突き抜けた可愛さと凛々しさで、BUDDiiSがカバーパフォーマンスした「すきっ!〜超 ver.〜」

 

好きだから好き。

“好き”がこんなにカラフルになると気づかせてくれた曲。

「OZ」を見たら、「すきっ!〜超 ver.〜」を見るのが決まった流れになった。

気を利かせたYouTubeが、ひたすらその2つはおすすめに上げてくれる。

 

「超ときめき♡宣伝部」というアイドルの曲を、ボーイズグループの「BUDDiiS」がライブでパフォーマンスをした。

同じ事務所だからこそのカバーの実現。

それも、全身全力フルパワーの完成度で。

照れの次元は遥か彼方で、曲とグループへの尊敬がしっかりあるからこその、本気のパフォーマンス。

 

姿もボーカルも男性として歌うけれど、可愛さはとびきりに。

むしろ男性として歌うからこその魅力がさらに乗っていた。

ひたすらに“すき”が弾けているこの曲。すきのの波状攻撃。避けるのは不可能。

自分の持つ好きにすら大切さを見いだせなくなった時に、誰が何と言おうと、何がどうあろうと好き!を貫いて投げつけてくれるストレートさにぐっとくる。

 

本家の超ときめき♡宣伝部のMVも見た。

すごい。この可愛さと紛うことなき直球を前にして、「すきっ!〜超 ver.〜」を歌おう!と決めたBUDDiiSの心意気に感動した。

台詞もニュアンスも、きっちりコピーしていることもわかって、ますます好きになった。

 

暗転から照明がついて、弾ける笑顔でKEVINさんが歌う。

ここからもう、本気だとわかる。

FUMINORIさんの全力な台詞も清々しい。

メンバーごとのパート分けと、このパフォーマンスでもステージ構成としてのダンスの配置が素晴らしかった。

注目してほしいところへの視線の誘導、横に広くステージを使うフォーメーション、サビでのV字を作りながら歌いながらの移動。どれも緻密ですごい。

 

そして、ハートを手で作っての膝上げステップ。

角度に余念が無く、特にKEVINさんがしっかり直角に膝を上げて踊るところが最高で、しかも手元はハートマークにスライドさせる動きがある。

歌いながらのメンバーは、マイクの位置と体幹を保たなければ声がブレてしまうのを、マイクに歌声が乗るようにキープしていることに感動した。

 

SHOOTさんの歌声が入ることで生まれる、爽やかな抜け感と繊細さ。

MORRIEさんのまろやかな声と、伸びやかさ。

KEVINさんの揺るぎない声の柱と、柔らかさもある響き。

ひとつひとつ魅力ある声が、マイクにのって回ってきたときにワクワクする。

 

人数が多ければダンスで前後被ることもあるなかで、“そんな!”のパートでKEVINさんがしゃがんで、SHOOTさんが“不意に!”と歌いながら不意に現れるところが好きだ。

そこからの姫としてセンターに仰ぎしゃがむメンバーの真ん中で、“髪をほどいたわたし見て”と歌う時のSHOOTさん。

魅せ方が女性アイドルそのもの。目線の外し方の完璧さ。

衣装も、上に羽織るデニムとニット地の柔らかい印象と対照的に、インナーは白いタンクトップになっていて、それに気づくたびにどんなに儚くてもメンズだからこその衣装合わせだとハッとする。

それでも、“絶対 絶対 絶対 これは運命だ”の手の掲げ方、弾み方、可愛さの概念としてマシュマロなんだろうかと思う。

 

MORRIEさんからパートのバトンが続くSHOOTさんが、ぐっと静かなムードに引き込む凄さには、見入ってしまう。

ここでの緩急が、曲の魅力と“すき”という言葉の切実さを増していると思う。

繰り返される“すき”だけど、ひとつひとつに想いが溢れている感覚。泣き出しそうにさえ見える表現力が、森愁斗さんの役者さんとしての魅力でもあると感じずにはいられなかった。

しっとりした雰囲気を生み出してから、“存在 全てが”で軽やかな明るさに戻っていく。

“全てが”のところで、小さい『っ』を入れて弾みをつけるところがいい。

 

KEVINさんの歌いかたが終始好きで、後半の“こぼれそうなんだ もうだめだ”で見せるジェスチャーがとびきりキュート。

SHOOTさんがセンターにやってきて、さらなる“すき すき”アタックがくるところの、先ほどともニュアンスの変わった“すき”と彼方まで飛ばす“すき”の歌声。

放射線状に手を伸ばすそれぞれのダンスと、前に手を伸ばすSHOOTさん。からのメンバーが円形になって花開くようにしゃがむ動きが、しなやかで美しかった。

センターに立つのはMORRIEさんで、今度は弟くんからお兄さんへの兄弟バトンが渡されるのも見ていて楽しい。

 

