関ジャニ∞の曲「あなたへ」の魅力

 
関ジャニ∞を好きになって、沢山の曲を聴いて、自分の好みが関ジャニ∞に関しては特に明らかなことに気がついた。
 
特に堪らないのが、関ジャニ∞の歌う歌謡曲
渋谷さんの声は勿論のこと、メンバー全員の声が、もう波長レベルで歌謡曲のメロディーや音階に向いていると思うのです。
しかも、村上さんや丸山さんは特に、この曲調になると歌声のくせが存分に発揮されて、最高の相性だと感動せずにはいられない。
 
私がリピートを止められない曲を挙げると、
「あなたへ」「青春ノスタルジー」「夕闇トレイン」「二人の涙雨」「My Last Train」と、結構わかりやすいと自分では思っているラインナップ。
 
今回は、全部をいっぺんに語っていると収まらないので、「あなたへ」について。
 
 
聴いていくうち、耳に馴染んでどんどん好きになったこの曲。
メロディーが美しく、切なくて、歌詞も女性目線で、言葉が女性の話し言葉なのがいいと思うのです。
そして渋谷さんの歌声がいつにも増して艶っぽく、か弱い女性像が浮かぶようで風情がある。
 
静かに語るように、“あなたのこと 木枯らしが吹くと 心ふるえて思い出します” という歌詞から始まって、それぞれの歌声がぽつりぽつりと聞こえて、サビでグッと声が重なる美しさ。
“あなたへ 遠くに行ってしまっても あの日くれた言葉信じてるの 想い続けてついてゆくわ”
この歌詞に、日本語の美学が込められていると思うのです。
想い続ける健気さと、あの日くれた言葉だけを信じて待ち続ける強さが見えるようで。長くはない歌詞でも主人公の女性のイメージが浮かぶ
日常ではあまり使うこともなくなった「〜なの」や「〜だわ」という語り口は、やっぱり綺麗な言葉だと思う。松田聖子さんの「SWEET MEMORIES」の語り口が大好きなので、共通する魅力を感じる。
 
 
待たせている彼は、彼女を想っているのだろうか。
それとも、彼女だけが想い続けている切ない関係性なのだろうか。
この曲一つで小説がひとつ出来るだろうなと思うくらい、想像が膨らむ余地のある、含みのある歌詞なのが素敵だ。
 
 
 
この曲でのメンバーそれぞれの歌い方も、すごくいい。
村上さんの、情緒のある声で世界観に引き込まれ、丸山さんの声で昔懐かしい風景が浮かび、錦戸さんの声で恋しかった想い人の姿を思い出すような。そして3人の声が重なって、厚みを増して。
女性が歌っているわけでないのに、7人のバランスで、女性らしさを出せる声を持つメンバーが際立って主旋律を引っ張ることで、女性が歌う以上の女性らしさがある。
女性の目線だけじゃなく、男性がそれを歌うからこその女々しさが重なるというか、それがすごくいい。
 
2番は大倉さんの声で始まり、大倉さんはサビでハモりに入る。「あなたへ」の不思議なところは、全て女性視点なはずなのに、デュエットのような、男女で歌っている感覚になることだった。それは多分、大倉さんの深みのある低音の歌声や村上さんの歌声によるものなのかなと思う。同じ旋律を歌っても、女性視点に聴こえる声と、男性視点に聴こえる声。
そして安田さんの声が男性視点で聴こえたことが自分にとって意外なことだった。高音で通る声は女性らしさを象徴するかなと思っていたら、この曲に対する安田さんの解釈なのだろうなと思う表現の仕方が、どこか悔いの残るような男性像をイメージさせた。
 
そんなふうに個性がはっきりしている歌声のなかで、横山さんの声は中性的だった。どちらとも取れるシンプルな歌い方で、クセをつけたくなる歌謡曲調のメロディーでは自然さを保つことが大切なポジションに感じた。
そしてやっぱり、渋谷さんの歌声がすごい。圧倒的に女性らしさを表していて、声を聴くだけで切ない。凛としているのに弱々しく、美しい。男くさくも歌えるけど、こうして穏やかな声色で歌う渋谷さんも最高に魅力的。
 
 
「あなたへ」を披露したのは、アルバムとしてツアーを行った JUKE BOX のみ。
なので「青春ノスタルジー」も「あなたへ」も「夕闇トレイン」もある、JUKE BOX コンサートはたまらない。セットリストを考えての曲分けだったのか、丁度いいバランスでセットリストを組んだのかは分からないけど、前の曲から先に捌けた3人が先に1番を歌う構成にも感動する。
そんなこんなで、DVDの再生回数も音楽の再生頻度もこの曲たちがダントツだと思う。
 
私がツアーに行くようになったのはついこの間のことで、JUKE BOX ツアーを生で観ることは出来なかったけど、いつかまた、「あなたへ」と「青春ノスタルジー」を聴ける日が訪れることを願って、これからもアルバムやカップリングに入るであろう名曲たちを楽しみにしていきたい。