オープニング感に心湧き立つ、King & Prince「Sha-la-la ハジけるLove」そしてアルバムとしての楽しさ

 

日曜の朝、変身できる女の子たちのアニメの主題歌と言われたら、しっくりくるような爽快感。

キャラクターが一人ずつアップで映って横切るオープニングが脳内で再生できてしまうほどに。

King & PrinceSha-la-la ハジけるLove

作詞:MORISHINさん

作曲:Susumu Kawaguchiさん、Fredrik "Figge" Bostromさん

炭酸飲料のCMソングになっているのも納得。しかしこの曲がシングル曲としてリリースされていないの?!アルバムの一曲としてこれがあるのか…!と意外に思うくらいに、主役級の強い輝きを放っている。

 

曲の始まりから、“シャララ”という語感が続くことがまず凄い。ベタとキラキラに飲まれないキンプリのアイデンティティがあるからこそ成立する濃度。

出掛けよう キミ見つけた場所へ

オープニングのような爽やかさで、聴けば気分は主人公になれる。 戦う主人公。だから、一日の始まりに聴きたくなる。

序盤は抑えめなリズムに、落ち着いた曲調で繋がれるメロディーがぐっとサビへの高揚感を煽る。

2番の入りになると岸優太さんのパートがやってきて、それが惚れぼれするほどぴたりとはまるのは、もはや確約された黄金率。

終わらない恋はじめよう Forever 

“Forever”の発音も声の伸びもいい。

岸優太さんは英語の音感が好きなのだろうなと感じる発音をいつもしていて、本気になって英語を学びだしたら一気に成長しそうな空気がある。

 

ほら Fly to your heart この想い

今すぐキャッチして Sha-la-Love

“キャッチして”と出てきたところで、プリキュアだ…!と思ったくらいに、「Sha-la-la ハジけるLove」の私の中でのイメージは、日曜の朝。

“Fly to your heart”の音運び、“heart”のRの発音が丁寧で好きだと聴くたびに思う。

後に出てくるサビの歌詞に“今すぐロックして”ときて、“キャッチして”と“ロックして”が対になる配置にぐっとくる。“ハート”を軸に、テーマはきっと鍵なのだろうと思わせるストーリー展開が素晴らしい。

 

 

Moon Lover」という曲を好きになったことをきっかけに聴きだした、King&Princeのアルバム「King & Prince

はじめは「Moon Lover」を1曲ループで聴いていたけど、ふとした拍子に“1”のバッジを外して、アルバムをシャッフルで聴いてみたら、曲ごとにツボなメロディーラインがあることに気づいて、アルバム通して再生するのが楽しくなった。

このアルバムには他にも、

King & Princeの曲の中で新たな風を感じた、高橋優さん作詞の「君を待ってる

彼女に振り回されることに少し苛立ちながらも離れられずにいる歌詞が中毒性のある「Naughty Girl

デジタルな音だけど、どこか落ち着いた雰囲気で、ゆったりな曲と見せかけてサビでハジける「マホロバ

King & Princeのボーカル力を圧なくさらっと見せてしまう贅沢さと、岸優太さんのロングトーンなフェイクに息を飲む「別々の空

ブラスバンドに、鳴らすクラップ。横揺れなグルーヴが楽しい。2番の入りの平野紫耀さんの“Hay”がすごく良くて、かすれ具合と揺らぐ声がこのパートにぴったりな「Dance with me

ミディアムバラードが美しく、“悲しみにさよなら 今ここで手を振るんだよ”の歌詞が魅力。ピアノにエレキギターが効くメロディーの「Song for you ~君を信じて~

明るいミディアムテンポが心地よくて、1日の終わりに聴きたくなる「君にありがとう

 

Super Duper Crazy」には、サビのメロディーに洋楽のテイラースウィフトのような空気を感じて、「King & Prince,Queen & Princess」からは彼らが立ってきた帝劇の風格が伝わってくる。

ライブのエンディングに聴けたらぴったりなんだろうな…と思わせる壮大さで、ここまでのクライマックスな王道感を成立させられるすごさ。

King & Princeの曲の特徴に、歌の中でのハモりと言うのか、ボーカルとは別のところで声を響かせるパートがある。意識的に置かれた曲作りになっていると感じていて、声を際立たせる曲になっていると思う。

 

全体を通して聴いても楽しい。明るいテンションを引っ張り込みたい時は「Sha-la-la ハジけるLove」をピンポイントで聴く。

アルバム「King & Prince」は、今のKing & Princeが今の声で歌う、様々な曲調の魅力を多角的に感じられるアルバムだった。