大阪ロネスクを巡る つづきのつづき

 

味園ユニバースの世界に静かに飲まれたあと、なんばグランド花月の方向へと歩いた。

三枝さんのキャラクターに遭遇して、一緒に写真を撮った。

 

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なんばグランド花月の上の方にも行ってみた。お土産屋さんにはミニオンのグッズが豊富。この日の公演はシゲじいとアキさんのいる回だったから、正直心惹かれたけど、今回は我慢。

隣にあるたこ焼き「わなか」本店で、たこ焼き食べたい願望を叶えて、イートインスペースの2階に上がって行ったら人が誰も居なくて貸し切り。人気店なのにこんなことがあるのかと驚きだった。

 

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貴重だ…と思いながら、どの席も選び放題だけど一番角に座る。窓際からなんばグランド花月の看板を眺めながら、あっつあつのたこ焼きを食べた。

 

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だしの味がちゃんとして、ソースに負けてなくて、トロットロのたこ焼きはやっぱり美味しかった。言えるほど色んなお店を食べ歩きはできていないけど、わなかのたこ焼きが一番好き。

 

 

梅田へと戻り、時間は16時過ぎ。ハードすぎて結構疲れてきている。

最難関だったのは、かつて丸山隆平さんと安田章大さんがストリートライブをしたという、阪神百貨店への歩道橋を見つけることだった。梅田駅の出口の多さに翻弄されて、遠回りに遠回りを繰り返し、ヨドバシカメラの方まで行ってしまったり。

でもそのおかげで、歌を聴けた。

地下からの階段を疲労困憊で登っていると、頭の上の方から聴き覚えのある音楽が聴こえてきた。なんだっけこれ…と記憶をたどっていると、

鼻先をくすぐる春 リンと立つのは空の青い夏 

……“琥珀の弓張月”だ!!

次のサビがわかった勢いそのままで階段を駆け上がると、大阪駅の前で女性と男性がストリートライブをしていた。歌っていたのはaikoさんの「カブトムシ」だった。

最近になって繰り返し聴くようになった「カブトムシ」を、まさか大阪で聴けるとは思わなかった。しかも大好きな2番の歌詞に間に合うなんて。

 

歌っていたのはEllieさんという方だった。

広い空間で通る声量と、ブルースの雰囲気も合いそうな歌声。その日は、落合渉さんという方とコラボしていたようで、ハモりが素敵だった。

思わず動画を撮った。大阪にいる間にも、帰ってきてからの今も、大阪での時間が恋しくなるとその数秒の動画を何度も聴いている。

大阪にいる間、他のアーティストの方も含めてストリートライブを3度見かけた。大阪で見た人が大阪出身というわけではないけれど、大阪で見たストリートライブはどれもここに立つと決めた覚悟がすごく伝わってきて、立ち止まる人たちが多いことも、大阪に流れる楽しむゆとりというものを感じた。

時間があれば最後まで聴いて、EllieさんのCDがあったら買いたかったけど、その時は曲が終わったタイミングで阪神百貨店探しに戻ってしまった。

次に歌っていたのは「ハナミズキ」だった。

 

多分この辺?を繰り返して、やっと見つけ出した阪神百貨店に続く歩道橋。

 

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今思えば、こんな時も自分でなんとかしようとしないで人に聞いたらよかった。道を教えてもらったらよかった。

ここで丸山隆平さんと安田章大さんは歌っていたのかなあと人が通り過ぎていく普通の歩道橋を見ながら思う。今はその時間のなかにいないのに、それを思ってこの場合に来る人がいるって不思議なことだなと感じた。自分がそうなのだけど。

 

夕方17時。HEPの赤い観覧車を目指した。

初めて大阪にひとりで来た時、どこに行ったらいいかわからなくて、ようやくたどり着いた赤い観覧車のあるビルのサンマルクで、フレンチトーストとオレンジジュースを最初の食事にしたことを思いだす。

もうこりごりだ、と思った果てしない大阪に、わたしはまた来ている。それも暮らすために。

 

 

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大阪ロマネスクの景色を見られる観覧車。

横山裕さんと渋谷すばるさんが二人で乗って、正直な胸の内を話した場所。

この機会でなければ自分が乗ることはなかったと思う。絶叫マシーンは乗る気がしない。観覧車もわりと脅威。苦手だった。

1日の締めくくり、乗らずに眺めるだけでもいいかなと思っていたし、直前まで迷ったけど、今日乗らなかったら後悔すると思ったから、完全に勢いで、立ち止まったら乗れなくなるぞと言い聞かせて、チケットを買ってお兄さんに渡して半強制的なフォトスポット記念撮影を済ませてグルグルとやってくる丸いカゴに乗り込んだ。

 

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観覧車の中でスピーカーに繋いで好きな曲をかけられるとのことだったけど、自分の乗ったゴンドラはスピーカーの調子が良くなくて、イヤホンで聴くことにした。

音楽で気を紛らせられたらと思っていたけど、実際は乗った瞬間から後悔。うわどうしよう降ろしてくださいー!という気分で、正直景色どころではない。15分もこの中なんて、しかもひとりでは手持ち無沙汰もいいとこ…ゴンドラ内の全面赤が緊張を煽ってるってー…と思いながらも、大阪ロマネスクの世界観を感じられた時間はあった。

親切に貼られていた風景の案内を頼りに、神戸の橋を見つけて、歌詞の通りだ…とうれしかった。

 

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関テレも見える。自分が今暮らしている町も見える。

 

観覧車の中で、「大阪ロマネスク」「今」「無責任ヒーロー」を聴いた。

観覧車は怖いから、もうこれが生涯最後の観覧車でいいなとは思ったけど、乗れてよかった。

「大阪ロマネスク」の歌詞をたどる旅も、「味園ユニバース」の景色をこの目で見る時間も。今このタイミングで、大切に心の箱にしまっていくように大阪の景色を見つめて、歩いて、ずっと大切なままにしておくために必要な時間を自分なりに過ごすことができた。

 

今しかない、関ジャニ∞が今まさに動いていく時を、大阪で過ごしていることの特別さを思うからこそ、これからのため悔いのないことをしたかった。

関ジャニ∞が7人でいる時間、それはもうわずかだけど、目を逸らさない。見ていようと思いを定めた1日でもあった。

歩きながら、景色を見ながら、それはもう1日中「大阪ロマネスク」を聴いていた。

なんだかこの曲を聴いていると、会う約束のない人を追いかけるような切なさで思いがいっぱいになる。面影を探して、大阪そのものに恋をしているような。

いつの間にか「大阪ロマネスク」の主人公の感覚と重なり、関ジャニ∞のことばかりを思っていた。


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