なにわ男子デビュー1周年の今日の日

 

横浜アリーナでデビュー発表がされた728の日から日々を重ねて、

シングル曲「初心LOVE」をリリースした2021年11月12日。

あの地点から、1年が経つ。

年にして数えると1だけど、365日がそこにはあって、1日に1つでは収まらないほどのお仕事や出来事のある毎日だったと思う。

 

デビューに向けた時間も、デビューしてからの時間もぐんぐんと進んでいったと思うけれど、

乗りこなすのは大変な気流の中を、ぎゅっと身を寄せ合って乗り込んだプラチナのジェットで進んでいるのを見ていた。

1周年になる今日は、YouTube生配信でなにわ男子のなにわ男子による、なにわ男子となにふぁむのためのハッピーサプライズが開催された。

歌番組なの!?特番なの!?と思うくらいのボリュームでメドレーが披露されて、

シングル曲としてリリース日ごとに過ごした時間を「初心LOVE」「サチアレ」「The Answer」で振り返った。

そして、2年目へと入っていくなにわ男子が歌う「ハッピーサプライズ」

 

クラシカルで一人一人の布地やリボンにベストの形までこだわった白スーツ。

フォーマルな衣装も、着られず着こなす凛々しさをこの1年重ねてきたのだと感じた。

季節の風ごと思い出す歌のメドレーは、リボンをかけたとびきりのプレゼントボックスだった。

 

ジャニーズにもアイドルにも限ることなく、役者さん、作家さん、

大きく括れば自分ではない誰かについて、“私は知らない”ということを自覚しながら大切に見つめていたいと思いつづけている。

あなたは私ではなくて、私はあなたではないから、一心同体のような気持ちになることは出来ないけど、だからこそ私はあなたを見ることができている。

輝きを見せてくれる彼らに、背景に必ずある努力を思ってしまうことは、無粋になるかなと考えながらも、

発表されて自分が知る前に、知らないところでお仕事をしている時間があるように、知らずにいること見えずにいる時間への感謝を忘れたくない。

 

この1年、なにわ男子がなにわ男子として魅せてくれた景色に、驚いて、ワクワクして、ぐっときた。

たくさんのLoveを、届けられるかぎりの溢れんばかりの嬉しさをありがとう。

健やかでいてください。食べたいもの、美味しいご飯を食べて、思いっきり眠れる日がありますように。

1年前にデビューへの嬉しさで着けるようになったシャンパンダイヤのネックレスは、今も私のとっておきで宝物です。

 

カフェ「ヴィヴモン ディモンシュ」で、とっておきのコーヒー時間。

 

憧れて、その時がきたら行くんだと決めていた、

カフェ「ヴィヴモン ディモンシュ

その場所は鎌倉にある。

家でコーヒーを淹れたいと、ドリッパーセットをネットで探して、これだと購入したのがマウンテンドリッパーのディモンシュ オリジナルカラーのものだった。

通販だけでなく実店舗があって、地元でよく行くコーヒー屋さんの店長さんも知るほどの名店だと知った時はわくわくした。

カフェにも行ってみたかったけど、あの時は途方もなく遠い場所のように感じながら、ドリッパーを大切に使っては綺麗に洗って拭いて、そっと置く日々を過ごしてきた。

 

今回、旅の行き先が鎌倉になって、念願が叶った。

目印は緑の立て看板。おじいちゃん二人がコーヒーを飲む絵が描かれている。

数人待っていたものの、そんなに待たずに入ることができた。列はそれからも途切れなかったので、時間にゆとりを持ってのんびりした気持ちで訪れると穏やかに楽しめそうと思った。

 

おすすめのメニューを地元で聞いてきていて、私はオムライスを食べると心に決めていた。

ハーフサイズもあって、一瞬迷ったけど、しっかりサイズにした。

コーヒーは“ディモンシュ”と名前のついたコーヒーがあったので、これが間違いないはずとカフェラテも気になる気持ちをぐっと抑えて、シンプルなそのままをオーダーした。

友人はゴーフル(ワッフル)の、バニラアイスと熱々のキャラメルをかけて食べる“セーベーエスウー”と、ホットのカフェラテ。

浅煎りと深煎りを選んでオーダーできるようだった。

この日のカフェラテのお豆がめずらしいものだったようで、嬉しそうに説明してくれる店員さんのお話が興味深くワクワクした。

 

