殻を破るとは聞いていたけど、勢いよく破りすぎて、ヒナじゃなく鷹が出てきた。
やってんな!とやっっばを交互にしたかのようなライブ。イントロが流れてくるたび、感情はハチャメチャなのにすごく楽しい。
「Aぇ! group」ライブステージ
会場 松竹座
2020年8月24日(月曜日) 14:00公演 18:00公演
25日(火曜日) 14:00公演
1公演目と、3公演目を見た。
あまりに楽しくて、全部見てもいい!と思うくらい。せめてあともう1回、ラストを見たいと、最初の公演を見終えてからすぐチケット購入をして、コンビニ払いへ急いだ。
今日の日まで、何度となく開いたノートパソコン。親しみさえ覚える、開演前の画面にインストの音楽。
時計が14時を指した。
映像が動きだして、「ジャニーズドリームアイランド!2020→2025!大好きなこの街から!」とAぇ! groupの声で聞こえる。
3公演目では、“FINAL!”の文字と共に「ファイナル!」の掛け声もあった。
オープニング映像が流れる。
影絵のような絵本のイラストに、読まれているストーリーは「シンデレラ」
急にファンシー…!!
これまで「Firebird」の世界観と、番組「Aぇ男塾」のイメージをしっかり胸に抱いていた私は、オープニングの映像から意外すぎるフェアリーテイルの世界観に、えっ本気のやつ?コントから始まるやつ?どっちとして受け止めたらいい!?と見事に戸惑った。
青のライトの中、照らされる6人のシルエット
「シンデレラガール」(King & Prince)
ぬわっ!!と声が出た。意表を突かれて。メドレーの中で歌うのではなく、1曲目に持ってくるなんて。
白の王子衣装を身にまとうAぇ! group。
ロングジャケットの小島健さんはもう王子!細く長めのリボンネクタイをしている末澤誠也さん。
この衣装のプロデュースは末澤誠也さんだと後で知った。
「シンデレラガール」の締めのポージングから、そっとマイクを下ろすまでをしっかり見せる素晴らしさ。
“ha-”と美しいハーモニーが聴こえて、見えたのは、腕でハートを形作ったポーズ。つまりは?
とことんロイヤルな空気を見にまとうAぇ! group…!好きだ…!!
佐野晶哉さんと草間リチャード敬太さんの柔らかな歌声。そのままの声でカバーすることも出来るけれど、柔らかな曲となると、歌うのには声質を合わせていくことが鍵になるんだと初めて気がついた。
3公演目の佐野晶哉さんの“君を探してた”は貴公子の微笑みで、気品が溢れていた。
メリーゴーランドのように動くフォーメーションダンスも忠実に。それを上から映すカメラ!
挨拶があって、ここからは【夏メドレー】
さあAぇ! groupは何を歌うでしょう…!わくわくしていると、陽気なイントロ。すぐにぴんとくる。
「罪と夏」(関ジャニ∞)
ゴツめのバイクに二人乗り!いや二人乗り風!バイクの前部分とハンドルがあって、うしろは無い状態。それが3台あって、それぞれに。
手動で正面を向いたり、横向きにしてみたりする演出もアナログで良かった。
「SAMMER TIME」(NEWS)
順に当たる真上からのスポットライト。カメラに全力のファンサタイム。松竹座の客席に座り、左側を向くと末澤さん。笑顔が眩しすぎる。
「Sha la la☆Sammer Time」(Kis-My-Ft2)
Aぇ! groupが、存在が、発光してる…と思った。
「ワッハッハー」(関ジャニ∞)と「WAになっておどろう」(V6)は、関西Jr.が歌とダンスで見せる。賑わう声が聞けて嬉しかった。
ギラッギラの衣装で再び登場したAぇ! group
「Party-Aholic」(Aぇ! group オリジナル曲)
衣装の第一印象でがつんとくる、ファーのすごさ。本気のボリューム。全体の風格が大きく見える。
ライブが始まって20分が経過した、このタイミングにきて、この選曲。
ようやく見せてくれるんですねギラギラを…!と思うくらい、焦らされ、ギラつきを待っていたことに気づく。
歌が盛り上がってからの“Shhh”で、歌っていた正門良規さんの口元から自分の口元へと人差し指をずらす末澤誠也さんの表情。正門良規さんの伏せたまぶた。
吐息を奪うとはこういう情景を言うのではと思った。
そして、メンバーからの曲紹介はなく、さらさらっと画面に手書きの文字が書き記されて、曲名、作曲者などの言葉が連なる。
Aぇ! groupの新曲。何?何?!と、曲名をメモするのがやっと。3公演目でメモが間に合った。
Aぇ! group a Brand New Song
Stray dogs.
