関ジャニ∞ × 和装 の最強説「NOROSHI」

 

えらいこっちゃ。今回のシングル。

初回盤Aも初回盤Bも通常盤も、ひとつひとつが濃すぎて、感情の渋滞。予算がぎりぎりなので通常盤は少し待ってから…と自分に言い聞かせていたのに、買いに行ってしまった。

 

シングルの表題曲「NOROSHI」について、書きたい気持ちが疼いて仕方ないので、書く。

とにかく聴いて見てほしい今回のシングルの魅力を、文字だけでどこまで伝えられるか、個人的闘いの気持ち。

 

 

まずは、「NOROSHI」の曲としての魅力。

音楽番組で歌われるのは、本当にギュギュッと曲のハイライトをまとめた構成になっているので、それもいいのだけど曲全体を聴くと深みもグッと増す。

「ハッ!!」だけで、こんなに意味を持てるのかと心を掴まれてしまって、男くささは苦手だったはずなのに、気づいた頃には好きになっていた。メンバーひとりひとりの「ハッ!!」が見たくてしょうがないから、ライブではスクリーンに7分割でシャキーン!シャキーン!って割れた鏡みたいな差し込み方をしてほしい。めいっぱいの迫力で、一気に7人の表情が見たい。眉間に寄る皺、最高。

初めて「NOROSHI」を聴いた時の印象は、楽器で音楽を武器に前回体制で戦う関ジャニ∞。前にどこかで見た、楽器を持って四方八方にポーズを決めるメンバーの最高に格好いい写真の、和装版。

 

歌詞の風刺が効いている言葉と、それに対して君らはどうする?みたいな問い掛け、そして、その世間とされるものを揶揄するような視線と気怠げな表情がいい。

 

 

世渡り上手いね、メンズ?

 

ですよ。全く文字通りの意味ではない褒め言葉。こんなイカした皮肉があるのかと。 

しかもそれを歌うのが渋谷すばるさんと、錦戸亮さんだというところに味が染み込みすぎて、よく煮えてる!

渋谷さんのガサッとした歌い方に、錦戸さんの得意とする男くさい不器用な感じの歌い方が低音のハモりに入って、このワンフレーズだけで、カーッ!っとなる。

 

そして二番を聴いて衝撃を受けたのが、

一番の“世渡り上手いね、メンズ?”に対比するフレーズとして出てくる

あら、控えめなのね、ガールズ?

「NOROSHI」は、てっきり“男!”をテーマにしていく曲なのかと思っていたら、CDを買って通して聴いて初めて、この二番が分かる衝撃。

女性陣にもその矛先が来るか!と、不意打ちのアタック。授業中に油断してよそ見をしていたら、「おいそこ!」って急に指されたみたいな感覚。

ハモりが一番は低音で入るのに対し、二番のこの歌詞では渋谷さんひとりの声になるところが、渋谷さんの持つ女性らしい声の艶やかさが際立って凄く良い。

 

しかもそこの歌詞が、

“私なんて”が流行りの枕詞?

あら、控えめなのね、ガールズ?

思い当たる節があるから、ザクッとくる。そう言われちゃうと、そんなことないし。という天邪鬼を発揮したくなるから、関ジャニ∞からの煽りは、実に効果がある。

「NOROSHI」の歌詞カードを見ていると、普段は半角の空白で区切られていそうな詞の切れ目も、「点」が付けられているのが印象的で、ニュアンスが伝わって来やすい感じがして、文字として読むとより一層、語り掛けられているような。

 

更に聴いていてグッとくるのは、

溢れる“仕方ない”

何が分かったと言うの?

という歌詞。

グサグサくる言葉。でもその通りだから、目の前に突きつけられると逃げられない。なんだか本当に刀でバッサバッサ斬られている感覚で。

だからMVで着物を着たお姉さんを前に、相手は無く刀を振っているの?世間を斬る比喩なのだろうか。

 

 

大サビでくる、錦戸さんのソロパート

“もうダメだ”って思った時 全部消えた気がした時

男らしさ100%な錦戸さんが歌うことの魅力と、歌詞の深みが重なって、情緒が前面に出てくる。

この“全部消えた気がした時”という表現が好きで、人の絶望を感じた瞬間っていうのは他のどんな言葉でもなく、“消えた”と言うのが正しくだと思った。

 

その後に、

守るべき者に守られていた日々に気付くでしょう

『手のひらが背に触れた』

と続くのが、憎いほど渋い。

 “守るべき者に”とあるのが興味深くて、自らが守ろうとしていた者に、彼自身が守られていたという。

 

そして、時をガッと止める『手のひらが背に触れた』は、渋谷すばるさんの歌い方にもよって印象は様々だったり、何通りもの解釈ができるようになっていると思うけど、個人的には二通りの受け取り方ができると思った。

まず、この歌詞にくる前のサビの歌詞に、

正夢の背中を追いかけろ

という言葉が入る。そうなると、この「NOROSHI」が主題歌になっている映画「土竜の唄」も含めて考えて、それは兄貴なのかもしれないし、狙うテッペンなのかもしれない。

だから、触れた手のひらが“自らの手のひら”だとするならば、その手が触れた“背”は前を歩く正夢の背中?

もうひとつは、“守るべき者に守られていた”とあること優先して考えるなら、それは愛する女性だったりするのかもしれない。危険な土竜行為を働く彼にすがる女性の“手”が背に触れたのだとしたら。

どちらも好きではあるけれど、どちらかと言えば寡黙な男の背中に不安げにそっと手を触れる女性というシチュエーションが、情景が見えるようで、いい。

 

MVの歌唱シーンは洋服で、間に入る殺陣のシーンが和装。言葉を発さず、伏し目がちな視線や真っ直ぐ見据える視線の着物姿の関ジャニ∞。その格好よさったら。

音楽番組ではなんと、和装×バンドという最強タッグでの披露になっているから、ここはもう音楽番組とMVを合わせて見るのがベスト。

それぞれ、つけられている殺陣の形が違うのが良くて、 相手のない動きで片手がフリーなんて様になるように見せるのは至難の技だとドキドキしながら見ていたけど、特に大倉さんは流石…と見とれてしまうほど真がブレなくて止めが美しく、目線も一点に集中していて泳がない。

 

勇ましさの村上信五さん、儚さの錦戸亮さん、眼力の渋谷すばるさん、麗しさの横山裕さん、逞しさの安田章大さん、凛々しさの丸山隆平さん、優美さの大倉忠義さん。

十祭での浴衣姿が似合いすぎていた時からじわじわと感じてはいたけど、関ジャニ∞ × 和は最高で、最強。