オムライスが美味しくて。

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卵の甘み、デミグラスソースのコク、チキンライスのしっかりとした存在感。ペロリと食べた。

そしてコーヒー。お砂糖もミルクもなしで飲めるかなと思いつつ口に運ぶと、不思議なほどすっと飲めた。

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コーヒーの風味と旨味を感じるのに、わあーっと苦味が居残るわけではなくて、すっと浸透していく。

ラテアートも美しいホットのカフェラテを飲んだ友人も、普段はお砂糖を入れるのにこれは入れなくて美味しいと驚いていた。

 

さて、満たされつつあるお腹。でも、私は知ってしまっている。

ここには、プリンを頂上に置いたパフェがあることを。それも、今は和栗バージョンが存在することを。

食べますとも。プリンプリンな大橋和也さんの影響でプリンは他人事と思えない。

 

私の旅予算はここに注ぐと決めていたので、飲み物も再度オーダー。

大きなコーヒー豆の形をした、コーヒーで出来た氷が特徴的で心惹かれた飲み物。

何と言えばこれが出てくるのだろうと調べて、慣れないながらに“カフェ・クレーム”をオーダーした。

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思い描いていたものが目の前に運ばれてきた時の感動。

瓶に入ったコーヒーと、ピッチャーにたっぷりと入ったミルク。グラスに描かれたコーヒー豆模様の可愛さ。コースターもコーヒー豆模様。

ディモンシュでの“カフェ・クレーム”とは、自分の好みの割合で作ることのできるアイスカフェオレだった。

ミルクのおかわりもできる優しさで、氷が溶けていっても一番上はコーヒーとして溶け出していくので、薄まった時のあの水の表面層ができないまま飲み進められる。

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楽しみながら、美味しいコーヒー。

全て飲むには何度来たらいいかわからないほど、無限大で魅力的なメニューの数々。ここにいるのに、またここに来たいと思った。

 

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“和栗のプリンパフェ”の美味しさも語らずにはいられない。

プリンの下の層からが和栗なのかと思ったら、プリンから和栗だった。

濃厚なペーストの和栗とプリンの卵の甘み。一番下の層にはカラメルがあって、最後まで甘みと程よい苦味をバランスよく味わえた。

 

メニューに書かれていたアドバイスに従って、最初のオーダーで選んでおいた持ち帰り用のコーヒー豆。

“ディモンシュ”を100gで挽いておいてもらった。

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十分に味わって、落ち着いて、お会計。なのだけど、レジ前にはまだまだ興味を引くものが並ぶ。

すでに家にあるドリッパーや、様々なコーヒー豆。

さらにお店の25周年を記念したパッケージデザインのドリップコーヒーや、そのデザインのTシャツ。

V6のグッズデザインでも記憶していた、イラストレーター 長場雄さんのデザインしたハンカチなどなど。

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ここは激選して、いろんな味を飲み比べられるドリップコーヒーの6袋セットにした。

大満足。大、大満足。

ひとつずつ、大切に鎌倉の空気を思い出しながら飲みたい。無くなってしまうのが惜しいと思いながら、コーヒー豆の“ディモンシュ”を今は美味しく味わっている。

また、あの空間でコーヒーを楽しむ時間にたどり着けたらうれしい。

 

one-time.hatenablog.com

 

映画「線は、僕を描く」 - 墨を磨って、筆に含んで描かれる線は

 

墨をする音。その手触り。

それが感覚的にわかることが嬉しくて。習字の時間に墨汁を使うより、すずりで墨をすっていいよと先生に言われた時のワクワクを思い出した。

小学生の頃から習字に触れていたことを良かったと、今になって噛み締めることができるとは、思いもしなかった。

あの頃はそれほど楽しみ方を心得ていなかった。

持ち物は増えるし、片付けも大変。右手で書くようにと指導されるのも課題で、字を書く難しさも手で理解した。

水墨画は、書道ともまた別のもの。描く難しさは、別の世界として容易くないとわかる。

 

