それは二人のハーモニー。山崎育三郎さんと大泉洋さん再び。「夏の終りのハーモニー」

 

山崎育三郎さんが「SONGS」に。

二人の共演はどうしたって楽しいに決まっている。もちろん見ることにした。

見て早々の驚き。

 

スタジオ外の廊下で立ち話?ここからトーク用のスタジオに入って行く演出?

そう思って見ていたら、何やら暗めのスタジオ。置かれたマイク。二本。

手に取る山崎育三郎さん。わかる。

手に取る大泉洋さん。わからない。

 

しっかりとマイクを握った大泉洋さんに、おや?となっていると、

前回のデュエットのカメラワークを受け継いで、今度は二人で背中を向けて一歩ずつ画角に入って行く遊び心。小粋。

 

二人で歌う、「夏の終りのハーモニー

 

神妙な面持ちして何してるんですか。

何ハーモニーを聴かせにかかってるんですかと思いながら、聴き入ってしまう。

 

 

前置き無しで、ソロより何より先に、いきなり「夏の終りのハーモニー」を山崎育三郎さんと大泉洋さんで歌いはじめた!?そんなサプライズあります?!

お待たせしました感が漂っているのが、面白いやら確かにお待ちしていましたやらで、感情がくしゃくしゃになりながら聴くと、それがまた素敵だから参る。

 

SONGSでの「また逢う日まで」のセッションが好評だったことが、ご本人と番組スタッフさんへ届いていることがうれしかった。

最高だったものは最高だったと製作陣に届いていてほしい。

大泉洋さんが単刀直入に言っていた通り、半年後で二度目のセッションはなかなかの早さ。それでも、山崎育三郎さんと大泉洋さんの二人が揃った歌声を聴けた喜びが大きかった。

 

あのセッションの後、他の歌番組で山崎育三郎さんと「また逢う日まで」のデュエットをいろんな方がしていて、

それぞれにハモりの旋律に変化があったり、山崎育三郎さんの担うパートが変わっていたりして、どのセッションも楽しかった。

ただ覚えている限りでは、大泉洋さんの炸裂ハモりと同じパートで歌ったセッションは無かったと思っている。

だからこそ、SONGSで生まれたセッションだったと胸が高鳴った。

 

歌として、日本語を使う詞として、「夏の終りのハーモニー」が好きだ。

‪関ジャム‬で丸山隆平さんと大倉忠義さんが歌ったセッションも、MUSIC FAIRでIMYが歌った「夏の終りのハーモニー」の録画も残している。

そしてやっぱり大泉洋さんの歌声が好きだ。抗えない。なぜか抗いたくなるが、抗えない。

また逢う日まで」の時に、演奏しているギタリストさんが大泉洋さんの歌声を耳にして、はじめはニヤリと口角を上げ、大泉洋さんの歌声がバーン!と扉を開いてからは、ますます乗ってきた笑みになっていたのが印象に残っている。

ブレない声量。歌っている時間をお腹の底から楽しんでいるのが伝わる声。

 

今回の「夏の終りのハーモニー」では、

山崎育三郎さんのアレンジが、IMYの三人で歌っていた時とは変えてあるところにも引き込まれた。

ベーシックになっていて、語尾を伸ばすパートで「おお↑」と音に波をつけなかったところが、大泉洋さんとのセッションという感じがしてよかった。

たゆたうメロディーに身を任せるのが心地良い歌だからこそ、伸ばしどころ、歌い始めの音を合わせるのは空気の読み合いになると考えられるけれど、1音目を迷わない。

それが出来てしまっているすごさに慄く。

いつの間に、そんなに息が合うようになったのですか。

ドラム演奏に、河村“カースケ”智康さんがいらっしゃることにクレジット表記のおかげで気づいて、さらにテンションが上がった。

 

ラストに山崎育三郎さんがどーんと突き抜けた音階に、まさかの被せていった大泉洋さんは二重の衝撃だった。

被せた!被せられるんだ!の衝撃。

 

なんと優しく穏やかな大泉洋さんの下ハモ。

折り重なり合うハーモニーは柔らかく、ついぞ引き算の美学まで魅せるように。

井上陽水さんの歌声のゆらぎも聴き込んで歌っているのがわかる。今回は破裂させる声量で押さずに声を後ろに引いて、音を少しこもらせることで溶け合うハーモニーになっている。

山崎育三郎さんの歌声が伸びやかに響きながら、もはや二人だからこその色が映っていく。

 

今度は、CHAGE and ASKA「LOVE SONG」はいかがですか。なんて言いたくもなってしまう。

いつか、また。あまり頻繁になると、いよいよ大泉洋さんがマイクを離さなくなる可能性があるので、

しばらくは、この二つのセッションを大切に聴き込むことにしたい。