5分を超えるこのパフォーマンスを、全力投球で魅せていることのかっこよさ。

それぞれの歌声の耳心地よさ。そしてこの曲の良さ。

君が 君であるための存在 すべてが

この歌詞が心に残る。

含みのある歌詞に、自分なりの言葉で繋ぐとしたら、“君が 君であるための存在 すべてが”平穏であってほしい。

 

好きを投げかけたい時に、好きをこれでもかというほど自分が浴びたい時に、

無条件の「すきっ!」が、無条件にくれるエネルギーがある。

カバーなので、音源化までは贅沢を言えないものの、このパフォーマンスをBUDDiiSで披露してくれたこと。全力でやりきってくれたことに、すきを叫びたい。

 

おとぎ話をモチーフにした魅力。迷い込んだ森で出会いたい君に - BUDDiiS「OZ」

 

目覚めると聴きたい。眠る前に聴きたい。

耳にしたくなるハーモニー、そして観たくなるダンス。

 

ボーイズグループ「BUDDiiS(バディーズ)

所属はスターダストプロモーション

知ったのは、ドラマ「君の花になる」で森愁斗さんをきっかけに、「よるのブランチ」でメンバーから2人がロケに参加しているのを見たところから。

ラジオで流れてきた「OZ」を決定打に、YouTubeでまず「OZ」のパフォーマンス映像を探した。

公式チャンネルが載せてくれていたライブ映像が、カット割り含めて素敵な完成度で、思わずループマークをタップしてもう一度聴いた。

 

グループのこと、メンバーのこと、詳しくはないけど、

今「OZ」のBUDDiiSのパフォーマンスが好きだ。

 

BUDDiiS「OZ

作詞・作曲・編曲:KEVINさん

KEVINさんは、BUDDiiSのメンバー。

そして「OZ」の作詞・作曲・編曲をしている。

この歌だけでなく、BUDDiiSの楽曲制作を他にもされている。

 

おとぎ話をモチーフに、メロディ進行がシンデレラの「夢はひそかに」と通ずるものがあると感じる。

オズの魔法使いのモチーフもありつつ、歌詞にはメンバーひとりひとりの名前が潜んでいるらしい。

メンバーが王子のように歌い微笑みかけるこの曲は、ファンにとって堪らないはずだと思った。

 

第一印象は、おとぎ話をボーイズグループで歌うことを含めて、ファンタジーの取り入れ方にセンスが光っているという印象だった。

今も繰り返し聴きたくなるのには、ほかにも魅力がある気がした。まずは音楽面。

「OZ」の、一曲を通しての音(トラック)集めが特徴的で楽しい。相当こだわって作っているのが伝わる。

コーラスの合わせ方。林檎をかじる音の作り方、それに合わせた振り付け。オズになぞらえたライオンか、オオカミ?獣?のポーズ。

サビにやってくる、“大好きだ My Buddy”でハートを描く、ファンへの愛称に絡めたフレーズ。

鉄琴のような音、小さなおもちゃのようなピアノの音と、大きいピアノの音色。

弦を弾くコントラバスのような低音が、どしっと鳴り続け支えているところ。ぷわーんと鳴るトロンボーンのような音。

ビートの打ち方や、ヒューマンビートボックスのように音を録っていると思われるリズム部分などなど。

いろんな音が集まっていて、トラックが緻密に組まれている感覚がする。それでいて、歌声の良さが際立っているのもすごい。

 

何度も見ているのは、Zepp Tour - JOURNiiY -ver.のライブ映像。

開いていく本。暗転の中から振り向く森愁斗さんが歌い出しを担う。

君を信じ守るよ永遠に

大好きだ My Buddy

息多めに儚げでありつつ、ブレない芯と浸透力。

振り向いた時の照明で、横髪に入った2束のパープルのメッシュがギラッと光って、物語に欠かせないヴィランズの妖艶さがあった。

 

ココロ 踏みやられていく

恐れ 踏み乗り越えていく

きらきらと遊び心の可愛さがあるメロディーと対照的に、歌詞には迷いながらも進もうとする葛藤も表れている。

歌い出しの“君を信じ守るよ”も、君が僕を信じてではなくて、

僕が君を、“信じ”ると歌っていることが印象的だった。

 

届け!

