イベントに出店することが初めて。文学フリマも初めて。という環境で、参加した「文学フリマ 東京」
遊びに行ったことのないイベントに、いきなり出店というすっ飛ばし方がなかなかのことだというのは、当日になってから自覚しました。
11日24日開催の文学フリマに参加するまでにした準備は、
- 原稿づくり
- 「文学フリマ」への出店エントリー
- 表紙イラストと、デザインの依頼と打ち合わせ
- 印刷会社さんへの発注(私は本とカバーはそれぞれ別会社にお願いしました。)
- ディスプレイを考え小道具の買い出し
- 釣り銭の用意(ここがすっごく大事です。)
- 本は当日の持ち込み。
それらを終えて当日。
大まかにはこのような順序で進めていきました。
製本は早い方がいいと思ったのと、消費税のことがあり、9月31日に発注。
本が届いたのは10月4日、カバーが届いたのは10月7日でした。
やっぱり年末に近づくと印刷会社さんも忙しくなるらしく、11月になって追加できるだろうかとサイトを見たところ間に合う納期ではなかったので、イベント参加の2ヶ月前くらいでの発注は安全策として正解だったと思います。
本を何部刷っていいか検討もつかなかったのも悩みどころ。
調べてみると20部売れたらいいほうで、大手サークルと言われるもので50部ほど。当日に販売する分も必要だけど、手元に残らないのもその後に使うことができない。まとめての発注で割引が効くことも分かって、思いきって50部つくることにしました。
作ったのは文庫本。本自体とカバーを別々に発注したため、カバーを折り込んで、本にきっちり合わせる作業がかなり大変で、印刷会社さんによってはカバーに折り線を付けてくれているところや、もしかするとカバーが付いた状態で製本してくれる所もあるかもしれないので、折るの苦手!という方は注意です。
カバーをお願いしたのは「プリンパ」
まずホームページが見やすくて、紙質を感覚的に選べるところがポイント。
そしてデータ入稿をしてから確認作業をしてくれるので、データミスを未然に防ぐことができて助かりました。
ディスプレイは、販売するのが平たい本ということもあり、とにかく縦に空間を作りたいと意識。
テーブルに敷く布はある程度折り込んでサイズ調整できるものの、縦の長さはしっかりあるものがいいなと思いました。学校の机をイメージしてもらえると分かりやすい気がするのですが、対面する形になる向こう側のブースの足元ってわりとよく見えて、こちらから見えるということは見られているし、お客さんにも見えているはずで、置いてある荷物や本の段ボールを目隠しするためにも、だらんとテーブル下までさげられるものがいいなと思います。
ブースの位置が分かる看板があまり置いていなかったこともあって、店名だけでなく、道案内の役割として“ブース位置の表記”も大事だと感じました。
コンビニプリントの最大サイズで、「ト-32 「大阪滞在記」宛名のないファンレター 三澄まろ」と大きい文字で表記したものを、テーブル前に貼り付けました。布に貼る形になるので、マスキングテープでは太刀打ちできず、ガムテープが必須です。
そしてテーブル上にも「ト-32」を表記。今歩いているここがどこなのか、を伝えることを心がけました。
商品のアピールで大切だったかもしれないと実感したのは、あらすじ。
試し読みはしてもらえるけれど、読まないとわからない本を売るというのは難しいことで、事前の宣伝で興味を持ってもらうか、遠いがかりの一瞬で目を引く表紙を作るか…ディスプレイの段階で出来る事は、パッと見て好きそうな本かどうかを判断してもらえる“あらすじ”を見やすく置くことがポイントになると感じました。
あと置いたのは、名刺とフリーペーパー。
さらっと流し読みできて、好みの文体かどうかを判断してもらおうと用意しました。
そして釣り銭。
銀行にもよりますが、両替を大量にする場合は手数料で500円プラス消費税がかかることを知らずにいた私は、ここで少しつまづきました。
文庫本の店頭での販売価格は980円。どうにか1,000円は切りたいと思ってつけた価格だったのですが、そうなると5千円札と千円札の釣り銭はもちろん、10円玉の釣り銭が必要に。
10円玉をつくるため500円が飛んでいく不正理…なので10円単位のお釣りが必要になる場合は、イベントのずっと前から10円玉貯金をしておくことをおすすめしたいです。
もしくは、枚数制限はありますが両替機は50円までなら崩してくれるので、50円までの区切りで価格設定をするか、思いきって500円 or 1,000円単位の価格にすると釣り銭の推測がしやすいです。
当日、本は40部を持っていくことに。
文庫本のサイズなので、キャリーケースに入れたら荷物はまとまるだろうと思っていたのですが、当日は雨。キャリーケースでは身動きが取りづらいと手持ちで行くことにして、本は厳重にビニール袋で包み、荷物を用意。
しかし侮ってはならない文庫本の重み。肩にのしかかる重み。
基本的にイベントは事前配達で本を先に送っておくことができるので、配送代はかかるものの、身軽に移動できるので素直に使うのも手だなと思いました。
持って行った、こまごました用具は、
ガムテープ、セロテープ、マスキングテープ、ハサミ、マジック、ボールペン。売れた部数を記録するノート。
ガムテープはあるととりあえずなんとかなるので便利。
11月で雨降りだったので、寒いかもしれないとヒートテックにニットを着ていったのですが、「文学フリマ」の会場は暑かった…!設営で動いていたのもあるとは思いますが、開場してからも暑かった。半袖でもいけるのではと思ったくらい。冷房は入れていたとアナウンスがあったので、同時期に参加される方は、さらっと薄めの長袖に重ね着などで温度調節をできるものがいいと思います。
暖かくするというよりは、涼しくなるための温度調節。
「文学フリマ」の雰囲気は、ほどよい賑わい。
開場されてからまず人通りが増えて、「コミティア」と同日だったこともあってか、14時ごろにも賑わいの波がきました。
販売数は、20部未満でした。文学フリマに来たお客さんに、その場で欲しい!と思ってもらうにはまだまだ課題があるなという実感でした。それでもその場で買ってくださる方はいて、自信は持って置いているけれど、驚きでいっぱいで。
本を買ってくださった方の手元には「大阪滞在記」があるわけで、ブログだけで書き続けてきて4年。初めてのイベント参加になった今回、「ブログを読んでます」と来てくださったことのすごさが、大きすぎて。まだ実感が湧かないようなそんな感覚です。
ここに出店している人たち、みんな文章を書いている。
その満ち満ちているエネルギーに気が遠くもなったけど、参加してよかったと思うイベントでした。「文学フリマ」という名前は広まりやすいはずだから、もうちょっと立ち寄りやすい会場での開催になってくれるといいなと思いつつ。
会場内にはカレー屋さんとコーヒー屋さん(クルミドコーヒー)があったことと、そばにタリーズとコンビニがあってくれたのは良くて、飲み物休憩には困らなかったです。クルミドコーヒーでカフェラテがあってくれたらいいなぁと思う。
出店から知った「文学フリマ」
私なりのHow to メモでした。