隣り合うから1つになるのではなくて、
向かい合う相手をちゃんと見つめて愛してる。
お付き合いするだけでなく暮らすことをNissyが描いてくれると、こんなにも温かいんだと花束を受け取ったような気分になった。
シンプル。だけど慈しみ【かわいがって、大事にする】が溢れてる。
Nissy(西島隆弘さん)
「I Need You」
作詞:西島隆弘さん、Anna Kusakawaさん、H.U.B.さん
作曲:Erik Lidbomさん、西島隆弘さん
編曲:Erik Lidbomさん for Hitfire Production
MVの監督は、酒井麻衣さん。
そう、なにわ男子の「初心LOVE」も「ダイヤモンドスマイル」もMV監督は酒井麻衣さん。
ドラマ「明日、私は誰かのカノジョ」の数話の監督もなさっていた。
その前から各方面のお仕事をいっぱいされている方だけれど、なにわ男子そしてNissyでこんなふうにまた出会えることがあるなんてと嬉しかった。
それぞれのMVに表現方法の変化と個性があって、その中に一貫して“人を魅力いっぱいに映す”監督という印象がある。
監督の視点そのものに慈しみがあって、それがNissyの慈しみと重なった時に、とても柔らかい優しさの「I Need You」MVが完成した。
好きなところを話しだすと切りがなくなってしまう。
黄色い扉、シャボン玉、少しずつの花、2人分の暮らし。
目覚めて抱きしめ合うシーンがすごく好きで、私はこのシーンを見るたびに明日も微笑んで目覚めようと思うことができる。
扉が開いて、のびーってして、君を見つけてハグをする。
舞うキラキラが綺麗で、ハグも当たり前のようにと言うよりは、今日も隣に君がいて一緒に目覚めて、そのお互いを瞳に映してからギュッとする感じが、当たり前ではない今日の始まりを大切に思っているように見えた。
そこにあるのは色っぽさよりも安心感のハグで、繊細な空気感を表現しているNissyと俳優の大西礼芳さんが素敵だった。
エッセンスとして、ドラマ「愛の不時着」「わかっていても」「トッケビ」そのあたりを勝手に感じ取っていて、
これまでの日々を振り返れば、2年以上、必要以外は自宅で過ごすことも増えて、そんな暮らしで彩りを摂取できていたのはドラマの存在も大きい。今もそう。
見てきたドラマを、ページをめくり思い起こすこともできるような空気感をNissy的視点でアレンジしている気がして、Nissyが素敵だなと思ったところや、感性が動いたところはここかなと想像できるのも楽しい。
韓国ドラマと呼ばれるもので今表現されている映像表現の形が、
Nissyがずっと持ち続けてきた感性と、表現したい空気感との相性がとてもいいのだと思う。
そこに好きを見いだす人に、Nissyの表現が伝わっていくことで、市場の合致と言うと堅苦しいかもしれないけれど、
受け取れる感覚の人に受け取ってもらえる機会が増えるのではという点で、甘い物にはアイスカフェラテのような素敵なマッチングを見た。
扉の描かれ方によって、そんなスペシャルなことができる彼にはまたストーリーがあるのでは?と感じさせたり、ほんの少しの切なさがあるところもいい。
制服の二人からして韓国の制服っぽさを見せられるところもすごいなあと感じる。
リボンの細さ?シャツの襟の大きさ?ベストの感じ?どれによってそう見えるんだろうか。
学生時代の女の子のストレートヘアと、男の子のマッシュっぽく前髪を重めにしているのはポイントかなと思う。
窓枠に腰掛けながらアイスを食べる、夏のあの感じもいい。
可愛らしく食べるより、ラフな感じで、それでさ!と元気よく話していそうな様子が微笑ましい。
映画館でポップコーンだって最高じゃないか…
お互いがポップコーン食べても良い派なのもよかったねなんて思いながら見ていた。映画が終わったら感想を喋って、あれ良いよね、ここ観てなかったの?!なんて話をするのかもしれない。
同じ映画を観た思い出ができていくんだなと思った。
ドライヤーのシーンで、乾かしづらくなるけど、膝ごと抱き寄せたいNissyの動きと彼女の真剣に髪を乾かそうとする姿が可愛い。
どんな時も見つめるNissyが、歯磨きのシーンでは気を緩めてぼーっと前を向いていて、それを隣でじっと見る彼女の目線も良かった。
そしてお花屋さんで働くNissy、大好きです。
