映画「泥棒役者」公開まで、あと5日。

 

映画「泥棒役者」が、今週の土曜日18日に公開。

完成披露試写会が行われて、雑誌のインタビューも多く載り始め、テレビの出演ラッシュも始まって。いよいよ「泥棒役者」ウィークに突入した実感があり、追いかけるのにてんやわんや。でもこうして楽しめることは貴重なことだなと思いながら、楽しさを噛みしめている。

 

映画館やDVDで好きな映画に出会う度、これをもっと早くから知っていたらと思うことが多々あった。そうすればキャンペーンや試写会など、楽しめるものがもっとあったのにと感じていたからだった。

映画というのは、公開日から始まるものではなく、もっと前の段階から色々なことが行われているのだと知って、驚きだった。それをなぜ乗り遅れることなく知っている人たちがいるのだろうと不思議に思っていたけど、原作のあるものなどは映像化の時点でニュースになること。好きな演者さんがいる場合、制作発表でその知らせを受けること。これを知って、なるほどと思った。

味園ユニバース」も「ばしゃうまさんとビッグマウス」も、公開当時には間に合わず、DVDになってから知った。なので今回、「泥棒役者」がスタートから目撃できる初めての経験だった。

 

監督である西田征史さんのことを知るきっかけが、4年前にあった。始まりは、知人にラーメンズを教えてもらい、その流れで小林賢太郎さんを知ったことから。

きっと好きだと思うよと、「Sweet7」「泥棒役者」「DROP」のDVDを借してくれた。言われた通り心を掴まれて、「Sweet7」で鮫島というパティシエの役を演じていた人が気になった。続けて「泥棒役者」を見ると、メイキングで脚本・演出として挨拶をしていたのが、その鮫島役の西田征史さんだった。

演者ではなく脚本家になっている!というのが最初の驚きだった。しかしその時は深く考えず、今回はそういうお仕事だったのかなと思いながら見ていた。

それから年月が経ち、元々は舞台だった作品がキャストをそのままに映画になると聞いて興味を持った「小野寺の弟・小野寺の姉」を、映画館へ観に行った。

エンドロールで、西田征史さんが監督の映画だということに気がつく。西田監督だったんですか…!と驚いた。直感で好きそうと思って観に行った映画が、こうして繋がるとは思っていなかった。

 

それからさらに月日が経ち、関ジャニ∞を知った。

ある日、ラジオ番組「レコメン!」を聴いていると、ゲストに西田征史さんがやってきた。なんとなく声に聞き覚えがあると感じながらも、そこでは記憶と繋がらず。

後日ウィンクアップに載った村上さんと丸山さんと西田征史さんの写真を見て、ああ!!と気がついて、ついにしっかり記憶が噛み合った。

そして、丸山隆平さんの舞台「BOB」で西田征史さんが脚本・演出だったことを知る。西田征史さんと丸山隆平さんのタッグをこの目で見たかった…!と強く思った。けれど再びお仕事をする機会というのは、そう簡単ではないよな…とも思っていた。

 

そんなある日、目に入ったのは「泥棒役者」映画化の知らせ。

すごく嬉しかった。「小野寺の弟・小野寺の姉」が大好きな映画になり、また西田征史さんの作品が映画になることがあったらいいなと思っていたら、まさかの「泥棒役者」が映画化。その喜びと同時に、あの豪邸のセットの中でひたすら巻き起こる勘違いを、映像としてどうつくるのだろうと思った。

 

制作発表から数日後、キャストが発表された。

丸山隆平さんが主演に決定!!

本当に…?!とまず疑ってしまうほど、信じられなかった。あまりにも理想が具現化されすぎていて。今日はエイプリルフールではないかと確認したけれど、4月4日ではなかったし、夢でもなかった。

西田征史さんの映画が観られる、しかも丸山隆平さんとのタッグで。一方的な無意識のうちでの関連性だけど、遠くにあって点とも思わなかったことが繋がって線になり、今の自分がこんなに嬉しい。こんなことが起こるのかと思った。様々な方向へ興味を持つことは無駄ではなかったなと実感した。

 

現実だとすると気になるのは、どの役を演じるの?ということだった。主役ってどれだ…絵本作家?えっきたろうさんの役!?と勝手に暴走していたら、丸山さんが演じるのは舞台で片桐仁さんが演じた元・泥棒役だと分かった。

