傘のあいだに、二人の距離は - ジャニーズWEST「Parade!!」

 

雨の日、ちょっとお洒落をして出掛けるならこの曲が聴きたい。

ジャニーズWESTParade!!

作詞:福岡良太さん

作曲:Takuya Haradaさん、Christofer Erixonさん、Josef Melinさん

 

舞台を観に行くために出掛けた日、外は小雨だった。

赤坂の劇場に行く時はいつも気合いが必要で、気分からおしゃれ感を盛り上げないと心許ない。JAZZがテーマな舞台だから、何を聴きながら行こうかと思った時に再生したくなったのが、Uruさんの「プロローグ」と、ジャニーズWESTの「Parade!!」だった。

関ジャニ∞にも「Street Blues」という最高にロマンティックなジャズソングがあるけれど、あの曲は度数が高すぎて、出先で気軽に再生することができない。

 

『ジャズ』は奥が深すぎると、知っていくことに二の足を踏んでいたけど、どうやら最近ジャズに引き寄せられている。

ジャニーズWESTのアルバム「WESTival」を通して聴いて、イントロから最後まで好きでいっぱいになったのはこの曲だった。

華やいでいて、雨の日の歌だけど足取りは軽い。

Ladies & Gentlemen

Welcome to the Parade!!  Ha ha!

劇場の支配人のように語りかけて、ミュージカルの幕開けを感じさせるイントロに始まり、

聴こえるスネアの音。雨粒のように弾むピアノの音。

抑えめにゆったりとしたテンポをキープして歌う柔らかさが心地いい。バラードと括るのもすこし違う、ジャズにしかない雰囲気。高揚感を大人な顔して味わいながら、ワクワクを隠しきれない感覚。

 

雨の日の遊園地が思い浮かぶ。

夢かうつつか、彼と一緒に歩く遊園地。夜を彩ったイルミネーション。雨で濡れたアスファルトがパレードの明かりを反射して、いつもよりもっと景色はぼんやりとキラキラして見える。

曲の中で、女性の声で聴こえるコーラスがミュージカルの要素を増して、管楽器の音が盛り上がりをつくる。

I love you!

はぐれぬように今夜は僕がエスコート

流れ出すメロディーに乗せて Shall we dance?
始まるよ恋のパレード

サビのメロディーラインが、とびきり甘く美しい。

“今夜は僕がエスコート”の歌詞に、張り切っている感じが溢れているのが可愛くて、普段から引っ張っていくタイプなら“今夜は僕が”とは言わないだろうなと思うと、ぎこちなくがんばる姿が目に浮かぶ。

 

不意に触れた指

寄り添う二つの影 照れてスライドステップ

ワルツのステップを踊っているかのような雰囲気のなかで、指が触れるほど近づいていたのに照れて離れてしまう様子を、ダンスに例えて“スライドステップ”と言葉で表現するところがいい。

本人たちはぎこちなく戸惑っているつもりが、息の合ったワルツになっていくみたいで。

 

そしてつづく、

君の気持ちが知りたくて

1.2.3. Right now! 

焦る僕を 急かすようにライトアップ

トランペットの本領発揮!とテンションの上がるパート。“君の気持ちが”の“が”に合わせて、“now!”の語尾を強めるように、トランペットを吹く音。

JAZZの心地よさのポイントは“溜め”にあると思っていて、そのゆったり感をトランペットがパーンと跳ねて破ることでアクセントになる。

 

パレードを見つめる時間のおわりを告げるように、

君に伝えるよ 行こう フィナーレさ!! 

この歌詞を聴いて、ライブのラストにこれを歌われたら最高じゃないかと思った。

ライブと相性のぴったりな曲は様々あるけど、JAZZのムードで紳士にエスコートするエンディングも素敵だと思う。

 

 

ジャニーズのグループそれぞれに、ブラスバンドの効いた曲やジャズテイストの曲があることを意識しだしたのは最近で、

ジャニーズWESTでは「キミコイ」

関ジャニ∞「DO NA I」「なぐりがきBEAT」

Hey! Say! JUMP「愛のシュビドゥバ」「Masquerade」

などは、一度聴いて好き!と心を掴まれた。直感で好きになる曲は雰囲気が近くて、好みが分かりやすい。

スウィングジャズ。スカ。裏打ちのリズムに、コーラスやドゥーワップ。ジャズダンスも好きで、これらの要素が合わさるとたまらない。

テーマパークのショーなどでよく見る、バレエを基本にしたジャズダンスは、ジャニーズにとっても基礎となっているダンス。Mステで東山紀之さんとジャニーズJr.「TravisJapan」のメンバーで披露していた「まいったネ 今夜」が好きだった。

 

コントラバスやサックス。しっかりと編成を揃えてJAZZ奏者さんをお呼びして、本気のジャズダンスで観せる演出が、いつか関ジャニ∞のライブで実現したら…

そんな想像が止まらないくらいに今、JAZZに関心が湧いている。