ドームであることをライブテーマに活かした面白さ。関ジャニ∞ライブDVD「EIGHT×EIGHTER」前編

 

関ジャニ∞に興味を持ち、遡って過去のライブDVDをいろいろ見た中で、大好きだと直感的に感じたライブ。

「EIGHT×EIGHTER おもんなかったらドームすいません」

今から6年前の公演。アルバム「FIGHT」を提げたツアーで、インパクト大なタイトルだなというのが第一印象だった。英字の部分は、エイト バーサス エイターと読む。

オープニングがあって、エンディングがある。映画のように一貫したテーマがありストーリー性のあるものが好きで、このライブがまさにそうだった。コンセプトと構成がしっかり支え合っていて、完成されていたところに感動した。

 

全体のテーマが「野球」

なんとなく感じるもう一つのテーマに「エール」があると思った。

演出の一つ一つが素晴らしく、とにかく楽しい。ライブに行くようになるまで、東京ドームや京セラドームは“野球をしている会場”というイメージが強く、むしろここでライブをするの?!と感じていたギャップを上手く使った…!!と衝撃を受けた。

野球場っぽさを消そうとするのではなく、むしろ際立たせる大胆さ。本来は野球場である場所でライブをしているという、異空間を逆手に取ったこんな演出の方法があったんだと驚きだった。

ライブグッズにも野球要素が散りばめられていて、ツアーTシャツは思い切ったデザインの野球ユニフォーム風のTシャツ。このデザインがとても可愛くて、歴代のツアーTのなかで一番好みだった。そしてペンライトはメガホン型。光がグリーンなのも、ドーム全体に光ることで芝生っぽさがでる。ここまでだけでも、徹底したテーマ作りにテンションが上がる。

 

そしてライブの始まり方が今世紀最大に好きだった。

野球ではお馴染みのサイレン音が鳴り、野球応援の独特なリズムで手拍子が始まって、暗いドーム内に走るカラフルなスポットライトの数々。見える7人のシルエットに聞こえてくるアナウンス。

「皆様、大変長らくお待たせしました。本日の試合、『関ジャニ∞五大ドームTOUR EIGHT×EIGHTER おもんなかったらドームすいません』最終戦関ジャニ∞チームスターティングメンバーを発表いたします。」

そこから「一番、ドラムス、大倉忠義。背番号8」と順にアナウンスされていくワクワク感。それぞれの背番号にも個性がはっきり表れていて楽しい。一人ずつ名前を呼ばれて階段を降りて行って、背番号のアナウンスに合わせてポーズを取っていく流れも好きだった。選手入場のような演出。そしてそれぞれの定位置へとスタンバイ。

このシーンでの安田章大さんの振り向き笑顔は、後世に語り継がれるほど可愛い。最後に呼ばれた横山裕さんが、お辞儀をして、“おねがいします”と口を動かしてから背番号を見せて両腕を高々と突き上げた時の高揚感。

最初のアナウンスが流れている最中、関ジャニ∞がステージに登場していながら派手にではなく普通に立っていて、軽くお辞儀をしたり手拍子をしていたりとフラットな雰囲気で登場してくる感じが好きだった。衣装もユニフォームにジーンズとスニーカーという気張らない感じで、それが良い。

「間も無く、試合開始となります。どなた様も盛り上がって参りましょう」 

という言葉がスタートの合図。このアナウンスが最高。煽りつつも声は淡々としているところがグッときてしまう。

 

ボルテージが上がる会場に、スクリーンに映し出されるトレーディングカード風のメンバー写真。こんなところも芸が細かい。旗が次々に上がっていって、トレーディングカードがわーっと押し寄せて抜けた先にスクリーンにツアータイトルが映され、「LIFE~目の前の向こうへ~」バンド演奏から始まるライブ。

見事に気分が盛り上がる。人のテンションを動かすことは難しいはずなのに、この煽りのうまさはどうやって作るんだろうと不思議で仕方ない。まだ暗くスポットライトの当たらない状態から村上信五さんと安田章大さんが頭の上で手拍子をして煽っているシルエットが見えるところも良い。

このアナウンスが好きでたまらないのは、何回戦目と言うことによって、ツアーの日程とリンクしてリアルタイムで変化していく感じがあることと、毎度違う、その時だけの特別感ができるところに魅力を感じるから。

 

「LIFE」の次に続くのは「宇宙に行ったライオン」

 さらに畳み掛ける「ローリングコースター」は、思いがけず何かを好きになってしまった…!と言う戸惑いとドキドキを感じたことのある人の心にヒットするはず。

「ローリングコースター」の村上さんのパート、“そりゃね 理屈は分からんでもないが”と歌いながら放ったウインクに、関ジャニ∞を知りたてだった頃の自分は見事に打ち落とされた。えっこんな優しい表情を村上さんはするの…!と驚きだった。カメラにしっかりと映された奇跡のウインク。何度見ても新しく恋に落ちる。

そのあとの照れた笑顔も、それに気づいた大倉さんの“やったな”みたいな笑みとアイコンタクトもいい。

  

その空気からの「モンじゃい・ビート」でアップテンポに一気に持っていく変化。歌う。踊る。全身を使って踊るメンバーが楽しい。

「イッツマイソウル」が好きだ!と思ったのはこのライブでのパフォーマンスを見てからだった。渋谷さんのパートで手拍子が揃う空気感が良かった。“ま、そりゃしょうがない”の歌詞で映る横山さんの斜めよこからの角度も完璧だった。