しかしそこからさらに謎が深まる。元・泥棒役についてはあまりバックボーンが描かれていないからだった。それを映画で、元・泥棒役を中心に置いてどう進んでいくのだろうと益々気になった。

キャラがとても濃い絵本作家や、勝手し放題な訪問者たち。そんな人たちに振り回される元・泥棒を演じる丸山さんはどんなだろうと想像するだけでワクワクした。

 

小野寺の弟・小野寺の姉」の作品の雰囲気がとても好きだったからこそ、二作目となる「泥棒役者」はどんな雰囲気になるのだろうというソワソワもあった。全く違う作風という可能性もあるのかもしれない、前作の雰囲気が引き継がれているとは限らないと、思うようにしていた。

けれど、そんな思いはいらなかった。哀愁や切なさのなかに、穏やかさと信じていたいものへの軸が変わることなくあると感じられたからだった。

 

丸山隆平さんにとって初めての主演映画が「泥棒役者」であることも、西田征史さんの二作目の作品に丸山隆平さんが出演していることも、どちらの角度からも嬉しい。

それがこれから映画館のスクリーンで観られる。

公開期間が終わってしまっても、DVDとして形に残って、それが部屋にあって、いつでも観ることができる。こんなに素敵なプレゼントはない。

 

映画館で見る予告が好きで、どうしても「泥棒役者」の予告を大きなスクリーンで観たいと思い、流れてくれたらという期待も込めてタイミングを見計らい映画を観に行った。見ることができた。嬉しすぎて、にやにやが止まらなくて、本当に映画館で公開されるんだと実感が湧いた。

市村正親さん演じる最高にお茶目な絵本作家、ユースケサンタマリアさん演じる宣伝ベタなセールスマン、宮川大輔さん演じる強引な泥棒、石橋杏奈さん演じる熱心な編集者、高畑充希さん演じる暖かいはじめの彼女、美沙。そして丸山隆平さん演じる気弱な元・泥棒、大貫はじめ。

キャラクターだけでなく、舞台を映画化したおもしろさ、セットの使い方や撮影の仕方など、楽しめるポイントが多々ある。特に色彩は、壁紙や衣装など、ポスターの時点から目を引くインパクトがあり、映画の中でもそれを存分に楽しめる。

 

映画公開は今週末18日。

日舞台挨拶は抽選に外れてしまい、残念ながら参加できないけれど、嬉しいことに各映画館で中継があるとのことで、中継越しに丸山さんの勇姿を見ることができたらと思う。映画館でパンフレットを買って、エンドロールに流れる「応答セヨ」を聴いて、泥棒役者の空気感に浸った気持ちのまま映画館を出てきたい。

そして明日は、関ジャニ∞のシングル、映画「泥棒役者」の主題歌でもある「応答セヨ」のフラゲ日。歌詞カードを見ながら聴けるのが楽しみで仕方ない。

 

“君のために生きようか” 「イッツマイソウル」

 

散々なくらい振り回されるのに、たった一つ、惚れた弱みですべてがちゃらになってしまう。

「イッツマイソウル」を歌う関ジャニ∞が好きだ。

関ジャニ∞のイメージとして、自分のなかで一番に思い浮かぶ曲は?と聞かれたら、「イッツマイソウル」と答えると思う。

 

「大阪ロマネスク」も「ズッコケ男道」も聴けば自然と彼らの姿が思い浮かぶけど、かっこわるさがかっこいい「イッツマイソウル」を歌う彼らが大好きなのだ。

あの特徴的なイントロで始まるトランペットの音と、ピアノに指を滑らせるグリッサンドの音を聴けば心拍数が急上昇する。

歌詞は独特の感性で、大好きなあの子を褒めてるのか貶してるのかわからない。でもベタ惚れで、お手上げな彼が歌う彼女へのラブソング。

ラブソングと呼ばれる曲は数多くあるけれど、ここまで本音をぶっちゃけているのも珍しいと思う。

 

「イッツマイソウル」に惹かれる大きなポイントは、“なにかを好きでいる状況”全般にこの歌詞が当てはまるからだと思う。好きな人や恋人に限ることなく、趣味や目標、憧れも含めて、どうしていいのかわからなくなるほどの胸の高鳴りに、ぴったりはまるのがこの曲だった。

なにかを好きになる理由を、歌詞のなかで“そこはツボ”と言い表しているところがすごくいい。理屈ではなく、“弱い”や“ツボ”という言葉で表すことによって、自分の思考さえも飛び越えて惹かれていくスピード感が伝わってくる。

