タイトルだけを書いて空欄だった1年前の下書き。本文を入れる日が本当に来るとは。
ビートは刻んでいくもので、ここまで刻んできたリズムも根づいた音が、今の音になって響いているなら、
5人で奏でていても鳴るのはエイトビート。
関ジャニ∞のニューアルバム「8BEAT」(エイトビート)が、2021年11月17日に発売された。
4年半ぶりのオリジナルアルバム。
「ジャム」の衝撃に痺れてから、もう4年半が経っていたことに驚く。
待っていた自覚が無いわけではないけど、関ジャニ∞はずっと動いていたことは伝わっていた。
シングルでも受けることはある衝撃が、アルバムになると大暴れで衝撃の嵐。関ジャニ∞のアルバムとはそういうものと鍛えられてきた。だから楽しみで仕方ないアルバム。
eighter盤に、完全生産限定盤、初回限定盤、通常盤と、この盤にしか入っていない曲やソロ曲とあっちゃこっちゃ盛りだくさんで、何を基準に書いていいか迷ったので、今回は『完全生産限定盤』の曲順で、アルバムトータルの感想文を出来るだけ簡潔にリストにします。
「ズタボロ問答」と、各メンバーのソロ曲については、この記事とは別の形で書くと思います。
「8BEAT」
- 1.「8beat」
- 2.「稲妻ブルース」
- 3.「友よ」
- 4.「凛」
- 5.「キミトミタイセカイ」
- 6.「Let Me Down Easy」
- 7.「YES」
- 8.「町中華」
- 9.「関ジャニ∞ on the STAGE」
- 10.「ひとりにしないよ」
- 11.「ココロに花」
- 12.「Re:LIVE」
1.「8beat」
インストバンドで始まるこの感じ!ジャムから引き続いてくれているのが最高に嬉しかった。
ベースが乗ってきた瞬間にニヤついてしまう。トランペットが鳴り響いた時、キーボードが音を弾ませた時、エレキギターが縦横無尽に動くのが聴こえて、ドスッドスッと心臓を揺らす重心下めなドラムが聴こえるこの喜びは、自分にとって関ジャニ∞でしか味わえない。
ドラムの聴き分けを出来るほど音に詳しくはなれていないと思ってきたけれど、先日の歌番組で大倉忠義さんの踏み叩くドラムを聴いた時に、耳がこれを欲していたとわかった。
アルバム「8BEAT」の幕開けに相応しい「8beat」
2.「稲妻ブルース」
一間置いての、“バン!バン!バン!”に痺れないはずがない。
トランペット、スウィング、ジャズ、ピアノ。どれもこれもが好きに決まってる。
“ド!派手に”や“ッハ!!”の覇気がビリビリ伝わって、まさに稲妻。守ることだけでなく守られることも強さだと歌う歌詞が真っ直ぐ新鮮に胸に届く。
大サビ前“ひた走れ”の後の、“ド!派手に”の大胆な一拍の開け方にもかーっこいい!!と心を握られる。個々の声はバキッと原色なのに、ユニゾンで歌うとそれぞれなのにバラバラじゃない。
関ジャニ∞のハーモニーここにありと感じる曲。
3.「友よ」
“すぅっ”と入る息を吸う音からの“なあ 友よ”
前曲の「稲妻ブルース」の音数からぐっと抑えて、声が前にくる曲のテンションに変わる。
“不甲斐なき時代に 図太く誓いを”の歌詞が今の自分の胸には色濃く刺さる。
「稲妻ブルース」でバッと火のついた温度感の次にぴったりの曲順だと感じて、そこにも痺れた。
4.「凛」
かろやかさを身につけて、ボーカルの雰囲気も毛筆からさらり線を描くペン先へ。
大倉忠義さんの歌声が、ハモりのスイッチではなくメインを奏でるための喉になっていることが強烈に伝わってくる。
ラストで“加速してゆく”と歌う丸山隆平さんが、『か』の音を『が』になるくらいエネルギッシュに、前に小さな『ん』を含んで発する歌い方をしていて、込められた力が声に表れているのがすごくよかった。
5.「キミトミタイセカイ」
ううわあ…と聴きながら吐息多めにおでこに手を当てた。
ここで「キミトミタイセカイ」来ますか…!バラードここに置きますか…!