映画「線は、僕を描く

原作小説:砥上裕將(とがみ ひろまさ)さん 著 / 講談社文庫

 

「心得があるね」

という一言が、すっと胸に溶け込んでいった。

ひと目見た水墨画に心動く様子に、こちらが引き込まれる。青山霜介という人がどんな人か、そんな説明が無くても、いまどれほど大切な瞬間と出会っているかが伝わってくる。

横浜流星さんが演じる霜介の佇まい。凛としていて、でも憂いている。

恐れ多いほどの場にいながら、それが失礼に見えないのは、横浜流星さんが身体の芯まで染み込ませてきた極真空手からくる立ち振る舞いが滲み出るからだと思う。

部屋に立ち入る挙動ひとつ取っても、ダンダンと荒々しく足を踏み入れることもできるけれど、霜介として、丁寧に。恐る恐る物音を立てないよう、相手の息遣いに気を配る。

 

だから、見込まれる彼に納得がいく。

それを言い表しているのが「心得があるね」という言葉だったと感じる。

心得とは、【身についている】【理解する】の意味の他に、【気をつける】【用心する】という意味もある。

でもきっと、それだけではない意味合いがある。


描く手の強弱でというより、その前の段階から描くことが始まっている事実に驚かされた。

筆の中に三層もの墨の濃淡を作ってから、真っ白な紙に描く。途方もない奥深さに愕然とした。


竹が描かれる一筆ごとに鳥肌が立つ。

単純なようで、何ひとつ単純ではない。

なのに、折り重なる知識ではなく、削ぎ落とされた純真さが線に表れることの凄さ。

この映画を観ていて何度、足から腕へと鳥肌が立つ感覚を味わったかわからない。

 

予告編を見た時から、意識された白と黒の映像づくりに圧倒されていた。

それは本編でも勿論発揮されていて、病院は白の壁に黒の柱。牛も白と黒。道路もコンクリートの黒と白の線。

それぞれが身にまとっている服も、時に白。時に黒。と入れ替わり、視覚的に抑えるところでは色彩が抑えられ、それによって鮮やかさが目に焼きつく場面もある。

今回、カラーコーディネーターのお仕事をされた方の素晴らしい映像作りに感動する。

 

水墨画を、映像として映す。

その魅力を、迫力を伝えるためにどれほど考え抜かれたカメラワークか。大袈裟にならず、静かに圧倒的な存在感を映していた。

原作が小説だと知った時はますます驚いた。

文字で表す水墨画。著者の方は、実際に水墨画家の方だということも知って、必ず読もうと思っている。

 

水墨画の巨匠である、篠田湖山を演じる三浦友和さんの佇まいにも息を飲んだ。

とてつもなく凄い人、だけど相手をつぶさに見つめる包容力の人。ただ優しいのでもなく、緊張感はぴんと糸のように張っている。

江口洋介さんの演じる西濱湖峰の確固とした在り方には、安心感と尊敬の眼差しで見つめたくなった。

清原果耶さんが演じる千瑛の、ナイーブで凛としつつもあどけない様子に引き込まれていく。真摯に向き合う姿、そして所作がひたすらに美しい。

 

 

想介の部屋の明かりがついた瞬間、心が震えた。

静かに、淡々としているようで、内に滾る彼の心を見た気がした。

どの水墨画も、呆気に取られて眺めるしかない。
椿を描いた水墨画が胸に残り続けた。師匠の大きな一枚絵では、凛と佇む鹿に見入った。


段々と、これはスクリーンで観ていることにとても意味があるのではと感じはじめて、そしてそれは決定的なものとなった。

この映画の中で水墨画に魅せられた人たちへの最大の贈り物がここにある。

席を取れるなら、ぜひ映画館の席は目線の高さでど真ん中に座ってほしい。これ以上ない贅沢な時間を味わった。

 

映画を観る前、水墨画の世界のことを、伝統を継ぐこと、師匠の手本をどれほど追えるかが重要なのかと思っていた私は、

霜介と千瑛が教わること、進む道は思いもしなかったものだった。

それは確かに西濱湖峰さんが体現していたと今ならわかる。

 

線に表れてしまう恐さ。越えて、線が描くもの。

黒が鮮やかであることを、「線は、僕を描く」が教えてくれた。