大阪の商店街は奥深い

 

お腹を満たすべく、目当ての洋食屋さんのある天神橋筋商店街へと向かった。

関テレから出てそのまま横断歩道を渡ると、商店街に入って行くことができる。右手側の横断歩道あたりから入ると、たこ焼き「わなか」が入り口すぐの角にある。そこを右に曲がって、真っ直ぐ真っ直ぐ。

ひたすらに向こうまで続く商店街は、両側ともお店で賑わっていて、信号を渡ってもまだまだお店が続く。このまま歩いて本当にあるのだろうか…と右に左に見渡して、そろそろ心細くなったころ、左側に茶色の看板「グリル らんぷ亭」の文字を見つけた。

 

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ドアを開けて、「1人です」と伝えるとカウンターの席に通してもらった。お隣にはお昼休憩と思われるおじちゃんが新聞を読みながら料理が来るのを待っている。

洋食屋さんのカウンター席に座れるというのは、なんだか嬉しいもので、ようやく自分がよそ者ではなく、大阪に暮らして“お昼時にお昼ごはんを食べにきた人”として街の空間に溶け込めた気がしてうれしかった。

注文したのは、エビフライ&ハンバーグセット。ナポリタンもいいしハンバーグは必ず食べたかったけど、ハンバーグにエビフライがついているなら最強。

運ばれてきたプレートには、大きなエビフライが二本も乗っていて、ハンバーグもトマトスパゲティも。身が詰まってて食べごたえのあるエビフライで、スカスカじゃない、ちゃんとしたエビフライ。テンションが上がった。

 

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美味しいものが食べたいと思って来たランチが当たりだと、とても嬉しい。エビフライにタルタルソースをつけて食べるのは最高の美味しさだったし、ハンバーグもデミグラスソースとの相性がぴったりだった。

ごはんの量が少なめに盛られていたのがありがたくて、その分おかわり大盛りが無料なのはいいなと思った。食欲が万全ではなくて食べきれるか心配だったけど、そのおかげで無理なく食べられた。お味噌汁もサラダもついて、それで1,030円。ランチのAかBだと910円で食べられる。

 

お隣にいたおじちゃんが「いま何時?」と店員さんに聞いた。実際は12時なのを読み間違えて「13時です」と答えられたおじちゃんとの間で一瞬時が止まった。

「びっくりしたわ、それやと昼休憩終わってもうとる」とおじちゃんは笑った。やっぱりおじちゃんはお昼休憩のようだったけど、テーブルにはステーキとビールのチョイス。フリーダムだなあと思った。

もう片方のお隣には、自分と同じように初めて来たらしい女性が座って、会話はしないもののお互いそわそわしてる空気感が一緒で、シンパシーを感じた。

女性が注文したのはランチ限定のカツレツだったのか、運ばれてきたそのボリュームがすごくて。驚いた女性も思わずこちらを向くから、わたしも顔を見合わせて、なんとも言えない笑いがこぼれた。

 

お腹もいっぱい。らんぷ亭を後にして、天神橋筋商店街に繰り出した。

大阪で楽しいのは、喫茶店が多いこと。商店街の中にもチェーン店ではないここだけの喫茶店があって、食品サンプルの並んだショーケースに、風ではためく“氷”の文字が、夏って感じがしてつい立ち止まった。

暑さに負けない食欲があったら、ミックスジュースを飲みたかった。

 

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大阪の街を見ていて驚くのは、商店街が生きていること。お店が開いていて、人が歩いている。

こんなに活発な商店街がまだ存在しているのかと見るたびに驚く。

わたしの住んでいる地域の商店街は、看板も屋根もすっかりぼろぼろで、ほとんどがシャッターを閉めている。ずっとそこにあるものだと思った魚屋さんもお花屋さんも、地区開発でチェーン店の居酒屋さんに置き換えられてしまった。

ここに人を呼び戻すのは、簡単なことではない…と途方に暮れた気持ちは今も残っている。

人が生活する街として、活気がそこにあることのすごさを感じるからこそ、大阪の賑やかさに憧れて、圧倒される。

大阪でだってきっと、商店街があり続けるのは簡単ではない。でも働く人と集う人とが役割分担を自覚している感じがして、今日働くあの人は明日のお客さんというような、企業同士ではなくて人と人とが接しているから、顔を合わせて会話で楽しむ大阪のコミュニケーションが成立すると感じた。

 

キタ(梅田周辺)とミナミ(心斎橋、難波周辺)でも商店街の雰囲気は違うことを、今回、肌で感じた。

ミナミにある「心斎橋商店街」はワイワイガヤガヤとしていて、色から文字から情報が多い印象。来る前に抱いていた“大阪”のイメージに近いのはこちら。でもなんだかお店に入る勇気が出なくて、串カツを食べたいのに、たこ焼きを食べたいのに、ただ歩くばかりで自分には楽しみきることができなかった。

キタにある「天神橋筋商店街」や、おいでやす通りとも呼ばれる「天五中崎通商店街」はショッピングというよりも日常のお買い物という感じで、居やすい雰囲気。お店の並び方も賑やかさはありつつ目に優しくて、一人でも入りやすかった。

よく見る名前の有名店やブランド店はミナミに多く、個人店などはキタで多く見た。

 

 

そんなあれこれを考えながら「天神橋筋商店街」を歩く。

 

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しっかしこの商店街、長い!広い!果てしない!

端から端まで歩いたら、40分くらいかかるらしい。歩いても歩いても出口にたどり着かなくて、向こう側からの光が差し込んで来ない。歩いているうちにちょっとこわくなって、途中で引き返した。

来た道を戻りながら、はらドーナツのカフェスペースのある大きな店舗を見つけて、あーっと引き寄せられたり、関ジャニ∞のポスターと目が合ったと思ったらジャニーズグッズ買取店だったり。古書店も気になった。

 

たこ焼きわなかの辺りに着いて、その右隣にある和菓子屋さん「千鳥屋」に近づいてみると、あの“みたらし小餅”を発見。

 

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丸山隆平さんはよくお土産にみたらし団子を買って行くらしくて、ここのみたらし小餅も買ったことがあるようだから気になっていた。

探さないけど買えたらいいなと思っていたら、見つけられた。美味しいことは間違いなさそうだったから、お土産に二箱買って行くことにした。

 

そして、たこ焼き「わなか」がすぐそこにあるのに買わずに帰ることはできない。

8個入りのたこ焼きをソースマヨネーズあり、かつお節と青のりもありで、持ち帰り用で注文した。

お土産のみたらし小餅の入った紙袋と、ほかほかのたこ焼きを手提げに持って、まだ時間は14時。一度部屋へと戻った。