シャンパンの泡のような輝き、ダイヤモンドな彼ら。なにわ男子「ダイヤモンドスマイル」の良さとは

 

関西からのジャニーズグループだからこそ、王道のアイドル曲を思いっきり見せてほしい。

その願いが、なにわ男子の「ダイヤモンドスマイル」で叶った。

 

なにわ男子は、関西ジャニーズJr.の中で結成されたグループ。

多くのことに気を配り責任感が人一倍の、西畑大吾(にしはた だいご)さん

キュートな美意識が徹底している、大西流星(おおにし りゅうせい)さん

残る少年らしさに相反して雪のような肌と高身長が光る、道枝駿佑(みちえだ しゅんすけ)さん

眼差し鋭くクールな佇まいの、高橋恭平(たかはし きょうへい)さん

内気そうに見えつつ大きな変貌を遂げるのではと思わせる、長尾謙杜(ながお けんと)さん

前髪が右サイド左サイドかで印象が変わり、トークの場面で抜群の安心感を発揮する、藤原丈一郎(ふじわら じょういちろう)さん

明るさというカーテンの向こうにアンニュイさが滲む瞳の、大橋和也(おおはし かずや)さん

なにわ男子のことをまだしっかりとは知らないので、今持っている始めのうちのイメージになってしまうけれど、そういうイメージでいる。

 

関ジャニ∞のライブ、京セラドームで登場した彼らを見て以来。なにわ男子としての活動は目まぐるしく、歌番組の出演や、バーチャルアイドルとして藤原丈一郎さんは『海堂飛鳥』の声とモーションを担当、大橋和也さんは『苺谷星空』の声とモーションを担当するように。

「なにわLuckyBoy」から「ダイヤモンドスマイル」と表題曲も増えていって、デビュー…あれしてなかったっけ、そうなるとデビューとはいったい…?とわからなくなってくるほど。

 

 

ダイヤモンドスマイル

作詞 栗原暁さん 作曲 栗原暁さん・前田佑さん

これが見たかった…!が具現化された曲だった。

舞う雪の白と、ガラスが反射した青に水色が掛け合わさったような衣装。王子の気品溢れるシルエットで、ひとつのテーマからそれぞれのキャラクター性に似合うデザインがほどこされている。

コンセプトから何からツボだった。関西のグループでこのコンセプトを魅せていることがまた魅力で、にぎやかで親しみやすい曲調もいいけれど、そればかりじゃないぞというところを、早いうちに、グループイメージが確立される前に披露できたことが強いと思っている。

王子、プリンスとくれば自然とKing & Princeの存在が頭に浮かぶ。自分の好みがわかりやすいこともあって、King & Princeのコンセプトも大好きだ。さらに言えばSexy Zoneのデビュー曲も衣装が最高に好きだった。

制作側が無意識なはずはないと思うからこそ、King & Princeが王道を突いたその路線を、なにわ男子としては「ダイヤモンドスマイル」で披露したところにワクワクした。

 

曲のはじまり、

Your sparkling smile is so sweet stone, Bright illusion 

のささやきで幕を開ける。

プロローグのような語り出しが、まさにフェアリーテールの世界観。

“sparkling”の単語には【きらめく】という意味があることを思うと、例えば自分が訳すとするなら【あなたのきらめく笑顔は愛おしくダイヤモンドのよう。光り輝くイリュージョンをあなたに。】と訳したい。

 

ひとりひとりの声の色の個性が際立っている歌割りも魅力的で、

西畑大吾さんの歌う“1秒先はもっともっともっと輝く”のフレーズは、もっとを3回も重ねて畳み掛ける間合いが聴いているこちらの心拍数を高めていく。

サビからはじまり、1番の歌詞に入って、1人が歌っているところにもう1人が近づいて行ってペアで歌うという演出もストーリー性があって素敵。

道枝駿佑さんと高橋恭平さんが並ぶと、男子なかっこよさ。長尾謙杜さんの隣に大西流星さんが現れると、あどけないキュートさが画面いっぱいになる。

ほら ワンカラットの瞳 eyes”とカメラ目線で歌う長尾謙杜さんの可愛さがたまらない。

 

