映画「今夜、世界からこの恋が消えても」好きなところ

 

何となく、伝わってくる雰囲気が心地いい気がすると思って観に行ってよかったと、今でも噛みしめる。

全体的なテーマカラーのような水色がじんわり広がる感覚で、真織と透の空気感や、それぞれの佇まいがしっかり記憶に残っている。

公開日から日が経ってきたので、大きなネタバレにならない範囲での好きなシーンについての話をしたい。

 

序盤に映る、絵に描かれた透に引き込まれていく感覚。

えんぴつで描かれた瞳に、道枝駿佑さんが透として放つ求心力が表れていた。

絵を描いていらっしゃるのは、島田萌さんだと漢字含めて確認できた。あともうお一方、まりえさんという方もエンドロールにお名前があった。

 

ここからは、好きなシーンをひたすらに。

真織がデートでサンドイッチを食べたあと、レジャーシートにごろんと寝転がる。

透と居て居心地が良いことを、「急かない」と言った。

その一言がとても好きだった。落ち着くとかほっとするとも、少し含む意味の違ってくる言葉選びに、思うよりも先に心臓が焦っていない深呼吸のできる空気感があるのは素敵だと思った。

寝転がりやすいように、そっとマグカップをずらしている透の自然な優しさもいい。

 

真織がデートに着て行く服に迷って、選ばなかった方の組み合わせも別の日のデートで着ているところに、日常の女の子を感じて可愛かった。

学校の制服がトップス自由なところも良くて、

「デートに行かない?」と言われる時の透のボトムと真織のスカートがグリーンのタータンチェックで揃っている二人の姿が、カップルのさり気ないお揃いコーデみたいで可愛かった。

泉ちゃんは制服アレンジでチェックの色が違うのも良かった。

 

2回目を映画館で観に行った時、

1回目は1週間前のことだったのに、映画の空気感がとても恋しくなった。

それほど、居心地が良かったのだと思う。

時間軸と様々な心情を受けた上で観ることができて、感じ取ることの幅も増した。特に綿矢泉ちゃんの表情の理由がわかってしまうことがつらかった。

あとはやっぱり、福本莉子さんと道枝駿佑さんの声が聞いていて本当に耳に優しい。

 

オリコンで古川琴音さんのインタビュー記事

福本莉子×古川琴音、『セカコイ』“親友”対談 「記憶」と「記録」について語る | ORICON NEWS を読んで、

大好きなシーンのひとつである、透に対しての泉ちゃんのあの行動がアドリブで、どうしてそうしてみたのかも含めて知ることができた。

その理由がチャーミングで、なおのこと好きなシーンになった。

私は大きな大きな猫が好きだから、泉ちゃんの家にメインクーンノルウェージャンフォレストがいる様子も最高に癒しだった。

特に電話中の時の、ほぼライオンみたいな“モンッ”とした口元が素晴らしかった。

 

そうしなくても大丈夫と分かっていても、ブレーキの音の悲痛さには耳が苦しく、目を閉じてしまう。

真織の直面した出来事の悲惨さが映像に映らずともその音でわかる。

毎朝、真織がその夢で目を覚ましているかもしれないことも。

 

3回目を観に行った時は、

映画館で上映開始が近づくにつれて、どんどんと席が埋まっていって、見た限りは満席になっていた。

ぐっと集中して、みんなで観ている時間っていいなと感じながら、落ち着く水色に染まってきた。

 

今回は透の気持ちがどう募っていったのかに着目できて、好きなシーンも増えた。

そして監督の映す“陽だまり”がやっぱり美しくて、日向ぼっこしてるみたいな感覚になるのが居心地いいのかもしれないと思った。

 

ひまわりの髪飾りを手に取る真織の、アクセサリーショップのシーン。

透の優しい表情にいつも引き寄せられて、映っていないと思っていた透が見つめる真織の様子がガラスに反射して見えると気づいた時、本当に感動して…

見えないと思い込んでいた物語のつづきが、ここに映っている!と思った。

反射で映っているのが透の胸の辺りだったから、透の心の中にいる真織を表すようで、なんて素敵な映し方なんだろうと、また胸打たれる思いだった。

 

