本屋さんが開いていない。そんな期間が何ヶ月経っただろう。
生活の流れのなかに、目的が無くても本屋さんに立ち寄るということが自然とあったんだと、こんなふうに実感するとは。
休業は今の状況で必要な対処で、まだ予断を許さない段階だとも思う。
6月に予定されていた、舞台「パラダイス」は中止が決まったけれど、そのための雑誌掲載は変わらず5月に各雑誌から発売されている。
関ジャニ∞ 丸山隆平さんのインタビューがどんなページになっているのか見たいなと思っていたけど、開いている本屋さんも無く、開いているとしても場所によっては近づきがたい。通販でまとめて買うのは難しい…
あれやこれや重なって、買えないまま次号になってしまうことも受け入れるつもりでいた。
いつもとすこし違った帰り道。開いている本屋さんの前を通りがかって、数ヶ月ぶりに本が並ぶ風景を目にした。
棚には丸山隆平さんが表紙の舞台雑誌がいくつも並んでいて、さらには映画雑誌やPEASONの表紙に大倉忠義さんがいた。なにわ男子が表紙のものも。
舞台雑誌はカラー写真が多いこともあって、一冊の価格がしっかり。だからある程度吟味しないと、お財布が大変なことになる。
久しぶりの本屋さんにテンションがぐぐぐぐっと上がりながらも、長居はできない。数冊に収めて、何を選ぶが決めようと決意した。
誌面に印刷された“丸山隆平”の文字にときめく感覚が久々で、どの雑誌も、舞台「パラダイス」へ向けた丸山さんの雰囲気、表情が魅惑的かつ素敵だった。
丸山さんのページに惹かれて買ったのは、「ステージスクエア」と「テレビライフプレミアム」そして「mina」
「テレビライフプレミアム」は、1ページ目からの色合いがすごくいい。
ブルー味がかっている写真も、強めに光りをもってきてメインの丸山さんが浮かび上がる感じも、さらにはブラック感満載なページも。一誌のなかでいろんな面が見られる。
「ステージスクエア」は、ポスターで断トツのお気に入りになっている、ライブ「エイターテインメント」の頃の写真に近いピンナップに、!!っとなって、4ページを開いた途端の。衝撃。
こんなにカラフルに感じられるモノクロ写真があるのかと思った。
これまでの丸山さんからの印象や、聞き馴染みのある声、リアクションの積み重ねから広がる写真のイメージもあると思うけど、モノクロ写真に抱いていた淡々とした距離のようなものは、この写真にはなかった。
壁のない空気感がすごく素敵な写真。トップとして掲載された4枚のセレクトが最高で、そしてレイアウトも素晴らしかった。
カメラさんのお名前が載っているのもうれしい。Rie Odawaraさんが撮影された表情だとわかった。
さらに、ステージスクエアの7ページ。
脚!!膝下の長さ!表情が天才!丸山さんの末恐ろしさが全部ここに詰まっている。
決めっ決めの顔というより、どこかちょっと気を抜きながら、でも隠しきれない色っぽさ。この表情を撮れたカメラさん。シャッターを押すのが楽しかっただろうな…と思う。
八嶋智人さんと丸山隆平さんの対談が、この誌面で実現していたのも嬉しかった。背中合わせな構図の写真にワクワクする。不意に笑ってしまったような丸山さんの笑顔もいい。
ステージスクエアは舞台雑誌でもあるから、そのことを思いながらページをめくると、載っているどの舞台も無事に行われてほしかったという気持ちが込み上げる。
でも少しでも、こうしてインタビューや写真として紙に残ってくれてよかった。
途中までであっても公演できた舞台も、幕を上げることができなかった舞台も、制作が決まっていて、こうして開幕に向けて動いていたんだという事実が残ったこと。雑誌としてそれを受け取れたこと。何もないことになってしまうよりよかったと思っている。
「mina」は、丸山さんが載っていると知って、最後に一応見ておこうと開いたら、っあー!っとなって気づいたらレジに持って行っていた。
紙の質感、印刷された写真の色合い、久しぶりすぎたその手触りに、好きなものを見つけた時の胸の高鳴りが止まらなかった。
minaでの丸山さんは、衣装が素晴らしく似合っていて、オーバーサイズめの襟付き半袖シャツのセットアップがすごくいい。茶系でチェックなのに、おじちゃん感は無く、ベルトとインナーで作るバランスが絶妙。
ふわっとした背景の色合い、柔らかい明かり、丸山さんの微笑み。
つるんとした紙質では無くて、もったりとした紙質によって出る、色の雰囲気。
どれもこれも完璧。目で見て心地いいデザインなので、部屋のインテリアとしてフレームに入れて飾ろうと思う。
今回は我慢したけれど、今月の「PEASON」の表紙は大倉忠義さんで、色味もカットも素晴らしい。ブルーとピンクの淡さがすごく綺麗だった。
やっぱりPEASONのセンスはいいな…と噛み締めながら家路につくと、PEASON来月号の表紙は丸山隆平さんとの発表が。買うことが決まった。
仕事終わりに本屋さんに寄ると、アドレナリンがえらいことになると、今回実感した。
冷静さはどこかへ行ったけど、本当に気に入ったインタビューと写真の載っているものを選んだので、悔いはない。
最近は、実際に“目の前にする物”よりも、スマホにパソコンにテレビと、画面越しのなにかに接する機会がほとんどだった。
本屋さんで数冊の本を買った。それだけでこんなにも心躍る。私やっぱり本が好きだ…紙が好きだ…と身に染みて感じた。電子画面ではない紙質ごと伝わる写真の魅力はここにしかない。
もっと状況が落ち着いて、本屋さんで本を選んだり眺めたりする時間が楽しめるようになったら、喫茶店の本や小説、デザイン本も見たい。
相澤いくえさんの新刊「珈琲と猫の隠れ家」も買いたい。坂本裕二さんのノベライズ本もあらためて揃えたい。
私の生活に本屋さんは無くてはならない。
のびのびと本屋さんを歩ける日を夢見て、いまは部屋の本棚の“好き”ばかりが並んだ、小さな図書館を楽しみたいと思う。