宮澤エマさんの歌う「Diamonds Are girl’s Best Friend」香る気品にJewelの輝き

 

宮澤エマさんがミュージックフェアで歌った「Diamonds Are girl’s Best Friend」に、今もなお感動している。

ツンと澄まして、なかなかのことを言い切る歌詞だけど、愛嬌に気品をまとった雰囲気に引き込まれていった。

 

宮澤エマさんが様々なミュージカルに出演されていることは認識していた。

「関ジャム」にもよく出演されていて、控えめでありつつ、聡明そうな居住いからは知識も持ち合わせているように感じられた。

けれど、こんなにもミュージカルで輝く方だとわからずにいた。いつか「関ジャム」で、ミュージカルにテーマを当てた特集を作って、紹介する側として宮澤エマさんにいらしてほしい…!と強く思った。

 

「MUSIC FAIR」や他の歌番組でも、ミュージカル特集が組まれることが増えて、劇場に行かなくては観られないミュージカル俳優さんたちの歌声を聴ける機会ができたことが嬉しかった。

2020年9月12日放送の「MUSIC FAIR」

ラインナップが素晴らしく贅沢で、大地真央さん、海宝直人さん、宮澤エマさん、田村芽実さんが出演。

曲は、サウンドオブミュージックから「私のお気に入り」「EDELWEISS」マイフェアレディから「Luck Be A Lady」「踊り明かそう」ウィキッドから「ポピュラー」「自由を求めて」

そして、“紳士は金髪(ブロンド)がお好き”から「Diamonds Are A Girl's Best Friend」

 

大地真央さんの歌声で「踊り明かそう」を聴けた嬉しさ。これまで歌番組で劇団四季版の歌詞のまま披露されるところをほとんど見たことが無かった、ウィキッドから2曲も取り上げられたこと。日本版ミュージカル「ヘアスプレー」でアンバーを演じるはずだった田村芽実さんの歌声をグリンダとして聴けたこと。

喜びどころはいっぱいあるのだけど、宮澤エマさんが魅せた「Diamonds Are A Girl's Best Friend」に心酔した。

 

曲そのものを初めて知ったのは、ドラマ「glee」で、ショッキングピンクのタイトドレスに、肘より上のロンググローブを身につけたパフォーマンスを見た時だった。

これは何…!!元が知りたい!と衝撃を受けて、マリリン・モンローの演じるローレライに辿り着き、映画を観てこのシーンを知った。劇中の演出も素晴らしくて、釘付けになった。

和訳を見た時は、なんという歌…!と別の角度の衝撃も受けたけれど、老いに離れていく相手よりもダイヤモンドと言い切る清々しさには、まあ一理あるかもしれない…と思ったりした。

 

 

宮澤エマさんが歌う「Diamonds Are girl’s Best Friend」

歌唱力で見せようとするでもなく、歌の世界観に尽くした抑揚、ニュアンスに心奪われた。

声も表情もとびきりキュートで艶やか。気の強さはあるけれど、そこにはダイヤモンドだけを信じるようになった劇中の“彼女”の儚さも含んでいる。

宮澤エマさんにとってこの作品が、この歌が大好きで、大切なこと。尊敬している思いが伝わってきた。

『jewel』を「ジュウォル」と発音するところに感動して、そこでグッと高まる気品に酔いしれる。見える景色は、ホテルのベルベット絨毯が敷かれた大階段。

 

生演奏の楽器の音色も素敵で、まさにショーを目の前で観ている気分。

Tiffany's,”からジュエリーブランドの名前が並ぶフレーズには眩しすぎる煌きがあって、宮澤エマさんの発する“Tiffany's,”のニュアンスがまた可愛くて。“ハリー・ウィンストンのことを話して すべてを知りたいの”と訳されているフレーズを畳み掛ける流れに見惚れてしまう。

前後のお芝居が無くても、あの瞬間、歌っている宮澤エマさんはすっかりローレライだった。

紳士を翻弄しダイヤモンドこそがBest Friendと歌う彼女に、私はすっかり心奪われていた。