元々の計画は、「喫茶二十世紀」に行く日にお昼ごは食べてから、「サロン・デュ・ショコラ」へ向かう日程のつもりでいた。
ところがどっこい、「レ・トロワ・ショコラ」ショコラティエの佐野恵美子さんがスケジュールをインスタグラムに掲載してくださり、新宿伊勢丹にいらっしゃる日程が明らかになったではないですか。
とてもとてもありがたかった。
この時期、ショコラティエさんは各地を飛び回り、毎日多くのお客様と会い、宣伝するにも時間と体力に限界があるはずで、ここには来ますかいつまでいらっしゃいますかと聞くのは申し訳なく。帯同するマネジャーさんいらっしゃいませんか…!広報さんが必要です…!と思ったりした。
ゆえに、この時期のスケジュールを知ることができたのは貴重で嬉しかった。
伊勢丹のなんだか物凄いカードを私は持っていないため、お会いできるチャンスは1日オンリー!
すぐさまスケジュールを確認する。
行け…行け…る!あのなんかこうなんとかすれば、私のパッションが炸裂すればハードスケジュールではあるけれど行ける。
よし行こう!!
と決めたのが数日前。
雪が降るかも知れなかった。雪には変わらなかったものの気温はぐぐんと下がった。
夜なんて、寒すぎて景色が空気が白かった。
吐く息がではない。空気が目に見えて白かった。
そんななかでもパッションのおかげで、無事にたどり着けた伊勢丹。
何度見ても壮観だな…と見上げてしまう。
まずはとにかく整理券。これを貰わないことには順番待ちにも加われない。
そんなに急ぐなら催事フロアを確認したらいいのに、着いた!多分上の方!でエレベーターに乗ったはいいけれど周りに頼っていたらレストランフロアに着いてしまった。
タイムロス…!とひとり心の中で焦りながら、下りのエスカレーターを探す。
ここだここだ!と歩みを進める。速やかに整理券を受け取れた。
とりあえずその場を離れる。
数字は数千単位。すごい。おおよそ3時間待ちと貼られていたけど、確かに有り得るかもしれない。
大体の見込み時間を案内してくれるだけありがたい。
でもまあ、気持ち早めに呼ばれるかもしれないしと希望は捨てない。
いや本当はひやひやした。午後もいますとは回答してくださっていたけど、終わりまでいるかは分からないし、もちろん休憩もある。
ご来店日に来たからといって、お会いできるかはわからない。ドキドキするー!
お会いできても、話題が彼方へ飛んでいくかもしれない。
お会いできない可能性もあるから、それは心して行こう。売り切れが多くて究極なにも買えなくても、落ち込まないでいこうね。そう心に言い聞かせておいた。
対処できることといえば、お手紙を書いておくことだ!と、書けるかなこの短期間でと思いながらも前もって書くことができて、一旦安心できた。
これで私がお会いできなくても、お店の方に預ければお手紙は恵美子さんに届くはず。
ハイテク整理券の助かるところは、QRコードからサイトを開けば、今何番目が呼ばれているか。あと何人かが分かるところ。
さらにメール設定をすると、ずっと画面を見ていなくても、そろそろですよーと呼び出してくれる。
ありがたい。なので、そろそろかなというタイミングでサッと戻れるような距離で待つことにした。
丁度したいことがあった。
1年前、映画「北極百貨店のコンシェルジュさん」のpixivでのエッセイ企画でいただいた商品券を使い切らずに、数千円残していた。
去年はレトロワショコラの購入に当てて、あとは何か持ち続けられる、形に残しておける物の購入に当てたいと思った。
そこで、試供品から見事にこれ良いじゃん!となったポール&ジョーのファンデーション「シースルー ヴェール コンパクト」を買うことにして、そのケース代に商品券を使えば形に残って普段も使える物になるとひらめいた。
正直百貨店のコスメフロアはこわい。
靴先から目線が上にくる感覚。
本当はルミネとかのフレンドリーめな店員さんのいるところでないと買える気がしない。でも私はここ、この伊勢丹で買いたい。
なぜなら「北極百貨店のコンシェルジュさん」と縁があるのがこの伊勢丹だから。
買う物は決まってる。大丈夫。その心持ちで、ポール&ジョーに着き、整理券を取るとわりと早めに順番がきた。
まずは買う意思があることを初手で明確に言うのが大切だ!と「ファンデーションを買いに来たんです。色で迷っていて…」と話すと、
力む必要が無かったくらいに、店員さんが明るく優しく接してくれた。
実際に頬の端に02番を塗ってもらい、かなり黄色みとオレンジがあることを確認した。
01番の試供品を塗って来ていたので、それで見比べることができて、ワントーンアップで肌馴染みがいいのは明らかに01番だった。
