メトロックに挑む関ジャニ∞にワクワクが止まらない

 

明日、5月21日に行われるメトロックに関ジャニ∞が出演する。

Mステでのいきなりの発表となったこのサプライズに、ワクワクが止まらない。チケットは既にsold outになっている状況での発表というところにも痺れる。ファンが集うに集えないこの状況。

自分もチケットは持っていない。なぜかそれが余計に高まる。観られないことが嬉しいと感じることがあるなんて、初めての体験。未知の場所へと乗り込んでいく関ジャニ∞を見送ることができるのはこんなにも嬉しい。夏にはツアーが決まっていて、帰ってくる約束がある上で、行ってくるから待ってろと言われているような。挑みに行く背中の頼もしさ。

こういう挑戦はどんどん置いて行ってくれていい。行ってらっしゃーい!と大きく手を振る心持ち。

 

どうしてこんなにも頼もしいのか、それはここまでのバンド演奏への直向きな姿勢と、「関ジャム」で積み重ねたこれまでが確実に形になっているからだと思う。

ロックフェスという場がアウェイであることに違いはないけれど、彼らの誠実な音楽へのリスペクトは本物だ。

 

「LIFE~目の前の向こうへ~」をシングルで出した時、自分はまだ関ジャニ∞をしっかりとは知らなかったけど、楽器の演奏に挑戦するようになったんだと思いながら見ていた。ライブに興味を持ち、追いかけるようにして見たライブDVDでは「JUKE BOX」でバンドセクションをがっつりと組み、会場の空気を一変させる引力に驚いた。それからはライブでのバンド演奏が馴染んでいき、徐々にバンド曲も増えた。

関ジャニズム」では歌に徹していた「象」も、昨年からのツアー「エイターテインメント」ではバンドでの演奏になり、さらなるパワーアップを見せた。

そして最新のライブDVD「エイターテインメント」を見てあらためて、このラスト3曲の布陣を組むことができる今の関ジャニ∞なら大丈夫だと、この流れのままフェスが決まったことを不安もなくすんなりと受け入れられた。

関ジャムのセッションを毎週見ていても、どんどんとメンバーが音楽への知識や好奇心を増幅させて、成長していく姿を見せてもらっている。あの番組はドキュメンタリーだと思う。始まった当初、こんなに濃密なセッションを毎週見られるなんて信じられないとびっくりした。気づけば関ジャムは2015年5月から始まって、2年が経った。毎週のセッションの濃度は薄まるばかりか、どんどんとその色を濃くしている。濃すぎて、大体日曜の夜は番組が終わってからしばらく興奮がおさまらなくて大変だ。

 

1月までツアーが行われていたにも関わらず異例の速さでライブDVDが出たのも、様々な理由があるだろうけれど、今回のメトロックのことを考えるとナイスタイミングだなと本当に思う。バンドの関ジャニ∞を観て興味が湧いた人にはまず、「関ジャニ′s エイターテインメント」のラスト3曲をぜひ見て欲しい。

「Tokyoholic」「象」「NOROSHI」の畳み掛ける圧倒的なパフォーマンスを見てもらいたい。

最終日までの公演ではギターとドラムの即興セッションだったパートが、オーラスでギターにベースが加わり、それにドラムがのって。煽りの手拍子、ボーカルの声。ドーム全体が熱気に包まれた瞬間を映像で見てほしい。

そして「JUKE BOX」「関ジャニズム」と追っていくときっと楽しい。

アルバムを借りてみようと思う人には、OKAMOTO′Sから楽曲提供をしてもらった「勝手に仕上がれ」やサンボマスターからの楽曲提供の「振り向くわけにはいかないぜ」が収録されている、「関ジャニ∞の元気が出るCD!!」をオススメしたい。初めて聴いた時、オープニングの意外性にグッときたことを鮮明に覚えている。

 