Music & lyrics by Tomohiro Kamiyama
From ジャニーズWEST
「Stray dogs.」
メンバーひとりひとりの名前が隠れた歌詞。
他のメンバーが他のメンバーの紹介パートを歌う形ではなくて、自分で自分の名前のパートを歌うのもいいなと思った。画面に出る文字に、名前のところは色が付いている。
曲調はもうオラオラで、ヘドバンまでしている。ここで、もし曲順が序盤と逆だったらと考えたら、全く印象が違っていたと感じて、そうなると置いていかれていたかもしれないと思った。
イメージ通りという意味では、スタートから「Party-Aholic」に「Stray dogs.」の並びであってもAぇ! groupの色は打ち出せたはずだけれど、全体的にコワモテ一色…?と物怖じしていたかもしれない。
ジェントルマンな微笑みを先に見ていた効果で、このオラオラも彼らの表情の一部。と感じることができた。
客席通路から飛び上がったドローンカメラが、スレッスレでステージに上がり、グワンと後に回り込んで飛んでいく。荒ぶるドローン。
野犬だ…!と訳もなく思いながら見ていた。
“Stray dogs”(ストレイドッグス)の意味が【野良犬たち】だと知ったのは、MCの会話の中で。よく見たら歌詞にも野犬と入っていた。
衣装は末澤誠也さんプロデュース。季節感を完全に無視している、と自覚のある末澤さんがお茶目。小島健さんの着ているジャケットは、1.5倍ぐらい重いらしい。
曲が決まる前に、曲調だけは聴いていて、その時すでにこの感じの衣装を思い描いていたようで、その後さらに合わせていった形で出来上がったと話していた。
草間リチャード敬太さんが「これ前から歩いてきたら嫌やもんなあ」と呟いた。確かに街で見たらこわい。
でも、服として馴染んでさりげない色合いのメンバーカラーが、“メンバーカラー衣装”としても、魅力的だった。
MCの時間になり、序盤を振り返るトーク。
「本気でキラキラ王道しましたけど…」と話す正門良規さん。本気なのが伝わったから、それが最高に良かったですと言えるなら伝えたかった。
暑いからと、3人ずつ着替える時に先にジャケットだけ持って行ってもらうことに。ジャケットを脱いだ末澤誠也さんの衣装が、真っ赤なシャツに大きめの襟。胸元ガッサー開いたところに赤のポイントがあるネックレス。過度な肌見せではなくて、ネックレスでバランスが取れているのがいい。
「24時間テレビ」の関西枠で出演した話題になって、小島健さんは「オトンが喜んでた」と。ほかのメンバーも沢山連絡が来て、やっぱテレビってすごいねんなと話す様子が
着替えて戻ってきた3人は、黒のトップスにダメージジーンズやワイドパンツ。スタッズが際立つデザイン。靴は黒。
佐野さんの履いている靴が、タイトめでシュッとツルンとしているブーツで、足首上まである丈でかっこいい。
後から着替えた3人の末澤誠也さん、草間リチャード敬太さん、小島健さんは白シャツで、バラバラな色で着替えず、そこで揃えてくるのか…!と感動した。
小島さんの腰に着けた紫色の布が揺れて綺麗で、裾にタッセル付きなのが素晴らしかった。髪も、耳かけでスタイリングばっちり。
1公演目の8月24日は、末澤誠也さんの誕生日だった。26歳に。
25歳ラストは、24時間テレビのお仕事。26歳スタートは、Johnny's DREAM Is LANDの松竹座ステージで「Aぇ! group」としてのライブ。
誕生日祝い、したやんな?と口々に言うメンバー。
全く記憶になくて、頭にはてなを浮かべる末澤誠也さん。「では映像をどうぞ」とおもむろに流れだす映像。飾り付けられた部屋に、しっかり用意されたホールケーキ。末澤さんの好きなショートケーキ。
では末澤さんを呼びましょう!と佐野晶哉さんが連れてきたのは、ぬいぐるみの末澤さん。それをワイプで見ている末澤さんの何とも言えない表情が可愛かった。
