金色に輝くこれからを - 関ジャニ∞「GR8EST」ライブDVD

《ネタバレしています》

 

ここまできてまだ書くことがあるのかと、自分でも思う。でも。1月23日に発売された「GR8EST」ライブDVDが手元に届いて、また、揺さぶられた思いが鮮度を増して蘇ってしまったから。

 

「GR8EST」DVD、初回盤を見た。

4枚組になっていて、ツアーとしてはオーラスとして組まれていた福岡公演が収録されている。

1、2がライブ本編。3枚目はツアーメイキング。4枚目は各公演のMCダイジェスト。

 

今回のライブDVDは、特別に思わないほうが困難だった。でもだからこそ、それをストーリーとして咀嚼したくなかった。映像作品としてもドラマチックに演出されることがないといいなと、視聴者の小さな思いとして持っていた。

渋谷すばるさんが決めたことも事実。関ジャニ∞が6人でスタートをきったことも事実。

ライブに行って、感じたこと以上のホントはないと思ったからこそ、DVDとして残る大切なその形も、あるがままであってくれたらなと願っていた。

 

いいライブDVDだった!

なんだか偉そうに聞こえたらいやだなと思うけど、楽しいと感じられるライブDVDだった。ツアーの夏が過ぎて、時間が経ち。部屋で落ち着いて見るとあらためて蘇る心模様があったけれど、それも含めて、大切にしながら思い出すことができた。

ライブDVDの醍醐味はやっぱり、遠目に見ていた表情や衣装をアップで見られること。大倉忠義さんの、ドラムを叩きながらの客席へ振り返りの視線送りが驚くほどかっこよかったり、「ココロ空モヨウ」での丸山隆平さんの楽器の入りタイミングのキュー出しが最高にコミカルなところ。メンバーがメンバーを見る、ここの顔がいいなあと思う瞬間が随所にあった。

最近、大倉さんのドラム演奏の魅力にどんどんとハマりだしていて、注目して見る時間も増えた。ライブ始まって序盤あたり、大倉さんが丸山さんに視線を送る場面があって、ドラムとベースのアイコンタクトにハマりだしたらいよいよだなと「ボヘミアンラプソディー」を思い出したりした。

 

ライブが生ものだと言われることの意味を再度実感したのも今回のDVD。「GR8EST」ツアーは奇跡的に数回観に行くことが叶ったけど、どれも違った空気をまとっていた。

気張る勢いを感じた大阪。

突き抜けた楽しさをみた東京。

オーラスを終え、台湾公演を終えて、大阪へと凱旋公演の大阪は、セットリストも数曲変わり、新たな一歩へ向けた意思を感じるライブだった。

これまで以上に、初めて観るライブのような印象を受けたDVDで、福岡には福岡だけの空気感が映されていた。

 

ひたすら前に、ではなく、振り子のように揺れ動くそれぞれの思いが、あるがままでそこにあって、「LIFE〜目の前の向こうへ〜」「オモイダマ」は特に、‪関ジャム‬を見たあの時間に引き戻されるようだった。

横山裕さんに、村上信五さんに、丸山隆平さんに、錦戸亮さんに、安田章大さんに、大倉忠義さんに、こんな表情をさせる渋谷すばるさんは本当にすごいし、とてつもない存在で、なんて人なんだと、さびしい でも うれしい 分からない気持ちになる。

 

勝手に涙が出てくるのに、「オモイダマ」終わりの振りに笑わされたり、謎が深まるばかりな丸山さんのギャグコーナーで自分が発明したギャグの順番を忘れて「「銭湯のおっさんやん!!」」とほかのメンバーに総ツッコミされているのが面白すぎたり、そういうところが好きだなあと思った。

kura tik企画の安田章大さんバージョンも初めて見て、「アイスクリーム」で踊るという曲チョイスが素晴らしくて、安田さんのノリノリさ加減も良かった。同じ企画で照れて心が折れる錦戸亮さんも込みで可愛い。

 

「がむしゃら行進曲」をライブで聴くたび思うのは、学校のチャイムのメロディーを関ジャニ∞が歌う魅力。

もし自分が実際に学校に通っている時期にこの曲を聴けていたなら、どんなに勇気をもらっただろうといつも想像する。

セットリストのなかにバンド紹介をしっかりと組み込んできたところにも胸を打たれたライブで、村上信五さんのサポートバンドメンバー紹介は最高だった。ディスニーシーに行くと決まって観る「ビックバンドビート」というショーがあって、そこでもシンガーの男性がトランペットやピアノを紹介していく場面がある。それを思い出しながら、村上さんのかっこよさにグッときた。

