上野リチ展のスイーツプレート

 

東京駅から歩いて、三菱一号館美術館のそば。

「Cafe 1894」

雪がちらつく冬に、ディズニーオンクラシックを観た帰り、念願のカフェにひとりで立ち寄った。

憧れのカフェはやっぱり素敵で、今度はこの空間の魅力を一緒に味わえる友達と来ることができたらいいなと思っていた。

今年の春すぎになってようやく、もう一度が叶った。

 

14時00分から17時00分までがティータイム。

平日だったこともあってか、すっと席に座ることができた。

前回食べたアップルパイ。もう一度食べたい気もするけど、隣接する美術館が「上野リチ展」を開催していて、タイアップスイーツがメニューにあった。

「ボンボン(2)」と名前のついたスイーツプレートは、食べられる美術品のように美しく彩られている。

これは食べたいかもしれない…

普段はケーキならケーキひとつ、その味をじっくり味わうことが好きだけど、友達との2度目の冒険に頼んでみるのはいいかもと、アイスカフェラテとボンボン(2)をオーダーした。

 

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プレートには、食べるとほろっと美味しいアイシングクッキー。

砕いてあるパイ生地の上に、ミルクアイス。

ピンクのマカロンは、ほわほわの泡の上にちょんと乗って。

プレート奥には、しっとり濃厚だけどするっと口溶けなザッハトルテ

柑橘ジャムが入っていたことで、チョコレートケーキやガトーショコラではなく、ザッハトルテかなと思って、今一度「上野リチ カフェメニュー」のサイトを見てみたら“リチの出身、オーストリアウィーンの有名なチョコレートケーキを…”と書かれていて、素敵なおもてなしを感じた。

手前にあるお花の入った飴細工も食べることができますと案内された時、遊び心…!と楽しくなった。

飾りのようにも見えるベリーソースと粉砂糖も、気分ですくってケーキに合わせたりすれば、プレートの上で自分の味わいを作ることができる。

 

黄色い小さな陶器のボックスが横に添えられて、開くと可愛く包まれたキャラメルがふたつ。

クランベリーラズベリー?酸味のあるピンク味がかったキャラメルと、こってりバターのように口の熱で溶けていくシンプルなキャラメル味。

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美味しさが約束されたザッハトルテはもちろん、初めに感動したのはミルクアイスとパイ生地の相性だった。

もしかしてこういうこと?と思いながら、パイを付けるようにアイスを掬って口に運ぶと、口の中で味が完成した。

ケーキを食べたような感覚。オーダーで迷っていた、アップルパイの風味をほんのり感じられた気がして嬉しかった。

バニラアイスとも違う、ミルクアイスの風味はすこしシャーベット感のある食感で、パイ生地の香ばしさとミルクアイスの爽やかさがとても良かった。

 

そして、マカロン

自分にとって食感の正解の分からないスイーツが、マカロンカヌレだった。

ピンクということは、きっとフランボワーズ味。

大丈夫かな…と食べると、ほわっほろっと繊細に溶けた。

外側のメレンゲ部分と内側のスポンジ部分、クリームどれもが一体化していて、食感がひとつになっている。そこに、さり気なくフランボワーズ。

今まで、メレンゲ部分はジャリッと、内側は水飴感がネチッとなるイメージで、その印象がすっかり変わった。

美味しいマカロンだ…!!という感動。

きっと好みの食感はそれぞれで、私はこのマカロンが好き!と見つけられたことが嬉しかった。

 

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見た目に心躍って、美味しく食べるスイーツ。

これはなに…?と思いながら、驚いて、楽しんで、残ったのは満足感。

次回に予定されている、抹茶のアフタヌーンティーに惹かれずにはいられない。

Cafe 1894の空間でアフタヌーンティーということが、お茶の時間として理想的。さらに抹茶で、ラインナップも良さそうな予感。

何かしらの何かしらで、東京駅にいる用事が入ってくれないだろうかと思っている。

 

それは二人のハーモニー。山崎育三郎さんと大泉洋さん再び。「夏の終りのハーモニー」

 

山崎育三郎さんが「SONGS」に。

二人の共演はどうしたって楽しいに決まっている。もちろん見ることにした。

見て早々の驚き。

 

スタジオ外の廊下で立ち話?ここからトーク用のスタジオに入って行く演出?