かなり辛辣な彼女への分析だけど、でも奔放な彼女は多分気にしていない気がする。彼も頭の中では客観的な分析をしているものの、そこからどんどんのめり込んでいく様子が歌詞で描かれているところが楽しい。

 

俺弱いの そーゆーの

終日 もう君に夢中 OH ベイビー

振り回されるけどそれでも好きで、なんかもう好きすぎてちょっとキレ気味なのがいい。骨抜きとはこのことで、情けないほど惚れている。

“OH ベイビー”の歌い方が、強く歌わず力を緩める歌い方になっていることでその印象が際立っていて、この部分のさじ加減がいつも絶妙で感動する。

彼女の綺麗に完成されたところに惹かれているのではなくて、彼女だけが持っている個性に彼だけが持っている感性が動く感じがいい。彼はお決まりのモテテクには落ちなさそうだなと思う。

関西だからこそ成立する“惚れる”という概念が、「イッツマイソウル」には根付いているように感じる。

 

 

君のために生きようか 惚れたもんだから仕方ない

こんな男前な腹の括り方あるだろうかと、聴く度にドキッとする。このサビにくるまではうだうだと煮え切らないような、気だるい雰囲気を纏っていたのが、突然ONになった男前スイッチ。

見習いたいと思った。いいなーというより、自分の惚れた感情の責任を持つかっこよさ。自分が好きなんだから仕方ないと腹を括れる覚悟は大事だと思った。なんで好きなんだろうとかどうして諦められないんだろうとか、考えても仕方ない。好きなんだから。

 

 

曲の中で、一番好きなフレーズ

君を思い出さない そんな夜はいらない

なんだかんだやっぱ好き 終日君で

すべてこれに尽きると思った。この時に入る、手拍子のリズムもいい。

“君を思い出さない そんな夜はいらない” 

どれだけ考えても迷っても、思い出さない夜のことを想像すれば、知らない方が良かったとは思わない自分に気づく。 曲の中の彼は、好きでいることに格好つけないところがすごいなと感じる。

 

このフレーズをソロで歌うのは渋谷すばるさんで、それが直球で心に響く。渋谷すばるさんの声で聞くこのフレーズは物凄い力がある。

「イッツマイソウル」は振り付けも含めて、ライブで聴けるとすごく嬉しいのだけど、特に去年の「関ジャニ's エイターテインメント」の時の渋谷さんは最強だった。

ソロに差し掛かるとトロッコの上から斜め下にスタンバイしているカメラをきょろきょろと探し、見つけた!と指差してじーっと真っ直ぐにカメラを見つめながら歌う。“終日君で”のところで指を差すから、モニターを見ている人たちが軒並み撃ち落とされていく。

若い頃に歌う「イッツマイソウル」と、今の年齢になって歌う「イッツマイソウル」は異なる魅力があると気がついた瞬間だった。

 

そして、歌の最後のフェイクでメロディーを歌う渋谷さんが「イッツマイソウル」の世界観を最高に表現している。

言葉ではなく、“な”の音で感情の揺れを表していて、どんな表情でいるのか伝わる。歌詞がないのに、なによりも歌詞の彼の心境を物語っていることに驚いた。気持ちのいいメロディーを聴かせるためではなく、感情が言葉よりもリアルに伝わってくる声だった。

特に、流れのなかでキーを跳ね上がるように高くする部分が印象的で、こんなに切ない声があるだろうかと思った。肩の力が抜けて、半泣きのような声。駄々をこねる子供のようにも聞こえる。

渋谷すばるさんのフェイクはほかの曲でも聴けるけれど、私は「イッツマイソウル」のこのパートが堪らなく好きだ。

 

何かへ思いを向ける時のただ好き!という楽しさとワクワクだけではなくて、それによって巻き起こる、モヤつきやふがいなさ、そのかっこわるいところも含めて歌詞になっている魅力がこの曲にはある。

好きすぎて煮詰まって、なんで好きなのか考えてグルグルして、でも結局はここに帰る。曲のタイトル「イッツマイソウル」という言葉に、その感覚が凝縮されているところが巧みだと思う。

 

単純に好きだったはずのものについてわからなくなると、「イッツマイソウル」を聴く。そうすると、不思議なくらい気持ちがすっきりとして、しょうがないかーと思えるからすごい。