“キミトミタイセカイ きっと目を覚ます頃に ナミダ溢れて…”という歌詞を聴くたびに、言いようのない胸の苦しさが込み上げてくる。
眠っている間はその存在を感じられたかもしれない相手が、もうそばに居ないことを悟って流れる涙のように思えて、一人涙を流す姿を思い描いてしまう。
その歌詞には関連しないけれど、シングルとしてのリリース時は大倉忠義さん主演のドラマ「知ってるワイフ」の主題歌として聴いていた曲が、今あらためて、
関西ジャニーズJr.のプロデュースに携わり始めた2018年頃、アイドルとしての居る形やモチベーションについて考えて燃えつきていた時に、関西ジャニーズJr.の子たちと接して感じたものがあったと当時のことを話した大倉さんのことを思うと、この曲は宝物だったんじゃないかと感じた。
時計の針の音がそっと鳴りながら終わる最後には、切なさよりも、まだ間に合うと感じられる希望がある。
6.「Let Me Down Easy」
人の声の温かみから、エフェクトの効いた音感に。
「クラブサウンドのような雰囲気 × 関ジャニ∞」の化学変化。人間味に泥くささは関ジャニ∞の持ち味とも言えるけれど、そのメンバーの声がエレクトリックな音と合わさると…?が体感できる楽しさがある。
フラスコで色の変化を覗き見ているみたいな。
電子感いっぱいのところから、最後にレコードの針の音のようなフツフツ音で終わるギャップがおもしろい。
7.「YES」
好きですね!が第一印象。
グルーヴに、ビートが心地良い。
ディスコサウンド?という括りで合っているのかは分からないけど、ドスッとくる厚みと言うより、弾むようにふわりとジャケットの裾をひるがえすように響く歌声が魅惑的。関ジャニ∞の歌声でこのテイストが聴けるなんて、たまらなくワクワクする。
“誓うよ 幸せを”のパートで下ハモをしているのは村上信五さん!?よくよく耳を澄ませて聴けば聴くほど、間違いない気がしている。メインパートでの高音から想像のつかない重低音に、ドキドキが止まらない。
安田章大さんの歌う、“終わらない 飾らない”のリズムが効いたサビが最高。
『Please』ですらなく“ Just Say “Yes” ”と言い切るプロポーズを小粋に決めているわけで、そしてついに“YES”を勝ち得る関ジャニ∞は新鮮。
それでも哀愁を探したくなってしまうのは、実らない恋を歌い続けてきた関ジャニ∞が魅せる、かっこのつかなさの魅力を知ってしまっているから。
“Baby”と語りかけていたり、“oh-oh”のメロディーが下降線を描くところにも、やはり想いの強さは関ジャニ∞側が強めな印象がする。
8.「町中華」
“アーハアハ”のノリの良さに流されてなるものかと思いながら、結局意味より感覚で楽しめてしまう悔しさ。
岡崎体育さんのことだから、必ず見えるところと見えないところで何か遊び心を含ませているはずだ…!と考えたら、KC & The Sunshine Bandの 「That's the way I like it」だ!!と繋がって嬉しかった。グルーヴ感の共通点が楽しい。
意味を考え出したら負け。考えるな感じろ!の姿勢かと思いきや、意味のある英語と掛けてあったりもする。
全然わからんと思いながら聴いていた時は小粋な英語っぽソングに聴こえていたのに、歌詞カードをひとたび見てからリスニングできてしまう。
レコーディングでは、丸山隆平さんが最初に一通りレコーディングしてみたと、オールナイトニッポンで話していた。その理由がわかる。この言葉遊び、語感をモノにできるのは丸山隆平さん以外にいない。
9.「関ジャニ∞ on the STAGE」
“ポップアップ決めて ドヤ顔”ではじまる歌。
しかもイヤホンで聴くと、“どやぁ…”の声が右から左、左から右に躍動感しっかりで移動して行くのが面白すぎる。
やばいやつ(曲)出てきた…!!と思わせて、関ジャニ∞のライブあるあるがこれでもかというほど。