それも今回だけのコンセプトとしてではなくて、「花cherie」や「ハプニング」の曲MVでもお花はNissyにとっての大切なテーマで、一貫して魅せてくれるところにも惹かれる。
映像の構図として好きだったのが、ランドリーのシーン。
丸型の窓から洗濯物を放るNissyの様子と、あえて開けた状態でクリアに映さずに、閉めて少しかすんで見える映像の作り方に、ケンカをしてしまった2人の不穏さと上手くいかない焦ったさが表れていた。
Nissyと監督とスタッフさん総出で作ってこだわり抜いているから、水滴のバランスも考えに考えたのだろうと思う。右下の水滴バランス、ナイスです。
彼女の探し物が見つかった瞬間、“仲直りまでの”の歌詞で映っているNissyの表情が絶妙で、口元とあのわずかな首の動きで、気まずさも彼女のここからの反応も理解している様子が見てとれた。
立ち去った彼女を目線で見送り、腰に手、もう片方で頭をかくNissyが可哀想だけど可愛くて、また怒らせてしまった…という感じなのかもなと思いながら。
MV全体の色彩がブルーでまとまっているのかなと感じられたのは、その後のごめんねのケーキのシーンで、
カップケーキのお花、お皿、タッパー、缶、後ろの部屋の壁部分まで明るめのブルーになっている。
さり気なく。でもこのMVを繰り返し見たくなるのは好きなブルーを無意識でも見ていられるからなのだろうと思う。
こんなに素敵な日々だから、彼女が眠っていてバタンとベッドから転がり落ちた時の表情に、あれ…夢だった…?と心細くなった。
その心境込みでの演出の細やかさだとしたらすごい。
その後のテーブルに用意された問いかけが最高の休日の訪ね方で、何度惚れさせる気なんだろうと思う。
“←でかける?”
“ダラダラすごす?→”
でかけるの方には、水色のワンピースとカップに入ったドリンク。ダラダラすごすの方には、マーガレットのような花形の砂糖菓子とマグカップ。
砂糖菓子の缶を見て、冷蔵庫に入っていたブルーの缶はこれだったんだと気づいた。
せっかくだからでかけようよ!ではなくて、どっちのパターンも用意してくれる紳士さがたまらない。
ドライブの先、ラストシーンに出てくるブルーの薔薇が印象深い。
Nissyが大切に見せることに意味がないはずがないと、調べたくなった。
ブルーの薔薇には“夢かなう”、“奇跡”の花言葉がある。
それだけを聞いても素敵だけど、ブルーの薔薇は元は存在しない色だったことから、“不可能”という花言葉を持っていたのが、実現可能になり“夢かなう”になったと知って、NissyらしいLoveの伝え方だなあと思った。
恋愛ごとに限ることなく、不可能だと言われることであっても実現させていこうとする、Nissyのエンターテイメントの象徴でもあると感じた。
ついにアルバム「HOCUS POCUS 3」がリリースされて、
2022年10月21日のベルーナドームから「Nissy Entertainment 4th LIVE ~DOME TOUR~」ライブツアーがスタートする。
Nissyとしては9th Anniversary。前回のライブ、5th Anniversaryが終わってからこの状況下になって、約3年半ぶりになるライブ。
年月を慎重に見極めて考えて、ようやく日程を組むことができたドームライブなのだと感じている。
東京ドーム公演は、2023年2月16日、17日。
あの日観た東京ドームの景色にまた、帰ることができる。Nissyのステージにまた会える。
今回は、まさかの父と行く。
ライブDVDを買うたびに、見せて、ここのここが良くてここに感動して、このこだわりを見てよエンターテインメントなんだよ…と論理的にでも熱く語っていたら、
確かにすごいエンターテインメントだ。次があったら観に行く。と父から決意を告げられて、チケットの責任が重大だった。
シリアルナンバーで受け付けてくれた枠で、チケットを2枚取ることができて、驚くことに厳格な父を連れて行く。
父を横に、手の振りを勇気を持ってするパッションがほしい。
でも「I Need You」は、柔らかい気持ちで一緒に聴く景色が思い浮かぶ。
現実であるかどうかよりも、こうであったらいいなを思い描ける時間が好きだ。
朝、目が覚めると「I Need You」を聴きたくなる。
2人の空気感を見て癒える気持ちがある。1つずつ束ねる愛と暮らすように、嬉しいと感じたことを花束にして、抱えていける日々がいい。