甘い想いも いたずら勇気も

ゆらゆら溢れる愛も

夢の中を彷徨う気分さ

かけがえない My Buddy

 

このメロディーラインがぐっとくる理由は理解しながら、それだけではない、その前後のメロディーラインの美しさに惹かれていった。

サビの“ゆらゆら溢れる愛も”の言葉選びと、駆け上がっていく音階が好きで、森愁斗さんが歌った時に“愛も”でかけるビブラートの美しさに感動した。

“My Buddy”のフレーズを歌うメンバーごとに、ハートの形が様々なのも魅力。

形作るハートのイメージはこんな感じがする。

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ダンスのフォーメーションひとつひとつが、人数の多いグループでありながら最大限活かしていてかっこいい。

最初に2人ずつ振り向いて、おじぎをしていく構成も好きになった。

音取りのひとつずつに丁寧なところ、“甘い想いも”のステップ、腕を伸ばす振り付けでステージに広く魅せる動き。何度見ても目が離せない。

KEVINさんが林檎をかじるジェスチャーをしながら微笑むカメラ目線は最高にいい。

歌いながらクッと眉を上げる表情と、その表情をしつつ歌の声量も保っているのがすごい。

 

僕らの声も イビツな心も

くらくら悩ます夜も

愛が芽生え花咲く季節に

君と巡り会う

 

おとぎ話のようで、今を進もうとする“僕ら”の心の歌として聞こえる。

だから明るい気持ちの時だけでなく、迷い込んだ気分の中でも聴きたくなる。

大サビから、KEVINさん、MORRIEさん、SHOOTさんのハーモニーになるところもいい。

TAKUYAさんのボーカルも心惹かれるものがあった。

それぞれに踊る時は踊る時の、マイクに声をのせる時はのせる時の真っ直ぐなパフォーマンスが記憶に残る。

 

曲の魅力に引き込まれながら、この曲を作ったKEVINさんのことを思った。

音を作りながら、歌詞を書きながら、黙々と机に向かいながらどんなにグループのことを思ったのだろうと想像した。

素敵なパフォーマンスで完成した、ライブ映像を見ながら、この曲の魅力と真剣に向き合いたくなって、ここのところずっと考えていた。どうにか書くことができてよかった。

いつか目の前に観ることができたら、嬉しい。

 

8LOOMが花咲くラストライブ

 

終わりが決まっていることは悲劇だろうか

それを知りたくて、見つめていた気がする。

 

8LOOM(ブルーム)としての彼らを観ることのできる期間は限定されていた。

ドラマのキャスティングオーディション、そしてボーイズグループ結成のためのオーディションでもあった1年前の日に、

きっと映像としてこちらが見ることがなくても、多くの役者さんやシンガーさんやダンサーさんが「君の花になる」に参加するためのありったけを注いでいたのだと思う。

 

そこから選ばれた7名。

元からこの形だった7名ではなくて、それぞれに蕾を持った1人ずつが8LOOMとしての形を作った。

実際にグループ活動をしているメンバーが2人いたり、かつてグループを経験しているメンバー、演技経験が初めてになるメンバー、本当にそれぞれの道を歩いて、ここで横並びのラインを描いたことは、奇跡だと思っている。

現実的なことを考えると、期間が限定されているからこそ、実現できたグループだと感じていた。

 

2022年12月4日、日曜日

君の花になる  "Let's 8LOOM" TOUR 〜THE FINAL〜

14時 開演

パラビ配信で視聴

 

チケットは外れてしまったものの、配信とアーカイブが決定したことに歓喜した。

しっかりテレビ画面に大きく映して、カーテンを閉めて、大きめのクッションを抱き締めて万全の体制で待った。

 

開演15分前から配信視聴者にも会場の様子が見えるようにしてくれていて、開演前のアナウンスはメンバー自身。

両サイドのスクリーンには、ドラマ内での8LOOMの様子や、オーディションから追ったドキュメンタリーの映像が流れていた。

ソワソワして、ドキドキして、口が乾いていく感覚。

配信でもライブを観る前はこの感覚になるんだなあと客観視した自分と、8LOOMに対してそう感じていることの楽しさを両方抱き締めた。

 