真織が持ち歩くメモ帳には、透の1日の流れが書いてあって、

“洗濯”などのルーティンのあとに最後の方に、“→散歩”とさり気なく書いてあったのを見つけて、透、お散歩するんだなあとほっこりした。

家事が一息ついて、とくに鞄を持つでもなくそのままふらっと近所を散歩している、ちょこっと猫背な歩き姿が想像できる。

気に入っている植物のある場所や、空の様子、昨日は無かった花に、ひとり心和らいだりしているのだろうか。

 

真織に「血液型は?」と聞かれて、電車を待ちながら何の気無しに「AB型」と答えた透に、「…ああー(納得)」の感じで頷く様子とその言い方が絶妙ですごく好き。その後の透の「えっ?」も気の抜け具合がいい。

道枝駿佑さんと福本莉子さんの間で共演がこれまでもあったからこその温かみと、道枝さんが透を演じているからこそのニュアンスを感じるシーンだった。

 

モノレールの席で向かい合って話す会話はとても印象的で、

透が家事を覚えたと話した時、「食べてみたい。透くんの手料理」と、シンプルなそこに着目してくれたこと、透にとって特別だったんだろうなって言葉なしの微笑みから伝わる。

大変だったね、でも頑張ったんだね、でもなく。

お姉ちゃんが「犠牲にして…」と言ったのを真っ直ぐ訂正した透だから。

目の前にあることを、真っ直ぐに受けとめてゆく真織に、心許せるところが増えていったのかなと感じる。

 

真織の持つ着眼点という意味では、透がお母さんの話をした時も同様に。

「きっちりした人だったんだね」と言った真織の素敵さについて思う。

聞いちゃってごめんとか、寂しいねとかじゃなくて。うれしそうに微笑んだ透の表情から、親しみが深まっているのが伝わってくる。

そういう表情のひとつひとつから、真織へと募ってゆく想いが溢れていた。

 

 

三木孝浩監督は、映画を撮る際に演者さんに、お手紙と役柄イメージの曲を書いたプレイリストを渡すと聞いた。

曲という形で、形容し難い空気感を互いに共有するのは素敵な方法だと感じた。

なので、きっと明確な曲たちは演者さんや監督の胸にあるのだと思いつつ、自分なりにふと聴いて思い出す感覚も楽しむことができた。

三人の共通プレイリストになりうるのではと直感的に感じたのは、松任谷由実さんの「Hello, my friend」

どの歌詞が誰の想いと色分けしたい訳ではなくて、どうしてもなんだか思い出してしまう。

 

映画公開後のイベントごとは盛り沢山だった。

舞台挨拶だけでなく、SNSすべてで生配信をする企画、三木孝浩監督と脚本の月川翔さんと松本花奈さんがTwitterライブでお話もしてくださった。

Twitterライブでお聞きできたことも興味深く、お二人が参加されている脚本のどこがどう合わさっていて、それぞれに原作からどんな解釈を汲んで脚本描写に入れているのかなどのお話が楽しかった。

おそらく、三木孝浩監督のTwitterアカウントかSTARDUS DIRECTORSのアカウントからアーカイブで見られるはず。

 

さらに、三木監督のTwitterアカウントで、映画「今夜、世界からこの恋が消えても」についての質問コーナーを受け付けて答えてくださった時間があった。

突然の企画に驚き惑いながら、今は今しかないんだとツイートにリアルタイムで気がつけたことに感謝して、ドッドッと心臓が高鳴りながら文字を打った。

 

すると、恐縮で光栄なことにお答えいただけた質問があった。

言葉の権利は三木監督にあると思うので、Twitterの画面リンクをまず貼った上で、何かの手違いで消えていってしまわないよう、文字起こしの形で下に文面として残しておきます。

 

 

質問「教室で二人が話すシーンの日差しが印象的です。陽だまりの映し方でこだわったのはどんなところですか?」
#セカコイおかわり質問タイム

 

三木孝浩監督

「そのシーンが誰目線かで光の当たり方を変えるのですが、例えば教室のシーンは透目線なので真織を逆光に、浜辺のデートは真織目線なので透を逆光にしてます。そうすることで相手に惹かれていく感覚をビジュアルで表現できるのかなと思ってます。」

 

私は映画「陽だまりの彼女」も好きだった。

あの光を美しく映す映像と、上野樹里さんを暖かく映すカメラワーク。松本潤さんの眼差し。

CDショップで可愛らしくヘッドホンをつけてノリノリな彼女と、それをガラス越しの向こうから見つけて一目惚れならぬ何度目惚れをしているのがわかる彼の表情が大好きだった。

だから三木監督と陽だまりについての映し方の話をお聞きできて、本当に本当に嬉しかった。

 

 

質問「真織がアクセサリーを見ているシーンで、それを見ている透を映しながら、ガラスの反射で透のなかに真織も映っていることに3度目で気づきました。あのシーンは、映り込むように意図して撮影されましたか?」
#セカコイおかわり質問タイム

 

三木孝浩監督

気づいていただいて嬉しいです!

