中崎町を知りたい

 

地下鉄の改札を出て、いくつもある出口を勘で選んだ。

持ち上げるには重たいスーツケースを両手で浮かせて階段を登ると、見えたのはセブンイレブン

着いた!大阪の街!!という感じではなく、セブンイレブン。とても見慣れたオレンジ緑赤のライン。

もしかして…と直感が働いて、すかさず正面へと回り込むと、そこには関ジャニ∞のキャンペーンフラッグがあった。7月からセブンイレブン関ジャニ∞のコラボキャンペーンがスタートすることになっていて、自分がファンになってから初めてのコラボキャンペーンを大阪にいる間に経験することになった。

関ジャニ∞がようこそ!と笑顔で迎えてくれているような安心感。思いがけず旅の始まりは関ジャニ∞になって、この景色のなかでならやっていけるかもしれないと勇気が湧いた。

 

大阪の地、暮らすのは「中崎町

私がどうしても住んでみたかった町。

大阪市北区谷町線で東梅田は隣駅。天満も近く、関テレには徒歩で行ける。そんな都心に近い位置にあるけれど、この町は古民家や昔ながらの建物も多く、その風情をいかした喫茶店やカフェ、雑貨屋さんや古着屋さんなどが立ち並ぶエリアがある。

静かな賑やかさがあって、落ち着く雰囲気。

 

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中崎町という町を知ったのは、関ジャニ∞の関西ローカル番組「ジャニ勉」のエイトブンノニという大阪の街を歩くコーナーの初回が、丸山隆平さんと錦戸亮さんの2人で歩く中崎町だったから。

昨年ライブの合間に訪れてみると、あっちにもこっちにも目移りしてしまうほどカフェがいっぱい。チェーン店ではなくて、1店舗ずつがオリジナルの個人店が多いこともあり、個性豊かで、お店の並びも小道にちらほらと佇んでいる感じでそれを探し歩くのが楽しい。

1日では知り尽くすことができない町だったという記憶が忘れられなくて、だから思う存分、好きなだけ歩いてみたかった。

 

これから住むマンションを見つけ出して、荷物を置く…よりも先に、最初に行くと決めていた場所があった。

 

レストランカフェ「クイーン」

丸山さんと錦戸さんがオムライスを食べていたお店。

私がこの町でなら暮らせると思った理由の一つが、このレストランがある町だからという理由だった。昨年初めて来た時に、オムライスを食べた。オムライスの美味しさも印象的だったけど、お店のおじちゃんがとても楽しいひとで、明るく話しかけてくれたことが嬉しくて、会話のテンポも大阪っていう感じがするなーと楽しかったのを覚えていた。

ランチは650円。美味しくて、お味噌汁とサラダ付きでバランスよく食べられて、それでこのお値段。節約もしたい、でもちゃんとしたご飯が食べたいという思いにぴったりなお店。雰囲気も、日常で通いたくなる洋食屋さんという感じ。

 

1年半も経っているわけだから、初めましてのようなものだけど、この町に来てまずは「やって来ました、よろしくお願いします」と誰かに挨拶したかった。

暑さのなか慣れないスーツケースの振動に振り回されながら、再びたどり着けた「クイーン」

お腹が空いていたらオムライスを食べたかったけど、この暑さで食欲は無かったので涼もうと、冷たい飲み物を飲みに入った。ドキドキしながらドアを開けると、お客さんが落ち着いた頃だったようで、お客さんは私1人だった。

「荷物大きいんですけど大丈夫ですか?」と聞くと、すぐに「ここにどうぞ」と椅子を動かして置きやすいようにスペースを作ってくれた。席に座り、外の暑さからも解放されて、新幹線からの道のりからようやく一息ついた。

炭酸が飲みたくてアイスも食べたかったので、頼んだのはクリームソーダ

なんてことない飲み物だけど、ずっと来たかった場所に来て、最初に来るのはここと決めていたレストランで飲むクリームソーダは格別で、しかも季節は夏なわけだから、それはそれは美味しかった。

 

ゆっくりしていたいけど、借りるマンションのWifiを急遽お願いした為に郵送で届くことになっていて、部屋にいないといけない。

ごちそうさまですとお会計をしていたら、お店のおじちゃんが「これから観光ですか?」と話しかけてくれた。今しかないと思い、この町で10日間暮らすことにしましたと話すと、「どういうご縁でこの町に?」と聞かれて、大阪に住んでみたかったこと、昨年オムライスを食べにきてこのお店のあるこの町に住みたいと思ったことを話した。

「そうでしたか」と驚きのような表情で、「またいらっしゃってください」と言ってくれた。またご飯食べに来ますと答えて出ようとすると、スーツケースなどの荷物を察して「ドア開けてあげよう」と出入り口を通りやすいようにして「いってらっしゃい」と送り出してくれた。

一方的に来て、一方的に知っているだけだったのだけど、いってらっしゃいと送り出してもらったことが嬉しかった。またすぐにここに来られる距離に自分がいることを感じた瞬間だった。

 

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