これぞ関ジャニ∞の18祭。天井知らずの景色【後編】

 

バンドでファンになった人や、それをすごく楽しみにしている人がいるのをちゃんと理解していて、しっかりバンドでも観せてくれる。

この振り幅と贅沢な時間に、関ジャニ∞のライブの醍醐味がある。

 

バンド曲の最初にジャーンと鳴ったドラムではじまったのは、「ここに

うれしさ懐かしさ安堵すべてを込めて、泣かずにいるのは無理だった。

今こうして関ジャニ∞の音が鳴っていること。このままに届いていること。あの時はあの時で全力で掴もうとしていたよなと、これまでを真っ直ぐ愛することができて、それが私はうれしかった。

 

夕闇トレイン」のイントロのギターが聴こえてきた時の、演奏してくれるの!?となるサプライズ。

リクエストランキングで1位を取らなかったから、ああ無いかと思っていたらバンドで演奏する粋さ。もうそういうとこ。好きだ。


とにかく高く上がるドラムセット。

ズッコケ男道」からトロッコで楽器演奏になる前に、「BJ」の曲終わりですぐに村上さんがステージ奥に行って、ぺろんと背中を出していたから何かな?と思ったら、移動用のコードかイヤモニをスタッフさんに着けてもらっていたようだった。

ものの数秒。こうしてライブは作られているんだなと実感する。

バンドセクションになると表に出てくる、楽器担当のスタッフさんたちも職人でかっこいい。

 

大倉忠義さんのドラムが、安田章大さんのギターが、丸山隆平さんのベースが、村上信五さんのキーボードが、そして横山裕さんのギターが加わった今の音色。

 

丸山さんが前位置で、斜め後ろの横山さんが映されて順にピントが合う演出がすごく良かった。

スタンドマイクからピックを取る横山さんを見た…ギターを弾く人だ…と息を飲んだ。

エレキギターを持って、安田さんが乗った“∞型”のような上下するムービングステージがスタンド沿いに進んで行く。

それをずっと目で追った。しっかり仁王立ちで、エレキギターを構えて前を見据える安田さんの存在感を、目で追った。

 

丸山さんのベース弾く姿のセクシーさよ…と語らずにはいられない。

パーマかけた前髪が目元を隠すから尚更。

ライブ終盤の浴衣姿では前髪分けて耳掛けするホスピタリティには頭が下がる。どんな髪型であっても、その佇まいに魅力を感じて引き込まれている。


バンド演奏の時は横山さんも色薄めのサングラスを掛けていて、安田さん大倉さんも掛けていた。

横山さんは楽譜のためにレンズの度も入っているかもしれないけど、いいぞいいぞ体のために必要なサングラスを掛けることを当たり前にしていこう。

さらっとメンバー内でもサングラス人口増やしていこうという気持ちで見ていた。

 

バンドと言えば、ある?と期待してしまう「勝手に仕上がれ

“K!A!NJA!”で突き上げる拳が最高に楽しい。

“ニーニニニー”でペンライトを持つ手をVサインにするのが楽しい。

まさかのAぇ! groupが関ジャニ∞と出てきたことで、客席からは声で加われない“Wow”の大事な煽りコーラスなどの音に厚みが出て、「勝手に仕上がれ」の盛り上がりだ!とテンションが上がった。

 

 

そして「喝采

関ジャニ∞の今一番新しい曲。

Age is just a Number

何も始まっちゃいないよ

この歌詞を聴いた時、年齢に見合った成長をと焦っていた気持ちに、風通しのいいエールをもらった気持ちになった。

 

青春FIREWORKS」で上がったのは800の花火。

メンバーカラーに星形に、まだいく!?ってほどの連発。ラストひゅっと上がってパーンと弾けてキラキラキラと金色に残る花火が綺麗だった。

 

ステージ横、裏の骨組みまで見える距離。そこから花火上がってますけど!?な距離。

斜めから見上げてステージ、客席、花火、空が見える構図に見惚れた。

夏だ…これ忘れらんないなと思いながら見上げていた。

 

どの瞬間も、ここにあることの奇跡を知ってしまった。

ステージに立っていることも、今日がパフォーマンスできる状態であることも、関ジャニ∞としてここにいることも。

それはステージに立つ人だけでなく、観に来る私たちも、今ここにいること。いるというのは物理的な場所だけでなくて、この状況を耐えて生きていること含めて、

いつまたライブの開催が危うくなるかも分からない状況のなかだと理解しているから、この時間を大切にしたいと心の底から思った。

大倉さんの体調のことも考えると、開催を喜んでいいのかはじめは分からなかったけど、

村上さんが曲の間で「1秒でも無駄にするなよ」と言ったのが真っ直ぐに届いて、絶対に忘れない。これを大切に抱き締めていくと決意した。

 

アンコールでトータルして8曲歌う。

それはアンコールなの?とおもしろくなってくるほど、これでもかというプレゼント。

8にこだわっての8曲でもあったのかなといま振り返って思う。

∞SAKA おばちゃんROCK」で、村上さんの“早よ寝え!!”が聞けたのも嬉しかったし、「早よ寝え!!って言われるから…」と次に進ませないコントがすかさず始まるのも面白かった。