そして、6月28日には関ジャムからの影響を全面に受けたアルバム「ジャム」がリリースされる。

番組を見て感じることができた、音楽!楽しい!というシンプルな感情を、今度は関ジャニ∞から全面に受けとることができる。

全員が30代に入り、歳をとることを嫌がるでもなく面白がって、限界を決めず挑戦し続ける姿勢を目の前に見ていられることは何よりの希望であり勇気になっている。こんな大人になりたいと思える人がいることが嬉しい。

 

新しいことに挑戦し、荒波に揉まれに行く関ジャニ∞

ステージに立ち、どんな景色を見てくるのか、自分のことではないのにこんなにもドキドキできることが楽しい。

今の関ジャニ∞のありったけを思い切り爆発させてきてくれると信じて、その背中を見守っていたい。

 

メトロックで披露されたセットリスト

  1. HighSpirits
  2. ズッコケ男道
  3. 言ったじゃないか
  4. NOROSHI
  5. 宇宙に行ったライオン
  6. 侍唄
  7. Tokyoholic
  8. 勝手に仕上がれ
  9. LIFE~目の前の向こうへ~
詳しい情報は、関ジャニ∞のホームページで紹介されています。

www.infinity-r.jp

 

星野源さん「いのちの車窓から」

 

本屋さんで置かれている表紙を見て、素敵なデザインだなと思った。

白い表紙。画用紙のような手触りの紙質。中央にある素朴で可愛い星野源さんを描いたイラスト。イラストの赤いセーターが白い表紙の中で目を引いて、それから細かく見ていくと足元に描かれているエレキギターやノートパソコンが目に入る。小さく囲うように置かれた物は、星野源さんの生活を取り囲む物たちなのかなとイメージできて楽しい。

“いのちの車窓から”と書かれた文字のフォントや一字ずつの間隔の開き方も絶妙で、“星野源”という文字も心地いい間合いで目に入ってくる。

この本の装丁は吉田ユニさんと知り、情熱大陸でこの間見たばかりのタイムリーな発見も嬉しかった。

 

デザインが好き。部屋に置きたい。と思ったのとは別に、今無性に読みたい気がするという感覚があった。それはしばらく続いて、何度も本屋さんで手に取り、置いて、を繰り返していた。そうこうしているうちに、今度リリースされる関ジャニ∞のアルバムに『ニセ明』の名義で星野源さんが楽曲提供をしてくださるという発表があった。やっぱり今読むべき本だと確信して、本屋さんに行き、本を買った。

 

誰かのエッセイを読むというのはなんだかそわそわする。その人の、“そのまま”が文章として伝わってくる気がするから。

本を開き、丁寧に読もうとめくった一ページ目から、次の章、次の章へと止まらなくなり、あっという間に読み終えてしまった。本を閉じ、一番に思ったのは、今読んでよかったということだった。人と関わること、自分を認めるとは、好きなこと、湧き上がってくる原動力、思い描いていること。どんなふうに考えて、どんなふうに信じていいのかわからなかった今の私には、その問いへの手がかりがこの本のいろんな章にそっと置かれているように感じた。

 

「怒り」「電波とクリスマス」「友人」「武道館とおじさん」「人見知り」…

どの章も素敵だった。星野源さんの目を通して見えている景色を見せてもらっているみたいで、読んでいると星野源さんだけが持っている不思議なメガネを借りて時間旅行をしているような感覚になる。

本を読んでいると、星野源さんは静かに人を見ている人だなと伝わる。人が好きなんだということもすごく伝わってくる。星野源さんの目に見えている、周りにいる人たちの魅力が文章できらきらと表現されていて、その中にそれぞれの生活があることを感じ取れる。「いのちの車窓から」を読んでいると、人と関わることは楽しい。と改めて気がつく。

陽だけでなく陰も知った上で沢山のことを経験してきて、今の考え方にたどり着いているということが言葉の選び方一つ一つから感じられた。

 

