なにわ男子のデビューを知った日、
一粒ダイヤのネックレスを持ちたいと思った。
「ダイヤモンドスマイル」に胸を打たれた、あの日から。瞳に飛び込んだ光は消えることなく増すばかりだった。
なにわ男子のさらなるスタートと共に、時間を刻むことのできる何かがほしいと思った時。どうしたってダイヤモンドは第一候補になった。
そうは言っても、予算豊富なわけではないから、自分にとっての大盤振る舞いと言っても上限がある。
いろんなアクセサリーブランドのサイトを見た。
こっちはこのくらいだけど、こっちのよく知る名前がブランドとしてつくとゼロの桁が違う…!!と慄いた。
私が毎日着けているアクセサリーは、アクアマリンの一粒ネックレス。あとはホイッスルのネックレス。
アクアマリンのネックレスは、一生着けていけるものがいいと選んだけれど、ひとつ後悔していることがあった。
それは、チェーンの変色を考えずに決めたこと。
ピンクゴールドが肌には一番馴染んでいて、次にゴールド…とわかっていたものの、当時の予算事情と選びたいブランドの兼ね合いで、シルバーネックレスを購入した。
調べれば調べるほど、絶対的な変色の無さは難しいと理解したけど、シルバーは特に、ブランドのものであっても着け続ければ変色は避けられないと分かってきた。
だから、シルバーではないものにしようとだけ決めていた。
ダイヤモンドの一粒ネックレスは、様々なデザインでいろんなブランドが取り扱っている。希望している形を基準に、輪っかで囲われた石留めのタイプをずっと見ていた。
でもぴんと来なくて、気に入ったものを購入したいよなぁと思っていたある日。
通りすがりに見ることはこれまでにもあったアクセサリー店で、これだ。と見つけた。
見た目よりも先に目が行ったのは、その名前。
“シャンパンダイヤ”と書かれた文字だった。
これじゃん…これだよ…
名前を見て、心動かずにいられない。そういう名前のダイヤモンドがあることを初めて知った。
どういう違いがあるんですか…?と店員さんに尋ねたら、「シャンパンを溢したような、オレンジみがかった色合いなんです」と説明をうけて、これじゃん…と尚更思った。
店員さんの言葉選びが、私の胸にしっかり刺さった。
なぜ、なにわ男子に“ダイヤモンド”を思うのかというと、なにわ男子の歌う曲に、まだ音源化はされていない「ダイヤモンドスマイル」という素敵な曲があるから。
そして「ダイヤモンドスマイル」に“シャンパン”を連想したのは、初めて曲を聴いた時の印象が“シャンパンの泡のような輝き”だったから。
大橋和也さんの歌声を聴いて、キラキラと心弾む表情をつけて歌う人だと思った。シャンパングラスにゴールドの波がゆれて、泡がはじけている風景が思い浮かんだからだった。
だからどうしてもこれがいい。
サイズもチェーンの付き方もそれぞれで、すぐには決まらず、ひとつひとつ着けてみてよくよく考えた。
石の周りが囲まれているのも存在感が出るけど、爪留めだと光を多方面から集めてキラキラと綺麗に見えた。
両側からチェーンが繋がっているタイプがいいかなと思っていたら、センターでゆれるタイプの付き方が好きなことに気づいた。
そうして決めた、シャンパンダイヤの一粒ネックレス。
買いに行く日は、なにわ男子のデビュー日。
2021年11月12日。
待ちに待ったその日が来た。
想定外に「初心LOVE」のジャニーズアイランド盤以外をフラゲ出来ていなくて、待てるだけ待ったものの来ない。
それでも今日買うことに大切な意味があると、配達との行き違いを覚悟で、ネックレスを買いに出掛けた。
結局CDは、帰った数分前に配達されていて不在票で、戻って来て私の初心LOVE…!!と思いつつ再配達をお願いして、夕方にようやく受け取ることができた。
いつもなら、店員さんとのコミュニケーションを自ら進んで取ることはほとんどないけど、この日ばかりはどうにも嬉しくて、
この日に買いたかった理由を話した。そしたらまさかの、店員さんはSnowManのファンだとわかり。
Amazonプライムのなにわ男子ドキュメンタリー「natural」まで見ていて、思いがけず盛り上がった。
さらにもうお一人、対応してくださった店員さんはSixTONESのファンなんですとお話してくれて、なんだかもう挨拶回りみたいな雰囲気に。
「デビューおめでとうございます」と言ってくれることに感動した。
うれしいやら気恥ずかしいやらで、頑張ってきたのはメンバーで私事では…と遠慮しながらも、花嫁の父のような心持ちで、「おめでとうございます」に「ありがとうございます」と応える会話が温かかった。
お店でネックレスをもう一度着けてみて、これにしますと決めた時間。
それはなにわ男子が、JALの飛行機の前で「初心LOVE」を歌っていた時間だった。
思いがけない偶然に、このネックレスがさらにスペシャルになった気がして嬉しかった。
なにわ男子へ思いを馳せた記念でもあり、
自分にとっても、ここまで過ごした一年は分岐点で、ここまで来たことの目印を置きたかった気持ちもある。
華奢なチェーンで、日常に馴染むゴールドのセンターでゆれるシャンパンダイヤ。
ネックレスとしては小さな一粒でも、わたしにとっては心強い輝き。