」の時のひざまづく姿勢。丸山さんが特に、ぐわんと腕を大きく頭の上をかすめて回す雰囲気の作り方をしていて素敵だった。
ウェイターチックなサイドステップが5人揃った時のかっこよさが堪らない。
「町中華」から「YES」の並びで、こういうダンスのテイストを魅せてくるようになったんだと感動した。見せ様によってはコミカルになりそうな動きもスッとスタイリッシュに魅せる大人の空気がある。
顔の横に手のひらを見せて、薬指をちょいんと曲げる振り付け。村上さんがアップで映っていて、YESどころかこちらからMARRY ME!と思った。
アルバム「8BEAT」を聴き込んで、演出も含めてやっぱり好き!が強まったのは「YES」だった。
セット上部に掲げられた看板ネオンが、曲に合わせてハートに心拍数だったり、8BEATのロゴに光ったり。
変幻自在に変わっていたところにも感動した。
身構えさせることなくすっと歌に入った「大阪ロマネスク」にも痺れた。
終盤のフェイクの部分が、今回は安田章大さんなりのアレンジになっていて、歌い繋ぎながら愛着を持って変わっていくこともあるんだなあと実感した。
そこからの!まさかのウィンターソングつづき!
季節感ど返しのイメージがあった関ジャニ∞のライブで、しかも冬の曲は多いのにあまり歌わない印象でいたから、大変驚いた。
ライブの開催時期や、様々なことを含めても、季節感を入れるのは難しさのあることだったのではと思うけど、その楽しませたいという心意気が嬉しかった。
「君の歌をうたう」は、何年経とうと冬になれば聴く好きな曲。歌詞が哀愁に満ちているのも好きなところ。それが今回、ポップなダンスがついて明るい雰囲気になっていたのもワクワクした。
さらに「君へのキャロル」
丸ちゃん!!と反応せずにはいられない。
“だからこそ抱きしめてあげられるぜ”を直に聴ける日が来るなんて。
“I'm sorry Merry Xmas”と歌いながら、手の振り付けがハンドサインで『I LOVE YOU』になっているのがたまらなかった。
ひたすら丸ちゃんに瞳はロックオン。カラフルなコートにマフラーを下げて踊る姿に釘づけでいた。
「がむしゃら行進曲」は、“君たちが明日の光だ”と歌って指差す関ジャニ∞に向かって、こちらこそだ!と思いながら全力のペンライトで指差し返しをいつもする。
「イッツマイソウル」のダンスがメドレーショートバージョンではなく、アウトロまでちゃんと踊るタイプで、腕の動きー!首を揺らすやつー!とテンションが上がりっぱなしだった。
「凛」
スポーツを本気で見つめて学んで、なにより好きでいる村上信五さんが、フジテレビ系 東京2020オリンピック メインキャスターとして務めた番組。
そこで常に流れ続けた、関ジャニ∞の「凛」
その思いの深さは、公開されたMVから伝わってきたけれど、ライブで観た村上さんの姿にますます込み上げる気持ちがあった。
イントロの時から真上に顔を向けていた村上さん。様子に気づいてちらっとだけ目線を向けた横山裕さん。
思いを歌に、言葉を超えたグラデーションの感情が溢れていた。
ライブの構成が、熱を込めるところ、雰囲気を和らげるところ、明るくにぎやかになるところと、足し引き掛けのバランスが素敵で、
一曲ごとが粒だっている
安田章大さんの弾くギターのみでの「友よ」のアコースティックは、特にそのバランスから心にシンプルに届いた。
「Let Me Down Easy」での登場は、上下はスクリーンのまま中央が開いて、それぞれの小部屋の中でダンスを踊る。それからシャッターのようにおりていくスクリーン。足元へ閉じ切るまでダンスを続ける。
小部屋の頭上にはカメラ。カメラへ向けてのパフォーマンス。横山さんの腕を前に気怠く下ろして立っているだけの様子がひたすらかっこよかった。
そうかと思えば、ステージ下からすっ!と上がってくる関ジャニ∞
ハイテクマジック取り入れてきた!と感情を見事に揺さぶられる。
今回のツアーバックについていたのは、関西ジャニーズJr.
「AmBitious」(アンビシャス)と名前がついた彼らが、TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN」を歌う感動。
歌うならそうでなくっちゃ!と思いながら、実際に目にすると胸が熱くなる。
関ジャニ∞のツアーについて回ることになった彼らが、おそらく実際に新幹線に乗って、到着音の「AMBITIOUS JAPAN」を耳にして。
それからここ、横浜アリーナで踊っている。
ライブ序盤から、メインステージで関ジャニ∞の後ろに立ちバリバリに踊って、このやりがいはすごいだろうな…と圧倒された。
しっかり音楽を掴んで踊っていたのも印象的で、この場にいられることの意味と向き合っている子たちのパフォーマンスだ…と感動しながら観ていた。
肉眼で観ているライトは白く見えるのに、モニターに映った時に綺麗なブルーになっている照明にも感動した。
メンバー紹介に、アクロバットも映すカット割りも素晴らしかった。
「浮世踊リビト」には、あまりにナチュラルにサプライズを投げ込んでくるもんだから、??あ!!「浮世踊りビト」だよ!!と脳に到達するまでに時差が生じた。
「稲妻ブルース」の最高さはもう完璧。
記憶が合っていれば、序盤から安田さんと丸山さんのパシっと斜め角度のタイプのハイタッチ!さらに村上さんと大倉さん?の二人のハイタッチは新鮮に感じた。
安田章大さんと大倉忠義さんでの背中合わせ。後ろ位置で、こちらから見て手前の方に横山裕さんと村上信五さんが近づいていく。
バディ握手で、手を握り合い。からの丸山さんが上に手を置き、安田さん大倉さんが丸山さんの肩に手を置く。この一連を直に見られた感動といったら…!
「ブリュレ」の足ダンダンを円形中央ステージで観せて、正面ステージに戻り天を仰ぐポーズで終わるかっこよさ。
「ブリュレ」だったか、ギターを掻き鳴らす動きをする丸山隆平さんが、膝しっかり上げてガラ悪くてとても良かった。
バキバキダンス、ギラギラな関ジャニ∞を存分に浴びた。
再び暗転して、始まる映像。
関ジャニ∞が5人合流して、走るぞ!と行く道を見つけて進み出した先に、急に立ちはだかった白い壁。
耳を当てると、聞こえる楽器の音。
だけどその音も止んでしまう。
顔を見合わせたそれぞれが、手に取ったのはバールやバット。壁を壊す気だ、と見ながら思った時の気持ちは、今後もずっと忘れない。
思い切り振りかぶって最初の一撃を打ったのは、大倉忠義さん。
小さな穴から、どんどん広がっていく壁の向こう。
後編へ続く