MCの時間になって、さり気なく長尾さんがステージ横から持ってきたドリンク入れが、POPMALLの買い物カゴだった。
みんなでバランスボールを椅子にするMC中に、ストロー付きペットボトルを手に、ちゅーっと水分補給している大橋さんがスクリーンに大映しに。あまりの可愛さに客席から黄色い歓声。
自分のことだと思わず、時間差で僕?!と驚く大橋くん。
さらに不意打ちで話しかけられた大橋くん、右手に持つマイクではなくて、左手のペットボトルをマイクとして口元に寄せるぽやぽやさ。
2日前の8月7日が誕生日だった大西くんと、本日、8月9日が誕生日な大橋くんのための大きなケーキが運ばれてきて、
クッキーにプリントされていたのは、なにわ皇子時代の大西くんの写真。大橋くんは「青木さん家の奥さん」時代の藤原くんしか持っていないというヘアセットで前髪巻き途中の写真。
藤原くんが、この写真で…と送ったのかなと想像すると、しっかり準備してるじゃないーと思う。
着替えの順番で、しばし1人主役MCになった大橋くんが、聞きそうだなと直感した通り朝ごはん何食べたん?と客席へ向けて聞いて、
いいもん食べてるなー!ハンバーグやろ?とハンバーグを食べたことにされてたのも面白かった。
その後の「パンとご飯は聞き取れた!あとわからん」も愉快だった。
「Make Up Day」と「Missing」が新曲披露されて、その時の衣装が黒のブラウスやシャツに、真紅のリップのような赤いボトム。
ウエストには、タキシードなどによく合わせるカマーバンドと呼ばれる黒のベルトを着けていて、紳士とモードの融合にテンションが上がった。
別の日のトークで、衣装を担当した長尾さんがこの衣装は海外のプロムからイメージして、さらに子供が大人びた服装をしている感じからきていると話したようで、
大っっ好き。と言葉にせずにはいられない。
ディズニーチャンネルの好みといい、映画の好みといい、長尾さんのセンスが好きのツボにダイレクトアタックしてくる。
「Make Up Day」が大西流星さん主演ドラマの主題歌で、大西さんの着ているブラウスは首周りが小花のレースっぽくなっているように見えた。
首元に細めの黒いサテンのような布を巻いているところからも、主役感が伝わってくるのがいい。
「Missing」は西畑大吾さんと松村北斗さんのダブル主演ドラマの主題歌になっている。
円形ステージがウエスト辺りまで競り上がり、中に入るメンバーと外に腰掛けるメンバーに分かれる。
円の周りに鉄格子のようなポールが並んでいて、囚われているようにも見えれば、ギャンブルの卓にも見えて、実際に恭平さんが内側からトランプを並べ、西畑さんが賭けに負けたか、賭けから降りる仕草をしているようにも見えた。
ここから「ちゅきちゅきブリザード」への流れを振り返ってみると、西畑大吾さんと大西流星さんの共作ちゅきちゅきシリーズでサンドされた2人それぞれの主題歌という、
謎が解けると繋がりに気づくミステリーがここにあった。
「ちゅきちゅきブリザード」で目の前を上がっていくミニステージに立ったのがまさかの大西さんで、プロのプロな姿をこんな目の前に…!と慄きながら、
真顔モードの切り替え、しゃがみ込んで両人差し指でちょんちょんするいじけモード、ひとつひとつの挙動が完璧で、その可愛さに各所から悲鳴に近いものが響いていた。
歌前にあったトレンディなにわ男子ドラマのクライマックスとして、藤原さん扮する丈子の元へ駆けていく大西さん。
荒れ放題なかつらの前髪を指先で直してあげる大西さん。
バックステージ側で繰り広げられるハッピーエンドから間髪入れず、高橋恭平さんの“君の好きを”で「Special Kiss」が始まるものだから、
待って目線が追いつかない!と焦りながらメインステージに目を向けると、丸いスポットライトに影が並んでいる高橋恭平さんと大橋和也さんの姿。
2人並んでボーカルを務めている感慨深さと、爽快に突き抜ける歌声をいきいきと発揮している高橋さんに努力と経験から実っていくものがあるんだなあと胸が熱かった。
にこにこな大橋さんと、うれしそうな照れ笑いの高橋さんが素敵だった。
上の方の席へも意識を向ける様子を、特に藤原丈一郎さんに見ていて、ずっと全方位に意識が向いているのが伝わってくる。
花道から上方に、カキーンとバッティングの動きをしているのも見て、野球の丈くんだ!と嬉しくなった。
今回、その心意気を全体の構成やメンバーの動線に入れてきたんだなと感じるところが随所にあって、
サプライズな2階席へ続くステージからの階段、そしてトロッコでの移動。メンバー入れ替わって両側をどのメンバーも通る優しさ。
移動距離だけでなく、その階段を建てることでの労力を考えると、どれだけ考えて話し合ったのかを思わずにはいられない。
2階席を動くトロッコに合わせて、照明さんが全身を使って照明を回し追いかけていて、そこに女性の照明さんもいたことにも感動した。
真ん中のステージもかなり高くまで上がる演出があって、上の方にあるミラーボールに見えた銀の丸が、ステージが上がることで惑星のようにも見えた。
ライブ演出としてのバランスを取りながら、どこにいてもどこから観ても、なにわ男子の姿が届くようにと考えられているのがわかる。
花道も、サイドなのにこんなに何度も通る演出はあまり観てこなかった。
ダンス曲が息つく間もなく立て続いたり、走りに走ったりで、どれだけの運動量なんだと思って、ありがとうね休めるとき休んでねとばあやの気持ちになった。
2階でトロッコに乗って歌う「Soda Pop Love」「サチアレ」