マイケルジャクソンを見て“いつも寂しそうだった”という感性が好きだと思った。

注目され、人に囲まれ、きらびやかに見える景色のその奥を見て、寂しそうだと感じる感覚にとても共感し感動した。誰もが羨む場所に立っているように見えるスター。沢山の人が集まり、様々な思惑に厚く隔てられて、本当が届かなくなっていく。その哀しさを分かっている人がいるんだと知って、ほっとした。

マイケルジャクソンを見ていた頃の星野源さんはまだ普通の少年で。その時から、孤独を見抜きながらマイケルジャクソンの歌に惹かれていた感性が素敵だと思った。

 

テレビから断面的に見ているだけでは知ることがなかった紅白歌合戦への思いや、楽曲製作中の思い。それを読んで少し知ることができたのが嬉しかった。

自分も見ていた紅白歌合戦のあの瞬間にどれだけの思いがあったのかを、そこに至るまでの話を読んで、「何者でもない自分」だった頃から感じていた眩しさへの葛藤が、時をかけて現実のものになった瞬間だったんだと胸が熱くなった。

私にも、やりたいことがある。いつか、と夢見るものがある。しかしそれでも自分の持つ感覚を信じ、突き進むことは簡単ではない。自信を失い自分を疑うのは簡単なのに、自分が感じている何かを信じることができない。そんな心境に共鳴した言葉がこの本にはいくつもあった。

 

「ある夜の作曲」154ページ

いつだって、世界を彩るのは、個人の趣味と、好きという気持ちだ。 

 

「夜明け」186ページ

そういった想像や予感というものは、合っていようが間違っていようが、現実を変え、未来を作る力になりうる。

 

なかでもこの二つの文は、今までモヤモヤとしていた何かが読んでいて晴れていくようだった。これでいい。この感覚を肯定していっていい。と思えた。抽象的すぎて、本人さえ掴みきれない何かでも、形になる時はくるのかもしれないと視界が拓けた気がした。

「電波とクリスマス」の章が好きなのは、そんな希望を強く感じられるからだった。小さな部屋、ひとりぼっちで作っていた音楽が、横浜アリーナの1万2千人に届いた瞬間。“伝われ”という強い思いが、確かに伝わっていた。

ひとりぼっちで作り続け行動し続ける間、どれだけの葛藤があっただろう。この部屋で作るものが、広い世界に向かっていて、いつか繋がると思い続けることはつらくはなかっただろうか。

私は、今一番何がしたい?と聞かれると、文章が書きたい。と答える。そこに迷いはない。けれどいつも葛藤ばかりだ。届いているのか、読んでもらえているのか、これでいいのか。どこかへ繋がっているのだろうか。

それでも、どれだけ迷っても、やめられない。書かずにはいられない。そんな気持ちもひっくるめて、今はこれでいいのかもしれないと思えた。

 

細野晴臣」さんの章を読んでいて、鳥肌が立った。20年。それだけの歳月をかけてあの頃と今が繋がった瞬間があった。なんて粋なんだと感動した。 そんな出来事が現実に起こり得るんだと驚いた。嬉しくて仕方がないその時の気持ちがリアルに伝わってくる気がした。

 

星野源さんの歌で、今よく聞いている歌がある。

「Friend Ship」

アルバム「YELLOW DANCER」の最後に収録されている。

理由はよくわからない。わからないけれど、歌詞に出てくる言葉とメロディーがとても耳に残った。“笑い合うさま”や“一歩踏み出すさま”という言葉の表現が日本的でいいなと思った。歌詞に出てくる“わからないまま”という言葉の曖昧さも好きだった。

自分に置き換えて共感するところがあるのかもしれない。「幻をみて 一歩踏み出すさま」という言葉が心に響く。

 

