渋谷の街に、送ったメッセージがはためいているという不思議でワクワクする知らせ。
昼間も夜も、私の知らない時間のなかでもそこにあって、風に揺れている。
変わらずTWSの話が続いて、読んでくれている方はどんな気持ちだろうと思いつつも、その時その時に突き動かされる原動力は自分でも選べないところがあって、
計画的に書いているようで、実のところとても受動的だったりする。
なので、果物の収穫期のように、今ぶどうの季節なんだなーみたいな眺め方をしてもらえると、助かる気持ちがある。
TWSの日本デビューへ向けて、ファンメッセージを募集とSNSで見たら、言葉を考えずにいられない。
TWSへ贈りたい言葉を込めながら、街に掲げられる時に通りすがりで見上げた人が、お?と思ってくれそうなキャッチコピーになるようなものを、簡潔に言葉にしたいと考えた。
でもそんな大層なフレーズがひらめいたわけではなくて、意識したのは、ひらがな・カタカナ・アルファベットが並ぶので、バランスと読みやすさのため漢字は使わずにまとめること。
これでいいのだろうか…と送ってみた。
次々やってくる新情報に、デビュー日は覚えていても、応募したことを忘れていたころ。
公式さんのツイートのおかげで思い出し、検索してみると、最初に目に留まったフラッグの写真には自分の投稿文が載っていた。
カフェでひとり、急に口元を押さえてリアクションの大きい人になった。
でも、間違いない。名前が同じこともあり得たけど、この短さとこの言葉は。
約200名のメッセージを掲載という企画。
想いの多さを知るからこそ、採用されることに期待は持たなかった。
そして見つけ出せるとも思わなかった。ひとかけらの望みにかけて、誰かの写真に写り込んでいてくれないかと検索して、まさか本当に見つかるとは。
その1枚が無かったら、私はこのサプライズを知ることなく過ぎていた。
写真を見つけて、その日1日嬉しさにひたひたでいた。
知ることができて良かった。写真まで親切に送っていただけた。ポップアップストアもこの暑さのなかではどうにもたどり着けないと思っていたから、言葉の形で参加できて良かった。
そう思おうとしたものの、収まらないワクワク。
TWSのデビューの心境にほんの少しでも寄り添えたらと書いた、『ドキドキのはじめましてもTWSとならワクワクに。』の文字通り、緊張のドキドキを超えてワクワクしだしている自分に戸惑った。
見に行こうか?どうしようか?
体力が保つだろうか。大丈夫だろうか。
さらに1日、思考回路を行ったり来たりして、
止めるものが予定や予算ではなく、自分への不安なら、行かなかった時の方が後悔すると私なりに思い切って渋谷まで行くことを決意した。
最初にメッセージを見つけ出してくださった方の写真のおかげで、どの建物の近くの街灯かが分かった。これなら、探し歩かず最短ルートでたどり着ける。
当日、崩れるかもしれなくてもとびきりバージョンのメイクをして、支度は早々に整った。
待ちきれなくて、予定より30分早く家を出た。
ここのところ、気持ちはしっかり低空飛行だった。
気温だけのことではなくて、考えすぎないことと言われても考えずに気づかずにいられないことで、勝手にダメージを負い続けた。
定期的にやってくる、遠くに行ける気がしない期。
行きたくないのか行けないのかすらわからない。ただ生活圏から出られなくなったような感覚に囚われる。
そんなだった私を今連れ出したのは、TWSだった。
今日はいつもと違う1日にする。同じ時間でも、見たかったものを見て、歩いて、過ごす記憶をつくっていく。
そう思いながら、着けたイヤホンから「はじめまして」を再生した。
自分を連れて行くような感覚は「はじめまして」の歌詞にある、“もう一度僕を君の元へ”に重なっていくようで、嬉しかった。
自分には最高難易度に近い渋谷に降り立ち、フラッグを探し歩き始める。
道玄坂⑥の看板が目印。眺めて行くけれど、こっち側じゃないかも…?と振り返って来た道を戻る。さらなる目印はギョンミンのフラッグ。
あった。あったあった!!
周囲の邪魔にならないように確認、端に寄って見上げる。本当にある。
写真を存分に撮る。どのSNSにコメントをする時も、言葉を選び考えるけれど、ここにある言葉は磨きに磨いた宝物のように見えた。
自分だけでなく42の方のメッセージひとつずつを読んで、そう思った。

