「なにわ男子」第二章のオープニングを感じるワクワクがここに。
高まる気分と一緒に、楽しすぎて切なくなる遊園地の帰り道ような感覚が込み上げた。しっかりと耳に届く西畑大吾さんの歌声に胸が熱くなる。
カラフルさが柔らかく目に飛び込んできて、
メンバーの名前に個性に自己紹介あり、
コンビの並びは確実に狙いを定めてきていて、
MVの最初に映るのは、なにわ男子はじまりの合図。
なにわ男子「NANIWA'n WAY」(なにわんうぇい)
作詞:川口進さん / Cypherさん
作曲:川口進さん
編曲:PeachさんMV監督:Shin Okawaさん
通知画面に気がついて、スマホを手に取るメンバー。
スマホを持っているメンバーをしっかり映す演出めずらしい!と思っていたら。
その画面に映っていたのは、
“ from Manager ”
“「なにわ男子」結成のお知らせ。”
なにわ男子が、グループの結成とメンバーを知った実際の出来事を再現するような映像。
マネージャーさんからのメールで知らされたのは事実で、これが本人たちに届いたお知らせの形だった。
どこまで再現したかは分からないけど、かぎかっこの付け方や、文末に“。”をしっかりつけているのを見て、おおよそ本当にこのままなのかもしれないと思った。
ファンにとっても、通知画面は特別。
ファンクラブに入ると、グループの出演作品のお知らせはメールで届く。
なにわ男子からのお知らせメールを見て、ふわっと顔がほころんで嬉しくなるファンのシチュエーションにも重なるみたいに、スマホの通知で歓喜という構成に、グットボタンひとつでは足りない。
今はYouTubeチャンネルもTwitterもInstagramもTikTokも、公式でチャンネルやアカウントがある体制が馴染んできたけれど、
徹底してSNSには近づかぬ…という事務所の姿勢が長く続いた頃は、なんとなくスマホを持つメンバーの姿も映さないようにしていたイメージで、
それがついにMVで演出としても採用されるまでに。
2021年の関西ジャニーズJr.あけおめコンサートで、黄色ユニットで「無鉄砲ボーイ」を歌った時にステージ上でスマホを小道具として手に持っているのを見て、おーと思ったところから、さらに前進してきた感覚になった。
メッセージを見た時のメンバーそれぞれの表情。
集まりあって、肩を組んでからの顔の見合わせ方が、ちゃんと初めましての空気感で、すこしドギマギした感じも間合いに出ているのがぐっとくる。
曲の途中やってくる、藤原丈一郎さんのターン。
ラップが来たときのパワー。大ボス登場の無敵感。
右に左にカメラが動く躍動感がすごく良い。動じない笑みと挑発的な指先でのカモンに心臓がギュンと掴まれる。
広い世界の中、出会った これが偶然でも運命でも
“出会った”の歌詞を歌いながら、大橋和也さんが藤原丈一郎さんのことをツンとつつく。
実は藤原丈一郎さんも、見えるか見えないかの位置でその後にそっと指差している。
“これが偶然でも運命でも”と歌うところに、胸打たれた。運命にしようともがく必要はない。
“これが”と冷静な視点で見つめつつ、“偶然でも運命でも”と続く言葉からは、どちらであっても気に留めずに今感じていることを確信に変えていく揺るぎなさがある。
そう もっと もっと 君のすぐそばで
夢を見たい
大西流星さんと長尾謙杜さんが肩を並べて歌う。
『タピオカちゃん』と呼ばれるコンビへの愛称がある二人。二人の可愛さは世界を照らす。
そして可愛さだけじゃない、アンテナを広くメイクやトレンドを楽しく追求する大西流星さんと、ファッションから衣装デザインとそのセンスを発揮する長尾謙杜さん。
グループそのものの可能性をも広げていく二人が、“夢を見たい”と歌うことの希望。
先のことは誰もわからない だけど信じてみるよ、何度でも
高橋恭平さんと道枝駿佑さんの歌声で響く。
この歌詞がでてきたときに、ああ応援していけるワクワクしていいんだと思った。
“わからない”で両手を開き、ジェスチャーをする道枝駿佑さんのかろやかさが、すとんと心に落ち着いて、“だけど信じてみるよ何度でも”と言いながらそっと扉を開く二人に胸が熱くなった。
この日々を 刻んでこう
今あることの尊さを知っているのは強みだと私は思っていて、それは過去や若さにこだわる意味とも少し違う。
