Nissy Entertainment「OK?」

 

Nissyが監督をした、ミュージックショートフィルム「OK?〜君に贈る24時間〜」の上映イベントに行ってきた。

何段階にも渡ってNissyの世界観に浸ることができる最高の時間だった。パソコンでもケータイの画面でもなく、大きなスクリーンで。シアターの音で。こだわり抜いた映像と音を全神経を集中して観ることができる時間は、これ以上ないほど贅沢だった。

 

場所は浜松町。Nissyがここでイベントを行わなかったら、ここに来ることはなかったなと思うと感慨深かった。知らない場所に行ってみようと思うきっかけをくれるのはライブやイベントで、それを理由に初めて入るお店があったりと、いろんなものを見られることが楽しい。

イベントが終わり、会場を出て駅までの道を歩いているとセミの声がした。いつもなら夏だなあと思うだけのセミの声も、タイが撮影地になっている「OK?」のショートフィルムを観た後はぴったりきていて、この気候とタイの映像は相性が良かった。

 

シアター内に入って席に座ると、シングルCDの「OK?」に収録される「17th Kiss」「恋す肌」「愛tears」が流れていて、曲を聴き込んだ後にショートフィルムを観ることができて、会場を出る頃には頭の中で曲が流れ続けていた。

 

上映が終わったタイミングで突如フォトスポットが出現。

一人一枚写真を撮ってもらうことができるコーナーがあった。やめておこうかと思ったけど、いや…ここは思い切って、せっかく来たわけだし記念にと勇気を出して撮ってきた。羞恥心に打ち勝った瞬間。

フォトパネルの完成度も作りがちゃんとしていてすごかった。置いただけみたいなものではなくて、箱型になっていて黒いフレームがしっかりあって入り口と出口はカーテンも付いている。背景の写真は奥に配置されているから、本当にその場に居るような錯覚が起きる、クオリティが高い写真になった。Nissyのパネルの白いフチが写ると、「OK?」の世界観で立場が逆転したようにも見えるところも好きだなと思った。

 

映像を観た後に待っている写真展も素晴らしかった。

映像の後に、写真として見せるということは簡単ではないと思う。映像があって、音があるインパクトをさらに超えることとストーリー性を持たせること。限られた広さと条件の中で、動線を確保すること。それらの課題をクリアするのにどれだけ考え抜かれたのだろうと思うと、どんな小さなひとつも見落とせないなと感じて、一生懸命目に焼き付けた。

自分は美術館が得意ではなかった。見たいものがあっても、人の壁をよけたり待ったりして前に立つ気になれなくて。でも今回、あれだけの人数がいて、会場の狭いロビーを使ってあれだけのストーリー性がある写真展を完成させたことがすごいと思った。

自然な流れで誘導があって、道順に沿って行くと徐々に道が狭まって二人分のスペースに。そこから写真展が始まり、まず感動したのは、入ってすぐに印象的な鐘の音が聞こえてきたことだった。「OK?」の映像の中でついさっきまで耳にしていた、タイの風景に馴染むように鳴っていた音が、ここで聞こえてくるなんて。

 

Nissyが作るエンターテイメント、ただ写真を見るだけで終わるはずがなかったと、ここでさらに引き込まれた。写真を一枚一枚見ていくたびに、目にした映像が写真をきっかけに動き出すみたいで、こんなシーンもあった。あのやり取りがよかったな。と思い出すことができて、不思議なくらいするすると記憶がよみがえるような体験だった。

展示の順番も配置も素敵で、写真だけではなく衣装と小道具も実物を見られたことが嬉しかった。「愛tears」でのハートのネオンの実物と懐中時計の実物を見られたことが特に嬉しくて、さっき見たものが、タイにあった物がここにある…!と感動した。

衣装を見た時、衣装を見られたことへの感動というより、本当に全部がエンターテイメントになっているんだなと感じて感動した。映画のように、映像があって、それを大きなスクリーンでしっかりとした音響のもと観ることができて、その時使った衣装も小道具も作品の一部になっている。

西島隆弘さんの頭の中にあるものが具現化して、こうして形になったんだとふと体感した瞬間、すごいことだと実感が湧いた。

 

入場して、出てくるまでずっとワクワクが止まらなかった。

応募してみて、来てよかったとしみじみ思った。写真展の最後に直筆で“来てくれてありがとう”と書いてあったNissyのサインを見て、この場所へ来ることの意味や経緯をNissyは想像してくれているのだなと感じた。CDのリリースだけでなくイベントを企画して、もう少し高めに設定することもできたかもしれないのに、行ってみようかなと思いやすい価格にしてくれていたことに感謝したいなと思う。

今もまだ頭の中で流れ続ける「17th Kiss」と「恋す肌」と「愛tears」をすぐにでも聴きたい気持ちは山々だけど、そうするならDVDのついたCDを買いたいなという気持ちでいる。