フラッグが並ぶ道の壮観さと一緒に聞こえてくるのは、TWSの歌声。街にBGMがかかるのも都心ならでは。
気づけば、渋谷TSUTAYAは目の前。
涼しい風に引き寄せられて入って行くと、すぐそこがポップアップエリア。
メンバーが訪ねて残して行ったサインとメッセージ。
展示として素敵だったのは、紙飛行機が吊り下げられていたり、折った跡があったり、モチーフとして散りばめられていたこと。


MVの世界観に繋がり、さらにMVでギョンミンが開いていた本については開けるようになっていて、ポラロイド写真がちゃんと挟んである。本のストーリーも興味深く読んだ。


本棚があると、背表紙の並びに注目せずにいられないのは、ドラマ「愛の不時着」の名残り。
そしてやっぱり、これまでのTWSの曲タイトルが日本語になっていたり、「はじめまして」の歌詞があったりする、素敵な遊び心。

衣装の展示の後ろに吊り下げられているベールのような布が美しい色彩で、韓国のチマチョゴリにも使われていそうな布地になっていたところに、彼ららしさが表現されていると感じた。
ひと通り眺めて、一度後にして、ここまで来たなら集めたかったディズニーストアのステッカーをもらいに行った。
そして原宿で見つけた時には、TWSの誰を特別に好きか自覚していなかったため、今となってはシニュと撮ってみたかったと思い続けていたのをかなえようと、「Photoism」へ向かう。
無事撮ることができて、そろそろ休憩したい。さっき見かけたクロッフルのカフェが気になる…と歩いていたのに、もと来た道に戻れず。
コーヒー歩きはまたいつかにして、来たことのあるカフェで静かに涼んだ。
フラッグを見ることも大切な目的で、あともうひとつ、流石にペンライトを買おう。が目的にあった。
デコレーションのためのシールばかり買い足して、ペンライトが無いのは寂しい。許す。
フリー入場の時間が設けられていたおかげで、ペンライトも、そしてなぜか予定にないシニュのフィルム風カードとケース?も買ってしまった。
ポップアップストアを後にする前に、心残りはないか自分に問うて、本当は自分も写った記念写真がほしかった…と思う気持ちに素直になって、42の方に写真をお願いできた。
したことなかったTWSのハンドサインをしようとして、シミュレーションは済ませたはずだったのに右左混乱しながら、ぎこちなく作り、なんとかポーズになった。
したかったことのリストが全部かなって、TWSを沢山眺めた渋谷を後に。
安心地帯に戻ってスタバに寄ったら、レジのお姉さんが私のカバンに付いているシニュのカードを見て、「TWSですか?」と気づいてくれた。
勇気を出して付けていたカード。
ロゴも入っていないカードで気づいてもらえるとは思っていなくて、驚きと嬉しさ。「セブチ好きなので」とお姉さん。
渋谷にポップアップ見に行って来たんですと話すと、「可愛かったですか?」と返してくれる。わかっていらっしゃる。
「友達がTWSのライブ行ってました」とお話できて、渋谷を離れてから1日の締めくくりに出掛けてきた話で盛り上がれるとは思わなかった。
今年に入ってから特に、大人になっても、なったからこそ置かれる環境があると実感する。
新しくはじまることも、はじめましても不得意だけど、デビューの時からTWSが新たなはじまりを明るく歌っているから、それに引っ張られてワクワクできているところがある。
行けないと思って途方もなく遠く感じていた場所に、来ることができた。
フラッグが目の前にあった。
紙飛行機みたいに、気づけばそこにたどり着けていて、心地の良い1日だった。