そして、この曲で無限ループしていたいと思うほど好きなのが

プラチナのジェットに乗って

気まぐれな奇跡に酔って

 

瞬きが終わる頃

僕だけのキミでいてね

という歌詞。

なかでも、“プラチナのジェットに乗って”と歌う大橋和也さんの声が、本当に素敵で。あのワンフレーズでもう、大橋和也さんの存在感が忘れられないものになる。

こんなにキラキラと心弾む表情をつけて歌う人なんだと感動が止まらなかった。シャンパングラスにゴールドの波がゆれて、泡がはじけている風景が思い浮かぶ。

大橋和也さんに続くのが藤原丈一郎さんなことに、“あすかな”をかろうじて遠巻きに眺めている身としてはグッときてしまうのがくやしいところ。しかしそれを抜きにしても、2人の声の流れは抜群で、人差し指を回すジェスチャーをしながらゆったりと歌う藤原丈一郎さんの姿が曲に大人な空気感を増し加えている。

 

「ダイヤモンドスマイル」に魅力が宿るもう一つの理由は、ヒロインへのラブレターソングという意味合いだけでなく、デビューを目指し磨きをかけている最中の彼らこそ、ダイヤモンドの象徴であると思えるところ。

今以上のキミが確かに見えるよ”のフレーズにはぴったり彼らがあてはまる。

シンプルに歌詞にときめくも良し、なにわ男子を見守って歌詞に重ねるも良しの、絶妙に意味が重なるつくりが匠の仕事だと思った。

 

愛しちゃって 愛しちゃって 愛しちゃって いいじゃないか More 

順々に手を差しのべられて、“愛しちゃって”と言われる引力の強さ。

くどくなりそうなくらい繰り返すフレーズも、カメラのカット割りがメンバーごとに切り替えられていくとテンポ感がよく、耳にも残る。

 

星であり、ダイヤモンドな彼ら。

大きく変わる環境に揺れる思いもあるだろうけれど、関ジャニ∞ジャニーズWESTが歩んできた道を見渡しながら、なにわ男子としてのこれからが輝くものであることを願っている。

 

何があったの?君に問いかけるその言葉は -「What’s Going On?」 Official髭男dism

 

What’s Going On? 僕らはそう 生き抜いてやろうよ

明るく清々しくそう歌う声をテレビから聴いて、これはフルで聴かなければと直感した。

 

Official髭男dism(オフィシャル ヒゲ ダンディズム)

歌番組「バズリズム」に出演すると知って、ワクワクしながら見ていた番組の中で、紹介として流れた曲がこの「What’s Going On?」と「SWEET TWEET」だった。

一瞬流れた「What’s Going On?」にバシッと釘づけになって、好きな予感しかなかった。

 

アルバム「エスカパレード」はすかさず買ったものの、これまでの曲はまだ知らないまま。

まずはレンタルで学習できたらとOfficial髭男dismの棚を見に行くと、品揃えは増えたものの借り手も増えて、ほとんどのCDが貸出中。

「SWEET TWEET」が収録されているアルバム「ラブとピースは君の中」を借りて、ひとまず待とう。そう思っていたのに、あのメロディーが聴きたい気持ちが強まって、公式でMVがあったらとYouTubeで検索をした。

すると、フルサイズで公開されている!CDが手元に来るまでもったいぶりたい気もしながら、再生のクリックをする。

 