大切だとわかっているから大切にできること。それを持って歩いていける彼らだと、この一連の歌詞を聴いていて思った。
歌い繋ぐ、“なにわともあれ”の心意気。
その柔軟さと心強さに惹かれている。
自己紹介のパネルが、写真を撮る時に持つアイテムの“フォトプロップス”を巨大化させたイメージの物になっているところが好きだと思った。
そしてそのプロップスを周りで持つのは、メンバーという演出。
カラフルが目に飛び込んでくるけど、柔らかい色合い。
「初心LOVE」含めて、とことんまで色が綺麗。映像として美しい。
ミルキーさがあって、落ち着いた雰囲気がありつつ明るさもある。色の合わさり方がマイルド。
これはBlu-rayにするね…高画質でなくっちゃだわと納得しつつ、当たり前じゃなく、なにわ男子のMVをBlu-rayも選べる形でリリースしてくれることが嬉しかった。
実際にメイキングをBlu-ray画質で見て、なんて綺麗な…と惚れ惚れした。
自己紹介のフォトプロップスを掲げる動きや、開いていく扉の制作裏、ここもメイキング止めずに見せてくれるの?!と思うほどのメイキングは見応えばっちりなので、初回限定盤2もおすすめしたい。
そして、振り付けのアーチェリーバーンがたまらない。
コンサートのMC企画で、おもちゃの吸盤アーチェリーですら構えると様になっていたなにわ男子。
両手でシンプルバーンではなくて、ぐーっと引いてからのバーンが、しっかり速度をつけて胸に刺さる。イラストにしたら、ハートに矢が刺さりまくり。しっかり7本。
長尾謙杜さんが気に入っていた、KPOPのジェスチャーが振り付けに組み込まれたのだとしたら、それも素敵。
MVのセットの道路に書かれた白線、様々な標識。
基盤のテーマは『Way』【道】で【方法】なのかなと思った。
“On my way”と表す歌詞も好きで、『Go my way』にするよりも、自分の決めたここが道と、足元をしっかり認識しているニュアンスを感じていい。
随所に見る、「初心LOVE」から続いているL字のジェスチャーや、斜め上へと指していく動きが、そこはかとなく飛行機のマークにも思えるのは考えすぎ…?
西畑大吾さんを中心に映る、片足を上げてぴょんぴょんする無重力みたいな動きや、ハンドルを握る動き。
そして、大西流星さんのグルンとハンドルを回す動きに、発進するぞ…!とワクワクする。
その時の後ろにいるメンバーの振り付けが、両手を背に回してリズムに乗っているところも好きなポイントだった。
縦一列に並んだなにわ男子の先頭で、ブーンと両腕を広げる大橋和也さんも印象的だった。
その腕に掴まる道枝駿佑さんと連なってメンバーが続く。
前のカットで、後ろのメンバーの方を向いて、わーっと両腕を広げている大橋和也さんも良かった。ローソンCMのメイキングといい、大橋さんはサザエさんポジションが似合う。
次々繋がれていくソロパートのなかで、高橋恭平さんの番が来た時に、高橋恭平さんの歌声にどんどん惹かれている…と今回も実感した。
「夢わたし」の歌声を聴いて以来、『晴れ渡る』という言葉がしっくりくるような、パァーッと景色が開けていく歌声に、耳がワクワクする。
曲の後半になって、
ここ!という大一番で響いた、高橋恭平さんの“決して消えやしない”の心強さに胸が熱くなって、何度聴いても泣きそうになる。
この世界に
たった一つ(Let's go)
光り続ける(Don't stop)
それぞれの夢目指し(Keep going)
On my way
楽しい日も辛い日も Going(Going)
さあ 振り向かずにいこう
“さあ 振り向かずにいこう”の西畑大吾さんの歌声がほがらかで、そのことになんだかとても安堵した。
歌詞の意味というよりも、次なる道を表す言葉を、歌詞であっても口にする時。思いやりの深い西畑大吾さんのことだと考えると、哀愁を背に負いそうな印象でいたけど、
「なにわ男子」という場所にも、関西ジャニーズJr.のこれからにも、託すということを自分自身に許せるようになったのかもしれないと感じて、うれしかった。
並んで踏み出す一歩を、靴紐を結んだスニーカーで着実に。
ワンカットな流れで繋いでいくMVが、地続きな道のりを表しているようで。
“決して消えやしない”道のりを胸に、これからの道を歩いていくのだと感じられる「NANIWA'n WAY」だった。