小さな奇跡をたくさん重ねて、“キミだけの王子様”になる - Lil かんさい「Lil miracle」

 

何十回 何百回 何千回 迎えに行くから

いつも僕はキミだけの王子様

 

関西ジャニーズJr.のグループ「Lil かんさい(りとるかんさい)」のオリジナル曲

Lil miracle」(りるみらくる)

作詞、作曲:松坂康司さん

 

可愛く爽やかなメロディーが印象的で、おとぎ話の世界かなと油断していると、なかなかリアルの歌詞にドキッとさせられる。

あどけなさがあると言っても、17歳から16歳のメンバーは高校生で、あと数年も経てば20代に近づく彼ら。

今だからこその表現で曇りなくファンタジーを届けられるバランスと、可愛らしい曲のなかに等身大な空気があることで、今後の表現できる幅を広げていける、この曲はLil かんさいにとって大切な曲なのだとわかる。

 

きらびやかな衣装、照らすスポットライトに、にこっとほほえんで、“いつも僕はキミだけの王子様”と歌う姿。

“いつも僕は”の、い・つ・も とリズムを刻んでいく緩急の付け方が聴いていて心を弾ませる。

「王子様」の言い方がとびっきりの可愛さで、首をちょこっと傾げるところも完璧に可愛い。

 

サビにもくるこの歌詞を聴いていてハッとするのは、包容力のある空気でオープンな曲調になっているところに、“キミだけの王子様”と歌っているギャップ。

同じ曲でも、もし『みんなの王子様になる僕』を歌っていたら、印象は変わってくると思う。

でも、歌っているのは“キミだけの王子様”

両手を広げて、ではなく、手を差し伸べた“キミ”に。そしてそれを、もう一回り大きく包んでみんなに向けているニュアンスへと昇華できるすごさ。

 

“何十回 何百回 何千回 迎えに行くから”でメロディーをぐっと駆け上がったところに、サビのもう一押しで明るく転調していくのかと思いきや、“いつも僕は”とメロディーを落ち着けていくのが意外。

高まりと落ち着きのさじ加減が、成長の途中の彼らとハーモニーを作り出している。

 

 

もうひとつ印象的に感じたのは、続く歌詞

白馬なんて乗れないけど

寝起きのキミの顔 見つめさせて

“白馬なんて乗れないけど”と早々に言ってしまえるところが、新たな等身大の王子様像だと感じた。

王子様になれたらと憧れを持っているのは彼の方で、相手に望まれてそうなろうとしているのではないところに、新鮮な感覚になる。

 

そして、おとぎ話の世界観を広げた後に、“寝起きのキミの顔 見つめさせて”と続く意外さに驚いた。

寝起きの顔!?と歌詞を二度見した。授業中に眠ってしまった彼女のことを見つめるシーンなのかなと受け取れるものの、ドキッとさせることをさらっと歌う。

“魔法の鏡に聞くまでもないんじゃない?”の言葉には、僕が見てるからという自信さえ感じる。

“毒林檎なんて要らないの”の歌詞が、りんごでもリンゴでもなく、漢字表記なところにも詞としての魅力があって好きだなと思った。

 

「Lil miracle」を歌う時によく着ている衣装は、ファンタジーな王子様衣装。

ネイビーとホワイトがパッと目に止まるコントラストで、ダンスで跳ねるとふわりと浮かぶ羽がジャケットの肩に付いている。

ストライプ柄と、ミルキーなベージュのシルク生地が印象的。そこに靴が白スニーカーで、足元はカジュアルに落ち着けているのがポイントになっていると感じる。

 

Lil かんさいが着ている衣装には他にも素敵なものがあり、白ジャケットにメンバーカラーのパーカーのフードが見えている衣装も可愛かった。

「関ジュ夢の関西アイランド2020」でのチェック柄にツヤッとした質感のジャケットとパンツ衣装が特に好きで、アシンメトリーでありつつ、奇抜さには走りすぎていないデザインがいい。

 

 

こんぺいとうのように甘さがギュッとなった可愛らしさ満天のグループ「Lilかんさい」のメンバーは、

嶋﨑 斗亜(しまさき とあ)さん

西村 拓哉(にしむら たくや)さん

大西 風雅(おおにし ふうが)さん

岡﨑 彪太郎(おかざき こたろう)さん

當間 流巧(とうま るうく)さん

グループとしては、2019年の1月に結成された。

カメラに目線を送るのもまだちょっとぎこちなさが見え隠れしたり、手足の可動域をものにする前の発展途上な感じがこれからの成長を予感させて、今から見つめていたいと思わせる魅力が伝わる。

 

今を好きになればなるほど、変わらずにいてほしいと思う気持ちが湧くことがある。

でも関西ジャニーズJr.の一人一人を見ていると、変わっていくこと、今にこれからを重ねて成長していくことの素晴らしさを思い出す。

おとぎ話のない世界でも キミのことを好きになる

そう伝えているような「Lil miracle」に、心がキュッとした。どんなページも描けるこれからのLil かんさいに寄り添う、彼らの表紙になる曲だと感じた。