MVは銭湯を舞台に、日常版シンデレラのような女性を見守るポジションで、Official髭男dismのメンバーがコミカルにリズムを刻み、歌を重ねる。

ギターは小笹大輔さん、ドラムは松浦匡希さん 、ボーカルとピアノは藤原聡さん、ベース・サックスは楢崎誠さん

ドラムの松浦匡希さんが黄色の銭湯の桶をドラム代わりにタンタカ叩いているところ、指パッチンでみんな揃ってリズムを取るところ。

ハットとサスペンダー、赤のチェックの衣装が素敵なセンスで、モップをスタンドマイクに見立ててコーラスをする演出は星3つ分の可愛さ。

 

 

1曲をまるごと聴いた印象は、サビだけの印象とは違ったもので、常に聴きたいと思える楽しさがありつつ、重みがしっかりと手の中に残る曲だった。

明るい曲調に合わせて歌う歌詞は、訴えかける叫びのような思い。

それをこんなにもパワフルに、強い意志で歌い飛ばしてしまえるボーカル藤原聡さんの歌声はすごい。

 

 

だれにもとってもあるように、私にとって音楽は今この時間を生きる原動力。

明日とか今日をという単位ではなく、まさに今のための音楽が、そばにあることのしあわせを噛みしめている。

 

What’s Going On? 僕らはそう 生き抜いてやろうよ

イヤホンつけたら ひとりじゃないから

 

音楽を作っている彼らが、こう歌ってくれることの心強さといったら。

MVの中でも、女性は耳にイヤホンをつけて、音楽の世界に身をまかせて、現実と軽やかに向き合いこなしていく。Official髭男dismの藤原聡さんも終始イヤホンをつけていて、世界観の共有という意味で心を掴む演出だった。

生きていこうよ、ではなく“生き抜いてやろうよ”と歌う、意思の強い言葉からは、ここまできたらもう。という覚悟と、見せつけてやるんだという怒りを越えた先のエネルギーを感じられて、すごく好きだと思った。

 

 

ポップなリズムを刻みつづける前半から、後半で一変。

転調をして、全く別の曲のような雰囲気になる。

このままでも心地いいメロディーを、ここで方向転換?!と驚いたけれど、本当に本当に伝えたい思いがここにあるとしたら、大切な転調なんだと理解できた。

 

What’s Going On? 愛してるよ この手を掴んでよ

生き抜くことが 反撃のビートだ 傷は消えないけど

 

What’s Going On? 愛してるよ 黒焦げた世界を

超えていこうよ 一緒に未来へいこうよ

 

なぜこんなに力強く語りかけるのか、1番の歌詞に理由はしっかりと記されている。そして、ラストにくるのがこの歌詞であること。

最初に聴いた時は“愛してるよ”という鮮烈なワードが何度も出てくることに戸惑って、“この手を掴んでよ”の言葉も告白の一部のように受け取っていた。

けれど、MVでの切実な表情、力の入った手を見て、これは違うんだと悟った。引き止めたい、どうかこの手を掴んでと声にするほどの思い。

“反撃のビート”という言葉から、生活のなかにはどこまでも音楽が鳴っていて、身体の中では心拍数がビートを刻みつづけていると思えるところがいい。

 

歌詞で二度重なる、“愛してるよ”

一度目は、手を伸ばす相手へ

二度目は、黒焦げているとわかっている世界に

そんな世界さえ愛すから、“超えていこうよ 一緒に未来へいこうよ”と言葉をかける、何にも代えがたいエネルギーが勢いをつけて伝わってくる。

みんなそうだよ、という励ましはときに鋭いものになるけど、「What’s Going On?」はその言葉は使わずに、僕もこんな感じ。だから一緒に歩いてみないか?と顔を相手に向けるようなニュアンスを感じる。

 

 

“What’s Going On?”