 

ライブツアーを2018年にこのまますると発表された時、どうしても、何度考えても、どんなライブになるのか何を歌うのか全く想像ができなかった。

それでも幕を開けた「GR8EST」は、想像なんてものを越えてライブという形になっていて、間違いなく楽しかった。

ベストアルバムを引っ提げたライブツアー。だからこそ、「大阪ロマネスク」を歌うのだろうか。それぞれの気持ちとして、歌えるのだろうか。そのことがとても気にかかっていた。

歌わない、という選択肢もあるのではと勝手に思い描いたけれど、1曲目でもアンコールの最後の最後の曲でもなく、一呼吸置いたあの位置に「大阪ロマネスク」を入れたこと。そのことにすべてがあると思った。封印しなかった。それがすべてなのだと。

 

 

DVD本編の福岡公演のなかで、安田さんが「愛して止まないんです」と言った。

アンコールが終わり、それぞれにマイクを通して挨拶をしながらステージを歩いて行く時に、メンバーにファンにもしくはもっと広い意味で、何度か繰り返したその言葉が印象的で、素敵な言葉だなと思った。

DVDで流れる本編最後のエンドロール、これまでは曲と曲を混ぜ合わせたマッシュアップがBGMになっていたけど、今回は「ここに」をオーケストラアレンジ。この曲自体がガシガシと前のめりなイメージの曲調だったから、こんなアレンジができるんだと驚いた。

エンドロールであり、オープニングだった。

 

 

そしてツアーメイキング。

シンプルに徹していて、ナレーションがついたりメンバーそれぞれにインタビューなどの構成ではなく、時間の経過と関ジャニ∞の姿が語る。

煽るようなことはなく、淡々と。横顔やリハーサルの動きで当時の時間を映し出していたところがよかった。

映っている事実はシビアで切実だけど、あのライブがどう実現されていたのか見ることができてよかった。見えているのがこれほどなら、それ以上に大変なこともあったのだろうと考える。

非常事態と宣言していいほどのことが起きていたと思う。安田さんの身体の状態を知ったのは、7月3日、公式ホームページで関ジャニ∞揃っての映像。自分にとっては大阪暮らしをしていた時で、ざわついた胸の内を覚えている。

メイキングにはツアー中の安田さんの姿も、村上さんの姿も映っていて、それはすごく胸が苦しい映像だった。どうか無理をしないでと思うばかりで、見つめるしかないことに苦しくなる。

村上さんは、元からハードなスケジュールでいるのだから、なんであんなにハードなトレーニングで自分を追い込んで走り込むの!と心配で仕方なくなった。頼むから身体を大事にしてほしい。

メイキングさえはしゃぎ倒す丸山さんが、真っ直ぐな表情でいることが多かったことからも伝わるものはたくさんあった。

 

行っていない公演の様子を見られるのは楽しいもので、

札幌初日の丸山さんの髪型が丸みのあるヘアスタイルで、衣装も丸山さんが着ているものはノーカラージャケットでビートルズ感があって素敵だった。東京スカパラダイスオーケストラとのライブ共演が実現した東京公演の映像が、リハからしっかりとドキュメンタリーで収録されていたのも嬉しかった。

大倉忠義さんと錦戸亮さんの曲「torn」を歌い終えた後で、バックヤードをチャリ移動する様子と追いかけるのがすごくて、あのスピードはカメラさんも自転車に乗って撮ったのかと想像するとシュール。観ているステージではない時間の動線を見られたこと、スタッフさんの案内を見られたことが興味深かった。

「涙の答え」ですごく好きだったスクリーン映像の“流れ星”が、メイキングの終盤残り4分あたりで、スローでしっかりと映されていたところに感動した。

 

 

DVDボックスの金色のパッケージは、ロゴと色のみでシンプルなデザインなのがいい。

初回盤DVDボックスに入っているブックレットの粋さが、言葉無しに表情の変化を伝えたいという思いを表していて素敵だった。

思い出すには鮮明すぎる。そう思っていたライブだったけど、これからもまた見たくなるような、ライブとしてのDVDになっている。

身体が第一。無理はしてほしくなかったけど、決めたからには最善を尽くして「GR8EST」としてのライブを観せきってくれた関ジャニ∞にありがとうを、何度でも何度でもさけびたい。