映像を見終えても、納得のいかない末澤さん。えっ呼んでくれたらええのに…という感じでもごもごとなっていた。ぬいぐるみやし、俺と違う…と言う末澤さんに「俺が運んできたのはこのサイズだから誠也くんで合ってます。」と胸の前にコンパクトなサイズを手で表して落ち着いたトーンで言う佐野晶哉さん。
ケーキをね、どうぞーと渡されたお皿には少ないケーキ。と言うより、イチゴ、クリーム、チョコレートプレートのみ。カメラに向かってかわいくイチゴを食べる末澤さん。
「なんか雑ない?」と言ったのが、好き!と思った。関西弁にたまにある、省略される一音。雑やない?ではないところが。
バースデーメールをくれたのは草間リチャード敬太さんと小島健さんのみだったようで、少し寂しそう。
いつこの映像を収録した?という話になり、バンドリハで全員遅刻した日あったやろ?と言われてようやくピンときた様子。スタッフさんも?知ってた?と聞いて、「うーわ、やってるやん」と素で口癖が出る。
Aぇ! groupのしゃべりはいつまででも聞いていたくなるなあと思った。MCが終わる時間が惜しい。
話が落ち着いたところで、すこし迫り上がったセットに腰掛けていくメンバー。
次はバラードな空気感かな?と見ていると、「しっとり聴いてください」と末澤さんが一言。
どこにいても 何をしていたとしても
ピアノの音と、佐野晶哉さんのウィスパーボイスで響く歌詞。
もし椅子に座って見ていたらひっくり返っていた。
『いろんなカバーを妄想してたら、Aぇ! groupが歌う「名脇役」というちょっともうときめきが末恐ろしいものが頭をよぎった』…なんて6日前に呟いた自分に目を覚ませと言いたい。現実になるから。
夢のようなパフォーマンスだった。
1公演目を見終えた時。Aぇ! groupは必ずブラッシュアップをかけてくると感じた。
その変化をひしひしと実感したのは、3公演目での「名脇役」だった。
全体的に見ても、マイクに乗る声の安定感が明らかに増していた。マイクの持ち方と発声も変えた気がして、公演後の映像チェックでイヤモニをつけてメンバーの耳に聴こえている音と、配信されて視聴者に聴こえる音の違いも確認したかもしれない。
その改善がはっきりと表れていて、すごく聴きやすく、わずか1日の間の懸命な努力に感動した。
つづいては【シャッフルメドレー】
「Lil miracle」(Lil かんさい)
小島健さんの完コピなクオリティが凄まじかった。寸分狂わぬ再現。
“王子様”の歌詞を歌う末澤さんはキュートさ120%で、気が遠くなる可愛さだった。
そこからの、
「みんなでワーッハッハ!」(TOKIO)
「カンパイ・ソング」(嵐)
「weeeek」(NEWS)
この流れが素晴らしかった。
「みんなでワーッハッハ!」で突如現れたのは、佐野晶哉さんが扮するキャラ“まさこ”だというのは、なんとなく理解した。
「カンパイ・ソング」が流れてくる前に、「喉渇いてきたわ」と言う小島さん。
テーブルに並んでいるのは、ビールジョッキにウイスキーグラス。お酒…?と思いながら見ていると、「まさこの飲み物なくなーい?」とまさこ。
「まさこは子供やからあっち!」と指差した先に、客席で待ち構える関西Jr.くんたち。ストローを挿したソフトドリンクでカンパイ。
正門さん、ビールジョッキ
末澤さん、ワイングラス
小島さん、レモンハイ
リチャード敬太さん、ウイスキーボトル
福本さん、ウイスキーグラス?
「じゃあビールの人ー!」に、「はーい!」と元気よく答える正門さんの隣で、いやいやーっとバッテンマークを腕で作る末澤さんの表情が、コミカルですごくよかった。
松竹座時代の村上信五さんと同じ位置から迫り上がって、2002年の舞台「Another」を彷彿とする登場をした正門さん!
