Official髭男dismが面白い

 

きっかけは関ジャム。

でも最初に紹介された時は、今っぽい…あまり普段聴かない感じかもな…と引っかからなかった。ん!?っとなったのは、セッションが実現した時から。

「Tell me baby」を演奏した、Official髭男dism【オフィシャルヒゲダンディズム】と、関ジャニ∞安田章大さんと錦戸亮さんとの空気感がすごく魅力的で、楽しそうで。ウズウズして止まらないというような錦戸さんのシャウトに心動かされたからだった。

 

それ以来、「Tell me baby」がぐるぐると頭の中でループして止まらなくなって、アルバム「ESCAPARADE」【エスカパレード】が発売されたその日。うっかりタワレコに行ってしまった私はアルバムを手にとって、視聴して、そのままレジへと向かってしまった。

お財布にゆとりなんてなかったのに、聴きたすぎて、アルバムを家に置きたくて、衝動的に購入した。

 

1つ気に入った曲があるだけでは買わなかったかもしれない。けれど、その次に聴いた「LADY」が堪らなくツボだった。柔らかく甘いのに、涼やかだった。

家にアルバムを持ち帰り、それから通して何度も聴いた。きっかけになったのはその2曲だったけど、アルバム全体を通しての雰囲気がとても好みなことに気がついて、この曲もいい!この曲のここが好き!と聴きながらどんどん引き込まれていった。

そのアルバムの中から、特におすすめしたい3曲を紹介する。

 

 

1.「Second LINE」

君からSOS 急に耳に飛び込んだ

今にも消えそうなか細い声だ

その歌い出しで始まるこの曲は、落ち込む君のため、ひた向きに駆け出して会いに行く。そんな一直線な感情が心地よく、何がむしゃくしゃしているのかもわからないような、原因不明の不機嫌に陥った時に聴くにはもってこいな1曲。

タイトルに現代っぽさを感じるけれど、歌詞はもっと個人的で、彼と君だけの世界観。でもベタッとせずに清々しくて、余計なことで頭がいっぱいになりそうな思考回路を跳ね除けてくれる。やたらと明るい曲調になっているのがまた、一生懸命に笑わせようとしてくれるピエロみたいで、思わず笑ってしまう。

4月、想像もしなかった知らせを聞いて、その次の日に舞台を観に行った電車の中で、この1曲だけをひたすら聴き続けた。

 

2.「発明家」

イントロのコーラスと突き抜けるトランペットから、刻まれるリズムが軽やかで、どこかアメリカの映画「ヘアスプレー」に通じるようなミュージカルの高揚感。サックスの音が目立つところも、楽器それぞれにも見せ場がある感じで、聴いていて楽しい。

好奇心を肯定して、ためらうものから脱出してしまおうという歌詞からのメッセージが、不思議なほど背中を押してくれる。

そこに理由がなくても知識がなくても気にしないで 

この言葉を投げかけることができるのってすごいことだと思っていて、夢を語ると、理由や知識、理屈をまずは話してみよと言ってくる人はいつも居て、でも実際大切なのはその理由を説明するため立ち止まってしまうことではなくて、好きだ!とか、気になる!っていう好奇心をどれだけ削られずに持ち続けていられるかだと思う。

 

誰もが明日の発明家 研究成果は

独りで悩んでいた冴えない夜の向こうだ

発明家 絶対そうなんだ

何度で何度でもつまずくから僕らはジーニアス 

絶対的な好奇心。人に説明できる理由が言葉として無くたって、それはきっと本物。そんな気持ちになれる。

だからこの曲が嬉しくて、“止めないで”という歌詞に勇気がわく。

 

 

3.「ノーダウト」

今放送中のドラマ「コンフィデンスマンJP」の主題歌にもなっているこの曲。

イントロからしてお洒落。小粋で、どこか胡散臭くて、まさに詐欺師のような姿をした曲の姿かたち。風刺に皮肉もちくりと効いているけれど、それでも嫌いきれないのは垣間見える人間味があるから。

まるで魔法のように広まってく噂話

偏見を前にピュアも正義もあったもんじゃない

こんなに簡潔に痛烈に言い切る言葉の潔さ。 

やさぐれMAXな気分の時に聴くと、他人に迷惑をかけずに発散することができる。たぶん。

 

この曲だけに限らず、Official髭男dismの曲はボーカルのスカッと通るハイトーンな歌声とメロディーの魅力。そして楽器の音が、ちゃんと聴き入ることのできる余白を残して並べられているところにあると感じる。エレキギターが際立つところがあれば、キーボードが前に出てくるところもある。

キーボードが聴こえるというのが自分的にとても好きなポイントで、規則的すぎず揺らぎのある、ジャズのセッションのような音の弾みを体感できる。

トランペットなどの管楽器の音色、昔の洋楽にも通じるような高揚感のあるメロディー、そういうものが好きな人にはなにかしらヒットする気がしている

Official髭男dism」【オフィシャルヒゲダンディズム】

いつかライブでその歌声が聴きたい。