はじめに
このブログに2019年6月16日に掲載した、なにわ男子の曲「ダイヤモンドスマイル」についての感想文。
それを、「音楽文」へ投稿するため加筆して整えて、2019年10月17日に投稿しました。
来年、2022年3月31日には「音楽文」のサイト自体が閉じてしまうことを聞いてから、大まかには同じ文面であるものの、
たった4ヶ月であっても、少し時間が進んだあの時に感じた、増し加わっている輝きについての加筆をこの形で残しておきたいと思い、今回ここに置いておくことにしました。
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関西からのジャニーズグループだからこそ、王道のアイドル曲を思いっきり見せてほしい。
その願いが、なにわ男子の「ダイヤモンドスマイル」で叶った。
なにわ男子は、関西ジャニーズJr.の中で結成されたグループ。
多くのことに気を配り責任感が人一倍の、西畑大吾(にしはた だいご)さん
キュートな美意識が徹底している、大西流星(おおにし りゅうせい)さん
残る少年らしさに相反して雪のような肌と高身長が光る、道枝駿佑(みちえだ しゅんすけ)さん
眼差し鋭くクールな佇まいの、高橋恭平(たかはし きょうへい)さん
内気そうに見えつつ大きな変貌を遂げるのではと思わせる、長尾謙杜(ながお けんと)さん
前髪が右サイド左サイドかで印象が変わり、トークの場面で抜群の安心感を発揮する、藤原丈一郎(ふじわら じょういちろう)さん
明るさというカーテンの向こうにアンニュイさが滲む瞳の、大橋和也(おおはし かずや)さん
なにわ男子のことをまだしっかりとは知っていないので、今持っている始めのうちのイメージになってしまうけれど、そういうイメージでいる。
関ジャニ∞のライブで、京セラドームに登場した彼らを見て以来。
なにわ男子としての活動は目まぐるしく、歌番組の出演や、バーチャルアイドルとして藤原丈一郎さんは『海堂飛鳥』の声とモーションを担当、大橋和也さんは『苺谷星空』の声とモーションを担当するように。
「なにわLuckyBoy」から「ダイヤモンドスマイル」と表題曲も増えていって、デビュー…あれしてなかったっけ、そうなるとデビューとはいったい…?とわからなくなってくるほど。
「ダイヤモンドスマイル」
作詞 栗原暁さん 作曲 栗原暁さん・前田佑さん
これが見たかった…!が具現化された曲だった。
舞う雪の白と、ガラスが反射した青に水色が掛け合わさったような衣装。王子の気品溢れるシルエットで、ひとつのテーマからそれぞれのキャラクター性に似合うデザインがほどこされている。
コンセプトから何からツボだった。関西のグループでこのコンセプトを魅せていることがまた魅力で、にぎやかで親しみやすい曲調もいいけれど、そればかりじゃないぞというところを、早いうちに、グループイメージが確立される前に披露できたことが強いと思っている。
王子、プリンスとくれば自然とKing & Princeの存在が頭に浮かぶ。自分の好みがわかりやすいこともあって、King & Princeのコンセプトも大好きだ。さらに言えばSexy Zoneのデビュー曲も衣装が最高に好きだった。
制作側が無意識なはずはないと思うからこそ、King & Princeが王道を突いたその路線を、なにわ男子としては「ダイヤモンドスマイル」で披露したところにワクワクした。
曲のはじまり、
“Your sparkling smile is so sweet stone, Bright illusion”
のささやきで、曲は幕を開ける。
プロローグのような語り出しが、まさにフェアリーテールの世界観。
“sparkling”の単語には【きらめく】という意味があることを思うと、例えば自分が訳すとするなら【あなたのきらめく笑顔は愛おしくダイヤモンドのよう。光り輝くイリュージョンをあなたに。】と訳したい。
ひとりひとりの声の色の個性が際立っている歌割りも魅力的で、
西畑大吾さんの歌う“1秒先はもっともっともっと輝く”のフレーズは、もっとを3回も重ねて畳み掛ける間合いが聴いているこちらの心拍数を高めていく。
サビからはじまり、1番の歌詞に入って、1人が歌っているところにもう1人が近づいて行ってペアで歌うという演出もストーリー性があって素敵。
道枝駿佑さんと高橋恭平さんが並ぶと、男子なかっこよさ。長尾謙杜さんの隣に大西流星さんが現れると、あどけないキュートさが画面いっぱいになる。
“ほら ワンカラットの瞳 eyes”とカメラ目線で歌う長尾謙杜さんの可愛さがたまらない。
そして、この曲で無限ループしていたいと思うほど好きなのが
“プラチナのジェットに乗って”
“気まぐれな奇跡に酔って”
“瞬きが終わる頃”
“僕だけのキミでいてね”
という歌詞。
なかでも、“プラチナのジェットに乗って”と歌う大橋和也さんの声が、本当に素敵で。あのワンフレーズでもう、大橋和也さんの存在感が忘れられないものになる。
こんなにキラキラと心弾む表情をつけて歌う人なんだと感動が止まらなかった。シャンパングラスにゴールドの波がゆれて、泡がはじけている風景が思い浮かぶ。
大橋和也さんに続くのが藤原丈一郎さんなことに、“あすかな”をかろうじて遠巻きに眺めている身としてはグッときてしまうのがくやしいところ。しかしそれを抜きにしても、2人の声の流れは抜群で、人差し指を回すジェスチャーをしながらゆったりと歌う藤原丈一郎さんの姿が曲に大人な空気感を増し加えている。
「ダイヤモンドスマイル」に魅力が宿るもう一つの理由は、ヒロインへのラブレターソングという意味合いだけでなく、デビューを目指し磨きをかけている最中の彼らこそ、ダイヤモンドの象徴であると思えるところ。
“今以上のキミが確かに見えるよ”のフレーズにはぴったり彼らがあてはまる。
シンプルに歌詞にときめくも良し、なにわ男子を見守って歌詞に重ねるも良しの、絶妙に意味が重なるつくりが匠の仕事だと思った。
“愛しちゃって 愛しちゃって 愛しちゃって いいじゃないか More”
順々に手を差しのべられて、“愛しちゃって”と言われる引力の強さ。
くどくなりそうなくらいに繰り返すフレーズも、カメラのカット割りがメンバーごとに切り替えられていくとテンポ感がよく、耳にも残る。
先日、新しく発表された曲「僕空〜足跡のない未来〜」は、ヒャダインさんが作詞作曲をした。
11月には、ファーストライブツアーを控えている。グループとしてのオリジナル曲が増え、活動はぐんと幅を広げた。目まぐるしく変わる環境に揺れる思いもあるだろうけれど、関ジャニ∞とジャニーズWESTが歩んできた道を見渡しながら、歩を進めていくその姿。
星であり、ダイヤモンドな彼ら。
なにわ男子としてのこれからが、今まさに輝きを増していることを目の当たりにしている。