ドラマ考察

ドラマ「海猿」後半 ー バディとして共にいること

果てない想いを 君に捧げよう 握りしめた この手は はなさない 嵐の中でも 真っ直ぐ、“握りしめた この手は はなさない”と届く声が、本当に手を掴まれているような感覚になる。 絶対に離さずいてほしいと、力を込めたくなる。 B'zが歌う、主題歌「OCEAN」 エ…

ドラマ「海猿」前半 ー 船を好きになって、海を知りたくなった

最初に買ってもらったDVD BOXは「海猿 UMIZARU EVOLUTION」だった。 それも、並々ならぬ熱意とプレゼンテーションで買ってもらったもの。 ドラマ放送後、発売を知ったDVD BOX。どうしても。どーしても欲しくて。 ドラマのDVDって2万円もするの!?プレゼント…

どこでもなく、でもここにある。ドラマ「夢中さ、きみに。」

動かさない表情筋が素晴らしい 平熱で、だけど体温がちゃんとある ぎゅっと24分で映る、その機微。 和山やまさん作の漫画「夢中さ、きみに。」がドラマになった。 舞台を観ているみたいな安心感もある。だけど映像だからできる演出の遊び心も感じる。 林くん…

遠回りでも、振り出しじゃない - 第10話「‪いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう‬」最終話 感想

電話を受けた木穂子さんの動揺と、咄嗟に座り込む姿からはじまる最終話。 病院で、引ったくりにあった女の子は状況を知らずに楽観的に話してしまう。 感情を堪えきれない朝陽に、お互いの状況を考えて間に入った練。朝陽と女の子の会話を見ている時の練の表…

思い出が故郷になる - 第9話「‪いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう‬」感想

ちゃんと描き終えてから渡したい似顔絵を、音から取り上げて、途中のまま練に渡した朝陽。 音の抑え込んだ表情が、第1話の無理に決められた婚約者に向けたものと似ていて悲しかった。 木穂子さんが静恵さんの家にやって来たタイミングも印象的だった。 「音…

綺麗な空のはなしがしたい - 第8話「‪いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう‬」感想

会えて嬉しい、でも。 練くんが音に真っ直ぐ向き合うようになった、でも。 いまは音が、練に真っ直ぐには向き合えない。「プロポーズされてます」と正直に話す音だけど、歯切れが悪い。 話しながら、机の上にペンで星を作る様子が印象的で。大事な話であれば…

ドラマ「メンズ校」どこにもないここだけの夏

「今を犠牲にしなければ、未来は手に入りませんか」 先生に尋ねた、野上の質問にドキッとした。 そういうものだと諦めた枠から視点を変えたとき、どっちもが叶うかもしれないと思うことは、考えが青いだろうかと問われた気がした。 家の事情で海外へと行くこ…

しあわせになれ、みんな。ドラマ「姉ちゃんの恋人」に感じずにはいられなかった願い

“この世界は愛だけで成り立ってるわけじゃないし、いい人だけしかいないわけじゃない。” 和輝のナレーションで、芯に触れた第8話の言葉が、心に残り続ける。 人は幸せになってもいい。元からそんなことわかっているつもりなのに、時々忘れる。 ドラマ「姉ち…

レシートに刻まれた日々 - 第7話「‪いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう‬」感想

朝陽くんからの音へのプロポーズ。ロマンチックな瞬間のはずなのに、こんなにも息苦しい。 その指輪に、指を通すことすら躊躇う音の律儀さにクッと胸が苦しくなった。一旦はつけたってよかったはずなのに。それでも。 落ちた指輪に察したような、力の抜けて…

見つけ出せない存在「MIU404 第10話」

視聴者として、志摩や伊吹よりも、久住の顔も動向も見てきているはずなのに、それでも得体の知れない存在を見ているようで。 MIU404 第10話〈Not found〉 わかり合う気が相手に毛頭ないという意味で、会話が成立しない存在を前にした時の、恐怖。 第9話ラス…