そう思って見ていたら、何やら暗めのスタジオ。置かれたマイク。二本。

手に取る山崎育三郎さん。わかる。

手に取る大泉洋さん。わからない。

 

しっかりとマイクを握った大泉洋さんに、おや?となっていると、

前回のデュエットのカメラワークを受け継いで、今度は二人で背中を向けて一歩ずつ画角に入って行く遊び心。小粋。

 

二人で歌う、「夏の終りのハーモニー

 

神妙な面持ちして何してるんですか。

何ハーモニーを聴かせにかかってるんですかと思いながら、聴き入ってしまう。

 

 

前置き無しで、ソロより何より先に、いきなり「夏の終りのハーモニー」を山崎育三郎さんと大泉洋さんで歌いはじめた!?そんなサプライズあります?!

お待たせしました感が漂っているのが、面白いやら確かにお待ちしていましたやらで、感情がくしゃくしゃになりながら聴くと、それがまた素敵だから参る。

 

SONGSでの「また逢う日まで」のセッションが好評だったことが、ご本人と番組スタッフさんへ届いていることがうれしかった。

最高だったものは最高だったと製作陣に届いていてほしい。

大泉洋さんが単刀直入に言っていた通り、半年後で二度目のセッションはなかなかの早さ。それでも、山崎育三郎さんと大泉洋さんの二人が揃った歌声を聴けた喜びが大きかった。

 

あのセッションの後、他の歌番組で山崎育三郎さんと「また逢う日まで」のデュエットをいろんな方がしていて、

それぞれにハモりの旋律に変化があったり、山崎育三郎さんの担うパートが変わっていたりして、どのセッションも楽しかった。

ただ覚えている限りでは、大泉洋さんの炸裂ハモりと同じパートで歌ったセッションは無かったと思っている。

だからこそ、SONGSで生まれたセッションだったと胸が高鳴った。

 

歌として、日本語を使う詞として、「夏の終りのハーモニー」が好きだ。

‪関ジャム‬で丸山隆平さんと大倉忠義さんが歌ったセッションも、MUSIC FAIRでIMYが歌った「夏の終りのハーモニー」の録画も残している。

そしてやっぱり大泉洋さんの歌声が好きだ。抗えない。なぜか抗いたくなるが、抗えない。

また逢う日まで」の時に、演奏しているギタリストさんが大泉洋さんの歌声を耳にして、はじめはニヤリと口角を上げ、大泉洋さんの歌声がバーン!と扉を開いてからは、ますます乗ってきた笑みになっていたのが印象に残っている。

ブレない声量。歌っている時間をお腹の底から楽しんでいるのが伝わる声。

 

今回の「夏の終りのハーモニー」では、

山崎育三郎さんのアレンジが、IMYの三人で歌っていた時とは変えてあるところにも引き込まれた。

ベーシックになっていて、語尾を伸ばすパートで「おお↑」と音に波をつけなかったところが、大泉洋さんとのセッションという感じがしてよかった。

たゆたうメロディーに身を任せるのが心地良い歌だからこそ、伸ばしどころ、歌い始めの音を合わせるのは空気の読み合いになると考えられるけれど、1音目を迷わない。

それが出来てしまっているすごさに慄く。

いつの間に、そんなに息が合うようになったのですか。

ドラム演奏に、河村“カースケ”智康さんがいらっしゃることにクレジット表記のおかげで気づいて、さらにテンションが上がった。

 

ラストに山崎育三郎さんがどーんと突き抜けた音階に、まさかの被せていった大泉洋さんは二重の衝撃だった。

被せた!被せられるんだ!の衝撃。

 

なんと優しく穏やかな大泉洋さんの下ハモ。

折り重なり合うハーモニーは柔らかく、ついぞ引き算の美学まで魅せるように。

井上陽水さんの歌声のゆらぎも聴き込んで歌っているのがわかる。今回は破裂させる声量で押さずに声を後ろに引いて、音を少しこもらせることで溶け合うハーモニーになっている。

山崎育三郎さんの歌声が伸びやかに響きながら、もはや二人だからこその色が映っていく。

 

今度は、CHAGE and ASKA「LOVE SONG」はいかがですか。なんて言いたくもなってしまう。

いつか、また。あまり頻繁になると、いよいよ大泉洋さんがマイクを離さなくなる可能性があるので、

しばらくは、この二つのセッションを大切に聴き込むことにしたい。

 

King & Prince「踊るように人生を。」 - 軽やかなステップを踏みながら、憂いを塗りかえる

 

King & Princeの歌声で、この曲調を選びつづけてくれることが嬉しかった。

メロディーは聴いた瞬間もう好きだった。これまで好きになってきた曲の傾向と、「Moon Lover」が好きなら抗うことはできない。

 