“バーゲンセールは”のメロディーに乗って、歌謡曲の横ノリなリズムでペンライトを振るのが楽しかった。

 

アンコールでカメラにしっかり抜かれて、キュピーンってウインクした横山さん。すぐ横入りする村上さん。

いつも友達シャケなのに、「私の友達、誰だっけ」と忘れて頭を抱えてしまう丸山さんもいた。

 

47曲目、最後に歌ったのは「All is well

このイントロをもう一度聴けると思わなかった。

丸山さんのパートが、真剣な眼差しで手を差し伸べて訴えかけるように声を届けていて、切々と募る思いが伝わってきた。

ラストに村上さんの歌声で、“All is well”と響いた感動が今も鮮明に焼きついている。

曲がしっかり終わってから拍手をしていたけど、この時ばかりは村上さんのロングトーンの終わりにスタジアムから拍手が湧き起こった。

私も拍手で感動を伝えずにはいられなかった。

 

関ジャニ∞ 一人一人からの挨拶は、かつてないほどペンライトの海が一色に染まった。
丸山さんが出てきて、オレンジ色のペンライトに染まる日産スタジアムは夕陽色だった。

景色に息を飲んで、すぐには話し始められない丸山さんの表情がとても胸にきた。

挨拶からも丸山さんの心情が伝わってきて、心がきゅっとなった。歌う声、表情にもその切実さは表れていたけれど、「全く同じ気持ちでいてくださいとは言いません」と言葉にした丸山さんに、ハッとする気持ちもあった。

移ろうことをどこか達観しているように感じてきた丸山さんへの印象が、やはり間違いではなかったと思う瞬間だった。

 

横山裕さんの「努力が報われるとは言いません。でも、努力しなきゃこの景色は見られなかった。」の言葉は、なによりの説得力を持って心に響いた。

 

カラフルな一面のペンライト。一色になるペンライト。

人の手の元で光る灯りだとわかっているから、自分もその一部だと感じるから、こんなにも胸を打つ。

 

「もう一曲歌っていいですかー」とふわふわしているうちに、しゅーっと降ろされるポップアップのステージ。姿が消える関ジャニ∞

丸山さんはしばらく顔半分から頭が見えていた。

ポップアップでスタンバイということは、歌うのは「関ジャニ∞ on the STAGE

愉快な関ジャニ∞の宝庫な曲なので、嬉しかった楽しかった。“イヤモニ外すね”の安田さんの斜め角度と溜めの色気が、美しき絵画のようで凄かった。

関西ジャニーズJr.がどんどん出てきて、Aぇ! groupまでライブあるあるコントに参加していた。

“銀テープ!”で取り合う草間リチャード敬太さんがスクリーンに映る。バーゲンセールそのもの。それを見て全開笑顔の正門良規さん。とてもいい顔をしていた。

 

そしてこれが無くては終われない。

「俺たちが」と言う前に、ぐっと屈んだ姿勢で言い淀む横山裕さんの顔は、初めて見た顔だった。

「ああ…終わるんいややなぁ…」

そう言った横山裕さん。

本心だとわかるから、ぎゅーっっっと心を握られるような気持ちになった。

 

まだ手は繋げない。けど、拳を突き上げることはできる。

隣にいる友人と手を繋いでいる風にして、ぶらぶら揺らしてみたりした。

関ジャニー!!」「エイトー!!!!!」

ステージ上での銀テープで終わるかと思っていたら、キンキラの金テープが飛んだ。

 

何度も空を見た。

飛んでいる鳥の群れもヘリコプターも見える。あとはひたすらに空。

これが野外…屋根がなくて空に繋がっているのが野外。

関ジャニ∞が空気感を巻き起こしてくれるから、いつも通りの馴染んだ会場のように安心して楽しくなれる瞬間と、

関ジャニ∞が時折見せる表情や感極まる言葉に、いつもとはまた違うここはスタジアムなんだと実感する瞬間とが交差して、忘れることのない時間と景色だった。

 

人がグループを組んでいて、人としてもグループとしても“生きて”いるから、いろんなことが起きる。

それは断片的ではなくて、延長線上で一人一人が持つ一本の線の上で進んでいく道。

並行するとき、交差するとき、いろんな線の方向があるなかで、“関ジャニ∞”を選んできてくれた横山裕さん、村上信五さん、丸山隆平さん、安田章大さん、大倉忠義さん。

だからここに18祭があって、今の関ジャニ∞の声を音を聴くことができる。

 

生きているその姿が、挑戦も葛藤も発見も、受け止めたり乗りこなしたりで進む姿がかっこよくて、

ライブに行けば、真っ直ぐのかっこよさも、かっこのつかないかっこよさも、面白さも、痺れるバンドも魅せてくれる。

人生を進むために、私には関ジャニ∞が必要だ。