公園でたこ焼きを食べた

 

横山裕さんと丸山隆平さんがジャニ勉の「エイトブンノニ」で訪ねていた、此花区お好み焼きを食べたい。

何度も先送りにしていたから、今回は行ってみようと思っていた。

 

此花区は、横山裕さんにとって地元。

その大切な場所にやって来るというのは緊張した。テレビを見て来たことは確かだけど、普段どおりの時間が流れている場所。そこで生活している人の暮らしに迷惑がかからないようにしたい気持ちがあって、改札を出て一礼してから歩きたいぐらいの思いだった。

 

大阪でお好み焼きを食べたことは、まだ1度もない。

ショッピングビルにあるお店や商店街のお店に入ろうかと思ったことはあったけど、食べるからにはチェーン店ではなくて、大阪で暮らす人が日常で食べているものが知りたかった。

だからエイトブンノニで紹介される場所は知りたい大阪の理想形で、どんな情報もためになる。横山さんと丸山さんの放送を見て、行くならここにしようと思った。

豆の天ぷらがのっていて、麺も入っているお好み焼き。千切りしたばかりのキャベツがしんなりしたころに卵を割って、その上にひっくり返す。ソースを自分でかけて、マヨネーズはプラス10円。

テーブルには、いつも通りというように置かれている一味唐辛子

 

お好み焼きのサイズはどれくらいだろうと気になりつつ、壁に貼ってあるメニューを眺める。

ライブの日の夜、夜食がいるかなと買っていたおにぎり。結局食べなかったからと朝起きてから食べてしまって、そのおにぎりの存在感が予定外だった。

これはお好み焼きを食べきれるだろうかとうっすら思いながらも、食べたい気持ちは人一倍。麺は抜きにして、ミックスのお好み焼きを注文した。

 

目の前の鉄板で焼いてくれたお好み焼きがザッと運ばれてきて、熱しておいた自分用の鉄板でコテを使って格子切り。

あっつあつで食べると、ソースの酸味とキャベツの甘味が美味しい!!

一味が置いてあるのが嬉しくて、かけてみるとさらにベストバランス。お好み焼きに一味って合う!と新発見だった。だけど半分を食べたあたり、これは…お腹がいっぱいだ……と限界が見え始めて冷や汗。せっかく作ってもらったのに、残してしまうのは忍びない…

満腹中枢は20分が経過してから伝達されることを思い出して、もはやスピードが勝負と悟った。

美味しい。美味しいのに、お腹がくるしい。広がれ胃袋。隣の席の人に、この孤独な戦いがバレていたような気がしないでもない。どうにかしっかり食べきった。ボリューム的に、少食な人は朝ごはんを食べずに行くか、半分持ち帰りにするのが丁度かもしれない。

お店のおばちゃんは、お好み焼きを次々と焼いていて忙しそう。お代を丁度で置いて「ごちそうさまでした」と挨拶をしてから出た。「気をつけて帰ってね」の言葉がうれしかった。

 

ふぃーと息が漏れるほどの満腹になったのは久しぶり。

しかしここからが悩みどころ。この側にはエイトブンノニで映っていた、たこ焼き屋さんもある。食べたい。いやむり。食べたい。を繰り返して、まあ取りあえず行ってみようと腹ごなしの散歩がてら歩いた。

お店を発見できて、近づいてみるとたこ焼きのサイズはわりかし小さめ。7個からだけど、これならいけるかもしれない…!と注文。持ち帰りにして、しばし時間を開けてタイミングを見計らい、公園ででも食べたらいいかなと思って。

なんとたこ焼き、7個で50円。ほんとにいいんですか…とお支払いがぎこちなくなる。15個でも100円。

 

 

どこかに公園でもあればなーと歩いていると、ちょうどあった。ベンチも。

理想どおりの公園にひとりテンションが上がりながら、ベンチに座って、たこ焼きを食べる。公園には向こうのほーうにおじちゃんがひとりと私だけ。静かで、広々。

美味しいなーと食べていると、足元にポッポッポと鳩が一羽。うわ鳩だと思っていると、今度は後ろからファーっと華麗に飛んできて登場、鳩。

それがあれよあれよという間に増えて、全方位に鳩。

鳩に囲まれた。おいしそうなの持ってるやん一個ちょうだいやという圧のすごい鳩に怯え、ラストはたこ焼きを三個一気に頬張った。鳩にたかられている…と可笑しくなって、写真も動画も撮った。

たこ焼きが無くなったことに気づくと、鳩はおのおの散って行った。

 

なんでもなくただ公園で座っているのが楽しくて、iPodを取り出して音楽も聴いた。

そこで聴いた「泣かないで 僕のミュージック」が、すうっと溶けて染み込むようで、聴くならいまだったなと思った。

 

 

大阪滞在の最後に寄るのはやっぱり中崎町で、おいでやす商店街を歩いていると、前を歩いていたおばちゃんが「お肉忘れた」と回れ右で引き返した。なんてことないけど、大阪への好きがいくつもここにある気がした。

プリンならデザートで食べられるはず、と島プリン屋さん「HAKATA」へ。

夏にここで10日暮らすと決めてやって来た時は、“今”しか考えられないくらいに気が張りつめていて、すごく暑くて。そんなふうに思いだしながらおしゃべりをした。

あの時、と言える場所に今は居るのだなと、思い返せる距離にきた自分に気がついた。

 

何度ここに来たとしても、自分にとって大阪に来られることは当たり前にならない。

次いつ来られるかわからない。約束がないことが悲しくて、2年前、ライブの終わりにあんなに泣いた自分を思いだして、大丈夫だよと肩をたたいてあげたくなった。いまはもう少し気を楽にして、きっとまた来る。そう安心して帰りの新幹線に乗れる。

今度は堀江かな、NGKもいいし、建築物の美しい中之島も気になる。「All you need is laugh」を聴きながら、次を思い描いた。


f:id:one-time:20181202144336j:image