聞こえる時、聞こえた瞬間「MIU404 第9話」

サブタイトルの不穏さが、ずっとずっと恐かった。 MIU404 第9話〈或る一人の死〉 もう誰にも無念を感じてほしくない。 警察という職務にあたる以上、困難なことだとわかっているのに、誰一人として欠けず、傷つくことなく。出会った以上、掴んだ手は二度とす…

向けた眼差し。通じる心と通じぬ心「MIU404 第8話」

見つめる眼差し。言葉以上に思いが溢れる。 MIU404 第8話〈君の笑顔〉 見終えた後、言葉を無くした。蓋をして閉じてしまいたかった。どうかそんなことは起きなかったと、すべてがもしもの話だと、ひっくり返してほしかった。 桔梗さんの家に仕掛けられた盗聴…

ポインターが指し示す、今居る場所「MIU404 第7話」

いま自分は、どこにいるのか MIU404 第7話〈現在地〉 そっと隠れて息を潜め、誰にも見つからない。でも見つからないことで、見過ごされる分岐点があるとしたら。 目線を持って行かれる注目どころがあっちにもこっちにもありすぎて、二度目をすぐに見たくなる…

突きつけた矛先、許せない後悔「MIU404 第6話」

繰り返し、思い出す。 MIU404 第6話〈リフレイン〉 ウイスキー、ヘアクリップ。ランプの灯り。ピタゴラ装置。いろんなことがリフレインする。 かつて捜査一課で、志摩が組んでいた同僚。 香坂義孝 相棒だけど後輩で、大切な後輩で。ちゃんと育てていきたかっ…

目の前に居るただ一人のあなた「MIU404 第5話」

ここでならきっと。そう希望を抱いて来た場所が、そうではなかったとしたら。 MIU404 第5話〈夢の島〉 今までずっと、シーンひとつも目線の動きも見逃したくないと食い入るように見ているからこそ、ここで目を逸らすわけにいかない胸の苦しさだった。 ベトナ…

ダブル主題歌の「RUN」と「Mazy Night」2つの相対性について

ダブル主題歌とは一体? どちらがどんな曲を出すのか、バランスはどんなふうになるのか。 ドラマのオープニングとエンディング、それぞれで流れるのを聞いた今、成立していることのすごさを感じて、 この相対性について、考えたくなった。 Sexy Zoneの中島健…

一億円を賭けた彼女の大勝負「MIU404 第4話」

「賭けてみます。今まで勝ったことないけど」 MIU404 第4話〈ミリオンダラー・ガール〉 賭けはもうこりごりだったはずの彼女、青池透子が最後に賭けたもの。 初動捜査は終了となると、集めた捜査内容は有無を言わさず渡さないといけない。それが機動捜査隊の…

転がる先は、一体どこへ「MIU404 第3話」

“ルーブ・ゴールドバーグ・マシン” 連鎖的に運動する仕組みの事(ピタゴラ装置とも言う) MIU404 第3話〈分岐点〉 「誰と出会うか、出会わないか」この人の行く先を変えるスイッチは何か、と話す志摩の言葉が心に跡を残す。 誰と出会うか、については大切な…

解けなかった結び目「MIU404 第2話」

結び目がわからなくなって、解き方もわからなくなって すべての気力を無くした末に起きた、二つの哀しみ。 謝ってほしかった その気持ちは扱い方を間違えれば、どんどん独りよがりに膨れ上がって、凶暴性をはらむ。 MIU404 第2話〈切なる願い〉 しかし、MIU4…

全力並走で追いかけたい。金曜ドラマ「MIU404」

面白い。これ面白い…!!と沸き立つエネルギーで何かしらの発電ができないだろうか。 待ちに待って、焦がれるほど待って。ようやく放送開始にたどり着いた、TBSドラマ「MIU404」 金曜22時が、これからの楽しみになることが嬉しい。 脚本は野木亜紀子さん。 …