カメラマンの柳田さんが綺麗に映り込むように立ち位置とか計算して撮影してくれました。

 

そして言葉にならないほど泣くほど感無量だったのは、この質問への答えだった。

一番お聞きしたいことだった。

でも、まず聞きたいことを聞いていた後で、追いかけるようにどうか…!と届けたかったこの質問は、贅沢なお願いのような気もしていた。

それでも、観たばかりの3回目でようやく気づくことのできた素晴らしい映像について、あのシーンについてお話がしたかった。

答えの通知を見た瞬間、ベッドに頭を埋めた。

 

あのシーンは、物凄いと思っている。

監督、カメラさん、照明さん、制作スタッフさん一人一人が、すごい。

その撮影についてを、「カメラマンの柳田さんが綺麗に映り込むように立ち位置とか計算して撮影してくれました。」と三木監督からお答えいただけたことに、胸がいっぱいになった。

好きなシーンなんだと伝えることができた。「気づいていただいて嬉しいです!」が、こちらこそ嬉しいです!!!!!の気持ちになる。

そしてどう作られていったのかを、教えてもらうことができた。

映画やドラマで、ガラスや鏡が映るたびにドキドキする自分がいる。プロが作っていると分かっていても、映り込みやカメラワークは困難を極めると思っているから。

だからこそ、どの位置に映り込むか、どのくらいの濃さで映り込むか、相当な工夫があったと想像して、そのプロフェッショナルに感動する。

お店の外にいる透だけのアップのカットのみにしなかった、映像美と物語を伝えることへのこだわりを感じるシーンだった。

 

 

映画の撮影地となった、江ノ島も辻堂も横浜も、自分にとっても思い出のある景色がいっぱいなこともうれしかった。

映画を観ながら、この景色知ってる…確か写真も撮ったはずとパソコンから掘り出してみると、見つけられた。

2011年の自分が撮っていた辻堂海浜公園の景色。

「今夜、世界からこの恋が消えても」の透と真織もこの辺りの景色を見ていたのだろうかと思った。

 

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自分にとっても、写真は大切な記憶なのだと思う。

スマホの容量は写真がほとんどを占め、6万5000枚を超えている。

それプラス、一眼レフで撮った写真はデスクトップパソコンに詰め込んであるので、とてつもない。

 

だけど手でペンを持って日記を書くのも、

パソコンで文章を書くのも、

カメラで今見つめるものを撮るのも、

どれも大好きで、大切だ。

「今夜、世界からこの恋が消えても」は、自分が何を大切にしたくて、誰のために何を思っているのかを浮かび上がらせてくれた。

 

1つずつ束ねる愛と暮らせたら - Nissy「I Need You」

 

隣り合うから1つになるのではなくて、

向かい合う相手をちゃんと見つめて愛してる。

 

お付き合いするだけでなく暮らすことをNissyが描いてくれると、こんなにも温かいんだと花束を受け取ったような気分になった。

シンプル。だけど慈しみ【かわいがって、大事にする】が溢れてる。

 

Nissy西島隆弘さん)

I Need You

作詞:西島隆弘さん、Anna Kusakawaさん、H.U.B.さん

作曲:Erik Lidbomさん、西島隆弘さん

編曲:Erik Lidbomさん for Hitfire Production

 

MVの監督は、酒井麻衣さん。

そう、なにわ男子の「初心LOVE」も「ダイヤモンドスマイル」もMV監督は酒井麻衣さん。

ドラマ「明日、私は誰かのカノジョ」の数話の監督もなさっていた。

その前から各方面のお仕事をいっぱいされている方だけれど、なにわ男子そしてNissyでこんなふうにまた出会えることがあるなんてと嬉しかった。

それぞれのMVに表現方法の変化と個性があって、その中に一貫して“人を魅力いっぱいに映す”監督という印象がある。

監督の視点そのものに慈しみがあって、それがNissyの慈しみと重なった時に、とても柔らかい優しさの「I Need You」MVが完成した。

 