3公演目では「また、8月がやってきました」と言っていて、これはもう村上信五さん。
メンバーの名前が印刷されたのぼりを振る関西Jr.に、バルコニーから登場するメンバーたち。
関ジャニ∞が松竹座でやっていたやつー!と後追いでも懐かしくなった。
そこからは【関西メドレー】
「旅人」(関ジャニ∞)
「LET'S GO WEST〜K A N S A I !!〜」(ジャニーズWEST)
「関西アイランド」(関西Jr.)
「LET'S GO WEST〜K A N S A I !!〜」では、スタンドマイク。くっ付いているAぇのぬいぐるみ。
“アホやCrazy!”で右にカメラアピール、そして左にカメラアピールの斜めの画角が最高だった。
マイクに乗る声が安定している草間リチャード敬太さんがすごい。視線も耳も引き寄せられる。
そしてバンド!
「West side!!」(関ジャニ∞)
「Break Through」(Aぇ! group オリジナル曲)
「ボクブルース」(Aぇ! group オリジナル曲)
「ボクブルース」小島健さん作詞、佐野晶哉さん作曲。
歌っているメンバーの色に染まるペンライト。提灯も。
3公演目では歌う前に誰が作詞で作曲をしたか言うように変わっていて、日々細やかに公演内容も変わっていくんだなと感じた。
世界がボクを裏切ったとしても
その言葉を歌詞にするまでの、彼の、彼らの道のり。何色にも混ざり合う心情を思って、くっと心が締めつけられた。
ボクはここにいるんだ
ここにいるあなたの声を聞いたこと、ちゃんと受けとってここまで届いたこと。聞こえているよと、こうして書き記したいと思った。
歌が終わり、ひとりひとり挨拶をして。
「「またね」」と小島健さん、佐野晶哉さんの声が重なった去り際。
アンコールは「Firebird」(Aぇ! group オリジナル曲)
がっつりダンスで見ることの多かった「Firebird」が、アンコールバージョンでツアーTにぬいぐるみとマイクを持ちながらの新鮮な空気感。
いつもは末澤さんの見せ場、台詞パートが近づき、お尻アタックでセンターを佐野さんが奪ったかと思ったら、“熱くしてやるよ”の台詞を
「細くしてやるよ」
末澤さんのフェイク「ワーオ!!」を聴くと、最高!という気分になる。
3公演目であるラストは、客席から関西Jr.の子たちが“Aぇコール”をするようになっていた。
イントロが流れて、「ワーオ!!」の瞬間に違う声がして、びっくり顔な末澤さん。客席にはLil かんさいが!!
3公演目の台詞パートは、福本大晴さん。
「どけ」と遠慮がちに言った後、「俺のワイパーに耐えれるかな?」
(どや顔と小さめのワイパー)
ここで終わりと思いきや、Lil かんさいともう1曲!ということになり、「関西アイランド」をみんなで。
ぬいぐるみ大集合で、関ジャニ∞もジャニーズWESTもわんさか。
台詞パートは、末澤さんとリチャード敬太さんで「関西ジャニーズ、売れようや!」
ああ関西ジャニーズのこの気概が好きだと、再認識した。
最終日の3公演目は、関西Jr.の子たちが黒Tシャツに“松竹座 おつかれさまでした 2020夏”の文字がプリントされたものを着て、
Aぇ! groupとLil かんさいは白Tシャツに“松竹座 ありがとう!2020夏”の文字のものを着ていた。
最後は思いを目一杯、声に込めて
「俺たちがー!」
「Aぇー!groupー!!」
切なげだった、福本大晴さんの表情が印象に残っている。
この瞬間。終わってくれるなと強く思っても、幕は閉じていく。
その刹那が、夏の終わりに胸を締めつけた。
今回のセットリストは殻を破ったものになるとうわさに聞いていたけれど、
予想を上回っていた。殻を破ってピヨピヨというレベルではないギャップと、サプライズに満ちた構成で、出てきたのは鷹だった。
Aぇ! groupとして観せたいものがある!というメンバーの意思が確かに伝わってくるステージ。
これからの躍進を見ていきたくなる、強い引力。
本人たちの体さえも気持ちが越えて、追いつくのがやっとという熱。ひしひしと伝わってきた。
風をも掴む、大きい翼。その翼で上昇気流に乗って広い空に羽ばたいてほしい。