King & Prince × ジャズは最高の相性。

そして歌声は、スウィングのリズムによく合う。

でも、今回は変化球だと感じたのは、タイトルがはっきりとしたメッセージを映していること。

覚えやすいメロディーラインというより、ジャズのように変則的で、掴みどころのない音階で歌詞が進むところ。

王子、等身大、から一歩踏み込み、働く人の日常についての表現に向き合っているところ。

公開されたMVを見た時、カラースーツと目に止まるイエローの配色、働く人への寄り添う視点からSMAPイズムを感じとれる気がした。

 

King & Prince踊るように人生を。

作詞:MUTEKI DEAD SNAKEさん

作曲:MUTEKI DEAD SNAKEさん・児山啓介さん

 

愛しきこの My Life

この言葉と一緒に映る、MVのワンシーンが象徴的だった。

平坦にも見えるパネルの窓枠の中、吊り革に掴まって揺られる様子。

色が無いわけではなくて、街並みが溶け込むようにマーブル模様に彩られた角の丸い窓枠と、メンバーが身にまとうカラフルなスーツ。

メンバーの表情も、日々の流れを知りながら、どこかそれを受け入れて楽しんでいるようにも見える。

脱力と期待と。この曲で描きたい瞬間がここにあると思った。

 

気の向くままに 歩いてゆこう

ここでの“歩いてゆこう”の振り付けが、ペタペタと一歩ずつ進む歩幅を手のひらで表現していて、

軽やかにステップを踏みながら、手でも表現していることで、一歩一歩という意味合いが伝わってくる。

そして次にくる、“どの瞬間も”のターンの美しさ。

素早く美しい身のこなしに息を飲む。ドレスを着ているかのようなジャケットのひるがえりが素晴らしく、着ているスーツのデザインごとにジャケットのひるがえり方が違っているのもいい。

平野紫耀さんのターンをしても立ち位置変わらず、腕を伸ばすまでの一連の動きのなめらかさに惹きつけられた。

永瀬廉さんの着ているジャケットにプリーツがあることで、ターンをした時にふわりとひるがえる裾が綺麗だった。

着ている服の見え方も考えたダンスの抑揚に心引かれる。

 

歌番組で披露されるダンスにも楽しいところが多々ある。

目まぐるしくて隙のない”の歌詞で、革靴を履いた足元をトントンと片足ずつ立てる仕草。

朝、玄関を出る前の靴を履くという何気ない動きひとつを、ダンスに入れ込んだ遊び心にワクワクした。

世間にいつも追い回されてる”でジャズダンスの醍醐味と言える、腕を伸ばす動きからの脚も合わせてのステップが美しく決まっているところもいい。

Let's go!”の後、“もっと”でサビに入る前のわずかな隙間に、首元できゅっとネクタイを締めるような動作があるのも楽しい。

生きる自分を”の歌詞では隣にいるメンバーの肩に置いていた手を、“踊るように人生を”では前へと置いて、そこから自分の手首に自分の手を添える動きになるところが、誰かと踊るだけではなくて一人でも踊ることができると観せているように感じられて、素敵だった。

 

 

くるくると移り変わるメロディーから、サビで着地していく。

合いの手みたいにトランペットが鳴り響く。

生きる自分を褒めてあげたい

この歌詞の部分のメロディーがとにかく好きで、ここでガシッと掴まれた。

特に“褒めてあげたい”の音運び。平野紫耀さんのほっと落ち着く声色がユニゾンとして温かみを増し加えているように感じて、包容力がすごい。

 

目覚めを優しく伝える歌声で、ファルセットを響かせる神宮寺勇太さんが日の出なら、

一日の疲れをほぐしてゆく平野紫耀さんの歌声は夕日だと思う。

 

どれほど甘くても美味しく食べてしまえるアフタヌーンティーのようなラブソングも、バリバリに踊るダンスナンバーも、様々な曲調で作られるKing & Princeの曲があるなかで、

以前に、番組「キンプる。」でタップダンサーの先生が、“ジャニーさんはKing & Princeにタップダンスをさせたがっていた”という意味合いのことを言っていたのがしっくりくるほど、クラシカルな世界観も成立させることができる。

ロマンチックさだったり、エールの思いだったり。一曲ずつグループとしてのジャズナンバーが増えていくことがとても嬉しい。

様々に形を変えながら、どうかこれからもジャズダンスにブラスバンドの輝く曲調は続けていってほしいと願いたくなる。

それほどに、King & Princeの歌声とジャジーなメロディーの相性は素晴らしい。