好きなところを話しだすと切りがなくなってしまう。

黄色い扉、シャボン玉、少しずつの花、2人分の暮らし。

目覚めて抱きしめ合うシーンがすごく好きで、私はこのシーンを見るたびに明日も微笑んで目覚めようと思うことができる。

扉が開いて、のびーってして、君を見つけてハグをする。

舞うキラキラが綺麗で、ハグも当たり前のようにと言うよりは、今日も隣に君がいて一緒に目覚めて、そのお互いを瞳に映してからギュッとする感じが、当たり前ではない今日の始まりを大切に思っているように見えた。

そこにあるのは色っぽさよりも安心感のハグで、繊細な空気感を表現しているNissyと俳優の大西礼芳さんが素敵だった。

 

エッセンスとして、ドラマ「愛の不時着」「わかっていても」「トッケビ」そのあたりを勝手に感じ取っていて、

これまでの日々を振り返れば、2年以上、必要以外は自宅で過ごすことも増えて、そんな暮らしで彩りを摂取できていたのはドラマの存在も大きい。今もそう。

見てきたドラマを、ページをめくり思い起こすこともできるような空気感をNissy的視点でアレンジしている気がして、Nissyが素敵だなと思ったところや、感性が動いたところはここかなと想像できるのも楽しい。

韓国ドラマと呼ばれるもので今表現されている映像表現の形が、

Nissyがずっと持ち続けてきた感性と、表現したい空気感との相性がとてもいいのだと思う。

 

そこに好きを見いだす人に、Nissyの表現が伝わっていくことで、市場の合致と言うと堅苦しいかもしれないけれど、

受け取れる感覚の人に受け取ってもらえる機会が増えるのではという点で、甘い物にはアイスカフェラテのような素敵なマッチングを見た。

 

扉の描かれ方によって、そんなスペシャルなことができる彼にはまたストーリーがあるのでは?と感じさせたり、ほんの少しの切なさがあるところもいい。

制服の二人からして韓国の制服っぽさを見せられるところもすごいなあと感じる。

リボンの細さ?シャツの襟の大きさ?ベストの感じ?どれによってそう見えるんだろうか。

学生時代の女の子のストレートヘアと、男の子のマッシュっぽく前髪を重めにしているのはポイントかなと思う。

 

窓枠に腰掛けながらアイスを食べる、夏のあの感じもいい。

可愛らしく食べるより、ラフな感じで、それでさ!と元気よく話していそうな様子が微笑ましい。

映画館でポップコーンだって最高じゃないか…

お互いがポップコーン食べても良い派なのもよかったねなんて思いながら見ていた。映画が終わったら感想を喋って、あれ良いよね、ここ観てなかったの?!なんて話をするのかもしれない。

同じ映画を観た思い出ができていくんだなと思った。

 

ドライヤーのシーンで、乾かしづらくなるけど、膝ごと抱き寄せたいNissyの動きと彼女の真剣に髪を乾かそうとする姿が可愛い。

どんな時も見つめるNissyが、歯磨きのシーンでは気を緩めてぼーっと前を向いていて、それを隣でじっと見る彼女の目線も良かった。

 

そしてお花屋さんで働くNissy、大好きです。

それも今回だけのコンセプトとしてではなくて、「花cherie」や「ハプニング」の曲MVでもお花はNissyにとっての大切なテーマで、一貫して魅せてくれるところにも惹かれる。

 

映像の構図として好きだったのが、ランドリーのシーン。

丸型の窓から洗濯物を放るNissyの様子と、あえて開けた状態でクリアに映さずに、閉めて少しかすんで見える映像の作り方に、ケンカをしてしまった2人の不穏さと上手くいかない焦ったさが表れていた。

Nissyと監督とスタッフさん総出で作ってこだわり抜いているから、水滴のバランスも考えに考えたのだろうと思う。右下の水滴バランス、ナイスです。

彼女の探し物が見つかった瞬間、“仲直りまでの”の歌詞で映っているNissyの表情が絶妙で、口元とあのわずかな首の動きで、気まずさも彼女のここからの反応も理解している様子が見てとれた。

立ち去った彼女を目線で見送り、腰に手、もう片方で頭をかくNissyが可哀想だけど可愛くて、また怒らせてしまった…という感じなのかもなと思いながら。

 