好きでいるだけのことがぎこちなくなることはある。それでも、難しいことを考えても抗えないのなら、私はこれからも君に夢中なままがいい。

 

映画「泥棒役者」公開直前イベント

 

映画の公開日まで、あと15日。

応募してみないことには始まらない…と思い切って応募した、丸山隆平さん初主演の映画「泥棒役者」の公開直前イベントが、キャンセル繰り上げでまさかの当選になり、参加してくることができました。

明日!行けますよ!と言われても実感はなかなか湧かないもので、当選メールを見てもしばらく固まったままだった。もう二度とないかもしれない経験を、文章にできるよう頑張りたい。

 

映画についてのネタバレはしないつもりでいますが、ニュアンスも含め完全に知らない状態で見たいという方はお気をつけください。

 

 

11月2日、TOHOシネマズ日本橋でのイベント。

日本橋の辺りに降り立つこと自体が初めてで、都会的なビル群に圧倒された。歩いて行くと、映画館が近づくにつれ更に日本の要素が満載なお店や建物が目に入り、東京オリンピックのロゴが並んでいたりして、東京感がすごいな…!と日本橋の洗練された雰囲気に完全に飲まれていった。それでもなんとかたどり着いたTOHOシネマズ日本橋

 

会場には期待と緊張がそれぞれ入り混じった空気があり、自分の緊張もどんどんと増すばかり。

集合して座席券を受け取ったあと、開場時間までしばらく空き時間ができた。一人で来ていたのでどうしようかな…と思いながら、せっかく丸山さんを好きな人が集まっているこの場で人見知っている場合ではない…!と思い、ありったけの勇気を振り絞って声をかけると、優しく応じてくださって、時間までお茶をすることに。

日本橋という、銀座とも違う品とビジネスの空気が漂う未知の土地で、心細かった気持ちを共感しあえるお友達ができて、時間までおしゃべりをできて楽しかった。

 

長いと思われた空き時間も、ドキドキしている間に時間は過ぎ、開場時間に。

劇場に入ると、映画の主題歌「応答セヨ」が流れていた。良いスピーカーで聴く「応答セヨ」にまず感動した。

記者の方々の席があったりテレビカメラがスタンバイしたりしていて、関係者らしき人を見るたび、おおお…とつい目で追ってしまう。開演までの時間、ADさんやスタッフさんの動きを見られたのが興味深かった。

 

しばらくして、司会の荘口彰久さんと一緒にタマが登場。

タマは映画の中で出てくるキャラクターで、猫の可愛らしさとぶちゃさが絶妙なバランス。タマだー大きいなーと思いつつ、私は荘口彰久さんをついに生で見られたことが嬉しくて。あの、試写会司会と言えば軽部さんに並んで思いつく荘口さんだ…!ましゃとラジオで話している荘口さんだ…!と思って、まずそこで本物…!という感動を味わった。

可愛いお手手で手を振るタマ。立ち位置からさらに前のめりな位置で立ち止まるタマ。今考えると、顔の出っ張りの車幅感覚を掴みきれていない可愛さ。スタッフさんからパネルを受け取り、得意げにザンッと見せるもタイミングが早かった。気を取り直して掲げられたパネルには、“まずは特別映像をご覧ください”の文字。

役割を果たしてタマと荘口さんはひとまずはけて行くのだけれど、段差があるのでタマの動向が危うい。スタッフさんの手助けもありながらなんとか降りて、映像がスタート。

 

大きなスクリーンの真ん中に映る、“泥棒役者×応答セヨ”の文字に、一気に胸が高鳴った。

泥棒役者の映像と一緒にザンっと関ジャニ∞のバンド演奏シーンが映った瞬間、声にならない歓声が上がった。映画のシーンと掛け合うように繋がれたその映像は素晴らしくて、映画と主題歌がバラバラなものではなく、同じ世界観を持っているということを表すのにこれ以上ない映像だった。

主人公の大貫はじめが振り回されながら駆け回る姿と、“つまずいてばかりの僕を 君だけは笑わなかった”という歌い出しで始まる「応答セヨ」の歌詞がしっかりとリンクしていた。

“応答セヨ 流星”と呼びかける声が、その言葉自体は映画と関わっていないのに一番強く繋がっている気がして、まだ本編を見る前だったけれど「泥棒役者」の大貫はじめくんへ向けた言葉として胸に刺さった。

 

