アクセサリーとしていつも身につけられる笛。
理想はあっても、そんなものがあるかどうかはわからなかった。
地震が何より怖い。いつ何時でも、その恐怖を忘れたことはない。
もしここで?と思うたびにぎゆっと肩に力が入って、備えようとはするけど、“備えていること”がより一層常に意識させて、どのくらいの心持ちでいたらいいのかと考えてきた。
もしもがあった時、叫び続けることに体力を奪われることを何となく知っていて、
『笛』は大切な防災用品だなと考えていた。
だけど、シルバー素材などの明らかに笛!という感じのものや、アウトドア感のあるものは、いつも持ち歩こうと思うのには難しくて、機能性がありながらデザインとして魅力的なものがあってくれたらいいのにと漠然と探していた。
これだと思った。
「effe」(エッフェ)
メガネのフレーム素材でつくった、笛のアクセサリーブランド
見つけたのはTwitterで広まっていた情報がきっかけで、それからホームページを見に行くと、美しい写真の数々とホームページレイアウトのセンスに心惹かれた。
めがねのまち鯖江でつくる「もしも」と「いつも」がひとつになった、笛のアクセサリー
このコンセプトを読んで、まさにこういうものを探していたんだと心掴まれた。
福井県 鯖江と言えば、べっ甲。眼鏡フレーム。いつか訪ねたい街。
「effe」を作ることに至った経緯が丁寧に書かれていたことにも感動して、社長さんも含めた8名全員で製造に関わっているという、この工場が作る笛が欲しいと思った。
これまでのイメージが覆される、アクセサリーとして着けたくなる色合い。デザイン。
香水のボトルをイメージした金具部分の装飾も素敵で、円形と四角で迷った結果、香水っぽさの際立つ四角タイプを選んだ。
ほかにもツートーンのデザインになっている物もあって、オンラインショップでは色の組み合わせが選べる。好みのカラー合わせがある人にはたまらない。
ネックレス型以外でも、最初に興味を持ったパンダのキーホルダーになっている笛もあった。
ネックレスタイプは、ひとつ5,280円。ひょいっと買えるお値段ではないけれど、この丁寧さを考えたら必要価格だと感じた。
年内で買おうか、来年にしようか迷って、よし今!とネット注文。
色もどれにしようか相当迷った。いつもなら水色一択。だけど服のコーディネートと合わせて考えると、ピンクかクリームが魅力的。
結果、自分用はクリーム。家族用にピンクを購入した。
需要も増えて、発注は立て込んでいるだろうから気長に待っていようと思ったら、数日で思った以上にずっと早く届いてびっくりした。
迅速に発送作業をしてくださったんだな…と感動しながら段ボールを開けると、マッチ箱のように素敵な紙質のケースに入った「effe」が2つ。
そしてリーフレットまで入れてくださっていて、もはや「effe」を写した写真のファンでもあった私には嬉しいプレゼントだった。
そっと開けて、眺める。
柔らかな色合いと透明感。ホームページにも書かれていた、“仰々しくない”大切な雰囲気がそこにあって、身構えるのではなく安心できるアクセサリーになっている。
着けると、長めのチェーンはニットの上からでも綺麗にバランスがとれた。
チェーンが長い理由は、もちろん吹きやすさがあるけど、もしも引っかかって逃げられない時に引きちぎれるように計算されている。
華奢なチェーンでいてくれるおかげで、アクセサリーとしての風合いが保たれているのもいい。
四角の方が服の上でもコロコロせずに安定するかなと選んだのも、個人の好みとしてはしっくりきた。
ピンクは写真で見た通りの色合いで、クリームは白の箱のなかで見ると黄色が強めに見えるけど、外に出すと絶妙なクリーム色。
もしも、を考えつづけるのは、常に緊張がつきまとう。
だから無理なく、自分が怖がらずにすむ距離感でいられる作品「effe」を見つけられたことは、私にとって静かに備える大切なプレゼントになった。