 

MV全体の色彩がブルーでまとまっているのかなと感じられたのは、その後のごめんねのケーキのシーンで、

カップケーキのお花、お皿、タッパー、缶、後ろの部屋の壁部分まで明るめのブルーになっている。

さり気なく。でもこのMVを繰り返し見たくなるのは好きなブルーを無意識でも見ていられるからなのだろうと思う。

 

こんなに素敵な日々だから、彼女が眠っていてバタンとベッドから転がり落ちた時の表情に、あれ…夢だった…?と心細くなった。

その心境込みでの演出の細やかさだとしたらすごい。

その後のテーブルに用意された問いかけが最高の休日の訪ね方で、何度惚れさせる気なんだろうと思う。

“←でかける?”

“ダラダラすごす?→”

でかけるの方には、水色のワンピースとカップに入ったドリンク。ダラダラすごすの方には、マーガレットのような花形の砂糖菓子とマグカップ

砂糖菓子の缶を見て、冷蔵庫に入っていたブルーの缶はこれだったんだと気づいた。

せっかくだからでかけようよ!ではなくて、どっちのパターンも用意してくれる紳士さがたまらない。

 

ドライブの先、ラストシーンに出てくるブルーの薔薇が印象深い。

Nissyが大切に見せることに意味がないはずがないと、調べたくなった。

ブルーの薔薇には“夢かなう”、“奇跡”の花言葉がある。

それだけを聞いても素敵だけど、ブルーの薔薇は元は存在しない色だったことから、“不可能”という花言葉を持っていたのが、実現可能になり“夢かなう”になったと知って、NissyらしいLoveの伝え方だなあと思った。

恋愛ごとに限ることなく、不可能だと言われることであっても実現させていこうとする、Nissyのエンターテイメントの象徴でもあると感じた。

 

 

ついにアルバム「HOCUS POCUS 3」がリリースされて、

2022年10月21日のベルーナドームから「Nissy Entertainment 4th LIVE ~DOME TOUR~」ライブツアーがスタートする。

Nissyとしては9th Anniversary。前回のライブ、5th Anniversaryが終わってからこの状況下になって、約3年半ぶりになるライブ。

年月を慎重に見極めて考えて、ようやく日程を組むことができたドームライブなのだと感じている。

東京ドーム公演は、2023年2月16日、17日。

あの日観た東京ドームの景色にまた、帰ることができる。Nissyのステージにまた会える。

 

今回は、まさかの父と行く。

ライブDVDを買うたびに、見せて、ここのここが良くてここに感動して、このこだわりを見てよエンターテインメントなんだよ…と論理的にでも熱く語っていたら、

確かにすごいエンターテインメントだ。次があったら観に行く。と父から決意を告げられて、チケットの責任が重大だった。

シリアルナンバーで受け付けてくれた枠で、チケットを2枚取ることができて、驚くことに厳格な父を連れて行く。

父を横に、手の振りを勇気を持ってするパッションがほしい。

でも「I Need You」は、柔らかい気持ちで一緒に聴く景色が思い浮かぶ。

 

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現実であるかどうかよりも、こうであったらいいなを思い描ける時間が好きだ。

朝、目が覚めると「I Need You」を聴きたくなる。

2人の空気感を見て癒える気持ちがある。1つずつ束ねる愛と暮らすように、嬉しいと感じたことを花束にして、抱えていける日々がいい。

 

買いたかったものお迎えするDAY

 

欲しいものと必要なもの、見極められるようにねと教育されてきた。

確かに、欲しいものばかりを集めていると、生活がおざなりになる。

それでも、無くても衣食住はできるけど、有るから衣食住が彩られるものに惹かれずにいられない。

私にとっては必要不可欠な部類の枠がしっかりとある。

 

自分なりの節度とルールは決めた。

財布の紐は堅い方だと思っている。チケット代は別だけど。

基本は、すぐには飛びつかない。しばらく寝かせてそれでも忘れられなかったら買う。

その基準を超える勢いで、これ!と直感したら逃さず買う。

時期を待ちすぎて売り切れたら、一度世の中に出回った物なのだから、そのうちどこかで見つけられるだろうと気長に思うことにしている。

 

何度も立ち寄っては、今日はまだ。と通り過ぎること多々。

でもこの日は、“これ買いたかった”を迎えに行く日と決めて訪れた。

ひとつひとつをピックアップしていって、お気に入りばかりが並ぶ収穫品に大満足した。

 

