メイプルラテの甘み

 

9日目

通えるような場所になったらいいなと、大阪 1日目にこの場所に来てはじめに入ったレストラン。10日間滞在することもお話しして、それから行けたのは計3回だったけど、そこに知っているお店があることは心のよりどころだった。

来るのは最後になるという日、美味しくて安すぎるランチを食べて、帰りがけに少し挨拶をした。覚えていてもらっている自信がなかったけど、「10日って言っとったね」と覚えていてくれて、最後に「行ってらっしゃい」と声をかけてくれた。

 

大阪にいる間、このお店に行きたいとずっと思い続けていたカフェがあった。

だけど閉まっていて、滞在中は間に合わないかなとほぼ諦めていたものの、それでもわずかに期待して毎日お店の前には行っていた。そしてこの日ついに。

お店開いてる!と目にした時の嬉しさ。目に見えて私の表情は明るくなっていたと思う。ドキドキしすぎて扉の開け方がわからないという入店前のハプニングがありながらお店に入ると、好きだなぁと肌で感じる雰囲気がそこに。

しゃんとしていてシンプルで、深呼吸ができる場所だった。明るい木のテーブルとイス、カウンターの向こうに並ぶグラスやカップも見ていて落ち着く。

メイプルラテが本当に美味しかった。ホイップがほわっと乗っていて。コーヒーの味がしていてほしいけど、苦すぎずでも甘すぎないのがいいなという私のとてもややこしい心情にそっと馴染むメイプルの甘さだった。

 

 

この文章を書いている今は、大阪 10日目。

大切な1日にしたい