おとぎ話をモチーフにした魅力。迷い込んだ森で出会いたい君に - BUDDiiS「OZ」

 

目覚めると聴きたい。眠る前に聴きたい。

耳にしたくなるハーモニー、そして観たくなるダンス。

 

ボーイズグループ「BUDDiiS(バディーズ)

所属はスターダストプロモーション

知ったのは、ドラマ「君の花になる」で森愁斗さんをきっかけに、「よるのブランチ」でメンバーから2人がロケに参加しているのを見たところから。

ラジオで流れてきた「OZ」を決定打に、YouTubeでまず「OZ」のパフォーマンス映像を探した。

公式チャンネルが載せてくれていたライブ映像が、カット割り含めて素敵な完成度で、思わずループマークをタップしてもう一度聴いた。

 

グループのこと、メンバーのこと、詳しくはないけど、

今「OZ」のBUDDiiSのパフォーマンスが好きだ。

 

BUDDiiS「OZ

作詞・作曲・編曲:KEVINさん

KEVINさんは、BUDDiiSのメンバー。

そして「OZ」の作詞・作曲・編曲をしている。

この歌だけでなく、BUDDiiSの楽曲制作を他にもされている。

 

おとぎ話をモチーフに、メロディ進行がシンデレラの「夢はひそかに」と通ずるものがあると感じる。

オズの魔法使いのモチーフもありつつ、歌詞にはメンバーひとりひとりの名前が潜んでいるらしい。

メンバーが王子のように歌い微笑みかけるこの曲は、ファンにとって堪らないはずだと思った。

 

第一印象は、おとぎ話をボーイズグループで歌うことを含めて、ファンタジーの取り入れ方にセンスが光っているという印象だった。

今も繰り返し聴きたくなるのには、ほかにも魅力がある気がした。まずは音楽面。

「OZ」の、一曲を通しての音(トラック)集めが特徴的で楽しい。相当こだわって作っているのが伝わる。

コーラスの合わせ方。林檎をかじる音の作り方、それに合わせた振り付け。オズになぞらえたライオンか、オオカミ?獣?のポーズ。

サビにやってくる、“大好きだ My Buddy”でハートを描く、ファンへの愛称に絡めたフレーズ。

鉄琴のような音、小さなおもちゃのようなピアノの音と、大きいピアノの音色。

弦を弾くコントラバスのような低音が、どしっと鳴り続け支えているところ。ぷわーんと鳴るトロンボーンのような音。

ビートの打ち方や、ヒューマンビートボックスのように音を録っていると思われるリズム部分などなど。

いろんな音が集まっていて、トラックが緻密に組まれている感覚がする。それでいて、歌声の良さが際立っているのもすごい。

 

何度も見ているのは、Zepp Tour - JOURNiiY -ver.のライブ映像。

開いていく本。暗転の中から振り向く森愁斗さんが歌い出しを担う。

君を信じ守るよ永遠に

大好きだ My Buddy

息多めに儚げでありつつ、ブレない芯と浸透力。

振り向いた時の照明で、横髪に入った2束のパープルのメッシュがギラッと光って、物語に欠かせないヴィランズの妖艶さがあった。

 

ココロ 踏みやられていく

恐れ 踏み乗り越えていく

きらきらと遊び心の可愛さがあるメロディーと対照的に、歌詞には迷いながらも進もうとする葛藤も表れている。

歌い出しの“君を信じ守るよ”も、君が僕を信じてではなくて、

僕が君を、“信じ”ると歌っていることが印象的だった。

 

届け!

甘い想いも いたずら勇気も

ゆらゆら溢れる愛も

夢の中を彷徨う気分さ

かけがえない My Buddy

 

このメロディーラインがぐっとくる理由は理解しながら、それだけではない、その前後のメロディーラインの美しさに惹かれていった。

サビの“ゆらゆら溢れる愛も”の言葉選びと、駆け上がっていく音階が好きで、森愁斗さんが歌った時に“愛も”でかけるビブラートの美しさに感動した。

“My Buddy”のフレーズを歌うメンバーごとに、ハートの形が様々なのも魅力。

形作るハートのイメージはこんな感じがする。

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ダンスのフォーメーションひとつひとつが、人数の多いグループでありながら最大限活かしていてかっこいい。

最初に2人ずつ振り向いて、おじぎをしていく構成も好きになった。

音取りのひとつずつに丁寧なところ、“甘い想いも”のステップ、腕を伸ばす振り付けでステージに広く魅せる動き。何度見ても目が離せない。

KEVINさんが林檎をかじるジェスチャーをしながら微笑むカメラ目線は最高にいい。

歌いながらクッと眉を上げる表情と、その表情をしつつ歌の声量も保っているのがすごい。

 

僕らの声も イビツな心も

くらくら悩ます夜も

愛が芽生え花咲く季節に

君と巡り会う

 

おとぎ話のようで、今を進もうとする“僕ら”の心の歌として聞こえる。

だから明るい気持ちの時だけでなく、迷い込んだ気分の中でも聴きたくなる。

大サビから、KEVINさん、MORRIEさん、SHOOTさんのハーモニーになるところもいい。

TAKUYAさんのボーカルも心惹かれるものがあった。

それぞれに踊る時は踊る時の、マイクに声をのせる時はのせる時の真っ直ぐなパフォーマンスが記憶に残る。

 

曲の魅力に引き込まれながら、この曲を作ったKEVINさんのことを思った。

音を作りながら、歌詞を書きながら、黙々と机に向かいながらどんなにグループのことを思ったのだろうと想像した。

素敵なパフォーマンスで完成した、ライブ映像を見ながら、この曲の魅力と真剣に向き合いたくなって、ここのところずっと考えていた。どうにか書くことができてよかった。

いつか目の前に観ることができたら、嬉しい。