WILD BLUE「Bubbles」 - 雨上がりの再会に跳ねる鼓動

 

好きな歌がひとつ増えた。

フルで聴くまではシャボン玉のイメージがあった歌が、フルで聴いてみるとダンスの振り付けにも傘を開く動きがあったように、雨の跡を感じるイメージへと膨らんだ。

 

グループ結成されたばかりのWILD BLUEのことは、

山下幸輝さんのダンスとパフォーマンスが魅力に溢れていること、

長い間一緒に踊って動画を載せていた、学生時代の先輩で友人でもある鈴川直弥さんが同じグループになったこと。

「‪いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう‬」で練くんの子ども時代を演じていた頃に知って以来、

ドラマなどで見ると嬉しくなった池田優斗さんが、グループでデビューすることに大きく舵を切ってスタートしたことを知ったのが、最初のインパクトだった。

 

WILD BULE メンバー

鈴 陽向さん

池田 優斗さん

山下 幸輝さん

宮武 颯さん

鈴川 直弥さん

 

なにせ「Bubbles」が好きだ。

ドラマの挿入歌で聴くのでは足りなくなり、リリースを待ち侘びたほどに。

好きそう、が凝縮されていることは直感するけど、何が好きかを言葉にしていこうと思う。

 

サビの歌詞の言葉選びに見事に惹きつけられた。

出会いは突然のように 甘酸っぱいストーリー

2度目ましての恋

“2度目ましての恋”、座布団かスーを差し上げたいくらい秀逸だと思った。

山下幸輝さんを知ったのは、ドラマから飛び出す勢いで結成された8LOOMでのパフォーマンスに目が離せなくなった瞬間からだった。

すでに歌声やパフォーマンスの魅力には引き込まれている人にとって、この出会いは“2度目ましての恋”という挨拶がぴたっとくる。

ここで初めまして!と言われては、出会い直し?と少し切なくなるのかもしれない。

 

そして、韓国ドラマを見ていると『初恋』は、かなり大切な意味を持つキーワードになるのだなと度々感じてきた。

TWSの「plot twist」で新鮮味を感じたのは、新学期の初対面のぎこちなさを歌にしたところだった。

それに対して今回は、初恋や初対面ではない形で、眩さを表す表現があると「Bubbles」で知るような。

曲調と息多めの歌声のトーンにKPOPの雰囲気を少しまといながら、今回のコンセプトに初恋ではなく2度目の再会での恋と表すところに、なるほど…と思ったりしている。

作詞に、 JUNさんとUTAさん。作曲、編曲にUTAさんのお名前を見て、雰囲気から引力を感じるわけだと納得してしまう。

今も「君の花になる」を聴いて気持ちを奮い立たせることがある。

 

WILD BLUEBubbles

作詞:JUNさん・UTAさん

作曲:UTAさん

編曲:UTAさん

 

サビのビートと絶妙に合わさって、歌声は炭酸のように涼しげ。だけどソフト。

Bubblesはいくつもふわふわと飛んでいるイメージがあるなかで、Coupleという言葉も“Couples”になっているのも興味深い。

韻も踏みつつ、“Couplesみたいに”と歌詞になるので、理想として眺めるカップルたちがいる景色なのかなと想像したりする。

手拍子にしてみるとやっぱり裏打ちで、これが好きなのは抗えない。

歌声の耳心地良さがありながら、リズムやアタックの位置が自然と耳に届いて、ダンスのステップが頭の中でも躍動する。

グルーヴまで伝わってくるのが不思議で楽しい。

 

“Ah yeah”にはディズニーチャンネルで耳馴染んだ洋楽の空気を感じた。

そして、“まるでBubblesみたいに”のメロディーラインが、すごくいい。

穏やかな声色が、低音へと着地する美しさ。

“もしも夢だったらこれで終わるの?”の、“だったら”下がっていくカーブの描き方が切なさを際立たせる音階で、“もしも”で少し音が弾むからこそ、弱気になる心情の緩急が伝わってくる。

 

印象的なサビがありつつも、転調、ボーカルの際立ち、フェイクパート。

終盤にくる、“forever”の後の二人の歌声が波線で描く、フェイクパートのメロディーラインがとても好きだ。

それぞれ部分的に聴くと、別の曲にさえ思える。

このメロディーから、あのサビに繋がるの?と思ったけれど、フルで聴けば確かにひとつの曲になった。

終わりを知らないで聴いた1度目で、ラストの構成にも遊び心を感じた。再び初めに戻って、聴きたくなる。

 

ダンスも魅力がある。

“2度目まして”の時の胸元に当てた手と、もう片方の手は背中にある紳士な挨拶。

“Wow”に合わせて驚きとあくび、そして投げキッスが合わさったような動きから、のびーとする腕。“前に”の動きと表情。

手の振りでの、これがアイソレか…と見入る首の動かし方。手のウェーブのなめらかさ。

全身のダンスでは、さっと組み込まれた傘の振り。片足立ちしながら、もう片方の脚を右左に掛ける動き。

口元に手で隠した人差し指のサインを、その内緒を明かすかのように、手はそのまま人差し指を前に置く動作。

さらに隠していた手はどこかへと無くすことで、もう秘密はなしという表現にも見える。

 

次々と浮かび上がる気持ちみたいなBubbles

ふれたら消えてしまう泡のようでもあって、だけど雨上がりの青空を漂えばどこまでも行けそうな。

歌声も聴きたい。ダンスと見たい。そんな魅力の「Bubbles」が、夏から秋の空を染めていく予感がする。