“フードをかぶれば はいアイドル”を大倉忠義さんに歌わせるのは反則。奇跡的にダンスの途中でフードを被れちゃう大倉さんのことをよくご存知で。それくらい詳細に、曲を聴けば関ジャニ∞のライブ風景が次々思い浮かぶ。
“でもお前らに会えて死ぬほど嬉しいんだぜ”を歌う丸山隆平さんにグワーッと胸が熱くなる。
“炎吹きでたら 熱って言うし”には笑ってしまった。“イヤモニ外すね” “イヤモニ入れるね”をいい感じのメロディー歌わないでとまた笑う。
丸山隆平さんのぽやぽやパートのメロディーの良さもずるすぎないですか。
そして、“なんやねん それ!の連続”のところには、歌詞にもメロディーにも泣かされそうになる。
10.「ひとりにしないよ」
「ひとりにしないよ」の曲順も素敵。
柔らかい雰囲気をどこに置くのだろうと思っていたら、ぴったりなところにすっぽりいて微笑む気持ちになる。
前の曲で、あんじょうしてやって感じの近い関西のあんちゃんになってからの、温もりの歌声。
トリッキー、エフェクト、曲の個性盛り盛りの中でのこの曲の存在の大切さ。ほっとミルクをマグカップで手渡してもらったような優しさ。横山裕さんの歌声に、狩野どのー!コタロー!と夕日へ声を上げたくなる。
11.「ココロに花」
前の曲からバトンを繋いで、ストレートに届く声。
よかった日もだめな日も隣にいる関ジャニ∞
“FU-GA FU-GA…と入っている歌詞に、Lil かんさいの大西風雅くん良かったね…!と嬉しくなる。曲の可愛らしさとガンガンのエレキギターのバランスも楽しく耳に響く。
12.「Re:LIVE」
うれしさと感動でにやっとしてしまう。
いつまで続くことになる…?と何もかも見えなかったあの時、共に駆け抜けようと手を取って前へと歩こうとした日々のことが鮮明に蘇る。
暗く、思い出すのを躊躇う記憶としてではなく、開けていくんだと加速を感じながら今この曲を聴けるのは、用心に用心を重ね時を待ち続けた関ジャニ∞のスタートダッシュが定められているからだと思う。
最後に「Re:LIVE」か!と聴いた最初は思ったけど、続いて行くから「Re:LIVE」か…!と理解した瞬間から、アルバムの全体像がバッと花開いていく感覚になった。
アルバム「8BEAT」を1.~12.と通して聴いて、
全体を通して、確かにそこにあるのは“関ジャニ∞”
今の関ジャニ∞がどう見えるかをテーマにして、作詞作曲を依頼した曲が多いこともあって、それぞれの制作陣の目から見える関ジャニ∞の色鮮やかさがカメレオンのようでおもしろい。
それが曲という形になって聴ける楽しさを噛み締める。
熱!がガッと来る曲も多い中で、どうバランスを整えていくのか。どの曲順にすることが、曲ごとの個性を活かし合うことになるのか。物凄く熟考したはずで、順に聴いた時の爽快感に、この並びの素晴らしさが表れていると実感した。
私の特に好み曲は「稲妻ブルース」「YES」
「関ジャニ∞ on the STAGE」も、わけわからないのにわけ分かるから好きだ。
発売前に試聴で曲のラインナップを聴いた時は、それぞれの色強…!1枚に収まります…?はみ出ない?なんて思ったけど、幕の内弁当でもなく、この感じはなんだ…エレクトリカルパレード…?
そんな感じに、賑やかで、熱くて、お洒落で、ひたむきな関ジャニ∞の鳴らすビートがビシバシ伝わるアルバムになっている。
オープニングの意味を持つ「Re:LIVE」をアルバムのラスト曲に始まる、関ジャニ∞のライブツアー
どんな曲で幕開けるのか、どんなステージになるのか楽しみでしょうがない。
今回、完全生産限定盤のパッケージは大きくて、しかもジップロック式の袋に入っている。
その「8BEAT」が入ってる袋が、AEDの中に入ってる袋のようにも見えて、関ジャニ∞が届ける心拍数という感じがして心臓にくる。
関ジャニ∞が動かしてくれる、私のハートビート。
熱くなる気持ちも、悔しくなる気持ちも、恥ずかしさを投げてはしゃぐ気持ちも。一定のビートを保つことを心がけてきた私の心音を取り戻させてくれたのは、これまでも、今も、関ジャニ∞。