色が決まり、ケースも付ける。
せっかくの機会だよねと勇気が湧いて、新しいリップグロスのなかに、かつてリピート使いしていた「シルクのストッキング」と近い色がないか尋ねると一緒に比較して考えてくれた。
全く同じは無かったものの、「グロッシー ルージュ」から01の見た目はかなり赤めのものを塗ってみることに。
元々塗っていたものは落としきって塗ったから、グロスのみ塗りになるのだけど、しっくりきた。元の唇の色と合う。
「シルクのストッキング」への近さで見ると、03のような気もする。でも01がしっくりきた。
ありがたくて嬉しかったのが、鼻炎で崩れてしまった鼻口まわりを含めて、お直ししてくださったこと。
お商売があるとはいえ、チークまで足してくださった。
そのチークがまたぴったりで、自分では選ばない、ピンクと青みピンクが2色並んだツヤ感のあるチーク。
家でしてきたチークは、マットめなオレンジ。
フェイスパウダーはとりあえずでいつものようにつけていたけど、するとせっかくのシースルー ヴェールコンパクトの薄づきとツヤが減る気はしていた。
チークにツヤ感があるって、質感が揃うって大切なんだ!とここで気づいた私。
店員さんから「フェイスパウダーはつけなくてもいいかもしれないです」「そうすると、おでこの乾燥が出づらくなるかも」「もしつけたい場合には、パフではなくてブラシがいいかも」と有益なアドバイスがいっぱい。
後日、言われた通りにしてみた。割れない!しっとりツヤそのまま!店員さんありがとう!
フェイスパウダーは、首元の色を顔と合わせるためだけにつけるようになった。
結果、今すぐこれくださいとはいかないけども、品番をメモしてもらった。
お会計が済み、ポール&ジョーだなあとしみじみ思う袋を受け取り、弾む気持ちで後にした。
知らずにしても、ショコラティエさんに会う前にメイクを直してくれた店員さんに感謝の気持ちでいっぱいだった。
サロンデュショコラの整理番号を確認。
まだかかりそう。よし、喫茶店だ。
坂元裕二さんのサイン会の時に、緊張を静めるための大切な場所になった「らんぶる」へ。
休日だったため、「らんぶる」も案内では45分待ち。
とりあえず並ぶ。これ大事。思うより早く進むかもしれないし、間に合わないとなったら列を抜ければいい。
臨機応変ができるようになったんだなあと自分に感慨深い。
喫茶店の順番もやってきて、席に座れた。
前回座った席の、目の前に座った。
地下の地下はまたの機会、いつか入ってみたい空間。床のタイルが良い。
アーモンドミルクケーキというネーミングに心惹かれて、アメリカンコーヒーとのセットで注文した。
アメリカンは薄めと聞いた。ならば飲めるかもしれない。今日は大人ぶりたい。
アーモンドミルクケーキ、美味しかった。素朴な優しさ。コーヒーに程よく甘みを足してくれる。
デザートの甘みで美味しくコーヒーを飲めた時、嬉しくなる。
そろそろ席を空けた方がいいなと整理券番号はまだあるタイミングで、とりあえず喫茶店を出た。
どうしようかなーと思ってとりあえず出て来た地上で眺めていると、サイン会で行ったとにかく大きい本屋さんあった。行こうかなと歩き進める。
そうしたら、隣にディズニーストア。
そうだディズニーストアもあった。大都心のストアであいこじゃんけんしたい。店舗限定ステッカーほしい。
吸い込まれるように入る。じゃんけんコーナーにキャストさん。
丁度、団体さんでじゃんけんが終わったところ。
私ひとりにじゃんけん説明をしてもらうのはなんだか申し訳なく、私から「どなたか他にもいらっしゃれば…」と見渡していると、
高校?大学生?なお兄さんお二人が少し距離を取って眺めており、キャストさんからの「じゃんけんしませんか?」に「しましょうしましょう!」とノリノリで近づいて来てくれて、3人で参加することに。
リアクションが素晴らしいお兄さん方。
グーはミッキーだったっけ、チョキはミニーちゃんのリボン、パーはティンカーベルの羽のようにひらひらーで、と照れそうなところも「なるほど!」と前のめり。
ディズニーの楽しみ方を心得ている方だ…筋力が備わっている…と感動しつつ、キャストさんからのヒントはネームタグのなかに。
ポン!でみんな無事妖精さんになり、ステッカーを選ぶ。店舗限定はミッキー、ドナルド、グーフィー。期間限定はロッツォだった。
店舗限定ステッカーをいただいて、それぞれ解散。愉快な時間だったと噛み締めつつ、店内を見て歩いた。
そうこうしているうちに、そろそろ伊勢丹に戻っておこうかなという頃合いに。
確かにおおよそ3時間経っていたけれど、喫茶店に入ったのもディズニーストアに来たのも楽しくて大正解だった。