遮れぬほど眼差しが語る想い。ドラマ「愛の不時着」

セリの性格で印象深かったのは、“どうしよう”と、ちゃんと困ることだった。 こんなこと大したことない、ではなく、困った時は困っていることを隠さない。元々そうだったわけではなくて、ジョンヒョクのたちと接するようになって、驚く泣く笑う怒るを表に出せ…

脚本、音楽、引きつけられる理由を考えた「愛の不時着」

1人と1人で向き合えばシンプルなことが、束になるとなぜ解けない結び目になってしまうのか。 あらかじめ定められた境遇とは、国籍とはなんだろうと考えずにはいられないドラマだった。 「愛の不時着」(邦題 Crash Landing on You) 話題になっているのは知…

恋しい大阪 ~スカーレットと信楽太郎~

“喜美ちゃん”な戸田恵梨香さんに惚れ込んだまま、「野ブタ。をプロデュース」を2020年にテレビで見ている。 途中から入って、最後まで毎日毎日見続けた、朝ドラ「スカーレット」 見始めたのは、戸田恵梨香さん演じる喜美子が、下宿先でほんのりとした恋心に…

用がないから、会いたかった ー「‪いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう‬」第6話 感想

「恋って何?」と聞いた小さな音に、お母さんは「帰るとこ。」と話した。 なにもかも無くした時に、“帰るとこ”と。 見ていてこの答えを聞いた時に、はじめはピンと来なかった。なにもかもが揃っている時に生まれる感情で、なにも持たないままで始まるもので…

二人だから選ぶ、進まない道。 -「‪いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう‬」第5話 感想

「井吹です。急で申し訳ないんだけど…君に会いたいんだ。」 井吹さんから音への電話、その言葉ではじまった第5話。 井吹さんからの気持ち。練が渡さなかったストーブ。3月のカレンダー。 「‪いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう‬」のなかで、いくつ…

私の部屋、欲しかった生活。 -「‪いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう‬」第4話 感想

練にとってはもう、東京に来て5年の月日が経つ。 5年って、長い。 練は、守らなくちゃいけない人を探して、守りたい人を後回しにしてしまう。 見ていると、それがとにかく歯がゆい。 木穂子さんは自分が練を繋ぎ止めていることを分かっていながらも、「恋人…

このペンであなたに綴る思い - 「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」第3話 感想

ヒールの高い靴を履いて、いくつものショッピングバッグを腕に下げて、高級店を渡り歩く。 買い物を優雅にしている時は、“自分”でいられる。そんな“安心”が漏れ伝わるようで、わかるような、切ないような、シーンだった。 日向 木穂子(ひなた きほこ)さん…

わかりあえる“同じ”を見つけた二人 -「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう‬」第2話 感想

第2話のはじまり、音ちゃんの声で聞く、東京。 ぽつりぽつりと雫が溜まるみたいに重なる声が、音ちゃんの東京での生活の空気を表しているみたいで、聞いていると落ち着く。 備品を取りに急いだり、次から次にすることがあったり、働くってそういう小さなこと…

差し伸べられた手を取った。「‪いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう‬」第1話 感想

第1話を見たとき、衝動的に録画を消した。 音に起こる現実があまりに辛辣だったから。 もう2話も見ない。そう決めた。心揺さぶられ過ぎてそれを受け止めきれなかった。それなのにやっぱり、音ちゃんがこれからどう生きていくのか、それが知りたくて2話3話と…

「僕らは奇跡でできている」高橋一生さんの緻密さと、一輝という人物の観察眼

飛べない鳥って、本当は“飛びたくない鳥”かもしれないですよ。 大阪の天満にある、関テレの入り口にある大きな大きなポスターが、関テレ制作のドラマ「僕らは奇跡でできている」の高橋一生さんに変わっていた。 関東ではフジテレビで放送されているドラマだ…