ラストライブの幕が開く。

持ち曲が限られている中でも、すでに配信されている3曲にプラスして、今回はこれから物語に絡んでくるであろう新曲も披露した。

ダンスでダークな雰囲気と表情を見せつつ、歌詞に恋ゆえの焦ったさと投げやりになりたくなる感情が表れた曲。

曲のクオリティとパフォーマンスのクオリティが成立していることの凄さを、まじまじと見てしまう。

ドラマ内の架空のボーイズグループでは終わらせないという制作側の気合いと、自らの意思でもムーブメントになる熱量を内側から作っていくんだという演者としての本気を感じた。

 

徹底して役へのイメージを身体の中に構築していそうな高橋文哉さんも、喋っている時は比較的ナチュラルな顔を見ることができるけど、

曲フリをするタイミングで、瞬間的に弾になる声色と顔には圧倒された。

 

ドラマのようでいて、現実で、

現実のようでいて、役が被さる時もある。

その劇中劇のような不思議さが心地良かったのは、役名でいる姿も本人でいる姿も程よく地続きで、違いもまた人間味として愛くるしかったから。

 

楽曲「Melody」のパフォーマンスでますます引き込まれてからの短期間でも、高橋文哉さんのオールナイトニッポンXのピンチヒッターとして、宮世琉弥さんを筆頭に揃ったメンバーの賑やかさだったり、

普段聴いている森崎ウィンさんのラジオ「Winning Parade」の特別担当として出演した八村倫太郎さん、森愁斗さん、電話参加の綱啓永さんのお話を聞いて、役ではない時の1人1人のことも関心が深まった。

特に八村倫太郎さんと森愁斗さんは、現在も活動しているグループの曲をラジオで流していたところから、

八村倫太郎さんの所属するWATWING(ワトウィン)の「Honey,You!」MVをチェックしたり、

森愁斗さんの所属するBUDDiiSの「OZ」を聴いたり、関連動画で再生した超ときめき♡宣伝部の曲のカバーパフォーマンス「すきっ!〜超 ver〜」が想定外にくせになっていたりする。

2人に思い入れが深くなるのは、グループ兼任ということにも思いを馳せるから。

スケジュールのことだけでなく、主軸であるグループでの位置。ファンの空気。実際にどうであったかまでは追わなかったけれど、いろんなことを感じながら考えながら、全うする姿に胸打たれていた。

 

なんか好き。なんかいい。と思って、ひたすら見続けた「Melody」のダンス。

ビートが入る、宝くんの“不意に始まる”からのパッと顔を上げてリズムを取る腕と、少し前めに曲げて置く脚。手を変えてもう一度そのリズムで踊るところが最高に好きになった。

今回のライブMCでも話していたように、山下幸輝さんが「Melody」のサビ以外のAメロBメロを振り付けしていたことを、雑誌のインタビューで読んだ時、好き…!!と思った。

MCでさらに、振り付けは30分考えて、構成含めて1時間だったことを知ることができて嬉しかった。

 

ジャニーズのライブ構成が身体に馴染んでいたからか、ドラマ映像を見せることでしっかり確保される着替え時間は新鮮で、マジックテープでばーん!なズボンとかシャツじゃなくていいのか!そっか!と発見だった。

歌の合間には、演技のワークショップのようなコーナー。

ドラマのシーンを役を入れ替えて再現しよう!のコーナーが楽しいのは、これからますます役者としても進んでいこうとするメンバーだからこそだと思う。

その場での配役と、配られた数ページ分の台本。

台詞覚えの時の顔も見ていたくなるのは役者さんの魅力だよな…となかなか無い機会で楽しい。

弾を演じる山下幸輝さんを見てみたかったから、いくつめかの再現コーナーで告白花丸シーンの弾役のクジを山下幸輝さんが引いたのが嬉しかった。

 

弾とあす花のハグのシーンを再現することになって、

弾を演じた高橋文哉さんはあす花を、NOAさんが弾を、駆けて来るあす花のお姉ちゃん、優里を森愁斗さんが演じることに。

弾役はかなりの台詞量で、一生懸命に読み込むNOAさん。でも読める時間は1分だけ。

緊張込みで台詞が飛び飛びになるNOAさんに、助け船で言葉の始めをぽそっと言ってくれる高橋文哉さん。

はじめは復唱していたものの、光る面白センスで高橋文哉さんがすっかり弾モードに。

その時のカメラに抜かれた顔の違いがすごかった。伝えるために台詞を口にしている時と、本気で弾として言っている時の顔は全く別人だった。

クランクアップした今でも、シーンの台詞が呼び起こせるのがすごい。台詞が今もしっかり入っている高橋文哉さんによって、二重人格並の切り替えを見た。

あす花からハグをしに行くシーンなのに、にじり寄ってしまうNOAさんに、そっ…と手のひらを伸ばして静止する高橋文哉さんのシュールさと、役が行ったり来たりする謎展開に「どっち?!」と困り始める森愁斗さんも面白かった。