映像が終わり、再び登場した荘口さんとタマ。

またもパネルを受け取り、持ってきてくれたスタッフさんへキレのいいグーサインを出して労いも忘れないタマ。“出演者の方々が登場するよ(拍手)”とあって、拍手のジェスチャーをしながらもっともっと!と盛り上げる。

西田監督、高畑充希さん、市村正親さん、ユースケ・サンタマリアさん、石橋杏奈さんが登場。すごいそうそうたる面々を直に見られたことと、とても好きな高畑充希さんを見られたことへの喜び。

「丸ちゃんは?」という話になり、「4人芝居です」とまた適当なことを言うユースケ・サンタマリアさん。「あっちからどかーんと出てくるんじゃないの?」という言葉に市村正親さんも乗っかって下から飛び出るジェスチャーを。ジャンプアップでイメージする市村正親さんが可愛かった。

「皆さんで呼んで見ましょうか」という提案で、劇場全体でせーので「丸ちゃーん!」と呼ぶと、「はーい!」と丸ちゃんの声。タマの頭をパカっと外し、なかから丸ちゃんが登場。タマの中から丸ちゃん。

プロだと感動したのが、名前を呼ばれてはーい!と答えるところではその素振りを見せずに、間を置いてパカっと外したところ。どこから声がしているのか一瞬本当に分からなかった。

相当暑いようで、汗が滴る丸ちゃん。タマの着ぐるみが肩のところに沿ってにゅーんとなっていて、肩が引っ張られている感じになっていた。重みが全部肩にかかっていそうだった。タマの手の部分がとてもかわいくて、触りたくなる曲線。トークに入ってもそのまま、半分丸ちゃん半分タマ状態で進んでいったため、手を動かすたび、その手がタマで。あのおぼつかない感じがかわいい…!!と堪らなかった。

 

お話ししていたなかで、高畑充希さんとのエピソードが印象的だった。

撮影は2日間だったけど、3日間だと勝手に思ってましたと話した丸山さんの感性が素敵で、長い時間を一緒に過ごしたように感じられたということを言葉にして伝えるところがいいなと思った。そして、高畑充希さんが他の映画を撮影している時に、「泥棒役者」の現場にも顔を出してくれたという話をした時も、「笑顔の差し入れをしてくれて」とさらっと話していて、頭の中に浮かぶ言葉のセンスがジェントルマンなのだなと感じられた。

 

 

20分ほどトークをして、フォトセッションに入り、真ん中の通路に出演者が来ますよーというお知らせにざわつく場内。私が座っていた席は左側だったので、階段を上がってくるところが近く、西田監督だ…皆さん本物だ…とひたすら見つめた。丸山さんにいたっては、そこにいるのにそこにいる感じがしなくて、でも丸山さんだ…と思った。

カメラマンさんたちの声かけの仕方が静かな戦いという感じがして、これがプロの仕事…と思いながら見ていた。撮っている最中も、西田監督などが「バイバーイ」とか「明けましておめでとうございまーす」と言いながら手を振っていて、まだ明けてないですよーとツッコまれながら、和やかな空気だった。

 

写真の次は、映像撮りまーすと案内があり、よく見るやつだ!と思いながら、事前に聞いていた通り、丸山さんの「せーのっ」の合図で映画の台詞「まだ終わってないにゃー!」をみんなでコール。右手はビシッと指差しポーズで、左手には入場時に配られたタマのパネル。試写会っぽいな…!と嬉しかった。

 

撮影が終わり、階段を降りていく丸山さん。半分というか、ほぼタマなので、マスコット感がすごい。ぽてぽて歩く姿がかわいかった。

出演者の方々がはけていって、最後まで手を振る丸山さんを見送った。

 

 

そのまま本編の上映へと入り、

映画「泥棒役者」が始まった。

 

映画が終わり、暗かった劇場の照明がついた時。本当は拍手をしたかった。そうしたくなる映画だった。

逃げるに逃げられなくなった元・泥棒、大貫はじめの状況は、客観的に見てしまえばとても滑稽で、家の中で扉ひとつを隔てた喜劇なのだけど、

その“扉ひとつ”向こうへと出るだけなのに出られない状況も、放って置いてくれたらいいのに放って置いてはくれない人との関わりも、ずっと言わなくちゃと思っているのに打ち明けられない葛藤も、喜劇のなかにどこか思い当たる日々が隠れていて、他人事ではない何かを問いかけられている気がした。

 

映画「泥棒役者」公開まであと15日。

11月18日に、また映画館へ観に行こうと決めた。