アルバムを聴いていて好きだった「マジック」は、直に聴いてもやっぱり好きな曲だった。
ダークな曲調をこのセットリストでどう入れてくるのかも楽しみだった。
パフォーマーさんたちが纏う黒ずくめと、ショッピングモールにありそうなマネキンが不気味に動き、怪しげに続く階段と白い家がスクリーンには映る。
西畑大吾さんが彷徨い入る先にいるのがメンバーで、白い衣装でダークにはじまるのが「Tick Tack Heart」
腕を伸ばし撃ち上げるようなダンスが揃う時の迫力が、緊迫感を煽って会場の空気をつくっていた。
「2 Faced」「LAI-LA-LA」でガッシガシに踊るなにわ男子を斜め位置から観ていて、ほぼ横から観てもフォーメーションの移動に迷いなく、全体のダンスとしてのかっこよさがあった。
大橋和也さんを目で追わずにはいられなくて、後ろに下がってもバリバリ音に乗って軸は安定しながら全身で踊る様子に見入った。
ダークな空間から、なにわな明るさへとギアを入れていく「Blue Story」「NANIWA’n WAY」「青春ラプソディ」「なにわの男子やねん」
本編ラストとして登場した時の、ホテルマンの制服から着想を得たようにもみえるデザインの黒と黄色のラインの衣装がすごく素敵で、
長尾謙杜さんがこだわったはずのメンバーごとのデザインの違いが表れていて、大西流星さんには短めの肩を覆うマントだったり、西畑大吾さんにはしっかりマントだったり、
高橋恭平さんはアシンメトリーな生地のバランス。道枝駿佑さんにはロング丈。
長尾謙杜さんはロング丈でありつつ、落ち感のある生地で尚且つ光沢とさらんとドレスのようにドレープが綺麗に揺れる形になっていて、それぞれの動き方の個性を衣装がさらに輝かせるデザインなんだな…と感動しきりだった。
大橋さんと藤原さんの衣装もしっかりみる目が追加で欲しかった…!
ライブラストは「ハッピーサプライズ」
歌番組とは変えたダンスで傘を小道具に使って、踊る演出が良かった。ミュージカル『雨に唄えば』を思いながら見ていたら、「ハッピーサプライズ!」の声を合図に、空から降るパステルボール。物凄い量。降る。とにかく降る。
日常で夕立ちが身近だったために、傘があってよかったね…!と謎のばあやがまた心に目覚めた。
「本日は、ご来店ありがとうございました!」と締めくくるのが今回のコンセプトならではで、
両側から閉まっていくゲートの真ん中で微笑む大橋さんが最後まで映っていた。
降り注いだボールはステージを埋め尽くしていて、上ステージに続く階段にもチラホラある。
花道の先にも溜まっていたから、これは片付ける?片付けないとしたらメインステージは使わないアンコールになる?と“なにわ男子コール”の響くなか想像していたら、メインステージから再び登場。
そこから?!という驚きと、もはやボールプールになったステージで座ったり寝転んだりで遊ぶ様子が、お子様のプレイグラウンド。
それからどうする?と見ていると、花道にあるボールも軽快に踏んで進む大橋さんがすごかった。
アンコールでのツアーTシャツの着こなしがいつにも増してカジュアルで、
大橋さんは明るめ水色のデニム太めシルエットにコンバースみたいな組み合わせが似合っていて、
大西さんはグリーン合わせで、サロペットの上を下ろして着るボトムにしているのが良かった。
みんなトップスインの具合が絶妙で、流石だった。
聴けて嬉しかった曲で「僕らのI LOVE YOU」は間違いなくランクインする。
あのしっとり壮大な歌い出しを大橋さんが実際どう歌うかを観たいと思っていて、念願叶った。
そして今回は封印?でもそんなはずは…と思ってアンコールまできた「ダイヤモンドスマイル」
アンコールのトップバッターではないところが、焦らすねー!と思いつつ、それが楽しかった。
ここまではメインスクリーンに映る映像はレトロなテレビの中に映る感じだったりしたけれど、ここぞ!でメンバーをシンプルに映したことに流石!と思った。
この曲を大切にしながら、いろんな形で歌えるように年々なっていることに、なにわ男子の歩みを感じた。
最後の最後は、アルバム曲から「Paradise」
ここへきて7分割でメインスクリーンにばんっと映る1人1人の顔は、それだけで物語る成長があった。
着地点がアルバム曲になることで、バラエティに富んだ構成でありつつ統一感が保てることを思いながら聴いた。
今回のアルバムで最も好きになった「Wanna be yours」も、いつか聴ける日を心待ちにしている。
本編のラストで、閉じていくゲートの向こうになにわ男子を見送った後。
アンコールがあるはずと思いながらも、すぐに押し寄せる寂しさがあった。再び登場したなにわ男子を見た瞬間、照明だけではなく、“明るくなった”という感覚があった。
すぐそこと言いたくなるくらいに、目が認識できる距離で踊って走って手を振る姿に、明るくなったと感じるくらいの眩しさを思いながら、同時に“等身大”を感じていた。
等身大の、世界にたった1人。
走れば息を切らすし、汗もかく。しゃっくりも出そうになる。ファンに目を向けてうちわに応えようとする時の表情は、人と人との意思疎通をしようと心を配っているのがわかる。
デビューが夢ではないと確信したあの日の夜公演に観た、なにわ男子の決意と輝き。
2年ぶりに再会できたなにわ男子は、めまぐるしくもしっかりと一歩一歩を重ねて、
メッセージやエモーショナルさとはまた他の、コンセプトを楽しく盛り込みつつ、なにわ男子の可愛さ楽しさ、成長してきた凛々しさの見えるライブを届けてくれた。