 

出てきた衣装でピンとくる「Melody」

MVの衣装そのままにパフォーマンスを観ることができた。

「HIKARI」も、あの時のジャケット衣装。

弾として話す姿に、体育館のステージに立つ8LOOMを目の前にしているような感覚になった。

 

綱啓永さんのハイトーン、メンバーの言い方に変えると“ミックスボイス”の魅力が発揮されていて、そして八村倫太郎さんの熱くブレない歌声も頼もしかった。

宮世琉弥さんの繊細な表情ひとつひとつと、ラップの低音ボイスのギャップにも目が離せなかった。

Jr.であるなら先輩たちの曲を歌う楽しみもあるけれど、配信とアーカイブもあることを考えると権利含めてカバー曲は難しい。

それでも、持ち歌の引きと、即興劇のようにしてその場でお芝居に挑戦する要素も盛り込んで、一定時間のライブができていた。

「Come Again」の振り付けレクチャーを山下幸輝さんと八村倫太郎さんが担当して教えてくれたのも楽しかった。覚えやすいキーワードがあるものの、本家のスピードになると難易度急上昇になる。

 

最後?と思いながら観ても、最後なんだなということをメンバーの表情から理解してしまう。

最初の曲の時から、込み上げているのが伝わる顔のメンバーもいて、一瞬前まで大丈夫だったのが一瞬にして変わる表情に、これは止められないくらいにコップから溢れる時の感情だと思いながら見つめるしかなかった。

そういう場所でも、山下幸輝さんは初めから終盤まで楽しそうな空気をまとっていたのが印象的だった。

それが、最後の最後。どうした…!と駆けつけたくなる不意のきっかけで泣いていた。

さっきまで明るく笑っていたのに、気がついたら泣いている。そういう堪え方をするひとを、私は好きになってしまう。大橋和也さんも丸山隆平さんもそういうところがあると感じている。

とにかく目に映る会場の人ひとを見渡していて、上に、右に左に目に焼きつけるように見つめている山下幸輝さんであり宝くんの様子も、印象的だった。 

 

ライブはどうしたって、終わりに近づいてしまう。

「こんなにもたくさんの人を魅了できるとは。僕は思っていませんでした。」

8LOOMの佐神弾でい続けた、高橋文哉さんがそう言った。

素直なその言葉に、心臓がぎゅっとなった。

企画の立ち上げから、オーディション、レッスン。脚本が出来て、撮影、レコーディング。歌番組でのパフォーマンス。実際のライブで8LOOMとしてお客さんを前に、歌う踊る。

プロジェクトがどんな道を進むかは、期待だけでは測り得ないことだったと思う。

1年後の今に居て、どうなったかを見ているから良かったと思えていることで、未知が広がっていた時はどれほどのプレッシャーと覚悟を背負っていたのかと考えてぎゅっとなった。

 


「儚く打ち上げて、どデカく散ろう」と高橋文哉さんがFIRST LIVEの円陣で言ったという言葉が、

LAST LIVEの今回はあえてかどうか、「派手に打ち上げて、儚く散る」と言った。

見届けた。それぞれに気持ちが入る、思い溢れるグループになったこと、最高だと思いながら画面越しにずっと観ていた。綺麗な花咲く瞬間を、観せてくれてありがとう。

これからも水を吸収して、栄養を蓄えて、枝葉を伸ばして花を咲かせて。

ライブが終わるころ、部屋には夕陽が差し込んで綺麗だった。

 

咲きつづける花を思う時、Nissyの「花cherie」MVで表現されたガラスケースにそっとしまう一輪を思い浮かべる。

8LOOMに出会ったいま、咲き続ける花はあると思える。

ドラマ内だけで聴ける曲ではなくて、どの曲も配信リリースをしてくれたこと。いつでも聴けること。それが嬉しい。

 

終わりが決まっていることは悲劇だろうか

さみしくて、受け入れるのが難しい。感情の追いつかなさは、どうしても生まれるものだった。

それでも、魅せてくれたことへの喜びが勝る。

惜しくなるほどになったことへの特別さを感じる。

人は思い出を大切に日々を過ごしていくことができる。どこかで、共演し合う彼らを心待ちにして、

明日の朝もまた、起きたら寝ぼけながら「Melody」を流して、カーテンを開ける。