憧れの舞台で握った手のひらに、いま宿るもの ー なにわ男子「なにわLucky Boy!!」

 

僕らなにわLucky boy 夢の舞台

2018年、関ジャニ∞「GR8EST」ツアー追加公演のなかで、なにわ男子が魅せた数分間。

京セラドームの空間で歌っているこの時間が、憧れの叶う瞬間。まさに、彼らにとって“夢の舞台”へと駆け上がっていくスタートラインなんだと、なにわ男子についてよく知らずにいたあの時でも直感できた。

 

なにわ男子が登場したのはライブ中盤。

すごく恐縮なことに、私はライブ中に休憩に出ずに全編観ることができない。だから必ずどこかしらで、心苦しくても席を離れなければならず、あのライブの日も相変わらずそうだった。

出来ることなら、どの瞬間だって離れたくはないけれど、次が何かわからないまま今行こうと荷物を手に取り向かおうとした瞬間、なにわ男子の声が聞こえた。

観ておいたほうがいい。ここに居られるのに、このステージを見逃したりしたら、これから先必ず後悔する、と思った。

 

woh woh…なにわLucky boy

歌いはじめで感じた勢いはすごかった。

『弾ける』とはこの事だなと思った。

このステージにどんな意味があるのか分からないままとりあえず立っているのと、このステージで何かを変えられると信じ抜いているのと、気迫の違いは見ていたら伝わってくる。

なにわ男子が、この時間、この場所で掴むと本気で信じていたことも。

 

トロピカルなリズムに畳み掛ける語感。

歌詞に注目すれば“僕ら”の歌なのかなと思いながら聴いていたところに、

そうだ頑張れ everyone

と響いた歌声。

大橋和也さんのその声と、スクリーンに大写しになった表情。ガッツポーズ。

釘付けになった。応援されてる、と感じることができた。この時が初めましてだったなにわ男子。初めて聴いた曲。思い入れを生むには短い時間だったけど、うわ頑張ろう!と思えた。

 

 

ライブが終わり、関ジャニ∞のライブ楽しかったー!そしてなにわ男子まで見られるなんて。えらいステージを見てしまったな…一度は直に見ておくことができて嬉しかった。

それくらいの気持ちでいたのが、今どうだろう。

なにわ男子のため、Jr.ファンクラブに入っている。

 

「なにわLucky Boy!!」は、衣装も凝っていて素晴らしい。

こんなにスタイリッシュにヒョウ柄を取り入れることが出来るなんて、ファッションセンスとして参加にさせていただきたい!と思うくらい、なにわ感は表しつつコテコテに走りすぎない抜群のセンス。

襟の部分や、腕のライン、パンツの縦線になって馴染むヒョウ柄

しかもメンバーカラーが使われている。全員揃いのカラーではなく。

どれだけ難易度の高いことをするんだと、驚きを隠せなかった。ヒョウ柄にメンバーカラーを合わせたら、まとまりのないデザインになっても仕方ないはず。

それも、この二つの要素で服としてのシルエットは王子衣装。ガッチャガチャになるはずなのに!なぜこんなにかっこいい…!!

 

西畑大吾さんの衣装には、肩にひらりはためく肩マントまで付いている。どこまでもロイヤル。

後になって知ったけれど、ジャケットを脱いだ時のギャップにも目をまんまるにした。

きちんとベストをジャケット下に着ていて、ベスト好きにはこの時点でたまらないのだけど、その下に合わせるシャツが。ギラッギラの柄シャツ。

道端で向かいから歩いて来たら、大回りでよけて小さく歩くだろうなと思うほどの、こわもてな兄ちゃんに早変わりする。

それをあんな紳士なジャケットの下に隠しているなんて…なにわ男子…おそろしい子…

 

 

曲の中盤になるとテンポが上がっていって、

羽広げ so we can fly

辛くても never give up 諦めない心を

きっとどこかで誰か見ているよ lucky boy

ここのフレーズが大好きになった。

「なにわLucky Boy!!」には、なにわ男子である彼らへのエールが込められているんだと感じた。そして、自分たちだけでなく、聴いている側へのエールでもある。

先を歩いて、こっちへおいでよと呼びかけるのではなくて、僕たちも頑張る。一緒にどう?と問いかけるような励ましは、関ジャニ∞を好きになった理由に近いものがあるなと思った。

 

きっとどこかで誰か見ているよ lucky boy

この一行の心強さ。

真面目に取り組んでも、見えない所で頑張っていても、何になるっていうんだとささくれ立った気持ちになる時はある。

日常でもそう思うことはあるし、Jr.でいる彼らには、ダンスの振り覚えや自己アピールのための訓練。誰にも見られないような努力に割く時間が、見えているものの何倍もあるのだろうと想像できる。

未来に期待したい気持ちと、どうなっていくのか不安な気持ち。

そんな彼らに、この歌詞を贈ってくれる人たちがいることに感動していた。

 

このステージで輝くよ lucky boy

曲のラストにそう歌った西畑大吾さん。

それはもう絶対なんだと、確信させるほどの説得力があった。

なにわ男子は京セラドームでライブをするようになるだろうなと、なにもわかっていないながらにあの時の京セラドームで思った。

 

ラストは横一例にぎゅっと寄って決めポーズ。

並びの可愛さに、これがなにわ男子か…!!と息を飲む。

関ジャニ∞の京セラドームでは、歌い終わった後、時間をとらないように急ぎながらでも丁寧に、「eighterの皆さん。僕たち7人がなにわ男子です。貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました!」と挨拶してステージ裏へと戻って行った。

 

 

関ジャニ∞がいた頃からの関西ジャニーズJr.の風土に培われて、新たに芽吹いた緑のようだと感じていた彼らはどんどん成長して、今や根を張れる木の苗になって、これからきっともっと育つ。

木は何年もかけて太い幹を作り、大樹になって果実を結ぶから、急いで大きな樹にならなくてもいい、しっかり根を張ってと言葉を送りたくなる。

藤原丈一郎さん、西畑大吾さん、大橋和也さん、高橋恭平さん、大西流星さん、道枝駿佑さん、長尾謙杜さん。このメンバーでつくる、なにわ男子のこれから。

もしこの先、急速な変化があったとして、望んでいたはずのことでも葛藤することはあるのかもしれない。でも、なにわ男子というグループとして、波を越えるための船を地道に作ってきた彼らなら、どんな大波もみんなで乗りこなして行ける。

わからなくなった時は、横山裕さんや大倉忠義さんが助けのオールを手に駆けつけてくれるはず。

 

手に握ったLuckyをしっかり掴んで、歩んだ先で手のひらをもう一度開けばダイヤモンドが光る。

その眩しさで照らす日はきっともうすぐ。