ファンシーとファンキーの融合で、グルーヴに身を委ねて - なにわ男子「What a funky time!!」

 

「初心LOVE」カップリングの曲調の幅広さに、こんなに贅沢いいんですかと言いたくなった。

 

キュートさの「初心LOVE」

オープニングな「NANIWA'n WAY」

キラキラの「Stating Bell」

トリッキーな「僕らのI LOVE YOU」

ムーディーな「君だけを逃がさない」

そして、なにわ男子が歌うファンク「What a funky time!!」

 

なにわ男子「What a funky time!!

作詞:miyakeyさん、51Black Ratさん

作曲:DAICHIさん、Keiske Koyamaさん、51Black Ratさん

編曲:Keiske Koyamaさん

「初心LOVE」初回限定版①に収録されている。

 

タイトルからして好きだ。

ルイ・アームストロングの「What a wonderful world」を思い起こすと、「What a funky time!!」の和訳は、『なんてファンキーな時間なんだ!』になる。

胸の高鳴りに空を見上げるような、2つ付いた“‼︎”が高揚感をますます表して楽しい。

 

きゅるるんとした表情だけではない、なにわ男子の歌うファンキーミュージック。

グルーヴに身を委ねる楽しさを、なにわ男子を入り口に知ることも出来るなんて、素晴らしい。

 

破裂音ばっちりなトランペットが大活躍。

さらに最高なのは、ベースラインが思いっきり聴こえるメロディーライン。

サビに入る瞬間にブーンとスライドで鳴っていて、ここが凄くいい!ボーカルと合わせて、一拍間を置くところにグッときてしまう。

それ以外のパートでもベンベンしっかり聴こえて、耳をすますほど楽しみどころが見つかる。

 

イントロの引き込み力もすごい。

エレキギターがギュイーンと鳴って、エッジが効いた音作りと思いきや、シャララランとウインドチャイムが鳴っている不思議な相性。

歌詞に入る直前に、トランペット隊が1人ずつ加わっていって、パー↑パー↑パー→パー↑と上がっていくところが好きポイント。

嵐の「ワイルド アット ハート」の“Ah-”のオクターブハモリに通じるものを感じる。

 

What a funky time!!

Groovin' Clap it out

NA・NA・NA・NI・WA魂(ソウル)

スパイスクールなリズムひとつ刻んで

 

Groovin' Clap it out”の語感がもう楽しい。

NA・NA・NA・NI・WA魂(ソウル)”の最初の“NA”がナナッと走る感じで、エフェクトではなく、自分の声を使ってスクラッチする歌い方がすごくいい。

スパイスクールなリズム”までをあまり区切らずに滑らかに歌うことで、日本語の歌詞に多い1音符に1音の配置と変化がついて、英語のようなメロディーラインを感じられる。

ひとつ”で呼吸を置いて、“刻んで”の『ざ』にアクセントがついて語気が強まるのも魅力。

 

トランペットを先頭に、エレキギターがセッションのように合わさって、ベースがリードするリズムにノリノリになった先で、

電子音のエレクトリックな曲調がぐんと割って入る感じがおもしろい。

ディズニーランドで言うと、トゥモローランド感が漂う雰囲気。

 

そしてまたトランペットがグルーヴを掴み直すかっこよさ。

サンドイッチみたいになった2つの曲調が、段々とクセになる渦を作って、ラストまで引っ張って行く。

メンバーの声が揃った、“Just make some noise”にもテンションが上がる。

 

2番のサビで、

スパイスクールなメロディふたつハモって

Groovin' Clap it out

NA・NA・NA・N・TE無双

超FancyなPartyはさあ終わらない

1番では、“スパイスクールなリズムひとつ刻んで”だった箇所が、“スパイスクールなメロディふたつハモって”になる。

ひとつ”が“ふたつ”になる対比と、リズムは刻んで、メロディはハモる、その並びが楽しい。

そして“NA・NA・NA・N・TE無双

無双って…いいよな…と浸りたくなる。音感としても耳心地がよくて、“NANIWA魂(ソウル)”から“NANTE無双”の流れで、関西の気概を表している感じがいい。

 

しかも、Funky(ファンキー)がキーワードになる中で、ここへ来て“Fancy”(ファンシー)が入ってくる遊び心。

このパートを歌うのが大西流星さんということにも、納得と感服。

これこそなにわ男子。“超FancyなParty”も楽しませてくれる彼らの、ファンキーな表情も見ることができる曲になっている。

 

曲名を知った時は、藤原丈一郎さんと大橋和也さんがJr.内で自ら名前をつけて組んでいたfunky8のことを思った。

センスのある素敵なグループ名だとすぐに覚えて、次の関ジャニ∞のライブで関西ジャニーズJr.の紹介で探したのもfunky8の名前。

今彼らは、それぞれの形で道を歩き続けている。

ファン心理を思うとデリケートなワードなのではと勝手な心配もしたけど、2人にとって、大切な記憶が変わることなくあることを、さり気なくでも確かに刻めることは、触れない言葉になるより、明るいこの先での再会に繋がるのではと思う。

 

 

この曲調で魅力発揮だと感じるのが、藤原丈一郎さんの歌声と高橋恭平さんの歌声。

序盤の“What a funky time!!”と聴こえる藤原丈一郎さんの歌声で、一気にディスコチック。

2番の“誰が笑っても構わないのさ”の高橋恭平さんの歌声は最高にエッジが効いていて、さらに“大陸間越えて”で景色が開けていく感覚になる。

耳に残ってフックになる声質、ボーイッシュさの声色を足すことができる魅力に引き込まれていく。

ここで高橋恭平さんと同時にハモっている声も素晴らしい。誰なのか確信を持てないのが歯痒いけど、ライブで確認できる日が来たら嬉しい。

生まれるのは縦横無尽のNova”で、大陸間越えるどころか大気圏を越えそうな、炸裂する歌声に心ごとグンッと持って行かれる。

 

Nova”は、英語では【新星】を意味するようで、一点から光るのも素敵だけど、“縦横無尽のNova”は、カメラ枠をはみ出す勢いでロケに挑むメンバーにしっくりくる。

さらにサビでフェイクパート。“刻んで”と“なんて無双”のハイトーンが冴え渡る。

なんて無双”のパートが特に好きで、フェイクならではの楽しいグルーヴ感。上がりきらない音の絶妙なゾーンを攻める、高橋恭平さんの歌声の魅力が存分に味わえる。

 

ニゾンで表れる、“なにわ男子の声”としての魅力。

そして曲調ごとに発見する、それぞれの声が活きる場所。

「What a funky time!!」でグルーヴを生み出す歌声を垣間見て、数年先さらにグルーヴィーな曲を歌ったら、どうなるんだろうとワクワクした。

ファンシーとファンキーの融合した魅力のこの曲は、ダンスがついたらきっとますます楽しい。