大本命は小さなハートモチーフのネックレス。

ほど良くぷっくりさがあって、だけど可愛い可愛いしすぎない。

これ。これがいい。と思いながら、ハートがモチーフのネックレスは選んだことがなくて、ハードルを感じていた。

なのに、これは好き。絶対似合うと確信できた。

何ヶ月も我慢して、ついに今首元に。

意気揚々とお店へ見に行ったら、商品の後ろに隠れていて、ぱっと見無くなったのかとドキッとした。

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なにわ男子デビューの日に購入して大切に着けているシャンパンダイヤと2連着けができて、バランスも完璧なハートに、「ダイヤモンドスマイル」と「初心LOVE」から「1st Love」の気分。

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アクセサリーショップに向かう前、

お腹が空いたからと初めて入ったご飯屋さんでJ-POPが流れていた。

嵐の「カイト」やHey! Say! JUMPの「Your Song」の間に、“もっとあんな恋がしたくて…”と西畑大吾さんの歌声が聴こえてきた瞬間の心臓の跳ね上がり。あれは恋。

耳がピーンとなった。ノリノリで親子丼を食べた。

なにわ男子の「初心LOVE」をこうして店内BGMでも不意に聴けるようになったんだと嬉しかった。

 

ピックアップはまだつづく。

本に挟むしおりでしっくりくるデザインを見つけられずにいて、レシートとか映画の半券とかをとりあえずで挟んでいた。

それはそれで実用的かなと思っていたけど、

数ヶ月前、鉄道の荷物タグのようなチャームが付いているヴィンテージ風のおもしろいしおりが雑貨屋さんにあった。

公式サイトの説明を読むと『古い鉄道の荷物タグをモチーフに…』とある。好きに決まっている。

必要?と聞かれれば、欲しいの方だけど、他で気に入るものがあるとも思えなかった。

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英字で送り先が書いてあって、真鍮のチャームだから使いながら風合いが変わっていくのもいい。

どの本に挟もうか。イメージからもう本を開きたくなる。

 

 

あとペン。文房具には抗えない。

マイルドライナーを愛用していて、蛍光!ラインマーカー!な主張とは違う目に優しい色味が好きでいた。

見たら新色でてるじゃないの。

しかも“ナチュラルマイルド色”でセットになっていて、パッケージには『おだやか色の…』と書かれたらそれは、私のためですか。そう思いたくもなる。

来年の手帳は心惹かれているイラストレーターomisoさんの手帳にすると決めたから、これで色分けをしたい。する。決定。

 

マイルドオリーブの色がすごく良い。

マイルドクールグレーも良いし、マイルドベージュはカフェオレ色。

マイルドダスティピンクもマイルドクリームも良い。結果、全部良い。

セット用のパッケージがジップロック形式になっていて、密閉できるのが個人的にはとてもありがたかった。

きっと沢山の会議を重ねて、絶妙な色の違いをどんな色があるといいのか考え試行錯誤して、ここに完成してくれたゼブラのマイルドライナー開発チームさんありがとう。

 

最後にもうひとつ。

これいいんだよなあと何度も立ち寄っては眺めて、またいつかねと思っていた陶器の小さめの花瓶。

グリーンの釉薬(ゆうやく)が半分かかっていて、下は陶器の白が見えている色味が好みだった。

よく見るとわかる小さな表面のヒビは陶器の印。

急ぎで欲しがるものでもないと待っていたけど、思っていた値段と違って550円と貼られた値札に、こんなに素敵な物が?!と買ってしまった。

普段の一輪挿しには、昔々に吹いて作ったブルーの花瓶かジュースの空き瓶を使うけど、

この小さな花瓶にはちょっとした植物を入れる。生けるほどではない茎の長さの小植物。

カフェで見かけては良いなーと思っていたあの感じを、家でもできると思うと嬉しい。

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帰宅して、一点一点を鞄から取り出して、

これ全部好きなものと噛み締めた瞬間のうれしさ。

花瓶の置き場所を決めて、しおりは一番よく読む文庫本に挟んで、ペンは手帳のそばに置いた。

ネックレスは朝すぐに着けられる場所に。

 

散財は危ういけど、時折こういう日があってもいい。

物の数を増やすと言うよりは、お気に入りの密度を上げていくことに今は心躍る。