どうしたの?何があったの?という意味と、調子どう?などの挨拶に使われる意味もあり、何通りにも解釈できる、意味の幅広さも魅力になっている言葉。

曲を聴いていると、どうしたっていうんだよ?と、もっと親密に、近い関係性で話しかける空気がそこにはあるように思う。

 

思いの伝え方にはこんなにも様々な色があるんだと、音楽を聴くたび発見する。

「Pretender」についても書きたいと思っていたけど、予想外に心をかっさらって行ったのは「What’s Going On?」だった。

気になって仕方ないを超えて好きなんだと思うOfficial髭男dism。ライブが、観たい。

 

ピーナッツサンドとソフトクリーム

 

部屋にこもりがちな休日が多かった

好きなお菓子を前の日に買ってから帰って、よし、もう一歩も外へは出ないぞと頭の中でセルフバリケードを積み立てる。

何度も見たやすともさんの「どこいこ!?」をまた再生したり、意を決して買い直したどうぶつの森でぽちぽち遊んだりする。

それはそれで楽しくて、落ち着ける時間ではあるけど、そろそろ外に出る予定をつくりたくなった。

 

長いことオールブラックのスニーカーを探していた。

やすともさんのどこいこ!?を見ていたら、やすよさんが買っていたスニーカーにぴんときて、今なら間に合うかもと店頭取り寄せをすることに。

そのスニーカーが、届きましたと連絡があった。

 

スニーカーを受け取るついでに、その場で履き替えて、電車に乗って何駅かのお出掛けをしよう。思いつきで家を出た。

スニーカーのサイズはぴったり。ボディも紐もブラック。でも靴底がホワイトで、このワンポイントが、なんていうかマイケルジャクソンのホワイトソックスみたいな効果で足元のバランスを綺麗に見せてくれて、すごくいい。

ワンピースにも合わせたいと思っていたから、カジュアルだけじゃない理想のスニーカーを見つけられた。

 

 

軽くなって履き心地がいい足元で、電車に乗った。

窓の外に見える景色が久々で楽しい。

イヤホンから聴こえる音楽はNissyのベストアルバム。「トリコ」を聴いたあとは「恋す肌」夏のメロディーが合う季節になってきたなと実感が湧く。

 

電車に乗って出掛けることにしたのは、菊池亜希子さんの本が買いたかったから。

「みちくさ」という本で、菊池亜希子さんの手描きのイラストで行った先々のおすすめどころを紹介してくれている。文章のゆったりさが心地よく、写真の色合い、着ている服。どれもが好きな本だった。

当てにしていたお店に着いて見てみると、売り場の配置が変わっていて、本はもう無かった。

 

いくつかの本屋さんも見てみたけど、在庫は無い様子。それならそれでと、喫茶店のようで好きなヴェローチェでひと息つくことにした。

オーレフロートというカフェオレにソフトクリームの乗った最高な飲みものを見つけて、それとピーナッツサンドを注文。

たっぷりすぎやしないだろうかとドキドキしてくるピーナッツサンドは、ソフトクリームのなくなった甘くないカフェオレにぴったりで、こってりな甘さを流し込んでくれた。

 

 

ささやかにお茶をしただけだけど、思った以上に満足だった。

そういえば、学生さんたちが下校する前の時間帯、通りがかったタピオカ屋さんは空いていて、プリクラコーナーは人っ子ひとり居なかった。タピオカは我慢したけど、プリクラはなんだか今ならしれっと撮れる気がすると、出どころ不明な勇気が湧いて、ひとりで撮った。

相変わらず容赦ないエフェクト。涙袋は勝手にキラキラで、チークもリップもお手のもの。

輪郭をシュッとさせるため、指がおかしな伸び方をする時空の歪み。

でも楽しい。写ってる、自分が写ってるなあと認識する不思議さ。人と接しない日が続くと、自分が存在しているのか疑わしく思えてくる。写真を撮るのが好きでも、撮ってもらうことはあまりない。

だからたまに、こうして写る自分を見るとおもしろい。

 

新しいスニーカーを履いた、電車に乗った、

ソフトクリームも、ピーナッツサンドも美味しかった。

それだけ。でも、楽しかった。