なにわ男子のライブに行くと、楽しい可愛い嬉しいゲージがいっぱいになる。
Jr.からデビューへと道を歩んだ「First Arena Tour」が2021年。
デビューして最初のライブツアー「1st Love」は2022年。
そうして、ここからライブとして観せたいもの、チャレンジしたいことに踏み込める段階がやってきている予感がした。
なにわ男子ライブツアー「POPMALL」
2023.8.9 18:00
会場に入って、ステージを見た瞬間からワクワクする空間が広がった。
自分たちがミニチュアになったかのような、大きな大きなレジスターや、カプセルの入ったガチャガチャマシーン。
お人形が入るのにぴったりな空のボックスが並んでいたりと、開店を待ち侘びるショッピングモールのソワソワが溢れる。
開演前からステージに2名ずつ、コミカルで可愛いイエローの衣装を身につけた、『ポッピンクルー』と名づけられたパフォーマーさんが登場。
携帯?トランシーバー?を背負ったパフォーマーさんが出てきてくれていて、
ロボットダンスの動きで楽しませたり、“なにわ・男子”の手拍子を盛り上げてみたりと、すでに始まっている感が高揚感を増してくれた。
時間がやってくると、これまたサプライズなパフォーマーさんたちの登場で、1階のみんなも通る出入り口から続々と歩いてくる。
ポテト?みたいな頭の帽子だったり、ドリンクカップを背負っていたり、ポップなごみ袋を持っていたり。
モールでよく見る物たちが、キャラクターになって息を吹き込まれた可愛さがあった。
はじめからずっと真ん中の円形ステージに置かれていた、三角コーンとバーの囲う先にはピンクの箱と、その上に大きなシルバーの鍵がある。
それを手にしたポッピンクルーたちが、せっせと運んで、途中で鍵をどこにやったっけ?とうっかりしながら持ち直してようやく鍵を回すと、動き始めるモールの世界。
元々ステージにあった大きな箱がポッピンクルーたちによってセットされると、
そこに下から箱に収まる形で登場したのは、なにわ男子。
箱から出てきて歌うのは「Poppin’ Hoppin’ Lovin’」
“POPMALL”と一文字ずつ書かれた、円形で少し傾斜のある小さめな台に、体育座りのお洒落版なポージングで座って出てきたメンバーの可愛さ。
ひとりずつカメラでアップに映るたび上がる歓声。
箱の後ろで、しっかりと位置調節と安定を守っていたポッピンクルーたちの働きも素晴らしかった。
ステージにあるレジの電飾が凝っていて、曲ごとにタイトルが文字として光っていたところにも感動した。
自分のいた席が左側のステージ横辺りだったこともあって、斜めのフォーメーションダンスが存分に観られたことが嬉しかった。
ドキドキしてる 街は色づく
始まる予感は Party time
「Poppin’ Hoppin’ Lovin’」の歌詞そのものな空間が目の前に。
明るいグリーンを基調にオレンジのラメラインがキラッと輝く衣装で、ふち取りに青白赤のトリコロールカラーが使われているところに海外へ送る手紙(エアメール)の要素を感じて、
去年のライブで大切なテーマだった、飛行機からの関連を思ってとてもワクワクした。
藤原丈一郎さんと高橋恭平さんが太めのネクタイなところも、素晴らしくポップな装い。
時間差ステップや、“もう止められないね”の腕ダウンの動き、大橋和也さんの後ろから前への大移動、
一瞬向かい合った時でも笑い合ったりちょっかいを出しているメンバーの様子に、1曲目から弾む楽しさが止まらなかった。
この日、8月9日は大橋和也さんの26歳になる誕生日。
登場して挨拶するなり、「真似してなー」「誕生日ー!」「おめでとうー!」で自らコール&レスポンスにする大橋くんの愉快さが大好きだ。
いつもハッピーな笑顔を届けてくれる大橋くん。大切な日なのも相まって、僕!が弾ける笑顔が眩しくて最高に可愛かった。
目立つことよりはバランスを心がけそうな大橋くんが、今日ばかりは僕!をできてるのが可愛くて、
ちょっとのいじわるで流したかと思えば、不意打ちで歌詞を大橋くんへの言葉に変えたりして、いっぱいの愛をもって返しているメンバーと、それにびっくりする大橋くんのやりとりも微笑ましかった。
会場に満ちる緑のペンライトが壮観で、大橋くんへの愛だ…と思いながら眺めた。
オープニングの賑わいにつづく「ねぇ」でダンスで向かい合うたびちょっかいを掛け合い、可愛さゲージをさらに上げたかと思うと、
「Super Drivers!!」のイントロに合わせて大きな幕に覆われたメンバーがいかした三角サングラスに棒つきガイコツマイクを手にして現れた。
クラクションにエンジン音でグルーヴが効くところにガイコツマイクは!好き!と思いながら、シャウトする大橋和也さん、イケイケな道枝駿佑さんに釘づけ。
