1日だって出掛けずにいられなかったはずが、今や居ようと思えばいくらだって部屋でぐでんぐでんしていられるようになってしまった。
たまにはそんなこともあるだろうと思っていたけど、休日が何度巡ってきても出掛けもせずにいることに、ちょっとした危機感を覚えた。
さすがに今日は。そう思って、ほんのすこしのお出掛けをした。
目的も大してなくて、あそこでたこ焼きが食べたいなーとかその程度。
天気だけは良かったから、外を歩くのは気分が良かった。花壇に菜の花がわあっと咲いていて、イヤホンから実写版「美女と野獣」のサントラを流していたところに見えた菜の花は、「朝の風景」のリプライズを歌うベルの空気感にぴったりきていて、これは楽しいなと思いながら桜より早い満開の菜の花を見た。
とくに興味はないつもりでいたけど、外に出てきたからには気になる場所は見て歩こうと、何軒かウィンドウショッピングをする。
ここも入っておこうか、と入ってみたお店。
奥の方にMarshallのスピーカーが置いてあるのを見つけてすーっと吸い寄せられるように近づくと、その横にMarshallマークのついたヘッドホン。
デザインがとてもよくて、シックだけど可愛らしいフォルムだった。マークのぷっくり具合はアンプと同じデザイン。「MAJOR II」と書いてあった。
へえ、ヘッドホンもあるんだと値段を見ると、現品限りのため大幅に値下げ。倍近い元値を見る限り、1万円以下の値段で買えることは奇跡のように思えて。
スピーカー関係に詳しいわけでは全くないけれど、それでもここまでMarshallに心惹かれたのは、以前に雑貨屋さんで家庭用のMarshallスピーカーを見つけて視聴した、東京スカパラダイスオーケストラの「Mr.Foolish」の音が忘れられなかったから。
いつか部屋に置けたらと思いつつも、現実的ではない気がしていたところに見つけたヘッドホン。迷っている振りをして内心は買う気になっていた。
視聴が出来るようだったから、自分のiPodに繋いでみる。
ベース音をこれでもかというほど聴きたい私には、重低音がしっかりと聴こえるかが最重要項目だった。
東京スカパラダイスオーケストラ「Mr.Foolish」を流してみると、スピーカーのようにとはいかないまでも、平面的に感じていたバンドの体勢がきっちりとライブの時のバンド配置に整った感覚がした。
いい意味でボーカルが浮いて聴こえる気がして、それがなおさらライブの音感に近いと思った。
ベースとドラムがいきいきと聴こえたらそれでベストだと思っていたけど、見た目までツボなヘッドホン。
今一度検討なんてしていたらもうここには無くなってしまうのは間違いなくて、逃すのが惜しかった。オーケストラの音とベースにドラム、全体の音を溢さず聴きたくて、購入を決めた。
帰りの道中、あれこれと聴いて試した。
関ジャニ∞「NOROSHI」Official髭男dism「夕暮れ沿い」ジャズのムードが強い曲をいくつも。関ジャニ∞の「ローリングコースター」を再生すれば、エレキギターの音までジャキジャキと鮮明に響く。
バリバリのロックを聴くのにもいいのだろうけど、今は好きな曲を聴き比べるので忙しい。
ヘッドホンの中でひとり関ジャム。あの楽器この楽器がいきいきと鳴るセッションが繰り広げられていて、曲中にこんな音していたっけ?と発見があったり、これまで聴いていた印象がガラッと変わるものもある。
長い間、気になるなーと思いながら探すことはしていなかったイヤホンとヘッドホン。
音楽を聴くのも良いし、これでラジオを聴くのも良さそう。関ジャニ∞TVや特典映像、もちろんライブ映像を再生しても臨場感たっぷりになりそう。
beatsのヘッドホンを試した時にはホールド感が痛すぎて無理だと思った私は、これが丁度いいかもしれない。ある程度の圧迫感はあるけど、階段を降りる拍子とかにゆる過ぎて頭からずれることはないのがいい。
嬉しいのは、イヤホンジャックの部分や差し込み口のパーツが金になっていて、アンプさながらのデザインになっているところ。コードの接続部分には断線防止の意味も含めてか、バネのようなパーツがつけられている。
Appleイヤホンと同様に、リモコンとマイク機能も付いているから、曲を選ぶ操作が簡単なのもありがたい。
ヘッド部分にもMarshallのロゴがあった。
お気に入りのヘッドホンを手にした今、コントラバスやベースの目立った曲を沢山聴きたい。舞台「忘れてもらえないの歌」のサントラがあったらなあと強く思う。
衝動買いとも言うけど、これ!を見つけた嬉しさは一際だった。
やる気の無かった外出。予期していなかった買い物ができて、お花見をして、食べたかったたこ焼きを食べて、テンションがほんのり回復した。