いなせで小粋なひと時を - 関ジャムセッション「め組のひと」

 

鈴木雅之さんをゲストにお迎えして、ラッツ&スターの「め組のひと」のセッションを見られる日が来ると、過去の私に言っても、信じられないかもしれない。

歌番組でいろんなアーティストが鈴木雅之さんとのコラボを叶えるたび、いいなあと見つめていた。鈴木雅之さんとゴスペラーズが並んだ時の映像も大好きで、それがまさか関ジャニ∞にターンが来るなんて。

関ジャムが始まって以来、これまで長いことセッションの前にはCMを挟んでいたのに、今回に限ってCM無しでスタジオトークからそのままセッションが始まって驚いた。

 

歌の前にまず、キラキラのラメの線が入った特製白手袋が鈴木雅之さんから直々に、村上信五さん、丸山隆平さん、安田章大さん、大倉忠義さんへとひとつひとつ配っていて、一気にテンションが上がる。

配ってからの鈴木雅之さんを見ていると、手袋が1人分手元にあって、5人分の用意はあったんだと思った。予定が変わったのか元々その予定だったかは分からないけれど、横山裕さんの分もあったことがうれしくて、‪いつか揃ってのセッションが実現したらいいなと思う。

 

音が始まった瞬間のワクワク感。

リズムに乗って体を動かす様子がひたすら楽しそうで、ぐっとくるこの感じがきっとグルーヴなんだと実感した。

鈴木雅之さんの声はどんな場所でも揺るぎなく、コーラスに徹するかと思われた関ジャニ∞がボーカルも担当し始めた時の興奮。パート分けがまた天才的で、“ビーチは突然 パニック”を安田さんが歌った時、“パニック”の溜めの部分が好きだった私はノックアウトされた。

“夏の罪は素敵すぎる”を大倉さんが歌った時の楽しそうな表情には、これぞ罪と夏じゃないか!とよくわからないことを思った。

“小粋だね”と歌う丸山さんも、“涼し気な目元 流し目”を歌う村上さんもぴったりで、“涼し気な”の歌詞のところでカメラに抜かれた丸山さんがウインクをバチンッと飛ばした瞬間、隠す気のない色っぽさに飲み込まれた。

 

そして2番に入ったことへの驚き。

短縮版のアレンジではなく、フルでいくのか…!!と驚いているうちに、歌はどんどん進んでいく。

後半の“夏の罪は素敵すぎる”と鈴木雅之さんが歌っているところのカット割りが、パッパッパッパッと1人ずつ映してカメラが切り替わっていくスイッチングがすごく良くて、演奏の盛り上がりと相まってワクワクが止まらなかった。

 

1週前の関ジャム次週予告を見た時に、丸山さんの声に集中しつつもしっかり振りをしていて、腕を引くのでも降ろすのでもなくて、ノックノックで前に押す感じの振りをしていたのが見えて、ラッツ&スターご本家の映像をよく見たのかもしれないと思っていた。

指パッチンでリズムを取る流れでひじを降ろしていくイメージで、ノリが心地いい。

そうして待ちわびたセッションで、やっぱり前にノックする丸山さんの振りが好きだと見ていたら、気づいた時には安田さんの動きも前にノックになっていて、あれ?!いつ?と思って確認すると、始まってわりとすぐ村上さんのパートになったところで動きが変わっていた。隣の鈴木雅之さんを横目に見てなのか、視野の広さと臨機応変な吸収力に感動する。

曲中の振り付け全部が最高に好きで、両腕をわーっと広げる振りを関ジャニ∞がしている…!と嬉しかった。

2番での“夏に繰り出した…”で背に片手を下げて、もう片方の手で踊る振り付けをする村上さんと丸山さんが、ホテルのコンシェルジュのようにダンディーでたまらなかった。

 

スタジオトークで話された、“Sweet baby”のパートに入れ込むこぶしをセッションでもひとりひとり心がけているのが伝わるボーカル。

そして村上さんが鈴木雅之さんとユニゾンで歌ったところでテンションはさらに跳ね上がった。

コーラスだから声の聴き分けをしたいと思って耳を澄ますのだけど、層に分かれている部分が見えなくて、溶け合いすぎているのか分析できない。

最初の一音目に力を入れるスタッカートな歌い方が鍵になる「め組のひと」で、丸山さんの“ほ↑そい腰”のようにウワンッと音を上げるニュアンスが小気味良くて、いきなり大きな声を出すのが得意な丸山さんの特技がここで活きている…と思った。『パ』とか『ピ』とか、破裂音が好きなのも感覚を掴みやすいポイントになっている気がした。

 

 

今回の関ジャムでの特集は「R&B

以前、2018年4月22日の放送で、「コーラス・ゴスペル」についての特集があった際に、安田さんがゲストの方々の中に飛び入り参加で「め組のひと」のコーラスを体験していた。

その時にゲストだった高尾直樹さんは、鈴木雅之さんのライブコーラスも務めていて、今回贅沢なことに「め組のひと」のセッションで左うしろに参加してくださっている。

長年コーラスをされている高尾直樹さんのダンスは、例えうしろであっても目が行くほどキレッキレで、身体が覚えているようなリズムとの一体感がすごい。

 

鈴木雅之さんとセッションというだけで夢のようなのに、スタンドマイクで関ジャニ∞ドゥーワップする夢までもが叶った。

「ナイナイアイラブユー」を初めて聴いた時、白手袋で!スタンドマイクでお願いします!と願った気持ちも、「二人の涙雨」や「青春ノスタルジー」「DO NA I」が好きで仕方ない気持ちも全部がひっくるめて満たされたひと時だった。

これからの関ジャニ∞にも、歌謡曲とコーラスの魅力がミックスされた曲を、新しく歌っていってほしい。