いつの間にかステージはドライビング空間へと変わって、スクリーンには車内のメーター表示がイラストで映る。
レーシングカーのごとく赤白フラッグを振るパフォーマーさんに、大きな幕が外されると見えたのは、いかつめミニバギーを走らせるメンバー。
ステージから真っ直ぐ伸びる花道に、道路のような白線も引いてある。
そうかと思えば、いつの間にか撤収されたミニバギーで到着した先で「初心LOVE」
わあっと上がる歓声に、自分も2年前以来のなにわ男子ライブで、初めて直に聴くことになる「初心LOVE」だと嬉しかった。
真ん中ステージで歌う背中を見つめるのもいいものだなと思っていたら、サビのパートから“前”だけではない方向からも楽しんで観られるダンスになっていて、
この曲に限らず、背中だけを見せることがないように、細やかに前後フォーメーションを入れ替えたりして、どの席にいても“観た”と感じられる演出になっていた。
真ん中の円形ステージに、ストリートなファッションで登場した長尾謙杜さんと高橋恭平さん。
ダンスバトルかと思ったら、円形ステージに大きなレコードの針があることに気づいた2人が、針を置いて流れる曲をスクラッチで遊びはじめた。
レコードの中央部分の幕をひっくり返すと、次の曲「Tutti Frutti」の盤になっている演出が最高だった。
それぞれのダボっとめファッションのなかで、大橋さんに水色の衣装を当ててくれてありがとうと思うくらいに似合っていた。
続く「Prime Time」への流れも良くて、スクリーンにはシティポップを思わせるイラストがジャケット写真として映っていた。
少しせり上がった円形ステージに、メンバーが円形に寝っ転がり、カメラが上から映す演出もユニークでいい。
花道で両手を広げて、じっと待つ道枝さんにようやく気づいた藤原さんが、てててっと走ってぴょんっと抱きつく一幕があった。
ポッピンクルーの動きひとつひとつからも魅力が光る。
レジの引き出しの中に収まって立っているところへ、お会計のためにカゴを持って並ぶポッピンクルーで列ができ始めると、レジ応援のアナウンスが流れるコミカルさはワクワクを最大にしてくれた。
ボールの床に気をつけながらそーっとステージを降りて行く様子にも愛おしさが湧いて、ありがとう!楽しかったです!と伝えたくなった。
迷子のアナウンスまで公演ごとに変化して流れる。
8月9日の公演は大橋さんの声で、カレーの好みを特徴に西畑さんが迷子に。
ここまでの流れですでにイメージを超えた幅広いライブづくりを感じていて、
「POPMALL」のアルバムコンセプトを最大に楽しみながら、そこのみに捉われずに空間を塗り替えていく観せ方が出来上がっていた。
なにわ男子のさらなる成長が見える演出、ファンにも喜びのある構成、考えに考えてつくられたライブステージだ…と実感する空間だった。
「I know」からコミカルと凛々しさをグラデーションで取り入れつつ、「The Answer」でグッとダークな雰囲気に引き込んだ演出も素晴らしかった。
「Melody」で左側に大橋和也さんが立つとは思わず、“キミのために歌う 僕らのMelody”でひとつずつ届けるように優しく指をさしてから腕を広げる大橋さんのその笑顔が心に沁みた。
“耳を塞いでいる人にも届くように”と切なくでも寄り添う仕草で歌うその姿が美しかった。
流れ星のようなイントロから「Starting Bell」が聴こえた時の喜びといったらなかった。前作のアルバムで幾度となく聴いたお気に入りの曲だった。
「#MerryChristmas」から「なにわ Lucky Boy!!」でキュートさの弾ける“なにわ男子感”もライブにしっかり盛り込まれていて、期待も取りこぼさず連れて行く。
「#MerryChristmas」で、前を上がっていくリフターに乗ったのが西畑大吾さんで、“溶けない”のキュルルンパートを目の前に観られて嬉しかった。
「なにわ Lucky Boy!!」のぎゅぎゅっと並ぶ決めポーズを背中側で観られるという貴重な景色に、大きくなった背中だ…と思いながら眺めていた。
注目せずにいられなかったガチャガチャマシーンは「ちゅきちゅきハリケーン」で活躍。
道枝駿佑さんがガチャガチャ回したい!と次々回すと、それはそれは大きいカプセルがごろんごろん出てくる。
それがまさかのバランスボールになっていて、そこに腰掛けてちゅきちゅきダンス。
パフォーマーさんたちも出てきて、バランスボールを隣り合わせにして、大橋和也さんがロングトーンで歌うところをパフォーマーさんに顔を向けて遊んでいたり、
西畑大吾さんがバランスボールを運んで隣に座って仲良くしていたりして、今回のライブで仲間になったパフォーマーさんとのステージづくりを感じられる演出だった。