本を読んで、星野源さんの物事への真摯な向き合い方を知って、さらに好きになった。受け止めることに広く、起こる出来事をおもしろがる楽しさを知っている。

ニュートラルな佇まいが素敵だ。

本を読み終わった後に聴く歌は、より色鮮やかに聴こえてくる気がした。

 

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異国情緒あふれる音楽、不思議な波長「ザ・プーチンズ」

 

2年前、手紙社が主催する「もみじ市」というイベントに行った。目移りするほど沢山の雑貨や美味しそうな食べ物が立ち並んでいた。しかし、なによりもずば抜けたインパクトで記憶に焼きついたのは「ザ・プーチンズ」だった。

赤いワンピースが印象的なテルミン奏者の街角マチコさんと、背のスーッと高いギタリストの街角マチオさん。そしておさるのパペット、さる太郎からなる3人組?のアーティスト。

その個性はとにかく独特で、一度見たら忘れない衝撃。その衝撃を例えるなら、ラジオのチャンネルを合わせようと電波を探していたら、異国の電波を拾ってしまった!というくらいの未知との遭遇

ボサノヴァのようでいて、その一方EDMのような多面性がある曲調、歌詞の面白さ、掴み所のない二人のポーカーフェイス。触れない、水の中をゆらゆらと漂う透明なクラゲみたいだなと思う。個人的に、そのうち関ジャムで紹介されるような気がしている。

 

マチコさんはテルミンを演奏する。テルミンという楽器は、手を近づけると不思議な音がする。楽器自体は知っていたけど、生で見たのは「ザ・プーチンズ」のライブが初めてだった。映画「のだめカンタービレ」で、のだめが寮で出会ったテルミン奏者の女の子のことを思い出して、どんな仕組みで音が鳴っているのか気になっていた謎がここで繋がった。

マチオさんの弾くギターは、私がそれまでギターと聞いてイメージする弾き方と違って、ジャカジャカというよりポロポロと一弦ずつ鳴らす演奏だったところに魅力を感じた。耳に心地よくて、ゆったりした気分になる。そしてマチオさんの声がいい。ええ声とはこういうことだ…と聴き入る、唯一無二の低音ボイス。

かなり歌って踊るパフォーマンスなのに衣装はスーツで、ジャケットなしの白シャツにベストのみのスタイルなのが、素敵な違和感となって興味を持ってしまう。

ザ・プーチンズ」はEテレにも出ていて、小さなお子さんにも人気。家族連れでライブを見に来られていたりして、幅広い年齢層のファンの方がいるように感じた。

 

もみじ市で見て以来、その時一緒に見ていた友達との間で「ザ・プーチンズ」が出演するとなれば行くよね?という暗黙の了解ができた。それ以降は、年に一度のペースで一方的な再会を果たしている。

前に一度、何も知らずに出かけた先でラジオの公開放送があるという場に出くわして見ていこうかなと近づくと、このあと「ザ・プーチンズ」がゲストで登場しますとアナウンスされ、なぜこんなにも縁がと驚いたことがある。もちろん、しっかりと見て行った。

 

「僕のプリン食べないで」がお気に入り曲。さらに今回行った蚤の市で初めて「恋愛契約書」を聴いて、この曲の少女マンガの理想が盛り込まれていながら淡々と解説するような歌詞と、フリーダムすぎるライブでの演出が魅力的すぎて、好きな曲になった。

マチコさんの演奏するテルミンの音に癒され、マチオさんの声に癒され、さる太郎の進行に笑いながら、肩の力を抜いて音楽を楽しめる時間がここにあるなと感じた。

常に緊張しているような自分でも、「ザ・プーチンズ」のライブを見ている時はNo緊張感。Noストレス。

 

初めて聴いた当初は、2年間もゆるーく追っていくことになるとは思っていなかったけど、無意識のうちに心に居座る中毒性が「ザ・プーチンズ」にはあることを実感している。知ってしまったので、もう離れられない。

 


ザ・プーチンズ「恋愛契約書」MUSIC VIDEO